白月の君といつまでも   作:はすみく

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-- Spring, about 17 years old

▽前回のあらすじ
波乱の昼休み。全女子の注目を浴びる白馬探は、花梨への接近を試みるも「快斗はヤキモチ焼き」という高い壁に阻まれる。一方、施錠された屋上では、花梨特製の「茶色いお弁当」に快斗が狂喜乱舞!「愛妻弁当」と豪語し、18歳のプロポーズを誓う快斗に対し、花梨は切ない胸中を隠して微笑み……。

第100話
前回からの続き。ちょっぴりえっち。

※注)すみません、快斗がだんだんと変態になってきています…。
格好良い快斗をご希望の方は別の方の小説を検索されてください。


100:こっそり拝借したものは……

 

「……ん、これはなに? しそ? 甘酸っぱいな」

 

 

 あっという間に弁当の9割を平らげ、最後に快斗が赤紫蘇に包まれた一口大の柔らかい何かを齧ると、甘酸っぱさが口内に広がる。

 

 

「ああそれ? それはね、しそ巻きあんずだよ」

 

「しそ巻きあんず?」

 

「うん、干したあんずをお砂糖に漬けて、しそで巻いたお菓子なんだって。親戚が送ってくれたの。甘酸っぱくて好きなんだ~。おいしいよね。いっつも蜜が余っちゃうのがもったいないな~って思ってて」

 

「へ~、これ杏か。初めて食べた。ソーダに入れたらうまそうだな」

 

 

 ――ふーん、親戚から贈られたもん……花梨の好きな味、ね。

 

 

 初めて食べた味に、快斗は郷土料理か何かかなと思いながら完食した。

 あとで検索して今度花梨にプレゼントしてやろうと、頭の中に“しそ巻きあんず”をインプットしておく。

 

 

「あ、それいいね! 今度やってみる! 閃いてくれてありがとう♡」

 

「ははっ、こんなことで礼を言われるとは思わんかった♡」

 

 

 ――あ~も~、こんな些細なことにお礼言っちゃって……カワイイ……♡

 

 

 嬉しそうに破顔する花梨に、快斗の目は細くなった。

 自分の前でだけは、こうしていつも可愛い笑顔を見せてくれるからもう堪らない。

 

 

「ふふっ。いいこと聞いちゃった~♪ 今日の帰りに炭酸水買ってこよ~っと♡ メモしとかないと……たん、さん、すい……。あ、ね、快斗、リマインダーの設定ってどうやるか知ってる?」

 

「ん? 貸してみ? 何時に設定する?」

 

「んと……、帰りは警察署に寄るから……19時くらいかな」

 

 

 花梨がスマホを取り出しメモをして尋ねると、快斗が「それ貸して」と手を差し出してくる。

 スマホを使い始めたのは中学三年生の秋からで、花梨は未だに上手く操作できない。メッセージアプリと通話、最近メモを覚えたばかりで。

 ……画面もデフォルトのままだ。

 

 ここは快斗にお任せして……と、スマホを手渡した。

 

 

「おっけー、じゃあこうして……こうすれば……、19時に教えてくれるぜ?」

 

 

 ――そうそう、そうやってオレを頼ればいいんだよ……。

 

 

 ニヤニヤと快斗はカレンダーアプリをタップし、時間を設定してやる。

 

 ……花梨はきっと機械音痴ではない。

 テレビゲームもするし、家にはパソコンだってあった。恐らくスマホ操作を覚える優先度が低いのだろう。

 素直に頼ってくれるから、このままでいてくれればいいと快斗は思った。

 

 

「ありがとう! スマホの機能、よくわかんなくて全然使いこなせてなかったの! 快斗のおかげでまた一つ賢くなれたみたい♪ うれしい♡」

 

「くっ、カワイイ……♡ キュンキュンするっ♡ なあ、花梨……ちゅーしてい?」

 

「え? ン……、ウゥン……」

 

 

 ――いいって言ってないのに……、あ、焼肉味……。

 

 

 快斗に愛おしそうな目を向けられ、花梨の唇が塞がれる。

 焼肉味のキスはほんのりニンニクの香りがしたが、見つめ合うと甘ったるくてうっとりしてしまった。

 

 

「はあ……、早く家に帰りてえ……! 警察行くのだりぃ~」

 

「もぅ……、快斗って最近そんなことばっかり」

 

「だってしょうがねーじゃん。好きなんだから」

 

「もぅ……」

 

 

 二人きりになる度そういう雰囲気に持ち込まれ、つい流されがちになってしまうのは仕方ないのだろうか……。

 けれど学校はまずいのでは?

 

 ……なんて思いながらも、結局は快斗のペースに持ち込まれて――。

 

 

「……ダメだってば」

 

「ちょっとだけ♡ ここには誰も来ねーし?」

 

 

 快斗は立ち上がり、花梨を包むようにぴったりと背後に座り直す。

 後ろからハグし、そして腹を優しく撫でた。

 

 

「っ、ホントにダメ……。下着汚したくないの」

 

 

 ――まだご飯中なのに……。

 

 

 花梨の手元にはまだ食べかけの弁当がある。

 このままいちゃいちゃし始めてしまうと、空腹で午後の授業に差し障ってしまうのだが……。

 

 

「汚したい♡ ぱんつの替えならある……」

 

「ん? ぱんつの替え? あるの?」

 

「あ、いや、何でもない。ここ、学校だもんな! ちゅーだけにしとこう。ちゅーだけ!」

 

 

 ――やっべ! 危うく口を滑らせるとこだった……!

 

 

 口はすでに滑らせ済みであるが、今ならごまかせると踏んで、快斗は身体を捻って花梨の頬にキスをした。

 

 

「快斗……? ね、もしかして……」

 

「あっ、ちょ……、か、花梨ちゃんっ……!? あぁっ♡ そこはダメぇぇっ♡」

 

 

 快斗の様子に花梨は何かを感じ取ったのだろう、振り返って制服のポケットを全て探る。ズボンだけではなく学ランのボタンを外し、内ポケットまでも。

 

 すると、内ポケットから見たことのある、ピンク色のフリルのショーツが出てきた。

 

 

「……これ、私の……?? え、どうして私のパンツが快斗のポケットに入ってるの?」

 

「こ、これはその~……、盗んだわけではなくて……ですね。花梨嬢が私の家に来た時置いてったやつで、今度女装する時の参考にお借りしてたっつーか、なんといいますか……」

 

 

 学ランの内ポケットから出てきた自身の下着に、花梨の目がぱちぱちと瞬く。

 ……混乱しているのだろうか、快斗の口調はキッドと素が入り混じっている。

 

 

「え、じゃあそれって、この間脱いだやつだよね? 私、忘れ物ないかって聞いた気がしたんだけど、ないって快斗言ってたような……。あ、もしかして洗って持ってきてくれたの?」

 

「……」

 

 

 ……花梨の話に快斗は黙り込んだ。

 

 

「え?」

 

「……、もちろん洗ってあるぜ……!」

 

「ちょ、ちょっと待って。ちょっと待って? なに、今の間……」

 

 

 ――快斗……?

 

 

 忘れ物をしてしまったのは申し訳ないが、今の間は一体なんなのだろう。

 快斗を見ると額に汗が浮かんで、目も泳いでいるような……。

 

 

「あー……えっと、昨日夜洗ったから綺麗になってるよ!」

 

「え、だって、脱いだ……というか、脱がされたのってもう何日も前で……昨日洗ったの……? 臭くなかった?」

 

「……、へへっ♡ 全然! 最高だった!」

 

「っ、えぇっ!? さ、最高って……ど、どういうこと……?」

 

「花梨は知らなくていーの!」

 

「えぇ……?」

 

 

 ……花梨は知らなくていい。

 快斗は花梨からショーツを奪うが床に落としてしまう。

 

 

「あ~、汚れちまったな。オレ、責任もってもっかい洗って持ってくっから預かっとくな!」

 

「えぇっ!? 別にいいよ!?」

 

「だーめっ! オレが落としたんだからオレが洗っとく!」

 

 

 落ちたショーツは快斗の手によってすぐに拾われ、サッと内ポケットに仕舞われてしまい、花梨は困惑した……。

 

 




※オマケ

 昼休みが終わり屋上を後にして階段を下りていく。
 花梨に先を歩かせ、後ろに続く快斗は――。


(やっべー……、さっきは危なかった。花梨のぱんつをおかずにしてるなんてドン引かれるとこだったぜ……)


 ……このまま花梨の下着は貰っておこう。
 制服の内ポケット辺りをぽんぽんと撫で、ニッと口角を上げる。

 盗んだ宝石は返すキッドだが、彼女の下着は返さないのであった。










……以上、ドラクエⅤ小説でもやったぱんつネタでしたw
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読了ありがとうございます。お疲れ様でした。

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