超A級小姓 アインクラッドを往く。   作:渚カエデ

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ついに始まった攻略戦。果たしてどうなることか……


第6話 第一層攻略戦

トールバーナの噴水前にはすでに攻略組がいた。

ランマル「おはようございます。みなさん。」

キリト「おはよう。ランマル。」

ルナ「よく眠れたかな?」

ランマル「しっかり眠りましたよ。ルナさん。」

ルナ「よかった。」

クライン「おはようさん。ランマル。」

ランマル「お久しぶりです。クラインさん。」

クライン「そうだな。装備は整えたのか?」

ランマル「はい!しっかり強化してきました。」

クライン「そのいきだぜ!ランマル!」

ランマル「はい!」

噴水前の中心を見るとディアベルさんが立っていた。

ディアベル「みんなありがとう!たった今、会議に参加してくれたプレイヤーが一人も欠けずに集まった!」

キバオウ「当ったり前や!ワシらはあんさんを信用してここに集まってきたんやからな!」

ディアベル「オレたちはこれから、第一層迷宮区に向かう。各自、行動はパーティー単位になるが、転移碑から迷宮区入り口に移動。そして、ボスフロアに向かってくれ!」

パーティー単位か……僕はルナさんと組むか。

ディアベル「みんな……オレから言うことはたった一つだ……勝とうぜ!」

ディアベルさんの話が終わると、攻略組から歓声が上がる。

そりゃそうだ。ついにアインクラッド攻略が始まるのだから。

ランマル「ルナさん!僕とパーティーを組みましょう!いいですか?」

ルナ「わかった。いいよ。」

僕とルナさんはパーティーを組んだ。

ランマル「始めてのボス戦……頑張って生き残りましょう!」

ルナ「そうだな!行こう!」

ランマル「はい!」

 

 

 

ここはボス部屋前。僕たち攻略組は途中のモンスターたちを蹴散らしてここまで到達した。

ディアベル「よし、みんな揃ったな。この扉を開いたら、いよいよフロアボスとの戦いだ。ボス部屋に入ったら各自、持ち場について戦闘を始めてくれ。事前の情報にあった通り、イルファング・ザ・コボルドロードはHPが減ると武器を持ち替える。斧から曲刀の持ち替えに合わせて攻撃パターンも変わる。突出しないよう、十分に注意してくれよ。」

ディアベルさんが話を終えると、ボス部屋の扉を彼が開ける。

そこには巨大な赤い身体のボス、コボルドロードがいた。

コボルドロードが咆哮を上げると同時にディアベルさんが号令をかけ、戦闘が始まる。

僕たちは物凄い勢いで降ろされる斧を回避しながら、的確にダメージを与える。

ランマル「うりゃー!」

僕はカタナのソードスキルを発動する。思ったよりダメージが入る。これもクラインさんのレクチャーのおかげだ。

ルナ「そこか!」

ルナさんも片手剣のソードスキルでダメージを与える。ルナさんの戦い方は見た目に反して、パワー重視だ。

やがてコボルドロードはダメージが蓄積したのか、武器を持ち替える。

キリト「後は死ぬまで曲刀のソードスキルを大盤振る舞いだ。対処を間違えなければ死ぬことはないよ。」

ディアベル「主力部隊!ボスを囲め!振り下ろし攻撃が来たら回避しつつ、攻撃を続けてくれ!」

キバオウ「おおっ!やったるで!」

キリト「あ……?違う……あれは……あの武器は……!」

あれ?コボルドロードの武器が曲刀じゃないよ!むしろあれは……

キリト「ダメだ!下がれ!カタナのソードスキルが来る!全力で後ろに跳べーっ!」

ランマル「は、はい!」

僕たちは後ろに下がるが、ディアベルさんが間に合わなかった。

ディアベル「ぐっ……!?」

キバオウ「うおおお!?」

???「情報とは違う攻撃……!?」

まずいよ……てかっ、なんでディアベルさん一人で突っ込んでるの!?最初、突出しないようにって言ってたのに。

ルナ「みんな!前衛がスタンした!追撃が来る……!」

エギル「援護だ!……くそっ!間に合わねえ!」

エギルさんがそう言ったのも束の間、ディアベルさんのHPがゼロになる。

キリト「うおおお!」

???「やーー!」

キリトさんと赤いフードの女の人がソードスキルをコボルドロードに御見舞いする。

コボルドロードは怯んだ。

キリト「ディアベル!」

キリトさんはその隙にディアベルさんの元に駆けつける。

キリト「なぜ一人で突っ込んだ!」

ディアベル「……ベータテスターならわかるだろ?」

キリト「ラストアタックボーナスによるレアアイテム狙い。お前もベータテスターだったのか!?」

ディアベル「……頼む、ボスを倒してくれ。みんなのために……。」

キリト「わかった。」

ディアベルさんは青の結晶と化して消滅してしまった。

リーダーが死んでしまったけど、それでも勝たなくちゃいけない。僕たちはさらに気合を入れ、カタナ使いのコボルドロードと戦う。

???「ぐっ!」

赤いフードの女の人のフードがダメージで消滅する。そこには栗色のロングヘアーの美女がいた。

だが、今は彼女を観てる暇はない。強攻撃のマーカーが出ると、後ろに回避しながら僕たちは隙を見て攻撃を叩き込む。

キリト「行くぞ!」

???「ええ!」

キリトさんと女の人がトドメをさす。キリトさんの片手剣と女の人のレイピア攻撃を受けたコボルドロードは結晶と化して消滅した。

ランマル「ふぅ〜、終わった。でも……ディアベルさんが……」

ルナ「しょうがない。今は一息つこう。」

ランマル「そうですね。キリトさん!おつか……」

僕がキリトさんに声をかけようとした瞬間、キバオウさんが叫ぶ。

キバオウ「なんでや!なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!自分はボスの使う技知っとったやないか!最初からあの情報を伝えとったらディアベルはんは死なずに済んだんや!」

周りからもキリトさんに対する憎しみの声があがる。それどころか他のベータテスターもあぶりだそうとしてる。

なぜかルナさんが前に出ようとするが、キリトさんが声を発する。

キリト「元ベータテスターだって!?オレをあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな。」

キバオウ「な、なんやと!?」

キリト「SAOのベータテストに当選した1000人のほとんどが、レベリングのやり方の知らない初心者だった。今のあんたらの方がマシさ。でもオレはあんな奴らとは違う。オレはベータテスト中に他の誰も到達できなかった層まで登った。ボスの刀スキルを知っていたのは、ずっと上の層で散々、刀スキルを持ったモンスターと戦ったからだ。他にも色々知ってるぜ。」

キバオウ「な、なんやそれ。そんなんベータテスターどころやないやんか!もうチートや!チーターやろそんなん!」

周りの人たちがキバオウのようにキリトさんを罵倒する。

キリト「ベータのチーター。つまりビーターか。いい呼び名だなそれ。これからは元ベータテスターと一緒にしないでくれ。」

そう言ってボスからのドロップアイテムである黒のコートをキリトさんは装備する。

クライン「おい!待て!キリト!」

ランマル「そうです!もう一回話しましょう!僕とクラインさんは罵倒しませんから!」

キリトさんはその声を無視するかのように第二層へ向かう。

クライン「いっちまったよ。キリト……一人で抱え込むなよ……ランマル、お前は困ったら一人で抱え込むじゃねえぞ。俺や隣の子とかに相談するんだぞ!」

そう言うとクラインさんもボス部屋から出る。

残りは僕とルナさんだけだ。

ランマル「ルナさん……あなたもベータテスターだったんですね。」

ルナ「そうだよ。だからベータテスターあぶり出しの時に名乗りでようとしたんだ。でも……キリトがすべて持っていってしまった。どうやら彼は一人で罪を被ってしまったようだ。」

ランマル「どうしましょう。」

ルナ「しばらく彼を一人にしてあげよう。その内、戻って来るかもしれないから。」

ランマル「わかりました。僕はルナさんとキリトさんの味方です。ルナさんも僕のこと、頼っていいですよ。」

ルナ「ありがとう……」

ランマル「では出ましょうか……今日はお疲れ様でした。」

ルナ「そうだね。お疲れ様。」

僕たちもボス部屋を出る。

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