僕は転移門を通り、48層《リンダース》にたどり着いた。ここには攻略組御用達の有名な鍛冶屋がいると聞いてやってきた。
それにしてもここ、リンダースはいいな〜。水車小屋がたくさんあって美しい水の音が流れている。いっそのこと、ここにプレイヤーホームを移転しちゃおうかな〜、っと思ったけどここ、リンダースは下の層の47層《フローリア》ほどではないけど建物の値段が高い。僕は攻略組でしかもソロだからあまり高い家は買えない。
そう考えてるうちに目的の場所に着いた。僕がその店の扉を開くと元気な声が響く。
リズ「リズベット武具店へようこそ!」
この店、リズベット武具店は武具の売買だけではなく、彼女自らハンマーを振り、武器や盾などの装備を強化してくれることで有名なお店だ。しかもNPCより強化成功確率も高いらしい。
リズ「武具の売買ですか?それとも鍛冶ですか?」
ランマル「鍛冶でお願いします。このランマルブレードの強化をお願いします。」
リズ「ラ、ランマルブレードね……わかったわ。しっかり強化するから。」
そう言うとリズベットさんは鍛冶部屋にランマルブレードを持っていった。
あああ……人の前でランマルブレードって言っちゃった。自分で名付けたとは言え、人前で言うのは恥ずかしい。次は普通に《この刀》と言おう。
僕は待ち時間の間に店内を見学する。さすがハイレベルプレイヤー向けの店だ。高級だったり、スペックが高い武具やアイテムが置かれてる。せっかくだからポーションも買おう。
リズ「おまたせ〜!しっかり強化しといたよ。」
リズベットさんが鍛冶部屋から出てくる。彼女が持ってきたランマルブレードは耐久度が上がっている上に攻撃力もかなり上がっている。
ランマル「ありがとうございます!リズベットさん!」
リズ「いいよいいよ。もちろんお代もガッツリいただくからね。」
ランマル「リズベットさんの鍛冶にはかなりの信頼を置いてるので大丈夫ですよ!」
僕はとびっきりの笑顔で答える。それはそうだ。大事な愛刀をここまでパワーアップさせてくれたからね。
でもリズベットさんの顔が少し赤くなっているのは気になった。
リズ「ら、ランマル……その笑顔……あんま、人に振りまかない方がいいわよ……」
え?僕の笑顔ってそんなにすごいのかな?まあ、こう言われたからには笑顔の安売りはやめとこう。へんな男性プレイヤーをその気にさせてしまうかもしれないから。
ランマル「リズベットさんこそ、素敵な笑顔ですよ。」
リズベット「ほ、褒めても安くはしないわよ。」
ランマル「わかってますよ。でもこれは正直な感想です。もしかしたらあなたの笑顔がモチベーションのプレイヤーもいるかもしれません。」
リズベットさんはさらに顔を赤くする。まるでトマトのようだ。
リズ「わ、わかったわ!この言葉はしっかり頭に刻んでおくわね。」
リズベットさん……すぐ顔に出るのが面白いんだよな……
僕はお代を払ってリズベット武具店を出る。
リズ「ありがとうございました!」
ランマル「こちらこそありがとう!」
さて、更に強くなるためにモンスター狩りをしなくちゃね。