Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
本作では、束の性格改変などの都合上7巻以降の内容が大きく変わる予定なので、こっちで原作展開をやってしまおうと思いまして。
SIDE 一夏
こんにちは。
織斑一夏だ。
今日の授業は、1学年合同IS実習。
グラウンドには1年生全員が整列していて、いつものように千冬姉が腕組みをして立っていた。
ただ、いつもと違うのは、その後ろに俺とそっくりの男が居ることだ。
なんでも平行世界の俺なんだとか。
タッグマッチトーナメントが襲撃された際に俺が敵の攻撃で気絶している間に現れて、ISよりも弱いパワードスーツで楯無さんと簪を助けた挙句、襲撃者を全て1人で撃破したそうだ。
同一の人間なのに、あまりの実力差に軽くヘコんだ。
俺と名前が同じなため、この世界で過ごしている間は『
そういえば一緒に来た光莉という名前の奥さんがいるって話だが、この演習には参加しないのだろうか?
「織斑・篠ノ之・オルコット・デュノア・ボーデヴィッヒ・凰・更識、前に出ろ!」
おっと、開始早々に専用機持ち全員が呼ばれた。
「先日の襲撃事件で、お前たちのISは更識を除き全て深刻なダメージを負っている。自己修復のため、当分の間はISの使用を禁止する」
「「「「「「「はいっ!」」」」」」」
簪の機体は楯無さんの機体共々、春十が直してくれたらしい。
いいなぁ……。
「さて、そこでだが……山田先生」
「はい!皆さん、こちらに注目してくださ〜い!」
そう言った山田先生の背後には、複数のコンテナが並んでいる。
「なんだろ、あれ?」
「もしかして、新しいIS!?」
「えぇ〜?それならコンテナじゃなくてISハンガーでしょ?」
「なにかななにかな?おかし!?おかしかなぁ!」
のほほんさん、いくらなんでもおかしは無ぇよ……。
「静かに!……ったく、お前たちは口を閉じていられなきのか。山田先生、開けてください」
「はい!それでは、オープン・セサミ!」
『…………?』
「うぅ、世代差って残酷ですね……」
山田先生の掛け声を理解出来た者は居ないようだ。
山田先生のリモコン操作で、コンテナがモーター音を響かせながら開いていく。
その中にあったのは、金属製のアーマーのようなものだった。
「これは国連が開発中の外骨格攻性機動装甲『
「イオス……?」
「Extended Operation Seeker。略してEOSだ。その目的は災害救助から平和維持活動など、様々な運用を想定している」
「あの、織斑先生。これをどうしろと……?」
箒が質問するが、返って来たのはシンプルな言葉だった。
「乗れ」
「「「「「「「「え!?」」」」」」」
「2度は言わんぞ。これらの実稼働データを提出するようにと学園上層部に通達があった。お前たちの専用機はどうせ今は使えないのだから、レポートに協力しろ」
「は、はぁ……」
なんとなくの返事で俺たちは頷く。
用意されたEOSは合計で8機。
俺たち全員が乗っても1機余る。
春十が乗るのだろうか?
他の生徒は、山田先生の指示のもと訓練用ISでの模擬戦の準備をする。
EOSの性能が見れず、かなり残念な様子だ。
どうしたものかと7人で考えていると、千冬姉に頭を順番に叩かれた。
「早くしろ、馬鹿共。時間は限られているんだぞ?それとも何か?お前たちはいきなりこいつを乗りこなせるのか?」
「お、お言葉ですが織斑先生。代表候補生であるわたくしたちが、この程度の兵器を扱えないはずがありませんわ」
「ほう、そうか。ではやってみろ」
セシリアが自信満々に反論するが、千冬姉がニヤリと唇をつり上げるのを見て、全員がぞくっとした恐怖を感じた。
それで、各々がEOSに乗り込んだんだが……。
「くっ、このっ……!」
「こ、これは……」
「お、重い……ですわ……」
「うへぇ、嘘でしょ……」
「う、動かし辛い……」
「…………」
俺・箒・セシリア・鈴・シャル・簪は悪戦苦闘してしまっている。
これを纏うと、いかにISがありがたい代物か身に沁みる。
「…………よし」
「よっ!ほっ!はっ!」
ラウラはEOSの感覚を掴んだようだ。
だが春十、テメェは駄目だ。
なんだよ側転・バク転・バック宙の3コンボは!?
そんなの生身やISでも出来やしねぇよ!
「それではEOSによる模擬戦を開始する。なお、防御能力は装甲のみのため、基本的に生身は攻撃するな。射撃武器はペイント弾だが、当たるとそれなりに痛いぞ。では……はじめ!」
千冬姉が開始の合図をする。
同時に春十がこちらに視線を向ける。
え?
最初のターゲットは俺?
「とうっ!」
春十がこちらに向かってジャンプした。
「って、やっぱり狙いは俺かよ!?てゆーか何だよそのサキエル戦の暴走した初号機みたいなジャンプはうわらばっ!?」
SIDE OUT
SIDE 春十(一夏)
外骨格攻性機動装甲『EOS』ねぇ……。
随分使いにくいものを開発したものだ。
実習前にカタログだけ見させて貰ったが、30kgもするバッテリーを搭載していながらフル稼動で十数分しか保たないらしい。
あっちは戦闘や全力疾走を控えれば数日は動かせる。
さっきはバック宙をかましたが、正直言って生身の方がマシだ。
んで、模擬戦の開始早々にこの世界の俺を転ばせた訳だが、扱いに未だ慣れておらず起き上がれないみたいだ。
これはもうリタイアだな。
さて次は……。
「いただきますわ!」
セシリアがサブマシンガンを構えてフルオート射撃をするが、照準はまったく合っておらず簡単に回避出来た。
「くっ……なんという
ISは射撃・格闘を問わず、その反動はPICなどが相殺してくれるがEOSにはそんなもの搭載されていない。
「ああもう!火薬銃というだけでも扱いにくいのに!」
元の世界のセシリアは、ライダーの時はギガランチャーという戦車の主砲並の実弾兵器をよく使うため、銃器の反動には慣れている。
だがこっちのセシリアは、光学兵器しかまともに使ったことは無いようだ。
「もらった!」
「きゃあっ!?」
懐に潜り込んでセシリアの足を払う。
バランスを崩して転んだセシリアにペイント弾を撃ち込む。
「これで2機」
「そこまでよ!」
背後から鈴がランドローラー出力全開で突っ込んでくる。
「うりゃあ!」
外骨格アームによる正拳突き。
威勢は良いんだが、直線過ぎるな……。
スッ。
パシッ。
「へ?」
身体をずらして突き出された拳を躱し、そのアームを掴む。
そのまま一本背負い。
ドガシャーン!
これで鈴も撃墜。
俺は固まっている篠ノ之・シャル・簪に視線を向ける。
「さあ、誰から来る?」
「わ……わたしは、降参で……」
「ず、ずるいぞ簪!」
「誰から来るんだ?」
「わ、わたしは後でいい!」
「ぼ、僕も……」
簪が早々に降参し、篠ノ之とシャルの譲り合いが始まる。
「シャルロット、お……お前が行ったらどうだ?」
「い、いや箒こそ」
「そう言うな」
「遠慮せずに」
「…………」
「…………」
「じゃあ私から行くぞ!」
「ううん、僕が行くよ!」
「いいや、俺が行こう」
「「どうぞどうぞどうぞ」」
日本文化は良いねぇ。
リリンの文化の極みだよ。
「「…………え?」」
鈴がやったように全速力で接近しながら篠ノ之にペイント弾を撃ち込み、シャルに回し蹴りを放つ。
「うわっ!?」
今の攻撃で篠ノ之はリタイア、シャルは蹴りをガードするがバランスを崩す。
「ほう、耐えたのか」
「えへへ、まぁね……」
「んじゃもう1発」
「わあっ!?」
俺の右ストレートで、シャルは沈んだ。
「凄まじいものだな」
さっきからずっと静観していたラウラが話し掛けて来る。
「静観していたのは俺と1対1で戦うためか?」
「そうだ。嫁と瓜二つなお前だが、教官クラスの実力者と見た」
「そうか。ならば……来るがいい」
「いくぞ!」
ラウラがマシンガンを連射する。
セシリアよりも狙いが正確で、EOSなんて重い鎧を纏っている以上は完全には避けられず、アームの物理シールドで何発か受ける。
弾切れになったのを見計らって、ラウラに突っ込む。
「そこだぁっ!」
ラウラが空になったマシンガンを投げ付けてくる。
それを俺は……。
「キャッチ」
「はぁ!?」
まさか投げ付けた銃をキャッチされるのは予想外だったのだろう。
呆けてしまっているラウラに肉薄する。
「チェックメイト」
「無念……」
ラウラを撃墜して、模擬戦が終了する。
EOSを片付けた後、俺は無人の廊下を1人で歩く。
「随分使いにくいパワードスーツでしたね」
「あぁ。肩が凝ったぜ全く」
懐のカスタムバイザーの中から、光莉が話し掛けて来る。
光莉はIS適性が無いから、俺と違って生徒に混じって授業を受けるなんてことは出来ない。
なのでこういった形で光莉は俺の側に居る。
普通は性別的に逆だと思うんだけどな……。