伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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第一話 ニートアライブドSAGA

  愛視点

 

 私はアイアンフリルでライブしていた頃、雷に打たれて死んだ。のだが、どういうわけかゾンビとして生き返り、謎の男巽幸太郎によって、アイドルをやらされる羽目になった。ゾンビがご当地アイドル、しかも佐賀で街おこし。控えめに言って意味が分からない。絶対に上手くいくはずがないのに。そもそも私佐賀出身じゃないし。

 

「そういえば、奈々子(ななこ)はどこだ⁉︎どこ行った⁉︎お前ら知ってるか⁉︎」

 

 そんな事を思っていると、巽がキョロキョロして叫び始めた。確かにここには椅子が8個ある。でも今座ってるのは7人。あと1人は一体誰?

 

「知らないわよ、そんな奴。」

「聞いたことも見たこともないですね………」

「リリィも見てないよ〜⭐︎」

「わっちもでありんす。」

「つーかなんでテメェが知らんとや⁉︎」

「うぅぅぅぅぅぅぅ………」

「ど、どんな人か教えてください!」

 

 周りの人も知らないと言う。1人呻き声しか上げてないけど、多分知らないだろう。ピンク髪の子の言う通り、特徴を教えてほしい。一体どんな特徴が…………

 

「奴の名は巽奈々子、伝説のニートじゃい‼︎」

 

 ニート⁉︎伝説の⁉︎

 

「奴は26歳で死ぬまで、生まれてこの方一度も働いたことがない伝説のニートじゃい‼︎好きな物は酒とタバコとギャンブル‼︎親に生涯ニート宣言をして捨てられ、唐津のボートレースで全財産を溶かしても、労働ではなく自殺を選んだ超超超超伝説級のニートじゃい‼︎」

 

 とんだクズじゃない‼︎どんだけ働きたくないのよ⁉︎私たちが志半ばで無念の死を遂げてるのに、働きたくないからって自殺⁉︎おまけに金がかかる趣味ばっかやりやがって‼︎

 

「ええ…………」

「そんな奴、ぶっ殺した方がマシやろ‼︎」

「もう死んでますけどね。」

「そんなのとアイドル⁉︎無理無理‼︎」

「だいぶ波瀾万丈なお方どすなぁ。」

「控えめに言ってクズだね!」

「ううううう………」

「お前らうるさい‼︎とにかく俺が呼んでくるから、そこで大人しく待っとるんじゃぁぁぁぁぁい‼︎」

 

 ということで、巽はニートを呼びにどこかへ行ってしまった。

 

 

 

 数分後、巽に連れられてニートこと巽奈々子はやってきた。

 

「おっ、みんなど〜も〜!ボクは伝説のニート、巽奈々子26歳で〜す!好きなものは酒とタバコとギャンブル!よろしくね〜♪」

 

 黄緑髪のショートボブに上下灰色のスウェット。耳のピアスに似合わないような垂れ目と柔らかそうな唇。そして身長こそ小さいものの、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでるという抜群のスタイル。確かにゾンビじゃなかったらアイドルいけそうなルックスだ。ゾンビだから無理だけど。それに、この甘ったるい口調のボクっ子って………

 

「あっ、アイアンフリルの水野愛じゃ〜ん!これは稼げそうだね〜♪ラッキー♪おっ、あっちには星川リリィに紺野純子まで!い〜ね〜♪ボクを養うのにサイコーだ!」

 

 と思ったらいきなり話しかけられた。私のこと知ってるんだ。まあ確かに有名だったけども。でも人のことを金でしか見ないのかよ‼︎まじムカつくんだけど‼︎なんとしてでも働かせてやる‼︎

 

「はぁ⁉︎何よアンタ⁉︎誰がアンタなんかを養うかっつーの‼︎」

「え〜、ひど〜い!アイドルはファンに夢を与える仕事でしょ〜?」

「働かずに生きるという夢なんか、与えてたまるか‼︎」

「でもボク音痴だよ?運動も歌も。そんな人がアイドルなんて出来るわけないよね〜。」

「はぁ⁉︎」

 

 いや待って‼︎運動音痴と歌の音痴の合わせ技⁉︎じゃあ絶対アイドル出来ないじゃん‼︎しかもコイツの場合はやる気がない。

 

「ではこれから明日の佐賀城ライブに向けた練習を行う。皆着いて来るように。」

「は、はい!」

 

 そんな奈々子の体たらくを放置して淡々と進める幸太郎の方の巽。どう見ても大丈夫じゃないのに。ほんと呆れる。こんな状態でアイドルとか無理。若干一名やる気ある子には申し訳ないけど………トイレに行くふりして逃げよう………

 

「へ〜、愛は逃げるんだ〜。」

「はぁ⁉︎だから何よ⁉︎」

 

 そんな事を思ってたら、またもや奈々子に絡まれた。コイツさっきからなんなの⁉︎

 

「じゃあボクと同じニートだね♪」

「「「「「⁉︎」」」」」

 

 そんな事を思ってたら、ニートにとんでもない事を言われた。

 

「だってさ〜、練習しないで本番もしないってことでしょ〜?それってつまりさ〜、働く気がないのと一緒だよね〜。よかった〜、ボクと一緒だ〜!仲間だ〜!」

 

 こんなやる気も才能も社会性もないニートと同じ⁉︎私が⁉︎そんなふざけた事、認められるわけないじゃない‼︎

 

「アンタたち、聞いた⁉︎こんなクズと一緒にされちゃ困るわよね‼︎」

「うん、困る⭐︎」

「本当に嫌ですね………」

「マジでぶっ殺そうと思っとったけどよ………こんなん言われたら黙っておられんけぇ‼︎」

「うううううう‼︎」

「皆賑やかでありんすなぁ。」

「がんばって〜!」

 

 ということで、私たちはニートになるのを避けるべく、奮起してアイドルをやることになった。なお、奈々子は練習をサボったのだった。

 

 

 

 

 

 しばらく練習した後、私はムカついたので奈々子の部屋まで行くことにした。

 

「ねえ奈々子!」

「おっ、愛じゃ〜ん!どうしたの〜?ボクに何か用?」

「アンタ何してんのよ⁉︎練習は、練習⁉︎」

「ボクは歌いも踊りもしないよ〜。」

「はぁ⁉︎」

 

 コイツ本当にニートを貫くつもりなの⁉︎マジで許せないんだけど⁉︎ゾンビだから殴ってもダメージ受けないし、ホントイラつく‼︎

 

「じゃあアンタは何すんのよ⁉︎」

「役割分担だよ〜。みんながお金を稼ぐ係で〜、ボクがそれを増やす係!」

「増やすってどうすんのよ⁉︎」

「パチンコやボートレース………いわゆるギャンブルだね!」

「ホントクズ‼︎絶対減らすに決まってるじゃん‼︎」

「減らさない!ボクにはギャンブルの才能があるから!」

「無いから全額溶かしたんでしょうが‼︎」

 

 しかも私たちの金をギャンブルに突っ込もうとするし‼︎何もしないどころか活動資金を減らそうとする。

 

「冗談はさておき〜、」

「ホント冗談で済ませてよね。」

「ボクは幸太郎と一緒で裏方担当さ〜。」

 

 そんな事を思ってたら、思ったよりもまともな答えが返ってきた。なんだ、裏方か。確かに歌と運動が苦手なら、裏方に回る方が合理的だね。ただ、裏方といっても色々あるし。ニートのコイツに何が出来るんだろう?

 

「そういうことね。アイツに拾われた理由が分かったよ。で、どんな分担?」

「月曜がボクで、火曜〜日曜が幸太郎かな!」

「どんな分担の仕方よ⁉︎」

 

 ほとんど何もしないじゃん‼︎週一でしか働いてないし‼︎

 

「でも野球でも言うじゃん?中6日のローテーションって。」

「アイドルの裏方と野球は違う‼︎」

「Working isn't an Option. 〜働くという選択肢は無い〜」

「カッコつけんな‼︎」

 

 マジでこんな奴抱えてアイドルなんか出来るんだろうか。しかもゾンビなのに。不安にしかならない1日だった。




オリキャラプロフィール

・巽奈々子(たつみななこ)
性別 女
年齢 享年26歳
身長 149cm
体重 38kg
生年月日 不明
没年月日 不明
スリーサイズ 84:50:83(E)
趣味 晩酌 パチスロ ボートレース
好きな食べ物 酒 塩辛
嫌いな食べ物 野菜
好きな色 緑
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