特定人類絶対守護 ベリアル   作:ぶ千切れた尻尾

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うおォン……嬉しいよぉぉ……


2-1

 

 

 

 

戦闘はあっさり

会話率高め

 

 

 

side.B

 

『どこまでも傲慢な奴よッ……失せろ!我の風で切り刻んでくれようか』

 

「言われたことを理解するんだなァ──帰れ。ぶちのめすぞ」

 

……チッ。まあ、いくら言葉が通じるからって話だけじゃ引かねえとはわかっちゃいたがなァ。予想以上に執着してやがる……何が望みだ?縄張りに入っちまったか?ありえねえだろ、道付近だぞ。

 

『貴様こそ、言ってもわからんようだなッ!もういい、邪魔な貴様からのけてやる!』

 

「フン」

 

あ〜あ、その気になっちまったか。一丁前に唸りやがって、俺の背後に向田達がいるっつうのに──よォッ!

 

「おるゥ゛ア゛ッ」

『グっ!!なにッ?!』

 

爪の先へ悠長に魔力を募らせていたもんだからよ、思わず蹴り飛ばしちまったぜェ。あんま舐めてっと殺っちまうぞゴルァ。

 

「とろいんだよガキ」

 

『貴様ッ!一度ならず二度までもこの我を若輩扱い──』

 

ドゴォッ!

 

「知るかァァ゛ッ!!」

 

『ぐゥ?!おおォッ!!』

 

ここじゃ向田や鉄の意志(アイアンウィル)達まで巻き込んじまう。だからもう一度、今度は胴体ごと吹っ飛ばす様に蹴ったんだが……意外と、手応えが硬かった。少なくとも見てきた様な軟弱な獣とは違うなァ。

 

「フン……ちっと俺ァ獣を追い払ってくらァ。お前らはのんびり飯でも食ってな」

 

「ベ……ッベリアルさん?!」

「待っ──」

 

呼びかける向田の声を無視して俺は犬コロをぶっ飛ばした方向へ飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よォ、待たせたなァ」

 

『ふ、ぐぅッ……貴様、人間ではないな……?!』

 

「気づくのがちィと遅かったぜ」

 

『貴様が……ッ何者だろうと関係ないわ!ここまで矜持をコケにされてはな!その腕喰い千切ってくれる……!!』

 

ふん。やる気じゃねえか、良いぜ……かかってこいよ。

 

「!」

 

魔法とやらではない。いや、魔法は使ってるンだろォが飛んではこないな。魔法っつうのは己の速度の補強にまで使える、と……ディファレーター光線より便利かもなァ。

 

『グルルルゥアッ!!』

 

「甘ェわッ!!」

 

ちったァ速えが目で追えねえほどじゃね──なにッ?!俺の背後に、風の刃を設置している……たァな!

 

危なかったぜ!実際もう少しでまともにくらうとこだったさァ。

 

『チッ、これも駄目か』

 

「頭は回る様だなァ。獣だ若輩だァつったのは撤回してやらァ!」

 

『グッ……!疾い!』

 

「てめェも速えぜえ、謙遜すんなよォ〜」

 

『舐め腐りおって……ッ!』

 

フン、速えのは速えがその図体が邪魔して行動線が単純だぜェ。俺も今ァ爪で攻撃しているが、棍に持ち変えりゃすぐ届きそうだ。まァ、反撃を考えてギリで避けてなきゃの話だがなァ──

 

『なんなのだ貴様ッ!我が結界を紙屑の様に切り裂きおって……!』

 

「結界……?あァ、変な手応えはそれか」

 

『ニンリル様の加護にかけて、いっそうの奮いを──ッ!!』

 

 

「!まだ出力を上げるかァ」

 

 

 

『ここら一帯吹き飛ばしてくれるわァァ!!』

 

 

 

 

 

──そりゃあ、いけねぇなァ。

 

 

──そりゃあ、許してやれねェ。

 

 

せっかく楽しく遊んでたっつうのによォ〜……アイツらを巻き込もうってんならよォォ!

 

 

「ォオォオオ!!」

『──なッ、にぃ!?グォッハッッ!?』

 

今度はオトす。俺はベリアル。ウルトラマンベリアルだ!その名にかけてェェ──俺ン腕の中にいる人間は絶ッッ対に守り抜いてやるァァ!!

 

バギィ!!

 

『グルゥウゥウウ?!』

 

白い獣よォ、蹴り上げられンのは初めてかァ?たっぷりと味わえよ、まだまだ終わらねーからよォォォ!!

 

俺ァ優しィィからなァァ!!殺さないでいてやらァァ!!

 

 

デスシウム・アイアンクロォォオ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

*1

『────がはッ…………』

 

「フン。許せたァ言わねえぜ……これァテメェのプライドと俺の領分の分捕りあい──」

 

ホーォ、まだ意識があるか。

 

もしかしたらこいつァ本当にこの世界じゃトップクラスの強さなんじゃねェのか?尊大な口調だったしなァ。これで強くねェですとは言わねえだろ……

 

そういえば、目的を聞いてなかったぜ。

 

「おい、狼」

 

『……なんだ。殺すなら一思いに殺せ』

 

「フン、回答次第じゃそォなるがな。お前は何を目的として近づいてきた?」

 

『……なに?』

 

「初手でアイツらに圧力かけてきやがったから思わずブチのめしちまったわけだがよォ」

 

始末するにしても、なぜ近づいてきたかくれェは聞いてやろーっつうの俺の珍しい気心だぜ、ありがたァく受け取ってさっさと喋れ。

 

『そういえば……そうだったな。貴様という強者にかまけて忘れておったわ。ゲホッ、我は──』

 

 

「そンくらい溜めずに言え」

 

『──あの人間が食っている飯が気になったから近づいたのだ』

 

………………ハァ?

 

『我に献上させようとな……今思えば藪蛇であったわ』

 

 

…………んだよそりゃ、くっだらねェ……じゃなんだ?俺ァこの犬っころの食い意地のせいで余計な気遣いして楽しいメシの中断してバトルに興じてたっつうわけかよ……

 

「ハァァ……お前マジかよ」

 

『ム。失礼な、なにがマジかよなのだ』

 

別にそンくらいなら向田に頼んで無理させねーくらいに作ってもらえりゃ一発で平和に解決してたじゃねえかよォォ……

 

大体なんだお前そこらの魔物より断然強えんだから飯には困らねえだろォ?!いやまあ野営地で匂いの強いモン食ってたのにも問題はあるがよォ、だからこそその対処に俺が居るっつうか……避けようのねぇ勘違いっつうかよォ……

 

「はぁ、なンかメンタル的に疲れたぜェ。戻るぞ……向田に頼めば飯の一つはくれるんじゃねェの」

 

『ム……よいのか?我は貴様に負けただろうが』

 

「フン。知らねェだろーが俺の種族は総じて慈悲深くってなァ、哀れな腹ペコモンスターに飯恵んでやろーってんだ。ぐだぐだ言ってねぇで起きやがれ」

 

『なんなのだ……』

 

こっちがなんなんだつって言いてえんだぞホントはよォ。なんだそんな知能あるくせして美味そうな匂いなので飯ィたかりにきました、そしたらバトルになったのでそっちに本気になりましたってよォ……

 

まあ命のやり取りになったらそりゃガチるのも致し方ねェだろーがな。はぁ、参ったぜ。俺の飯残ってっかなァ?

 

 

 


 

 

 

side.M

 

「戻ったぞォ」

 

「あ、おかえりなさウワーッ!?!?」

「皆心配しウワーッ?!?!」

 

戻ってきたベリアルさんが後ろにさっきのバカでかい狼を引き連れていた件について。鉄の意志(アイアンウィル)の皆んなもホッとした顔から一転して驚愕に染まりつつ腰が引けてるよ。

 

なんだかんだあれから心配で飯が喉を通らなかったんだよね……だって遠くからドコーンボコーンってスッゴイ破壊音がずっと響いてるんだもん、あからさまにベリアルさんが行ってからなり始めたんだからそうなるよね。

 

鉄の意志の皆んななんかずっとすぐに退避できる準備をしつつ完全戦闘モードって感じだった。もーそんだけあの狼がヤバいですよって空気がビンビンでさあ……

 

「安心しろォ……まあなんだ、コイツは俺がぶん殴ってからは落ち着いてるみてェだぜ」

 

『ム……悔しいが、その通りだ』

 

「なんっ……そんな馬鹿な」

 

「伝説の魔獣に打ち勝った、だと……?!」

 

「伝説の魔獣ゥ?お前そんなご大層な奴だったのかァ」

 

『フン。貴様にはこてんぱんに負けたがな……』

 

「やけに素直じゃねえか」

 

『強者にはきちんと従う』

 

ホントだ……なんかすごい上下関係が出来上がってる。やっぱり戦ったんだろうなあ、ベリアルさんのバトルってみたことないからどれくらい強いのかよくわかってないんだよね俺。

 

「し──信じられん。なんという偉業か」

 

「まさかこの目で……伝説の、フェンリルをこの目にするとは……しかも」

 

「下した……などと」

 

『……フン』

 

喋る狼……一言放つ度にあの鉄の意志がビクビクしたり固まったりするレベルのヤバいモンスター、フェンリル?にベリアルさんは勝っちゃったと。

 

うちのベリアルさん頼もしすぎるやん……

 

「んでェ、コイツなんだがよォ。実はなァ……」

 

 

「「「…………(ゴクリ)」」」

 

 

「向田の飯が食いたかったんだと」

 

『……ウム』

 

………………。

 

 

……………………え、俺?俺の飯?

 

 

 

「まァもともと匂いに釣られてたフシはあったけどよォ……別にお前らを傷つけようってんじゃないらしくてなァ」

 

『そうは言えども貴様がいなければわからなかったがな……』

 

「つーワケでよ、その……悪りーんだが俺もまだ途中だし……コイツにも飯作ってやっちゃくれねーか?」

 

え、ああはい。飯、飯ね。うーんなんか釈然としないけど……伝説の魔獣?フェンリル?なんだよね……? それが飯に釣られて、ボコされちゃったの……?

 

「さっき俺も呆れてついよォ、食わせてもらえるように頼ンでやる……つって約束しちまって」

 

『呆れたとはなんだ』

 

「やかましい、いーからお前は一旦黙っときなさい。……んでまァ悪りぃ奴でもなさそうだしってよォ」

 

「わ……っかりました……。あのー、作らないとないのでちょっと待っててもらって良いですか?」

 

『良かろう』

 

「尊大だねテメェは。俺ァ先にいただくぜ」

 

ム、ずるいぞとか元々俺の分なんだよとか軽く口だけで言い争っているのを尻目に、どこか釈然としない思いを抱えながらもう一度飯作りにとりかかる。

 

「絶対ェこいつ大喰らいだぞ向田ァ、今日のレッドボア全部使い切るくらいの」

 

『フッ、レッドボアなど二.三匹は余裕で平らげてやる』

 

「いーや、生肉と向田の飯じゃ満足度が確実に違ェ。絶対に美味えから期待してろ」

 

『ムゥ……?そんなにか』

 

「第一向田にそンな手間取らせる気かお前は。今ここにはレッドボア一匹分以下しかねェの」

 

『そうか、……それは残念だ』

 

「今度狩りでもして肉ゲットしたら向田に料理してもらうとかよォ。なんかあるだろ」

 

『なるほど!それは良いアイデアかもしれぬ』

 

「ほらよォ、良ィ〜香りがしてきたろ?」

 

『ムムム……なんとも食欲を掻き立てる。これはなんの香りだ?肉だけではこうはいくまい』

 

友達かな?????

 

どうしてそんなに打ち解けてるんですか。あれか、昨日の敵は今日の友ってやつですか?一夜も経ってないけどね!人語を解す狼と仲良くなるのがスピーディーすぎる……

 

キャベツいるかな……?肉食っぽいし要らんって言いそうなんだよなあ。まあいいか、今日はいいや。

 

「はい、お待ち」

 

『おおお!待ちくたびれたぞ!』

 

バクッ!

 

『う──

 美味い……!』

 

ガツガツムシャムシャっていう擬音がそのまんま当てはまりそうな食べっぷりだね。こんなに気持ちよく食ってる人(狼だけど)を見るのは久しぶりかもしれない……いやさっきのヴェルナーさんもベリアルさんもこんな感じだったか。

 

『貴様に散々期待を煽られたが……その期待を越えたぞ!料理というのは斯くも素晴らしいものか──ム、ムム……美味いが、食べ終わってしまった……ちと、足りぬぞ』

 

「ホントに大喰らいだったかァ。2キロくらいは食ったんじゃねェの?」

 

『馬鹿な、2キロで満足するはずがなかろう。……とはいえしかし、2キロの幸福感ではないのもまた事実……ムムム。……人間よ、おかわりを……頼む』

 

えええやっぱり足りないのか?……ええい、どうせアイテムボックスで保管できるんだ。残りのレッドボア全ブッパしちゃえ!生姜焼きのタレ大量購入だぁぁ!

 

「もっと、もっとだ」「足りぬぞォォ」

 

 

 

かくして。俺はくたびれつつも腹ペコなフェンリルの空きっ腹を見事満たしてみせたのだった……ガクッ。こんなに大量の飯を作ったのは初めてだ……

 

『ゲプ。美味かった……それにしてもお主、これっぽっちの肉で我をここまで満足させるとは、中々やりおる。此奴の言うことに誤りはなかったというわけだ』

 

(あんた7〜8キロは食べてるんですけど?)

 

「お前8キロくらい食ってンのにそれかよ」

 

『うるさいぞ。……うむ、人間。お主と契約してやろう』

 

…………は?

 

『聞こえなかったか?我がお主と従魔の契約をしてやろうと言っておるのだ』

 

従魔って……ネット小説とかでたまに出てくるテイマーってやつか?いやいやいや……鉄の意志が固まるほどの魔物だろ?そりゃまあベリアルさんには負けたらしいけど……なんならベリアルさんで武力は事足りてるんだし……てか伝説の魔獣なんでしょ?そんな魔物を従魔ってヤバくないか?

 

チラリとベリアルさんの方に目線をやれば、何やら思案している。ちゃんとこっちのことを気遣って考えてくれる人だし、一旦ベリアルさんに考えを聞こうかな……

 

「どうします?(コソッ)」

 

「……悪い話では、ねェ。この辺りの見てきた魔物よりはよっぽど強えワケだしな」

 

「でも、武力ならベリアルさんが居るんじゃ」

 

「あるに越したこたァねえぜ。俺だって無敵じゃあない……手が多いと助かるのは確かだ。それに……」

 

「それに?」

 

 

 

「コイツなら断っても勝手についてきやがりそうだ」

 

「ああ……」

 

『失礼な』

 

聞いてたんかい。

 

「そうは言っても俺ですか?直接勝負したベリアルさんの方がいいんじゃ……」

 

『我は風の女神ニンリル様の眷属たるフェンリルである。その我が従魔になろうと言うのだ、光栄に思うべきなのだぞ?んん?』

 

これ、承諾しなきゃいけないの?

 

「そんなこと言ったって……。

 …………まあ、わかりました」

 

『うむ。──それでは契約の儀式を行うぞ、こちらにまいれ』

 

「はあ……」

 

促されてしかたなしに近寄っていく。目の前まで来いと言われたから、恐る恐るだけど目と鼻の先にまで近づいた。

 

──フェンリルの額が柔らかな光を発し、俺の額と触れ合って……俺も光って……

 

『これで契約は終わった』

 

「おお……」

 

『ん?お主、鑑定のスキルがあるな。もしや召喚勇』

「おいーーっ!!」

 

『もがッ!何をするっ』

 

俺は慌ててフェンリルの口を押さえた。鉄の意志が聞いてる中で何バラそうとしてんだ!あっぶないな、ヤバいところだった。

 

「そ、そのことはご内密に」

 

『おお、そうなのか……あい分かった。それではステータスを確認してみろ』

 

「はあ……」

 

言われるままに自分のステータスを覗いてみれば──うわ。ええ?

 

「なんか増えてる……」

 

【スキル】鑑定 アイテムボックス

     従魔(契約魔獣)フェンリル*2

 

こういうのってスキルの欄に出るもんなの?従魔ってスキル扱いなんだ、へー……うわとか言っちゃったけども。ほんとに俺、伝説の魔獣と契約結んだんだな……

 

『これで我はお主の契約魔獣となった。そうなったからには(あるじ)であるお(ぬし)は、契約魔獣たる我の面倒を見なければならないというわけだ』

 

え?

 

それでは三度の食事──期待しているぞ

 

「おゥてめーやっぱ飯目当てかよマジかァお前」

 

…………おい。

 

三度の食事って、食い物に釣られて契約したのか?そうなのかっ??!

 

 

 

 

 

 

 

*1
技の概要:顔面を掴んで手のひらからエネルギー波を大量にドーン

*2
NEW!!




新たに☆9評価をくださった、
抹茶ネコ様 コーカサスカブトムシ様 ナモポナ様 タカオギ様 ゾロアーク様 daisann様 ボルボロックス様 ウェースト様 浦松様。

感謝してもし足りません。心がとても温かくなります。本当にありがとうございます。なんとお礼を言ってよいのやら……

そして、
☆10評価をくださった──
ラディくん様 Mika3614様。

お二人に、格別の感謝を……まさに、天にも昇る心地です。斯様な幸福を受け取れる人物でい続けたいと思えます。本当に、ありがとうございます。

今日中に投稿できたのは、この評価のおかげと言って全く過言ではありません。本当に嬉しかったです。

感想をくれる人たちにもとてつもなく励まされております。些細な感想でも、あれやこれ、そんなのが見たいという要望でも、私の拙作が望まれているような感覚で私の心を浮ばせます。

まだコミック二話部分が始まったばかりではありますが、私の筆の遅さとして、毎日投稿というわけにはゆきません。何卒ご了承ください。そして、これからもよろしくお願いいたします。
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