Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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昼に携帯のバッテリーがピンチのまま外出するという暴挙に出たせいで外出先でバッテリー切れになり投稿が遅れました。
誠に申し訳ないで候。


第58話 その理由とは

SIDE 光莉

 

旦那様がオータムさんを尾行して数日。

わたしは旦那様に呼ばれて、とあるホテルに足を運んでいた。

更識家やその他の者には尾けられていない。

信頼されているのか、それともわたしたちを敵に回した時のリスクを考慮したのか……。

ホテルに入り、事前に教えられた番号の部屋にノックをして入る。

 

「失礼します」

「ん、いらっしゃ〜い。キミが『はるくん』の奥さんの『ひーちゃん』だね?わたしはらぶりぃ束さんだよ、よろしく〜」

 

ひーちゃん……。

人生で初めて頂戴するニックネームですね……。

 

「はい、よろしくお願いします。ところで、今は一体何をしているのですか?わたしは旦那様に、ここに来るようにしか言われていないのですが……」

「実はね……」

 

束さんによると、わたしと旦那様と束さんの3人でマドカちゃんの専用機を作るそうだ。

こっちのマドカちゃんは未だ亡国機業(ファントム・タスク)所属らしい。

普通に考えたら、敵に塩を送る行為だ。

いくら旦那様でも、シスコンを(こじ)らせた程度でやることじゃない。

 

「旦那様は一体何を考えているんでしょう?」

「それは本人に聞いたら?今は屋上でマドちゃんと組手をしているよ」

 

鍛える気満々なんですね……。

とりあえず屋上へ向かいましょうか。

屋上のドアを開けると、ちょうど組手が一段落していたらしく旦那様とマドカちゃんは休憩していた。

 

「ハァ……ハァ……。お前が織斑千冬を倒したということ、あながち間違いでも無いのだな。銃器が禁止とはいえ、こちらの攻撃が掠りもしないとは……」

「さて、どうする?このまま専用機が完成するまで、俺の指導を受けるか?お兄ちゃんは喜んで相手をするぞ?」

「指導は受けるが最後のはやめてくれ!わたしはブラコンなんかじゃない!」

 

亡国機業(ファントム・タスク)に所属していることからなんとなくわかってはいましたが、こちらの世界のマドカちゃんはブラコンではないらしい。

 

「お、来たか光莉」

「はい。マドカさん、わたしは彼の妻の星村光莉です。よろしくお願いしますね」

「…………フン」

 

顔を逸らしながらも握手に応じてくれる。

 

「ところで旦那様、どうしてマドカさんの専用機を作るのに協力するのですか?マドカさんが平行世界の妹だから、というだけではないのでしょう?」

「あぁ、そうだ。ここで話すのもアレだし、一旦ホテルの部屋に戻るか」

 

という訳でホテルの部屋に3人で移動する。

部屋に入ると、内装が少し変わっていた。

束さんが、ホテルの部屋を研究室に改造し始めていたからだ。

 

「大丈夫なんでしょうか、こんなことして?」

「大丈夫だ、問題ない」

「いや、問題だろう」

 

旦那様はネタに走りましたが、マドカさんはテロリストでありながらも常識人のようだ。

 

「では、話を聞かせてもらいましょうか」

「わかった。だがその前に……束さん、この間IS学園に襲撃して来た無人ISは貴女が送り込んだのですよね?」

「うん、そうだよ。それがどうかしたの?」

「束さんには申し訳ないけど、アレは俺たちの世界じゃあ襲撃者としては弱い部類に入ります」

「えぇっ!?あれでも自信作なんだよ!?はるくんが来なければちーちゃんが出る必要があるくらいの性能だったんだけど……」

「俺たちの世界じゃあ、IS学園の専用機持ちのほとんどは仮面ライダーとしての経験値がありますからね。その人たちならあの無人ISを、1対1でも余裕を持って撃破出来るでしょう」

「そんなにか……。随分差があるんだね」

「その通り。俺たちの世界とこっちの世界じゃあ、かなりの実力差があります。あの襲撃に乱入した際、皆があの程度の襲撃者にボロボロになるくらい弱かったから、すごく呆れたものです」

「それとマドカさんの専用機がどう関係するのですか?」

「光莉、ハッキング事件からカフェでクロエに会うまでの間でお前も千冬お姉ちゃんから聞いただろう?こっちの世界の一夏()や、周囲の専用機持ちがこれまでのトラブルをどう解決したのかを」

 

……………………。

なるほど、そういうことですか。

こちらの世界では、クラス代表を決めるセシリアさんとの対戦や銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)との戦闘では、ちょうど良いタイミングでの形態移行(フォーム・シフト)単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)の覚醒。

VTシステムが発動したシュヴァルツェア・レーゲンとの戦闘で勝てたのは、剣VS剣で相性が良かったから。

もし射撃系の受賞者(ヴァルキリー)をトレースしていたら、限定展開&剣1本で挑むのは自殺行為だ。

 

何が言いたいかと言うと、織斑さんたちがここまでやってこれたのは様々な運や巡り合わせ、ご都合主義と言っても差し支えないくらいの奇跡があったから。

つまり……。

 

「運やご都合主義じゃあひっくり返せないくらいの実力差を持つ相手を一夏たちにぶつけたい、そう思ったのさ」

「おい、それじゃわたしは当て馬じゃないか」

「悪い言い方をすればそうだが、俺は本気でお前を強くするつもりだ。別に悪い話じゃないだろう?」

「…………」

 

マドカさんが沈黙する。

理性はともかく、感情ではまだ納得しきれていない様子ではあるけれど。

しかし旦那様の考えには、わたしも賛成ですね。

わたしや旦那様はご都合主義なんてものに頼らず生きてきたのですから。

え?

オーディンとの戦闘で旦那様はヒールベントを引き当てたじゃないか、ですって?

あれは愛の力です。

ご都合主義なんかと一緒にしないでください。

怒りますよ?

 

「そういえば旦那様。IS学園を出る際、楯無さんから伝言を預かっています」

「楯無さん?なんて言ってたんだ?」

「『IS学園で運動会をやることになったわ。当日はあなたたちもいらっしゃい♪』、だそうです」

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