Mirror Rider Stratos【完結】 作:無限正義頑駄無
ISが世界に公表されてから1年が経った。
束お姉ちゃんは『もっとISコアを作れ』と催促する政府やIS委員会に嫌気が差し、467個目のコアと『これが最後のコアだよ〜』という旨の置き手紙を残して雲隠れしてしまった。
それに応じて篠ノ之家の面々は『重要人保護プログラム』というものによってバラバラになったらしい。
同じクラスに居た束お姉ちゃんの妹の『篠ノ之箒』も転校していった。
彼女には少しばかり同情するが、俺としては寧ろありがたかった。
何故ならかつて彼女をいじめから助けてからは常に後ろをついて回って来て鬱陶しかったからだ。
そして篠ノ之箒と入れ替わるように転入生がやって来た。
「ちゅゴクからキました
どうやら中国から来たらしい。
まだ日本語がうまく喋ることが出来ないようだ。
休憩時間。
俺は凰さんに話し掛けてみた。
『はじめまして。俺は織斑一夏だ』
『っ!?あなた中国語が喋れるの?』
『ちょっとだけな』
前世の小学生時代でも中国から転校生が来た。
それを機に中国語を少しだけ学ぶことにしたんだ。
結果、日常会話程度なら話せるようになった。
まさか転生後に役立つとは思わなかったよ。
『織斑、わたしに日本語を教えて』
『いいぜ』
俺が通訳を務めることで、凰さんは少しずつクラスに溶け込んでいった。
SIDE OUT
SIDE シャインナーガ
いつからだろう。
マスターに対してこのような感情を抱いたのは。
はじめは幼くしてライダーになった彼が、どんな人生を歩むのかが見たいと思って契約した。
だから多少ミラーモンスターの生命エネルギーの供給が滞っても、すぐに契約不履行とみなすつもりは無かった。
力と決意があったところで、当時のマスターは5歳だ。
だが結果はどうだろう。
マスターは目まぐるしく成長し、わずか1年程度でわたしの部下たちまで養うことが出来るまでに至った。
おかげでわたしとマスターが契約する前よりも皆が格段に強くなっている。
皆も契約している訳でもないのにここまで尽くしてくれているマスターに感謝しているだろう。
そしてわたしも……。
彼がわたしの頭を撫でる時の柔らかな手つき。
そして慈愛に満ちた
ギブアンドテイクの関係だというのに、どこまでも此方を気遣ってくれる優しさ。
もう、自分の気持ちに嘘は
それを認めると同時に決意した。
この想いをマスターに伝えると……。
もしかしたら拒絶されるかもしれない。
そう思うと途轍もなく不安になり、決意が鈍りそうになる。
でも伝えなければずっと後悔するだろう。
まずは想いを伝えるにあたってやらなければならないことがある。
最近になって発現した『
そのためには、しばらくの間マスターから離れてミラーワールドに籠りきりになるだろう。
その間、マスターはわたしのアドベントとファイナルベントが使えなくなるため、部下の力でミラーモンスターと戦うことになる。
束さんは雲隠れする前に、複製した契約のカードをマスターに何枚か渡してあるので問題無いはずだ。
待っていてくださいね、マスター。
SIDE OUT
SIDE 一夏
「ヒヒィィィン!」
「待て!」
こんにちは、織斑一夏です。
俺は今、ミラーワールドで縞馬型ミラーモンスターのゼブラスカルアイアンと戦っている。
ビルとビルを挟んだ路地裏で戦っていたのだが、ゼブラスカルアイアンが体表の
屋上に辿り着くと、ゼブラスカルアイアンは屋上の反対側から隣のビルに乗り移ろうとしていた。
「逃がすか!」
『SHOOT VENT!!』
「ピィィィッ!」
ブランウイングが現れ、俺の手の中で片手持ちの狙撃銃に変形した。
「
放たれた弾丸は、ゼブラスカルアイアンのに命中し爆発を起こす。
「ピィッ!」
ブランウイングが変形を解いて俺の手から離れ、ゼブラスカルアイアンの生命エネルギーを食べて戻って来る。
今思えばさっきブランウイングが変形した白い狙撃銃『ブランスナイパー』は、前世で遊んだ『新・光神話 パルテナの鏡』に登場した『ブラピの狙杖』にそっくりだったな。
この世界でも発売しないかな〜。
ファミコンソフトの『光神話 パルテナの鏡』が存在していることは確認済みだから、あとは3DSが出るのを待つだけだが。
しかし、シャインナーガは今頃何をしているんだろうな……。
数週間前に『やらなければならない事ができた』と言って姿をくらまして以来、1度も会っていない。
束お姉ちゃんは雲隠れする前に複製した契約のカードを何枚もくれたから、その内の1枚でブランウイングと契約することでミラーモンスターとの戦闘には特に支障は無いのだが……。
シャインナーガが身近に感じられないことが、こんなにも寂しいものだとは思っていなかった。
本来、ライダーとミラーモンスターの契約はギブアンドテイクだ。
だが俺は、いつしかシャインナーガとの間に絆を感じるようになった。
もはやシャインナーガは、織斑一夏という存在を構成する要素の一部になっている。
もしシャインナーガが人間で、別の形で出会っていたら惚れてるかもしれないな。
早く帰って来て欲しいものだ。
ミラーワールドから帰還して数時間後。
自室で寛いでいるとシャインナーガが戻って来た。
「マスター、ただいま戻りました」
「よく帰って来たな、シャインナーガ。待っていたぞ」
「しばらく留守にしていて申し訳ありません」
「こうして帰って来てくれただけで十分さ。何をしていたんだ?」
「それを今からお見せします。ミラーワールドに来てもらえませんか?」
「おう、わかった」
カードデッキを持ってミラーワールドに潜り、そこで
ISになった
今となっては「
ただ、生身でのミラーワールドにおける活動限界時間は3分程度なので
ミラーワールドにおける自宅の外で待っているシャインナーガの元へ歩を進める。
「待たせたな」
「いえ、お気になさらず。ではお見せしましょう、この数週間でわたしが習得した能力を」
シャインナーガがそう言った瞬間、彼女の身体が光に包まれた。
光が収まり、そこに居たのは純白のワンピースを纏った黒髪の少女だった。
「シャインナーガ……なのか?」
「はい。わたしはマスターと同じ人間の姿になれる能力を習得したんです」
そう言って微笑むシャインナーガの
人化したシャインナーガは、人間離れした美しさだった。
流れるように腰まで伸ばした黒髪。
凛としていながらも優しさを含んだ顔立ち。
ワンピースからはみ出ている雪のように白い肌。
さっき『シャインナーガが人間だったら惚れているかもしれない』と言ったが、訂正しよう。
俺はシャインナーガがミラーモンスターであろうとも惚れてしまっている。
「マスター、わたしは……あなたのことが好きです!」
そしてシャインナーガは追い打ちをかけるかのように告白をしてくる。
つまり俺たちは両想いという訳か……。
俺は変身を解除してシャインナーガにキスをする。
「マス……んむっ」
「シャインナーガ、俺もお前のことが好きだ」
俺の意思もはっきりと伝える。
シャインナーガは俺の返事を聞いた瞬間、目から涙を溢れさせた。
「マスターも、わたしのことが……?嬉しいです……。夢じゃ……ないんですよね……?」
「あぁ、夢なんかじゃないさ」
目の前の現実が嘘じゃないと伝えたくて、シャインナーガを抱き締める。
「マスターの身体……、温かい……」
俺の温もりを肌で感じ取ったのか、シャインナーガはすっかり落ち着いて俺に身を寄せて来る。
バサッ。
何かの羽音がした。
ブランウイングだろうか?
音がした方へ視線を向けると、そこに居たのは……。
『まさか契約したミラーモンスターと相思相愛の関係になるライダーが居るとは……。驚きですね』
赤と青のオッドアイをもつ不死鳥「ゴルトフェニックス」がこちらを見ていた。
人化したシャインナーガのイメージ
「魔法科高校の劣等生」の司波 深雪。