超A級小姓 アインクラッドを往く。   作:渚カエデ

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キリトとクラインからレクチャーしてもらったランマル。そんなランマルに恐ろしい宣告がなされる。それは……


第3話 デスゲームの始まり

クライン「今日はゲーム初日だかんな。こんなバグも出るだろ。今頃運営は半泣きかもなぁ。」

キリト「そんな余裕かましていいのか?ピザの配達頼んであるとか言ってなかったか。」

ランマル「冷めちゃいますよ。」

クライン「うぉっ、そうだった!冷めたピッツァなんてネバらない納豆以下だぜ……」

ランマル「ボタン以外にログアウトする方法はないんですか?」

キリト「マニュアルにもその手の緊急切断方法は一切載ってなかった。」

うわぁ……大丈夫かな……このゲーム……

クライン「っつーことはこのバグが直るのを待つか、誰かが頭からナーブギアを外してくれるのを待つか、どっちかしかねぇのか。」

キリト「ただのバグじゃない。【ログアウト不能】なんて今後の運営にもかかわる大問題だよ。それなのに運営からのアナウンスも緊急対応の動きもない……妙だな。」

ランマル「問い合わせが殺到して対応が遅れているとか……?」

キリト「それなら原因がわかるまで全ユーザーを強制ログアウトさせるのが筋だ。一体何が……」

そんな中、不安感をさらに掻き立てるような鐘の音が鳴る。そのあと、僕たちは突然、転移させられる。

 

 

 

ランマル「ここは……転移門広場?すごい数の人がいますねえ。」

クライン「こりゃあ全プレイヤーが集められてんじゃねえか?……お?」

空が赤くなり、空と同じ赤色の巨大なローブ姿の男が現れた。なにこれ?まさか今からボス戦じゃないよね?

???「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ。私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ。」

ランマル「茅場さんってSAOの開発者ですよね。これって正式サービスのあいさつですか……?」

キリト「いや……茅場晶彦は今までメディアへの露出を避けてきた。ゲームマスターの役割だって一度もしたことがないんだ。なぜこんなマネを……!?」

茅場「諸君らはすでにメインメニューからログアウトボタンが消滅していることに気づいていると思う。しかしゲームの不具合ではない。これは【ソードアート・オンライン】本来の仕様である。諸君らは今後、この城の頂を極めるまでゲームから自発的にログアウトすることはできない。外部の人間によるナーブギアの停止、あるいは解除もありえない。それらが試みられた場合……ナーブギアの信号素子が発する高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊し、生命活動を停止させる。」

ランマル「それって……死ぬってこと……?そんなことをあのヘルメットが起こせるのですか?これはあくまでゲームですよ!」

茅場「ちなみに現時点でプレイヤーの家族友人らが警告を無視して、ナーブギアの除装を試みた例が少なからずあり、その結果……すでに213名のプレイヤーがアインクラッドおよび現実世界からも永久退場している。」

嘘……でしょ。すでに死人が……出ているの……?

クライン「信じねぇ……信じねぇぞ……オレは……こんなのイベントだろ全部!オープニングの演出なんだろ。そうだろ!」

茅場「今後、諸君らの現実の体はナーブギアを装着したまま、病院その他の施設に搬送され、厳重な介護体制の元に置かれるはずだ。諸君らには安心して……ゲーム攻略に励んでほしい。」

キリト「何を言ってるんだ!ゲームを攻略しろだと!?ログアウト不能の状況で呑気に遊べってのか!?こんなの……もう、ゲームでも何でもないだろうが!!」

茅場「充分に留意してもらいたい。諸君らにとって【ソードアート・オンライン】はもう一つの現実と言うべき存在だ。ヒットポイントがゼロになった瞬間、諸君らのアバターは永久に消滅し、同時に諸君らの脳はナーブギアによって破壊される。このゲームから解放される条件はたった一つ。アインクラッド最上部、第百層までたどり着き最終ボスを倒してゲームクリアすれば良い。」

クライン「クリア……第百層だとぉ!?で、できるわきゃねえだろうが!!ベータじゃろくに上がれなかったって聞いたぞ!!」

茅場「それでは最後に諸君らにとってこの世界が唯一の現実であるという証拠を見せよう。」

すると僕たちの手元になんの変哲もない手鏡が出現した。そこに映る顔は……

ランマル「これは……僕の顔?それに他の人も。」

みんな顔がリアル寄りの顔になる。

クライン「うおっ、オレの顔になってんじゃん……」

キリト「お前がクラインか!?」

クライン「おめえがキリトか!?てーこたぁ……そっちのおかっぱヘアーはランマルかよ!!」

ぼ、僕のリアルの顔が……晒されちゃった。それにアバターも男性仕様になってる。まるで現実世界の僕が今、ここに召喚されたみたいになってる。

クライン「ど、どういうこった。」

キリト「あ、ああ……そういうことか……身長や体格も初回セットアップの時に計測されてる。だからこれは……数値化されていても本物の体であり、命なんだと強制的に認識させるために茅場は俺たちの現実の体を再現したんだ……」

茅場晶彦……すごい技術もってるんだね。どうしてその技術を悪用したんだろ……ホントに勿体ない。

茅場「この世界を作り出し、鑑賞するためにのみ、私はナーブギアを、SAOを作った。そして今、全ては達成せしめられた。以上で【ソードアート・オンライン】正式サービスのチュートリアルを終了する。プレイヤー諸君らの……健闘を祈る。」

そう言うと赤ローブは消滅し、空も元の青空に戻る。

すると広場には怒号、悲鳴、懇願、罵倒。あらゆる叫び声が渦巻く。

「嘘だろ……なんだよこれ、嘘だろ!」

「ふざけるなよ!ここらから出せよ!」

サチ「やだ……こんなのやだよ……お母さん……」

僕が周囲を見ているうちにキリトさんは……いつの間にか姿を消していた。僕も彼を追いかけるように歩き始める。

 

 

 

街の中を歩いているうちに僕は突然、声をかけられる。

???「そこの黒髪のキミ、話がしたい」

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