出生率の狂った世界線の美男子トレーナー   作:鼻毛王

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ナリタブライアン 2

ナリタブライアンはエリートの集まるトレセン学園においても、飛びぬけた実績と強さを誇っている。

 

三冠という輝かしい実績が何よりの証だ。

 

 

しかし、彼女には悩みがあった。

 

それは、男勝りな見た目と性格のせいで、女子生徒からの視線が妙に熱いということ。

 

世界線が違えば、周りも違う

 

 

このトレセン学園において、ナリタブライアンという存在は

云わば、群れの中に紛れ込んだご馳走

 

肉食獣どもが理性を失うのも、無理はなかった。

 

男性の減少に伴い、自然と恋愛のベクトルが多様化してきた弊害でもある。

 

「ブライアンさんの背中を見るとパトスが溢れだしそうなのよね~」

 

「抱かれたいウマ娘ランキング、ナンバーワンは伊達じゃないわ」

 

(……ぐあああああ!お前ら、私をそんな恋愛対象としてみるなあああああ!)

 

そんな内心を胸の内で飲み込みつつ、ブライアンはいつも通り寮の廊下を歩く。

が、視線は刺さる。

 

肉食獣の檻に放り込まれたウサギの気持ちも、今なら分かるナリタブライアン。

 

しかし、背後をつけ狙う厄介な存在は彼女たちだけではない。

 

最も厄介な存在、サクラローレル

 

彼女のアプローチは、もはや事件性があるレベル。

 

寝る時は勝手に布団に潜り込んでくる。

 

飯を食えば、当然のように隣をキープ。

 

風呂に入れば、いつの間にか背中を流してくる。

(※無断で)

 

貞操の危機を感じたことは一度や二度ではない。

 

「ブライアンちゃんの身も心も、全部ワタシのものだよ♡」

 

そんな囁きを何度も浴びせられ、もはや精神は擦り切れそうだった。

 

流れでOKしてしまおうかと考えたこともあるが、

ブライアンも一応“女”である。

 

恋愛の対象はあくまで“男”だ。

 

「私だって……普通の恋がしたいんだよ!」

 

それが幻のポケモンの色違いと遭遇するレベルだとしても、ブライアンには譲れない一線があった。

 

 

 

 

 

そんな中、最近どうにも気になることがあった。

 

同じチームのサイレンススズカ。

 

――あいつの様子がおかしい。

 

練習では集中が途切れるし、タイムも安定しない。

声をかけても上の空で、「大丈夫です」としか言わない。

 

人には人の事情があるので、ブライアンは特に深く追及しなかったが、

ある日気づいてしまったのだ。

 

トレーナーと話している時の若干上ずった声。

頬を染め、視線を泳がせ、挙動不審の様子。

 

それは、まるで恋する乙女そのもの。

 

(……いやいやいや、待て。

まさか、そういう方向に突っ走ったのか?)

と思わず疑ってしまうのも無理はない。

 

今どき女性同士の恋愛も珍しくもない。

セイウンスカイとニシノフラワーの仲だって、もはや公然の秘密だ。

 

とはいえ、スズカがそっちに目覚めたとは考えにくかった。

 

彼女は昔から、男性と結婚したい派閥のウマ娘だった。

 

男に興味がないフリをして、恋愛小説をこっそり読んでるのも知ってる。

 

つまり、性癖はノーマルだ。

(……となると、必然的に疑うべきはトレーナーか)

 

チームのメンバー全員をG1勝利に導いた敏腕トレーナー。

 

彼女の私生活は、実はメンバーの誰も知らない。

休日に何をしているかも不明であり、ブラックボックスに包まれている。

 

しかし、ナリタブライアンの勝負勘が告げていた。

 

あのトレーナーに秘密があるではないのかと

 

そして、スズカの不自然な変化。

 

ブライアンの中の探偵スイッチが入った。

 

勘が囁くのだ

“真相を暴け”と。

 

普段は追われる側のブライアンだが、この時ばかりは追う側に回った。

 

三冠を獲ったウマ娘は伊達ではない。

 

走りもストーキング技術も超一流、それがナリタブライアンである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと待てええええええええ!!!

ス、スズカ!?

 

お前、その隣のバチくそイケメンは誰だぁっ!!」

 

 

精一杯のおめかしをして初デートに臨むスズカ

 

それを邪魔する悪い先輩が其処には居た。

 

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