伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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オリジナルの話です。


第二十七話 夏の夜の酔いどれ会合SAGA

  愛視点

 

 リリィの『いのち 〜パラッポver.〜』は子供たちを中心に大ヒットした。そしてそのおかげでさらに知名度が上がり、動画サイトの収入も格段に増えてきた。このまま借金を返せるといいな。

 

 そんな事を思っていたある夜のこと。私がトイレで起きると、一部のメンバーがいない事に気がついた。純子とゆうぎりだ。そしていつもは隣で寝ているはずの奈々子までいなかった。サガロック以降自分の部屋じゃなくて、ずっと私の隣で寝るようになった奈々子が不在。明日が仕事なら寝坊防止のために、絶対に私が隣で寝るんだけど、今回はそうではない。まあ、たまには自分の部屋で寝たいもんね。そう思い、私は特に気にしないことにした。

 

 そして、私はトイレへ向かってると………奈々子の部屋から明かりが漏れているのが見えた。アイツ、夜更かししてるのね。まあ、明日休みだからいいか。なんなら、たまには仕返しとして、驚かしてやろう!そう思って、こっそり近づくと………

 

「………おい………」

「……でしょ………」

 

 中から奈々子と純子とゆうぎりの声が聞こえた。アイツら、こんな夜中に何やってるんだろう?気になったので、部屋のドアを開けると………

 

「あ、愛さん⁉︎」

「これはこれは、喧しくし過ぎたでありんすなぁ。」

「ごめ〜ん、うるさかった〜?」

 

 中ではなんと3人がお酒を飲んでたのだった。

 

「いや、トイレで起きただけだけど………何やってんの⁉︎」

「ん?何って〜、飲み会だよ飲み会〜!」

 

 飲み会⁉︎しかもこのメンバーで⁉︎嘘でしょ⁉︎

 

「わっちらの実質二十歳を記念してるでありんす。」

「たえさん*1と幸太郎さん*2も誘ったんですが、既に寝てまして………」

「なるほどね。」

 

 確かに、言われてみれば大人組か。この前パチンコの時にやった年齢計算*3で、既に20歳は超えてるもんね。あとたえもそっちなんだ。アイツ意識無いから分からなかった。

 

「愛も混ざる〜?」

 

 そんな事を思っていると、奈々子から誘われた。

 

「いや、いいよ。私未成年だし。」

「お酒飲めなくても飲み会は参加できるよ〜。」

「実際に体質で飲めない方も参加することありますし。」

「下戸の人もよく来てはりましたなぁ。」

「そういうことなら混ざるわ。」

「オッケー!」

 

 まあ飲まなくてもいいなら参加してみたいわね。せっかくだかは、大人になった時の練習でもしておこうかな。ゾンビだから成長しないけど。そんな事を考えながら、私は奈々子の隣に座った。

 

「それじゃあ改めて〜、」

「「「「乾杯!」」」」

 

 そして、私は乾杯とともに普通の水を飲んだ。

 

「かぁ〜、やっぱり鍋島は最高ですなぁ〜♪」

「懐かしい味*4でありんす。」

「美味しいですよね、これ!」

 

 ちなみに、他3人は揃いも揃って日本酒。私あんまり分かんないけど、お酒ってもっと種類あるよね?ビールとかカクテルとか。そんなに皆で同じ酒を飲むことある?奈々子はいつも飲んでるし、ゆうぎりは生前飲んでそうだからわかるけど、純子は意外ね。

 

「純子、アンタも日本酒なのね。」

「はい!好きな和食にとても合うんです!」

「アンタ、確かに和食好きだったね。それなら日本酒か。」

「ええ!愛さんも3年後に飲んでみてくださいね!」

「試してみるよ。」

 

 なるほど、好きな食べ物に合わせるためか!それなら納得。それにしても、おしゃれにゆっくりと飲むのが似合うなぁ。こんな人がライブではパワフルボイスで場を支配する。そのギャップがたまらない。

 

「そういえば、ゆうぎりさんと奈々子さんが作ってくれた、おつまみもありますね!食べましょう!」

 

 それはそうと、奈々子作のおつまみもあるのか。ちょっと食べてみよう。

 

「えっ………しょっぱっ!」

 

 そう思って口にしたら、めちゃくちゃ塩辛かった。2人とも料理上手いはずなのに、なんで?

 

「それ、お酒に合わせた味付けにしてるからね〜。」

素面(しらふ)だときついと思いんす。」

「そうなんだ〜。」

 

 そういうことね。お酒を飲まない私じゃ分からないって感じか。大人の味ってやつだね。なんかちょっと憧れるな。

 

「ちなみに〜、ボクの一番好きな食べ物は塩辛だよ〜!」

「アンタ本当にアル中よね………」

「愛も将来なるかもよ〜?」

「絶対ならないから‼︎」

 

 そして、私はアル中にもヤニカスにもギャン中にもならない。だって奈々子の醜態を間近でみているから。いい反面教師よ、アンタは。 

 

 

 

 そんな事を思っていると、

 

「そういえは、幸太郎さんって何者なんでしょうか?」

 

 純子が違う巽の話をした。謎が多い方ね。

 

「確かに、不思議な方でありんす。」

「ボクにもあんまり教えてくれないんだよね〜。」

「そもそも、私たちはどうやってゾンビになったのでしょうか?

「そもそも日本は火葬でしょ?死体はそこで消えてるはず。」

「わっちや純子はんなんかは、恐らく幸太郎はんが生まれる前に死んでなんし。」

「奈々子は何か知ってるの?」

「いや、全然〜。」

「ホント、訳わかんないよね。」

「謎多き男、巽幸太郎なり〜!」

 

 目的はなんなのか。そもそも死体をどうしたのか。何歳なのか。なんなら本名かすらも怪しい。出身は佐賀だと思うけど、佐賀弁を話してるだけで違う可能性だってある。最初は奈々子が奥さんかと思ったけど、どうやら赤の他人らしい。

 

「それに比べて、奈々子はんはあんまり謎とかありんせんし。」

「分かりやすいですからね。」

「いや〜、意外とボクも謎多きミステリアス女かもよ〜?」

「そんな訳ないでしょ。」

「ですね。」

「え〜‼︎」

 

 対照的に、奈々子は好き嫌いがはっきりし過ぎていて、行動原理がとても分かりやすい。酒とタバコとギャンブルが好きで、労働が嫌い。そして、私のためにフランシュシュのマネージャーをしている。本当に単純で、変わっていて、そしてとても優しい人だ。

 

 

 

 そんなこんなで、飲み会が始まってから1時間が経過した。そういえば、誰かお酒で豹変したりしないのかな?さくら曰く巽が酔うとクソめんどくさいらしいけど、ここには居ない。となると、他にお酒弱いのは誰だろう?純子とかかな?意外と飲むと大胆になったりして…………

 

 それにしても、なんか頭がふわふわしてきたな。というか、この水の味、なんか変…………

 

「愛、それボクのコップ!」

「あっ、ごめん‼︎」

「大丈夫〜?」

「うん、平気平気〜!」

「一応ゾンビですから、未成年が飲んでも大丈夫ですけど……」

「愛はん、お水足しといたでありんす。」

「ありがとう〜、ゆうぎり〜!」

 

 な〜んだ、間違えてお酒飲んだだけか〜。ならいっか〜♪

 

「奈々子〜、ご飯ちょ〜だい♪」

「塩辛?いいけど大丈夫………?」

「う〜ん!わぁっ、しょっぱいけどおいし〜!」

「これは完全に酔ってますなぁ〜。」

「よってないよってない〜!」

 

 それにしても………なんか奈々子の身体、柔らかそう…………

 

「にゃにゃこ〜、ぎゅーってしていい〜?」

「いいけど………大丈夫〜?」

「だいじょぶ〜!」

「これは相当でありんすなぁ。」

「一杯でこうなるとは……愛さん、可愛いですね!」

「じゅんこ、うるはい‼︎」

「ほ〜ら、お水飲んで〜!」

「は〜い!じゃあ、ぎゅってするね〜♪」

「いいよ〜!」

 

 わぁ〜、やわらか〜い!もちもちしてる〜!なんかふとんみたいで、ねむくなってきたな………なんか………なつかしい……かんじ……

 

 

 

 

 

  純子視点

 

 愛さんがあっという間に酔い潰れてしまいました。お酒弱かったんですね。

 

「これは驚きんした。」

「本当にびっくりです!」

「愛〜、おやすみ!」ナデナデ

 

 そして、なんだか奈々子さんが愛さんのお姉さんみたいです。普段はあんまりそんな感じしないですけど、ちゃんと歳上してるのですね。

 

「愛さんって、奈々子さんの妹だったのですか?」

「違うよ〜!ボクが愛のファンなだけ〜。」

「おお。それはいいでありんすなぁ。」

「そうなのですね!」

 

 そういえば、さくらさんも愛さんのファンでしたよね。彼女がこの光景を見たら、きっと羨ましがるでしょうね。そんな事を思った飲み会でした。

 

 

 

  愛視点

 

 お酒飲んだ次の日。私は死ぬほど頭が痛くてゲロを吐きまくっていた。二日酔いだ。まさか自分がこうなるとは………

 

「うう、最悪…………」

「大丈夫〜?」

「う、うん………」

「とりあえず、味噌汁を作るよ〜。二日酔いには効くんだよね〜。」

「ありがとう…………」

「いえいえ〜!」

 

 しかも酔った後の記憶が全く無い。私は一体何をしていたの?なんか怖いんだけど。奈々子の優しさが心に沁みる。大丈夫だよね、私変な事してないよね?こうして休みの日は二日酔いで全部潰れたのだった。

*1
20超えてる雰囲気をゆうぎりが察していたのと、奈々子が実際に年齢を知っていたから誘った。

*2
巽が2人いるので、純子は両方下の名前で呼んでる

*3
没年齢+ゾンビとして意識が戻ってからの経過年数

*4
鍋島自体は割と最近できた。が、ゆうぎりは生前日本酒を飲んでたため。

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