Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
SIDE 光莉
「篠ノ之箒さん、刑務所に居るはずの貴女が何故ここに……」
「
拉致?
つまり、彼女にとっては不本意な脱獄……?
「刑務所の中で、一夏や千冬さんに言われたことを思い出し、わたし自身の過去を振り返ってみた。以前のわたしは、一夏が振り向いてくれるほど良い女ではないと、獄中生活で冷えた頭でやっとわかった」
「ではさっき言った、脱獄に乗り気じゃなかったというのは……」
「最初は刑務所にやって来た
確かにその判断は正解ですね。
無理矢理連れ出された場合、敵の本拠地で交渉カードとして監禁されていたのかもしれないのですから。
しかし……旦那様の婚約者であるわたしに、一時の感情で殺人未遂を働いた彼女ですが、刑務所での暮らしで随分変わってくれたようですね。
「巽光莉、わたしの最後の我儘を聞いてはくれないか?」
「内容によります。あとわたしは旦那様と結婚しているので名前は織斑光莉です」
「……そうだったな。それでだが、わたしと戦って欲しい。刑務所に戻る前にお前や一夏たちに認めて貰えるチャンスが欲しいんだ」
「そういうことでしたら構いませんが、ISを持たない貴女は何で戦うというのですか?」
「これだ」
そう言って彼女がポケットから出したのは、ミラーライダーのカードデッキだった。
今まで所在が掴めなかった13個目のカードデッキ。
恐らく
オータムさんやマドカちゃん、そして既に本音さんのものとなっているベルデのデッキを含めると、
1つの組織が世界で13個しかないカードデッキの内、約3分の1を手にするとは……。
恐ろしい限りです。
「いいでしょう。シャルロットさん、わたしは彼女と戦うので他のペアの援護に向かってくれませんか?」
「光莉……。うん、わかった」
シャルロットさんは特に何も言わず、雷轟を駆ってこの場から去る。
本当に、IS学園でわたしは良い友に巡り会えました。
「お前の正体は『ある者』から聞いている。ミラーワールドに行くぞ」
「『ある者』とは……?」
「それは後でわかる。ただ……ひとつ言えるのは、そいつは今、一夏と戦っているだろうということだ」
「旦那様と……」
旦那様の身内と更識家の人間、そしてライダーの皆さん以外でわたしの正体を看破しているなんて、一体何者なのでしょう……?
でも今は、それを考えるのはやめましょう。
誰が相手であろうと、旦那様が負けるはずがありませんし。
「変身!!」
箒さんがライダーに変身して、ミラーワールドに潜る。
わたしもその後を追う。
ミラーワールドにて、ライダーと化した箒さんを観察する。
頭部にはスリット状のアイレンズに弁髪。
左腕には盾型の
そして真紅に染まった身体。
どうやら、旦那様が言っていた『仮面ライダーライア』がベースのようですね。
「仮面ライダー
『SWORD VENT!!』
日本刀型の剣を構え、箒さんが切りかかってくる。
彼女がライダーの力で挑むというのなら……わたしはミラーモンスターの力を以ってして、それを受け止めましょう。
わたしは紅椿を解除して、ミラーモンスターとしての力を、人化を維持できる限界まで解放する。
そしてわたしは、鋭利な爪と堅固な鱗で覆われた右腕で、箒さんの剣をガードする。
「何だと!?」
「これがわたし……織斑光莉の全力です!」
さあ、貴女も全力で掛かって来てください。
かつて旦那様と契約した時のように、わたしが貴女を見極めてあげます!
SIDE OUT
SIDE 簪
「えいっ!」
薙刀型の近接武装『
これまで相手してきた者の言葉に耳を貸してみれば、彼女らの目的は一夏や工藤くんを抹殺して女性が男性の上に立つ社会を作ることだと宣った。
なんて醜悪な目的なのだろうか。
そんなこと、絶対に認めない。
こういった者が相手なら、世界や篠ノ之博士のために一夏がその手を血に染めるというのも頷ける。
いや……寧ろ、こんな者たちが居るから一夏が人殺しにならなければいけなかったのかという憤りが沸いてきた。
「わたしは貴女たちを許さない!ISを道具としか見ず、他人の幸せを傷つける貴女たちを、絶対に!」
48連装ミサイルポッド『
マルチロックシステムによって、複数のISが弱点部分にミサイルを浴びた。
あとは夢現で各機にトドメを刺すだけだ。
「なっ……学園長!?どうしてここに!」
パートナーであるお姉ちゃんの声が周囲に響く。
見ると、そこにはIS学園の校長である
どうして戦場のど真ん中に学園長が!?
「私が基本的に学園外の争いごとに関しては中立の立場を取ります。ですが、私が守る生徒たちに危害が加えられるというのなら、話は別です」
「それは……」
轡木さんがそう言って懐から取り出したもの……それは、不死鳥のエムブレムが描かれたカードデッキだった。
「変身!!」
その掛け声と共に、学園長は黄金のライダーへと姿を変えた。
そしてさらにISの装甲を身に纏うと、テロリストに2本の剣で切りかかる。
『SWORD VENT!!』
「馬鹿な!織斑一夏と工藤鋼夜以外に専用ISを持っている男が居るなんて、聞いてないわよ!」
「それはそうでしょう。ついさっきまで、知っているのは篠ノ之博士だけだったのですから」
学園長がライダー……。
しかも、一夏の
いろいろ気になるところだけど、心強い味方が現れたことに変わりはない。
「行こう、お姉ちゃん」
「えぇ、そうね。学園長ばかり戦わせて、生徒会長は名乗れないものね!」
わたしとお姉ちゃんは学園長……仮面ライダーオーディンを援護するべく、空へと飛び立った。
SIDE OUT
SIDE マドカ
わたしはラウラとペアを組んで、テロリストを殲滅していた。
「100歩譲って、ISを兵器と認識するのはまだ理解できる。でも……」
「女の権力の道具に使うというのは、とても理解できん。それに、決して許せるものでもない」
ラウラの言う通りだ。
本当に……女にしか動かせないISが世間に出回ったというだけで、どうしてこんなことに……。
「マドカ、後ろだ!」
「っ!?」
感傷に浸っていたせいで周囲の警戒が疎かになっていたのか、いつの間にか近接ブレードを携えたテロリストに、背後を取られていた。
既にブレードはわたしに向かって振り下ろされている。
マズい、やられる……!
ドガァン!
「え……?」
わたしを傷つけるはずだったブレードは、何者かの砲撃によって、持ち主もろとも地面へと墜ちていく。
砲撃の主の方を見ると、サイレント・ゼフィルスとそっくりな漆黒のISがあった。
「まったく……わたしの方から兄さんに会いに来てみれば、随分派手なことになっているな」
「その声は、わたし……?」
「そう……わたしもまた、お前と同じ『織斑マドカ』だ」
どういうこと!?
いや、待てよ……?
確かお兄ちゃんと光莉さんは新婚旅行で行った平行世界で、そっちの世界の
「もしかして……お兄ちゃんが言っていた、平行世界のわたし?」
「正解だ。しかしお前は兄さんのことを『お兄ちゃん』だなんて、年不相応な呼び方をしているのか……」
平行世界のわたしは、わたしの質問に答えながら右手のランスをマクロスキャノンみたいに変形させ、テロリストを撃ち抜く。
わたしもテロリストとの戦闘を再開しながら、話を続ける。
ラウラの方は、何故かこちらに合流してきたシャルロットと、即席のタッグを組んでいる。
「いいじゃない。わたし、お兄ちゃんのこと大好きなんだもん」
「兄さんから聞いていたが、本当にブラコンなんだな……」
平行世界のわたしは、嘆息しながらガッツイーグルを模したビットを射出する。
あれ、もしかしてお兄ちゃん作?
お兄ちゃんって、特撮とかを模した装備を作るの得意だし。
いいなぁ……。
もしIS学園を卒業したら、サイレント・ゼフィルスを返還した後AMWに所属して、お兄ちゃんに専用機を作って貰おうかな?
まぁ、今はとにかくこの戦いを生き残らなきゃね。
わたしと平行世界のわたしは、そのままペアを組んでテロリストの乗るISを撃破していった。
SIDE OUT
という訳で、箒ライダー化にオーディンの正体発覚に原作世界のマドカが援軍として出現です。
え?
どうやってマドカがこの世界に来たか、ですって?
原作世界の束がウルトラマンガイアのXIGアドベンチャーをISのパッケージで再現したんですよ……。