「え…はぁ!?」
フリゲート伝えられた事実に一瞬理解出来なかったが、思わず驚きの声が出る。
「叫ぶな。うるさい」
「あっ…ご、ごめんなさい…」
「はぁ…」
フリゲートがまたため息をつく。
いやさっきまで死にかけてて今は宇宙って言われたら普通は驚くだろ!
「……」
「…まだ色々聞きたい事はあるだろうが、それは全部はお前の検査が全部終わってから答えてやる」
数秒の沈黙のあと、フリゲートが僕に向かって言う。
「…それってあとどれぐらいですか?」
視線を自分の体へと落とす。以前体には変化なく、体調も悪いわけではない。
別に動けそうだから検査とかいらないと思うけどな…
「そんなこと俺が知ってると思うか?」
「……」
「とりあえず今日は寝ろ」
そう言うとフリーゲートは扉の前まで歩いていったが、でて行く前に一瞬止まり僕の方を見た。
「あと最後に一つ言い忘れてたが…」
「?」
「ここから出ようとしたら容赦なく撃つからな」
「!!」
「じゃ、良い眠りをな。ガラス」
「……」
フリゲートはそう一言言うと扉の奥に消えた。僕は一人いまだに少し重く感じる空気を感じながら再びなんともない自分の体に視線を落とす。
「これから僕は…僕の人生は一体どうなって行くんだ…?」
今もなお少し震える自分の手は、確かに体感した死の恐怖を自分の軍人としての未熟さを表しているようだった。
「情けないな…僕は」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3010年1月30日 午前5時30分
「もう起きてたのか。元兵士なだけはあるか」
「…別にそんなことどうだって良いじゃないですか」
もう前回いつ顔を合わせたのかわからないほど時間感覚があやふやになってしまうほど時間が経った後、再び僕がいる部屋にフリゲートが入ってきた。
「ちなみに検査は無事に全部異常なしだったから安心しろ」
「…そうですか」
少し間を置いた後に僕はポツリとそう答えた。
昨日僕に銃口を向けてきたとは思えないような声で話してくるフリゲートに内心少し戸惑う。
この男は一体何を考えてるんだ?改めて対面してみても何もヒントを掴める気がしない。
「早速だが、昨日に引き続いて今日も大事な話がある」
さっきまでとは少し低くなった声が僕にそう告げる。
「大事な話…?」
「あぁ、そうだ。最もお前は嫌がるような話だろうけどな」
「それって…?」
そう言うとフリゲートはにっこりと笑いながら一言放った。
「虐殺だ」
「は…?」
虐殺。その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になる。
「聞こえなかったのか?これから俺たちがやるのは民間人の虐殺だ」
「え…いや…は?」
「虐殺って…そんなの…」
「お前に拒否権はない。分かったか?」
「……」
「詳しい情報諸々は追って伝える」
「なんで僕なんですか…」
「何そんな驚いた顔してるんだよ。お前は俺のために死ぬんだろ?ならまずは“軍人“じゃなく、俺たち”海賊“と同じ立場に立たないとな」
「そんなこと…許される訳がない」
「許される?甘ったれるな。許されない事をするから海賊なんだよ」
扉を開け、横目で僕をみているその目は僕を正確にとらえ睨んでいた。
「15分後にベイ4に来い」
「……」
扉が閉まり、一人部屋に取り残される。部屋には相変わらず今日も昨日と変わらず重い空気だけが残っていた。