伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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第二十六話 リトルパラッポSAGA

  愛視点

 

 ある日のこと。私たちがいつものミーティングルームでパイプ椅子に座っていると………

 

「スーハー、スーハー、」

 

 巽が訳わかんないゴーグルと浮き輪をつけて、何故か平泳ぎの真似をしながら入ってきた。また今日もいつものめんどくさいノリやるのね。そう思ってると………

 

「みなは〜ん………」

「おっはようございま〜す☆」

「えっ………?」

 

 何故か前に立ってるリリィにキャンセルさせられてた。そして、彼女?彼?は手で返事、というジェスチャーをした。とりあえず返せ、ってことね。

 

「「「「「「お、おはようございます。」」」」」」

「う、うううーううーうー。」

「うん、皆今日もマジカルスマイルだね☆あれれ〜、1人マジカルじゃ無い人がいるみた〜い☆」

「お、おはようございます………」

「声が小さーい☆挨拶は基本だよ?」

「すっ、すみません………。えっ、こ、これ何?」

 

 珍しく終始巽が戸惑っている。アンタは何も聞かされてないんかい!

 

「知らな〜い。」

「ちんちく、何のつもりだよ?」

 

 アンタらも聞かされてないんかい!それじゃあ誰も知らないじゃん‼︎

 

「リリィね、今よりもっともっとキラキラに輝きたいの〜☆」

「それなら、お酒飲んでゲロ吐けばいいと思うよ〜!」

「それは違〜う☆」

 

 それに、アンタは子供に酒を教えないでよ‼︎ホント教育に悪い人ね!

 

「それはさておき〜、ラジオのレギュラー貰って、佐賀アリーナも大成功で、アイアンフリルにライバル宣言までされちゃって〜☆皆リベンジに向けてすっごい頑張ってるでしょ?リリィも負けてらんないよ☆リリィのマジカルもミラクルアップして、フランシュシュもワンダフルアップ出来たらなって☆」

 

 それはさておき、リリィは皆に感化されて自分を上げようとしてるのね。しかも自主的に動いている。とてもいいことだわ。

 

「おお、ちんちくのくせに一丁前に言うやんか。」

「このところ、何やらリリィはんはずっと1人で考えていんしたが……さいでありんしたか。」

「すごいよかね〜、リリィちゃん!」

「具体的なプランはあるの?」

「もっちろ〜ん☆はいっ、ドーン☆リリィフランシュシュ初の、佐賀ローカルじゃない、全国ネットの番組応募に見事当選しちゃったよ☆」

 

 しかもすごい!ジャパニーズゴッドパフォーマンスだって!全国ネットの番組応募に通るなんて、流石は元天才子役ね!

 

「ぜっ、全国ネット⁉︎」

「うぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「マジかよ⁉︎凄かやんか‼︎」

「お〜、やるねぇ〜!」

「ジャパニーズゴッドパフォーマンスは何でもあり☆フリースタイルなパフォーマンスのオーディション番組なの☆全国各地で行われている地方予選の生放送で優勝すると、年末に東京で開かれる全国大会に出場できちゃう☆フランシュシュも一気に全国区にデビューする、ワンダフルチャンスだよ〜☆」

 

 フリースタイルの番組。なんだか面白そうね。

 

「凄かね、リリィちゃん!リリィちゃんなら絶対行けるよ!」

「テレビはリリィさんの得意分野ですもんね。」

「その番組ってのは、いつから収録あるとや?」

「今からじゃーい☆」

「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」」

 

 ということで、私たちは傷心の巽に運転させ、リリィの収録会場へと向かった。

 

 

 

 

 私たちは収録会場である、佐賀文化会館に到着した。そして、さくらに応援のコツを教わった後、早速楽屋に入った。楽屋は全員一緒の大部屋で、そこでは多くの人に話しかけられた。私たちの知名度がグングン上がってるのを感じる。こうして成長していく感覚は、なんだか懐かしいわね。

 

 そんな事を思っていると、

 

「すみません!どいてください、すみません!」

「大空ライトです!今日は皆さん、どうぞよろしくお願いします!」

 

 小さい男の子が入ってきた。誰、この子?

 

「誰だよ?大空ライト?」

「最近、あちこちのテレビでお見かけしますよ。お芝居も上手で、ちょうど生前のリリィさんみたいな感じです!」

 

 なんでそんな有名な子役が、佐賀の地方大会に?よく分かんない。周りの人の反応から察するに、相当有名な子っぽい。もしかして、佐賀出身なのかな?

 

「わ〜、可愛い男の子だ〜!ね〜ね〜、お姉さんと遊ばな〜い?」

 

 そんな事を思ってたら、ショタコンクソニートが逆ナンし始めたんだけど‼︎何してんのよコイツ⁉︎いきなりやらかすなっつーの‼︎

 

「えっ………?」

「ちょっと、何してるのよ奈々子⁉︎いいから離れなさい‼︎」

「え〜、ケチ〜。」

「ケチじゃない、この変態‼︎」

 

 ほら、相手が戸惑ってるじゃない⁉︎いきなり襲われたら怖いだろうし‼︎

 

「酒飲んでるマネージャー、………もしかして、フランシュシュの皆さんですか?」

「「「えっ………?」」」

 

 しかもバレてるし‼︎というか、なんで奈々子で覚えてるのよ⁉︎せめてメンバーで覚えてよ!

 

「そうだよ〜、今日はよろしくね〜♪」

「はい、よろしくお願いします。」

「おっ、ということは〜!お姉さんと2人で………」

「アンタは離れなさい‼︎会場から放り出すよ‼︎」

「やめて〜、どかさないで〜!」

「ええ…………」

 

 そして奈々子、アンタは頼むから面倒事を起こすなっつーの‼︎ああ、もう!なんでまたニートの世話係をしなきゃいけないのよ‼︎そう思いながら、私は奈々子を強引に楽屋から連れ出した。

 

 

 

 廊下にて、私と奈々子は自販機でお茶を買っていた。

 

「アンタマジで何してんのよ⁉︎警察に突き出すからね‼︎」

「そんな〜、ちょっとちょっかいかけただけじゃ〜ん!」

「黙れ、この変態‼︎」

「え〜‼︎」

 

 本当に心配だ。念の為に会場の外に出しておこうか………

 

「どうなってんだよおい‼︎」

 

 そんな事を思ってたら、奥の方から怒鳴り声がした。気になって見てみると、ライトがマネージャーを問い詰めてた。

 

「あんな一般人と一緒の大部屋楽屋とか、あり得ねえだろ‼︎」

 

 なるほど、裏では威張り散らすタイプね。芸能界にもいたな、こんなの。そういう奴に限って世間でのイメージがいいから困るのよね。

 

「しかもなんなんだ、あの変態は⁉︎酒飲みながらナンパしてくるし……なんであんなのと一緒の部屋なんだよ⁉︎」

 

 それはごめん。うちの奈々子が失礼しました。

 

「ごめんね〜、ライト君。今用意して貰ってるから〜。」

「事前に確保しておけよ!何年マネージャーやってんだ。」

 

 にしても、本当に態度が悪いわね。あれだといずれ苦労するだろうに。

 

「ライト、個室になるんだって〜。となると……」

「余計な動きをしてみなさい。アンタの首と胴は泣き別れよ。」

「3号ったら、こわ〜い!」

 

 こんな変態に見つかっても、誰も助けてくれなくなるよ?そう思った。

 

 

 

 数十分後、いよいよリリィの出番が来た。直前に巽が繁殖期のムツゴロウの真似をして場を白けさせたが、それを難なくリリィは乗り越えてきた。しかも落語。あの子、こんな事も出来たのね。ホントすごいわ!

 

「最初の羽織を脱ぐ時にさ〜、もっと脱いで欲しかったよね〜。」

「私はアンタに捕まって欲しかったな〜。」

 

 そんな変態の妄想をよそに、リリィのステージは大盛況。本当によかった。同じグループのメンバーとしてとても誇らしかった。

 

 

 だが、続くライトのステージ。お手玉投げを披露した彼は、途中失敗したシーンはあったものの、それを乗り越え大盛況。一つのステージで失敗を乗り切る物語を見せるというパフォーマンスに、観客が大盛り上がりしていた。完全にライトの流れだった。

 

「ネバーギブアップ!法律の壁を超えて〜、頑張るぞ〜!」

「そこは諦めさないよ‼︎」

 

 そして、コイツは一旦酒で潰した方がいいかな?人のいいパフォーマンスをパクって変なこと言うなし‼︎そう思ってしまった。

 

 

 

 その後、決勝戦に進んだのはリリィとライトの2人となった。この2人の直接対決。果たして、リリィは勝てるのだろうか?決勝戦は両方歌みたいだけど………。最初はライトのターン。歌う曲は………

 

「嘘だろ………っ⁉︎」

「曲が被った〜⁉︎」

 

 まさかの同じ、『いのち⁉︎』

 

「この流れで同じ歌を歌ったら、完全に2番煎じ扱いされてしまう‼︎」

「そうなったら、勝ち目は無いですね……」

 

 これはマズい‼︎しかもめちゃくちゃ上手いし‼︎マズい、これはマズい‼︎リリィ、大丈夫かな………?

 

 

 

 

 そんな心配は、無用に終わった。

 

「あれ〜、パラッポだったっけ〜?」

「これって、『いのち』⁉︎」

「土壇場でアレンジを⁉︎」

「凄いやん、アイツ‼︎」

「6号ちゃ〜ん‼︎」

 

 なんと土壇場でパラッポアレンジを加え、衣装も派手派手に。しかも振り付けも自分で考えた。まさかあの短時間で⁉︎凄すぎない⁉︎

 

「エッチだよ〜‼︎」

「アンタは余計な茶々入れんな‼︎」

 

 そして、隣のニートは酷すぎない⁉︎屋敷に帰ったらぶっ飛ばしておこう。

 

 その後、リリィのステージは大盛況。更には終わった後のインタビューで………

 

「曲が被ってるって分かった時、どう思った?」

「フランシュシュの皆のことを思い出したの☆フランシュシュはね、ここまで本当に色んなことがあって………もうダメだって時もいっぱいあったんだけど……でもね、皆絶対諦めなかったんだ☆だから6号にも出来るって思ったの☆フランシュシュがもっともっとエターナルになるために、ここは6号がバーンと羽撃(はばた)かなくちゃって☆」

 

 いい事を言ってくれた。リリィ、本当に凄いわね。どんな時も諦めず、機転を効かせ、凄い才能を努力で伸ばす。本当によかった。こんな子がメンバーにいて、本当によかった。そう思っ………

 

「よ〜し、それじゃあ6号を羽撃かせるために、一肌どころか二肌も三肌も脱いじゃうぞ〜♪」

「アンタ、出禁。はい、退場。」

「ちょっと〜、3号〜⁉︎引っ張らないで〜!」

「本当にいいメンバーなんです?」

「あのお酒の人は違〜う☆」

「6号〜、裏切らないで〜‼︎」

 

 てたのに‼︎ホントこのニートは‼︎罰として、その日は歩いて帰らせたのだった。

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