Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第3話 龍騎士と未来の天災

皆さんこんにちは。

小学生になった織斑一夏です。

今は近所の篠ノ之道場で剣道を習っています。

バイザーが剣だからここでの鍛錬はミラーモンスターとの戦闘で非常に役に立っている。

むしろ捗りすぎてシャインナーガが満腹になり、今はシャインナーガの部下のモンスターが倒したモンスターの生命エネルギーを食べている。

部下が居たなんて驚きだよ。

俺とシャインナーガが契約してからは人間を襲っていないらしいから問題無いけど。

しかしその中に劇場版で仮面ライダーファムと契約していたブランウイングが混じっていたのはびっくりだ。

どうやらサブリーダーらしい。

 

稽古が終わった後。

たまたま道場の裏を歩いていたら、姉と同い年くらいの美人な女性が難しい顔でパソコンとにらめっこしていた。

屋外で何やってんだろ……?

とりあえず話し掛けてみよう。

 

「何やってるの?」

「ん?君は……ちーちゃんの弟くんか。わたしは篠ノ之束だよ」

「織斑一夏です。ちーちゃんって千冬お姉ちゃんのこと?」

「そうだよ〜。そしてきみは『一夏』だからいっくんだね!」

「は〜い。よろしくね『束お姉ちゃん』」

「……いっくん、もう1度束さんのこと呼んでくれないかな?」

「束お姉ちゃん?」

「ぐはぁっ!」

 

束お姉ちゃんが何か凄いダメージを受けている!

何故⁉︎

 

「ど、どうしたの!?」

「ハァ……ハァ……。ふふっ、久々に『お姉ちゃん』って呼んで貰えたよ。束さんには妹がいるんだけどね?真面目で恥ずかしがり屋さんだから呼び方が『姉さん』に変わっちゃったんだよ。いっくんと同い年なのにね……」

「じゃあ俺はずっと呼び方を『束お姉ちゃん』にした方が良い?」

「そうだね!大人になってもそう呼んでくれると束さんはハッピーだよ!」

 

束お姉ちゃんは鼻血を出しながらサムズアップした。

とりあえず止血しましょうか?

 

「それで、何をしていたの?」

「よくぞ聞いてくれたね!束さんはこれを作っていたのだよ!」

 

パソコンの画面を覗くと、何かの設計図が映し出されていた。

 

「インフィニット・ストラトス。宇宙へ飛び立つための翼だよ」

 

そこからは、束お姉ちゃんからインフィニット・ストラトス(通称IS)について色々教えて貰った。

宇宙開発を目的としたパワードスーツ。

その性能はオーバースペックの塊だった。

360度の視界を確保するハイパーセンサー。

宙に浮くための慣性制御機能。

装備の量子変換。

何も無いところで映像を出せる空中投影ディスプレイ。

操縦者を守るエネルギーシールド。

そして現行の兵器を上回る攻撃力、防御力、機動力。

どれを取っても現代の科学技術を置いてけぼりにしている。

 

「ちょっとコレ、凄すぎない?」

「そうだよ!流石は束さんってところだね!ブイブイ!」

「いや、そうなんだけどここまで高性能だと『軍事兵器』としての使い道を見出す人が居ると思うよ。これだと完成して発表したところでISは人殺しの道具として使われることになっちゃうよ?」

「うっ……。それは束さんも嫌だなぁ。どうしよう……」

 

…………………………

 

2人して悩んでいるとミラーモンスターの気配がした。

普段持ち歩いている手鏡を取り出してミラーワールドを見ると、羚羊(レイヨウ)型のモンスター・ギガゼールが帰りの準備をしている門下生たちの居る方へ向かっていた。

 

「ん?どうしたのいっくん?」

 

束お姉ちゃんが何事か聞いてくる。

普通ならここから離れて人目のつかないところで変身すべきだ。

けど束お姉ちゃんになら教えても良いと思った。

ISを設計する技術があるなら、仮面ライダー龍騎の香川教授みたいにアドベントカードの複製とか出来るかもしれない。

 

「束お姉ちゃん、このカードデッキを触りながらこの鏡を見て」

「どれどれ……って何あの怪物!?」

「鏡の世界『ミラーワールド』の住人、ミラーモンスターだよ。捕食対象は主に人間」

「じゃあこのままだと……」

「あっちにいる門下生たちは食べられるだろうね。その次は近くに居る俺たちだ」

「何か手は無いのいっくん!?」

「あるよ。今からそれを見せる。鏡から手を離さないでね」

 

手鏡を束お姉ちゃんに預けてカードデッキを翳す。

そして出現したVバックルにカードデッキを装填する。

 

「変身!!」

 

そして俺は金と銀の入り混じった鎧を纏う騎士、仮面ライダー龍騎士(ドラグナー)へと姿を変えた。

 

「えっ何それ!?」

「後で説明するから。それじゃあ行ってきま〜す」

「ちょっちょっと!?」

 

束お姉ちゃんが何か言っていたが、気にせず手鏡からミラーワールドへ突入する。

 

「グオッ!?」

 

ギガゼールはこちらに気付いて警戒態勢を取る。

対する俺は1枚のカードを取り出して召喚機(バイザー)、龍召剣シャインバイザーに装填する。

 

『THRUST VENT!!』

 

俺の手にシャインナーガの尻尾を模した槍、シャインランサーが出現する。

 

「ハァッ!」

「グルゥッ!」

 

ギガゼールも二股ドリルの槍を取り出し、槍対決となる。

体格差だけなら大人VS子供だが、シャインナーガと契約したことで上昇した基礎スペックと現在習っている武術のおかげで、優勢なのはこちらだ。

 

「おりゃあ!」

「グルアッ!?」

 

ギガゼールの突きにカウンターを放ち、連続で攻撃がきまる。

ダメージの蓄積によってギガゼールが槍から手を離し、膝をついた。

そろそろトドメだな。

再びカードを取り出してシャインバイザーに装填する。

 

『ACCEL VENT!!』

 

身体が軽くなり、視界がクリアになる。

俺は高速でギガゼールに肉薄すると、渾身の突きを放つ。

 

螺旋槍殺(スパイラル・シェイバー)!!」

「ギャアアアアア!」

 

土手っ腹に風穴が開いたギガゼールは10m以上吹き飛び、地面に落下すると同時に爆発した。

そしてギガゼールの生命エネルギーだけが残る。

 

「グルル」

「ん?今日はお前の番か」

 

黒い体色で、両手斧を持った竜人型モンスターが現れ、俺に敬礼したあとギガゼールの生命エネルギーを食べて帰っていった。

シャインナーガの部下のモンスターの1体『ドラゴニュートウォリアー』だ。

 

「さて、俺も帰るか」

 

こうして、初めての人前での戦いは終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……以上が、俺が知るミラーライダーの全てだよ」

「なるほどね〜。しかしこんな折りたたみ式携帯より一回り大きい程度のもので変身したり戦ったり出来るなんて、俄かには信じられないよ。束さんは実際に見たから信じるけど」

 

束お姉ちゃんにはミラーライダーやミラーモンスターについて、全て話した。

カードデッキの入手方法は『道端で拾った』ということにしたが。

 

「鏡の世界か……。宇宙と同じくらい行ってみたいね。これがあれば束さんもミラーワールドに行けるかな?」

「う〜ん……。そのカードデッキは俺かシャインナーガのどちらかが死んで契約が破棄されない限りはそのデッキで俺以外の誰かが変身したり、デッキからカードを抜くことは出来ないからね……。かといってライダーやモンスター同伴で行くとなると生身だから向こうでの活動制限時間が極端に短いし……。ISを設計した束お姉ちゃんなら似たようなものを作れるんじゃない?」

「その手があったね!いっくん、このデッキを借りても良い?」

「だ、そうだけどシャインナーガとしてはどう?」

「デッキ手放す……。マスター、変身出来ない……。もしもの時、困る……」

 

手鏡越しに見ていたシャインナーガを会話に混ぜる。

他のミラーモンスターから得た生命エネルギーによってか、シャインナーガはつい最近言語能力を獲得した。

ただ、慣れない発声のためか片言だが。

で、今の意見を要約するとシャインナーガは束お姉ちゃんの申し出に反対という訳か。

 

「パートナーがこう言ってるし、デッキを貸すのはもっと時間がある時だね」

「そっか〜。残念」

「でもこれなら渡せるよ」

 

デッキから封印のカードを取り出して束お姉ちゃんに渡す。

 

SEAL(封印)?」

「そのカードは持ち歩くだけでミラーモンスターから身を守ることが出来るんだ。シャインナーガと契約した俺にはもう必要の無いものだ。まずはそれを調べてみたら?」

「それは便利だね。ありがといっくん!」

 

束お姉ちゃんの笑顔に見送られ、俺は道場を後にした。

ただ、帰りが遅かったせいで千冬お姉ちゃんの機嫌が悪かった。

恐らく寄り道したとか思っているんだろうな。

束お姉ちゃんと話をしていたと言ったらなんとか許して貰えた。




ドラゴニュートウォリアー

シャインナーガの部下のモンスターの1体。
イメージは遊戯王のアックス・ドラゴニュート。
他にもランサー・ドラゴニュートそっくりなドラゴニュートソルジャーが居る。
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