グラスキャノン   作:たい焼きの型でたこ焼きを

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投稿が遅くなってしまいごめんなさい…


ラストスタンド

三機のメックが一斉に私のライフルマンに攻撃をする。

 

「装甲が薄すぎる…!」

 

思わず機体のダメージコントロールパネルを見て絶句する。

 

それはそうだ。なぜなら私が乗っているライフルマン元々は対空手段として基地に配備され、倉庫で眠っていたものだったらしい。それを何を思ったのか、少佐が上に掛け合って無理やり改造して配備したもので、本来はちゃんとした冷却用装置と弾薬の補給装置がついていなければいけない。本当に“無理やり”配備したものだ。だから装甲なんて最初から薄い物の上に無理やり付け足しただけ。なのに必要な修理も行き届いてない。最初からある程度防げると思う方が馬鹿だったのかもしれない。

 

そう一言呟いている間にも大量のミサイル、AC弾、レーザーは待ってくれない。

ガン!と音を立てて装甲を抉っている。

 

「やるしかないか…!」

 

正直勝てる気は全くしないけど、この機体を捨てる前に一機は道連れにする!

 

コックピット席から少し立ち上がる。コックピットは被弾の影響でジェットコースター並みに揺れている。

すごく、すごく狙いにくい。

一機のシャドゥホークに狙いを定める。

使う武器は全部。この揺れだともうヤケクソに撃つしかない。

 

思いきりトリガーを引く。

すると次の瞬間、バーン!と音を立ててライフルマンのACキャノンから弾が発射される。

同時に一つだけ取り付けてあったLレーザーが青い光を発する。

 

「当たってくれ…!頼む!」

 

そう願った次の瞬間。

ドカァン!と巨大な爆発音を立て一機のシャドゥホークのコックピットが爆発し、機体が地面に倒れた。

 

「え?」

 

思わず呆気に取られる。

苦し紛れの抵抗に撃った弾がなんとコックピットに当たったのだ。

 

「やった!」

 

シャドウホークが地面に崩れ落ちた一瞬、他の二機の動きが一瞬止まったように見えた。

が、すぐにまた私に向かって発砲し始めた。

 

「やばい!早くイジェクトしないと!」

 

道連れとは言ったけど、正直言ってここで死ぬのはごめんだ。

 

 

急いでコックピットの椅子の下にあるイジェクトシステムを起動する。

するとバシュッ!と音を立てて起動した。

 

「あ…」

 

そういえばイジェクトシステムってテストしたことあったっけ…?

 

そう思った次の瞬間、バシュッ!と音を立ててコックピットがメックから切り離され、コックピットの下についているジェットエンジンが点火される。

しかし、その進行方向は本来の真上ではなく、斜め上だった。

 

「これもだめかよ!」

 

斜めに打ち出される。これはつまり運が悪けれ地面に激突する可能性があるということだ。つまり運が悪ければ死ぬということだ。

 

「なんで…こんなのを…無理やり配備してたんだよ!」

 

身体中に凄まじい量のGがかかる。今にでも意識が飛びそうだ。

もう正直生き残れない気がする。メックはボロボロ、援軍もなし、このままどこかに激突して終わりだろう。

 

「もう…いいか…」

 

最後に一言呟き、私は目を閉じた。

どうせここで死ぬなら、全てもうどうでもいい。

そうして私の意識は深い、深い暗闇の中に落ちていった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

同時刻 惑星アディクス チャンピオン、コックピット内

 

「はぁ…」

 

俺は深いため息を吐く。

数少ない補給の非常にめんどくさいパイロットを失った。

 

「大丈夫ですか?キャプテン」

 

通信機からもう一機のシャドウホークのパイロットであるラグが言う。

 

「大丈夫だ」

 

「また新しいパイロットが必要ですね」

 

ラグが少し笑いながら言う。

 

「そうだな」

 

いつもより少し低い声で俺は返す。

 

「キャプテン。あのライフルマンのコックピットどうします?」

 

「…回収班に拾っとくように言っとけ」

 

「了解」

 

ラグがいつものように少し間抜けな声で言いながら俺との通信を切る。

 

「にしてもあのライフルマン、イジェクトが早かったな」

 

まあ確かにライフルマンの弾薬の誘爆を引き起こしたらコックピットごと吹き飛ぶから判断としては正しい。

しかしなんと言うか…

 

「あのーキャプテン?」

 

ラグがまた回線越しに話しかけてきた。

 

「なんだ?」

 

「ミサイルが底をつきそうなので一回補給に戻っていいですか?」

 

「お前ってやつは…」

 

「すいません」

 

またこれだ。ラグは戦闘になると残弾数を気にしないで撃つからすぐこういうことになる。

 

「仕方ない。残りは全て俺がやっておく」

 

「それじゃ、お言葉に甘えて」

 

「本当にお前ってやつは…」

そう一言言ってやろうとしたが、回線を切られた。

小言の一つも受け取ろうとしないのは相変わらずだ。

 

「さてと…」

左手に持っている操縦桿を少し強く握る。

 

「仕事をさっさと終わらせて帰るか」

俺はメックを前進させ、本来の目的地である基地へと向かう。

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