3010年 1月14日 午前2時32分 惑星 アディクス
ガシャン!と音を立てて私、ライアン・ウィンターソンのライフルマンが目標地点である山の頂上の土を踏む。
「Glass-1目標地点に到着」
とりあえず着いた。上の要望でドロップポイントをかなり遠くにされたせいでもうあれこれ20分メックを走らせたままだ。
「こちら本部、了解。これよりGlass-1はそこで待機せよ」
「Glass-1了解」
通信が切れたのと同時に私は少し肩の力を抜き、コックピットの座席に深く座り込む。
「はぁ…なんで1人しかいないのに小隊みたいな扱いを受けるんだか…」
私はいつも任務にはいつも決まって1人で行かされる。その理由として私がいつも偵察や狙撃などと言った役を主に受けているからだと思うが、たまに単身で最前線に送られることもあることからおそらく上は“戦死”としてどうにか私を殺したいのだろう。
理由は…うん。パッと思いつくものでも3つぐらいある。
「にしてもコールサインが”グラス“って言うのがまた悪意を感じるんだよなぁ…」
ガラス、脆くて壊れやすい、けれど壊れると破片が散り触れたものの肌に食い込む。
つまり相手に傷を負わせるには壊れるしかない。いわば壊れる前提なのだ。
「まあ、でもそんな壊れる覚悟で戦わないといけないやつなんてここには来ないけど」
私が呑気にそう言えるのは、現在私がいる惑星、アディクスは比較的平和な方だからだ。ハウス・ダビオンが支配するこの惑星は、しばらく前から海賊がしょっちゅうやってくることが問題となっているが、他勢力が侵攻して来たりはしていない。言ってしまえば、相手はたまにくる正直うざい海賊ども以外はいない。
実に楽な仕事で助かってる。
「おいGlass-1。まさか呑気に昼寝でもしてないだろうな?いつドンパチ始まってもおかしくないんだぞ?もう少し軍人としての態度を考えろ全く」
「げ…は、はい!」
急に通信機から私の直轄の上司であるウォルター・ウェシトン少佐の声が聞こえたことに少し戸惑いながら私は応答する。
ウォルター・ウェシトン少佐。アディクスの基地所属になる前のことについてなどは一切わからないいわば謎の人物。だが、ノリはよくパイロットとしての腕は確かで親しみやすいのだが…任務中になると急にスイッチが入るのか急に怒鳴ったり小言が多くなる。
それにしてもまた小言だよ。何?この人私のこと好きなの?
「そういえば」
少佐が少し間を開けながら何かを言おうとしている。なんか嫌な予感がする…
また説教とかだったら嫌だな…
「お前、確か今日26歳の誕生日だっただろ?」
「あ、え?は、はい!そうですけど…?」
内心かなり驚きながら私は答える。
っていうか…え?少佐がなんで私の誕生日を知ってるんだ?
「ってことで帰ってきたらお前にプレゼントがある」
「本当ですか!?」
幼い子どもみたい私は食いついた。
何がもらえるのかな?
さっきからワクワクが止まらない。
「さてと」
少佐が声のトーンを低くして言う。
「敵ですか?」
「あぁ」
さっきから少しではあるがレーダーに反応があったので警戒はしていた。
「え?」
私はレーダーを再確認して驚いた。なぜならそこに表示されていたのは…
「55T二体、60T一体ってところだな」
少佐が言う。
いやいやいやいや!は?55T二体と60T一体!?こっちは装甲の量は増やしてる分レーザーがほぼないカスタムモデルのライフルマン一機だぞ!?
「少佐!撤退の許…!」
「ダメだ」
「は?」
え?今ダメって…いや、きっと聞き間違いのはず…!
「今お前が下がれば基地までそいつらが来ることになる。それだけは何としても起こさないようにしないといけない」
「でもだからってこんな無謀な戦いを…!」
「武運を祈る」
そう言い残して通信は切れた。
その時私は思った。
「これ、死んだな。私」
ちなみにシステムとかはsteam版のBattletechとメックウォリアーとかを混ぜているので「ん?」ってなるかもしれません…まあこれからも頑張っていくので少しでも面白いと思ってもらえば光栄です!