伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う 作:スピリタス3世
愛視点
サガロックから一週間後、私たちは佐賀の雑誌、「サガジン」を呼んでいた。
「ほらほらサキちゃん、載っとるよ〜!すごかね〜、サガロック!出られて本当良かったね〜!」
「そうやな!」
「あっ、これ嬉野温泉のお化け記事を書いた記者さんです!」
「ここ1ヶ月で〜、ネットの動画や口コミも増えてるよ〜!」
「そしたら少しずつ、いろんな反応が出てくるはずよ。いいものも、悪い意味ものも。」
「がぁぁぁぁぁぁ‼︎」
そこにはフランシュシュの特集記事が組まれていた。また奈々子に時々見せてもらうSNSの方でも反応が増えていた。確実に成長しているのを実感できるのが、とても嬉しい。
「ねえねえ、リリィ一番キラキラしてるよね☆」
「あぁ?どこにおると⁉︎あぁここか〜!ちっちぇえから見えんやったわ!」
「むぅ〜!サキちゃんには聞いてないもん☆」
「私はキラキラしとると思うよ!」
「ホント⁉︎ありがと〜、さくらちゃん☆」
「ボクもキラキラしてたよ〜!」
「アンタはゲロぶちまけただけでしょ‼︎」
「一緒にしないで、奈々子ちゃん‼︎」
ちなみにサガロック当日の夜は珍しく奈々子が吐きまくってた。なんでも今まで以上に相当飲んでたらしい。雷を直撃させるなど頑張ってくれたけど、その分ゲロの処理で超めんどくさかった。全く、ホント締まらない人よね。
その数時間後、私たちはいつもの部屋でミーティングをすることになった。
「ぶぉぉぉぉぉぉ!ぶぉぉぉぉぉ!おはようございまぁぁぁぁす‼︎」
「おはようございます‼︎」
「お、おはようございます………」
「おやすみなさ〜い。」
「愛、奈々子の頭はお前が治しておけ。」
「そんな無茶言わないで‼︎」
「ボクは正常だよ〜⁉︎」
巽が法螺貝を口で吹いてる。出来ないならやらなくていいのに。滑ってるからやめてほしいと、たまに思う。あと奈々子の頭は絶対に治らないから。私に押し付けられても困るし。
そんな事を思っていると、巽が本題に入った。
「はい!フランシュシュ、雑誌掲載おめでとうございます‼︎どうだった、純子?改めて、サガロックを振り返って。」
「まあ、その、可能性みたいなものは………少し///」
「おお〜、そうじゃろそうじゃろ〜!お前ら今、ノリにノリまくっとるからの〜‼︎」
私たちは先日の雑誌掲載も含めて、勢いが出ている。ただ大切なのは、この勢いを逃さないことだ。世の中の流行り廃りは今まで以上に早い。だからこそ、今頑張るしかないのだ。
「どうだリリィ、お前もノリにノリまくって、その星でっかくしとくか〜?」
「しないもん☆」
「え?なんだぁ〜?でっかくしないの〜?巨石パークの石くらい、でっかくしないの〜?」
「うぅ……☆」
「マジで怖がっとるけん、やめろ!」
「テヘペロ♪」
それにしても、巽は相変わらずキモいわね。リリィとの絵面とか、完全に事案じゃないの。警察に突き出した方がいいかしら?
「いいか‼︎お前らみたいなゾンビィは、奇跡だろうがなんだろうが利用するしかない。お年寄りから子供まで、誰もが知ってるグループを目指す。地域イベント、ミニライブ、ローカル番組、出来ることは片っ端からなんでもやるぞ。今がお前らの攻めどきなんじゃい。ぶぉぉぉぉ‼︎」
「みんな〜、頑張れ〜!」
「アンタも頑張るのよ‼︎」
それはともかく、私と巽の考え方は一緒のようね。安心した。これを機になんでもやって、さらに有名になっていくぞ‼︎そうして、その日から私たちは今まで以上の量の仕事をこなすことになった。
そして、奈々子はというと、
「うぇ〜ん、こんなの過労死しちゃうよ〜!」
「大丈夫よ、私たち既に死んでるから。」
「そんな〜!」
「愛さんにセリフ取られました………」
「別に私が言ってもよくない⁉︎」
今まで以上に忙しい日々に翻弄されていた。特に純子はチェキ会を出ないことに決めたため、代わりにサイン入りのプロマイドを販売することに。
「純子〜、次はちょ〜っと脱いでみようか〜!」
「奈々子さん、何言ってるんですか⁉︎破廉恥です‼︎///」
「元ニートが激務でおかしくなってるのよ。大目にみてあげて。」
「わ、分かりました〜!」
「おかしくなってないって〜!」
その撮影と製作で忙しくなったのだ。ただその出来栄えは最高。正直私も昔純子に憧れてたところがあったので、奈々子に言ってこっそりもらっている。
そんなこんなで、忙しくしていたある日。サイン会をしていると、ある問題が発生した。
「愛〜、あの人知ってる〜?」
「いや、知らない。」
「そっか〜。」
奈々子に言われてみると、そこには身長2mを超え、肩幅が普通の人の3倍もあるかのような大男が立っていた。しかも顔に古傷がある上にスキンヘッド。もしかしからヤクザなのかもしれない。そんな雰囲気の人だった。
「多分大丈夫だと思うけど〜、一応見とくよ〜。」
「ありがとう、奈々子。」
正直奈々子が見たところでけちょんけちょんにされると思うけど………ただ、アイツの人懐っこさなら上手くいく可能性もあるか。そう思った数分後………
「初めまして、6号だ………」
「本当に…………っ‼︎」
なんと大男がいきなりリリィの肩を掴んだのだ。これはマズい‼︎
「ちょっとお客さん〜!」
「何しやがんだ、テメェ‼︎」
慌てて奈々子とサキが駆け寄る。そしてすぐさまサキがドロップキックを入れ、大男を撃退した。いや、強すぎでしょ………とまあ、それはさておき………これは警戒しておく必要があるわね。
チェキ会が終わった後、
「お触り禁止って言ったやろが、オッサン‼︎」
「出禁にしちゃうよ〜?」
楽屋でその大男はヤンキーと見た目だけヤンキーに問い詰められていた。目的はなんだろう?誘拐?それとも巽か奈々子の借金?とりあえず、気をつけて見張ってないと………
「すまない。あの子が似ていたんだ。」
「あぁ、誰にだよ⁉︎」
似ている………?まさか…………
「7年前までよくテレビに出ていた、星川リリィという名の子役に。」
「「「えっ………?」」」
そう思っていたら、思わぬ事を言われた。リリィの正体がバレるかもしれない。これはかなりの由々しき事態だった。
この件について、屋敷に帰った後、私たちは寝室で話し合うことにした。
「リリィの件は、あの子だけの問題じゃない。私と純子なんか、特にね。」
「確かに。名乗ってないとはいえ、不安になりますね。」
「目立つことしはる人ほど身が危うくなるんは、いつの世も同じやなぁ*1。」
「あ〜‼︎ったくめんどくせ〜‼︎」
有名人の顔バレ。特に元芸能人だった3人にはあるかもしれないこと。更に今はそれがネットで拡散されてしまう時代。いつ何が起こるか分からない、という状況だ。
「そういや〜、リリィとさくらは〜?」
そんな事を思ってると、奈々子がさくらとリリィが戻って来ないことに気づいた。
「確かに!アイツらどこ行ったんや⁉︎」
「水浴びから戻ってきませんね………」
多分さくらがリリィのこと慰めに行ったのかな?リリィも今日はずっとびっくりしてたし。そうだと信じよう。
そんな事を思いながら、しばらくみんなと話していると………
「ということで、リリィちゃんはまさおくんでした!」
さくらがリリィを連れて、意味不明な事を言って帰ってきた。