Mirror Rider Stratos【完結】   作:無限正義頑駄無

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第68話 キャノンボール・ファスト

キャノンボール・ファスト当日。

会場はIS学園外に建設されたIS競技場だ。

プログラムは、2年生➡︎1年生専用機持ち➡︎1年生一般生徒➡︎3年生という順番だ。

俺たちは、1年生専用機+本音&楯無さんの11人で集まって、最後の会議をやっていた。

 

「襲撃の気配はありますか?」

「今のところは無いわね」

「それでも(やっこ)さんが来ること前提で考えるべきですよね」

「タイミングは恐らく1年生専用機持ちの部の終盤ですわね。その時にはわたくしたちのISのエネルギーが消耗しているでしょうから」

「その場合、わたしの紅椿の絢爛舞踏でエネルギーを回復させることは可能です。ですが装甲のダメージはどうにもなりません」

「つまり、本来は妨害ありの競技だけどレースそのものに集中した方がいいね」

「うむ。弾薬なども温存するべきだしな」

「まったく、あたしたちは純粋に競技を楽しみたいのになんでテロなんか……」

「鈴、気持ちはわかるがISを女の権利の道具だと勘違いした馬鹿が女尊男卑を蔓延させた時点で、遅かれ早かれ似たような事態になっていたと思うぞ?」

「一夏……」

 

鈴の言うことはもっともだ。

ただ、世界はそうさせてはくれない。

 

「そういや……襲撃が起きた際、観客や一般生徒の避難はどうするんだ?人数も相成ってかなりのパニックになるぞ?」

「そこはわたしたち更識家の者と……」

「俺の契約モンスターで避難誘導をする。外見がロボットで通せるモンスターなら問題無い」

「なるほど……」

「お姉ちゃん、2年生の部そろそろじゃない?」

「え?あらホント。じゃあ簪ちゃん、本音、そして皆、行ってくるわね」

「うん」

「いってらっしゃ〜い」

 

楯無さんが退室し、2年生のレースが始まる。

 

「なぁ一夏」

「どうした鋼夜?」

「敵は……どれほどの規模で来ると思う?」

「束お姉ちゃんが敵に回ってしまいそうなISに片っ端から強制停止信号を送った結果、約120機がそれを受け付けなかった。つまり……」

「それだけのISがこの会場に大挙してやって来るかもしれない、か……。俺たちだけでどうにかできるのか、それ?」

「専用機持ち兼ライダーが9人、紅椿を持った光莉に一時的にIS学園の打鉄を専用機として借りている本音、2年生と3年生に他の専用機持ちが1人ずつ、あと千冬お姉ちゃんに、束お姉ちゃんの無人IS、そして俺の契約モンスターたち。相手の構成員の質にもよるが、戦力としては申し分無いはずだ」

「そう言われれば……そうだな」

「そしてスコールさんとオータムさんが途中から寝返ってくれれば万々歳、といったところだ。上手くいくと良いんだがな……」

「『原作』のようなご都合主義は期待するもんじゃないからな……」

 

鋼夜の言う通りだ。

これまでの戦いで奇跡と呼べる出来事を何度か目の当たりにしたが、奇跡は『起きる』ものじゃなくて『起こす』ものだ。

決して縋る対象ではない。

未来は俺たち自身の手で掴み取るべきものなのだ。

 

『皆さ〜ん、準備はいいですか〜?スタートポイントまで移動しますよ〜』

 

2年生のレースが終わり、山田先生のアナウンスで俺たちはマーカー誘導に従ってスタート位置へと移動する。

 

 

 

3

 

 

 

2

 

 

 

1

 

 

 

GO!!

 

 

 

一斉に飛び出す9機のIS。

スタートダッシュに成功したのは、俺とセシリアの2人。

次いで光莉・シャル・鈴といった感じだ。

マドカ・鋼夜・簪・ラウラはやや後発だ。

ちなみに、セシリアは福音戦でも使用した『ストライク・ガンナー』を、シャルはスペキュラムストライカーを、鈴は高速機動パッケージ『(フェン)』を装備している。

武器の使用は皆が自粛しているが、体当たり程度の攻撃はちらほらと確認できる。

俺は腰からシャインバイザーを抜剣する。

それと同時にセシリアはショートブレード(インターセプター)を展開する。

考えていることは同じか。

 

「せいっ!」

「はぁっ!」

 

コーナーを曲がりながら、俺とセシリアは切り結ぶ。

セシリアの近接格闘術は、学年別トーナメントの時よりもさらに磨きがかかっていた。

 

「あの時よりももっと強くなったんだな、セシリア!」

「もちろんですわ!わたくしの次の目標は不意打ちではなく真正面から貴方に一太刀入れることなのですから!」

「その目標、今のセシリアなら達成できると思うぞ」

「それは光栄ですわ!」

 

セシリアの攻撃が激しさを増していく。

そしてレースが2週目に入った瞬間。

 

ドガァン!

 

先頭を飛んでいた俺とセシリアを、何者かがビームで撃ってきた。

何とか回避した俺たちは、犯人を見るため、視線を上空に移す。

そこには10や20を軽く越える数のISが居た。

やっぱり来やがったか!

 

この瞬間、ISのレース競技は世界の存亡を賭けた戦争へと変わり果てた。

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