Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第61話 一夏 VS 一夏 (前編)

「織斑先生、ただ今戻りました」

「む、そうか」

 

IS学園の職員室で千冬お姉ちゃんに帰還報告をする。

 

「束に会ったのだろう?わたしの伝言に対して何と言っていた?」

「それに関しては何とも言えませんね。ただ、襲撃の類いはもうしないかと」

「そうだと良いのだがな」

 

千冬お姉ちゃんと共に1年1組へ歩を進める。

今日は光莉もカスタムバイザーには入らず、一緒に歩いている。

 

「話は変わりますが、俺と光莉はそろそろこの世界を発ちます。今日はその挨拶に来ました」

「もう行くのか?…………いや、お前たちが来てから既に1ヶ月以上が過ぎてるな」

「そういうことです。今日までお世話になりました、千冬義姉さん」

「そう呼ばれると何かむず痒いな……」

 

そして教室に着き、HRが行なわれる。

休憩時間に、一夏が話し掛けて来た。

 

「なあ春十」

「どうした、一夏?」

「千冬姉から聞いたんだが、この世界から去るのか?」

「あぁ、そうだ」

「その前にさ、俺と1回戦ってくれないか?平行世界の自分と戦うなんて、2度と無いと思うんだ」

「…………わかった。俺も1度くらいは戦いたいと思っていたしな」

「決まりだな!放課後にアリーナを借し切っておくから、そこでやろうぜ!」

 

一夏との模擬戦か……。

ゴーレムⅢにボロボロにされたアイツが、どれだけ俺に食らいつけるか楽しみだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってんですか、楯無さん」

「あはは……面目ない……」

 

昼休憩。

俺と光莉は、簪と一緒に保健室に来ていた。

そこでは楯無さんが包帯を巻いて点滴を刺していた。

なんでも、運動会の翌日に更識家としてのミッションでアメリカの母艦へ潜入捜査をして、そこで亡国機業(ファントム・タスク)との戦闘になり負傷したのだとか。

 

「無茶しますね……」

「呼んでくださったら、わたしも旦那様も手を貸したんですよ?」

「連絡先教えてないじゃない」

「「あ、そうだった」」

 

これはとんだミスをしたものだ。

 

「さて……簪、楯無さん。俺と光莉は今日、この世界を去ります。その前に放課後、俺と一夏で模擬戦をやります。来ますか?」

「うん、わかった……」

「お姉さん、怪我してるから行きたくても行けないのだけど〜?」

 

楯無さんがふくれっ面になる。

 

「しょうがありませんね」

『TIME VENT!!』

 

タイムベントで、楯無さんを負傷する前の状態に巻き戻す。

 

「うん♪元気100倍・楯無パンマン!ってね♪」

「楯無パンって何ですか?」

「それに(Man)じゃなくて(Woman)では?」

「お姉ちゃんって、実は男性?」

「な訳ないでしょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後。

俺と光莉は一夏が借りたアリーナのピットに来ていた。

簪と楯無さんは観客席の方に居る。

他にも話を聞きつけた女子生徒や教師がちらほらと。

反対側のピットから白式・雪羅を纏った一夏が出て来る。

俺も出るとしますかね。

 

「変身!!」

 

カードデッキをVバックルに装填し、龍騎士(ドラグナー)に身を包む。

 

「じゃあ光莉、行って来る」

「はい、旦那様」

「星村春十、龍騎士(ドラグナー)行きます!」

 

カタパルトに乗って、アリーナへ出る。

 

「来たな、春十」

「待たせたな、一夏」

「気にしちゃいない。さあ、始めようぜ」

「そうだな」

 

ビー!

 

ブザーが鳴って、試合が始まる。

 

『STRIKE VENT!!』

「さあ来い!」

「あぁ、いくぜ!」

 

ナーガクローを装備して、雪片弐型を受け止める。

振り下ろされた雪片弐型を後ろへ受け流し、ナーガクローで殴る。

 

「ぐっ……うおっ!?」

「まだまだいくぜ!」

 

当て身や蹴りを混ぜた体術のコンボで一夏にダメージを蓄積させていく。

密着していたら剣も振れないし、荷電粒子砲を使えば零距離射撃の爆発で自分も致命傷を負ってしまう。

さあ、どうする一夏?

 

SIDE OUT

 

SIDE 簪

 

「凄い……近接戦闘で織斑くんを圧倒している……!」

 

わたしはお姉ちゃんと共に春十と織斑くんの試合を見ていた。

タッグマッチトーナメントの襲撃事件で彼の実力をある程度知っていたとはいえ、わたしの目の前では予想を越えた試合が行われていた。

てっきり春十は織斑くんと剣VS剣の戦いをするかと思ったけど、春十はストライクベントによる至近距離の肉弾戦に持ち込んでいる。

懐に潜り込まれた織斑くんは雪片弐型を思うように振るうことが出来ず、防戦一方となっていた。

 

「一撃必殺の零落白夜を有する白式に、近接戦闘を仕掛けるのは自殺行為。…………そう、普通なら。あんな真逆の発想の戦いをするなんて、元の世界で暮桜に乗った織斑先生と何度も戦ったであろう春十()にしか出来ない技ね」

 

お姉ちゃんの言う通りだ。

春十の戦法を口で言うのは簡単だけど、実行するとなると難しい。

零落白夜の威力にどうしても萎縮してしまうからだ。

エネルギーの無効化という能力には、それだけの力がある。

 

春十が織斑くんを蹴り飛ばして距離を取る。

織斑くんはシールドエネルギーを半分以上削られていた。

 

「くっ……まさか純粋な接近戦で圧倒されるなんて……」

「俺にとって、零落白夜はそこまで怖い存在じゃあないしな。普通に懐へ潜ることが出来るのさ」

「だったらこれだ!いけっ雪羅!」

 

織斑くんが荷電粒子砲を放つ。

対する春十は……。

 

『REFLEQUARTZ VENT!!』

 

スーパーヒーロー大戦において、仮面ライダー龍騎が天装戦隊ゴセイジャーのブラックから貰ったカードで荷電粒子砲を跳ね返した。

 

「ぐはぁっ!」

 

跳ね返った荷電粒子砲が織斑くんに直撃して、織斑くんのシールドエネルギーは残り1割程度まで減少する。

 

「さて、まだやるか?」

「当たり前だ!実力差があるからって降参なんか絶対にしない!」

「…………そうか、後悔するなよ?」

『TIME VENT!!』

 

春十は昼にお姉ちゃんの治療で使ったカードを発動する。

そして白式の減少したシールドエネルギーが完全回復する。

何をするつもりなの、春十?

 

『『SURVIVE!!』』

 

サバイブのカードで、春十の機体……『龍騎士(ドラグナー)』は黄金の鎧に包まれる。

そして春十は剣型の召喚機を抜剣する。

 

「第2ラウンド開始といこうか!」

 

SIDE OUT

 

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