伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う 作:スピリタス3世
愛視点
リリィの『いのち 〜パラッポver.〜』は子供たちを中心に大ヒットした。そしてそのおかげでさらに知名度が上がり、動画サイトの収入も格段に増えてきた。このまま借金を返せるといいな。
そんな事を思っていたある夜のこと。私がトイレで起きると、一部のメンバーがいない事に気がついた。純子とゆうぎりだ。そしていつもは隣で寝ているはずの奈々子までいなかった。サガロック以降自分の部屋じゃなくて、ずっと私の隣で寝るようになった奈々子が不在。明日が仕事なら寝坊防止のために、絶対に私が隣で寝るんだけど、今回はそうではない。まあ、たまには自分の部屋で寝たいもんね。そう思い、私は特に気にしないことにした。
そして、私はトイレへ向かってると………奈々子の部屋から明かりが漏れているのが見えた。アイツ、夜更かししてるのね。まあ、明日休みだからいいか。なんなら、たまには仕返しとして、驚かしてやろう!そう思って、こっそり近づくと………
「………おい………」
「……でしょ………」
中から奈々子と純子とゆうぎりの声が聞こえた。アイツら、こんな夜中に何やってるんだろう?気になったので、部屋のドアを開けると………
「あ、愛さん⁉︎」
「これはこれは、喧しくし過ぎたでありんすなぁ。」
「ごめ〜ん、うるさかった〜?」
中ではなんと3人がお酒を飲んでたのだった。
「いや、トイレで起きただけだけど………何やってんの⁉︎」
「ん?何って〜、飲み会だよ飲み会〜!」
飲み会⁉︎しかもこのメンバーで⁉︎嘘でしょ⁉︎
「わっちらの実質二十歳を記念してるでありんす。」
「たえさん*1と幸太郎さん*2も誘ったんですが、既に寝てまして………」
「なるほどね。」
確かに、言われてみれば大人組か。この前パチンコの時にやった年齢計算*3で、既に20歳は超えてるもんね。あとたえもそっちなんだ。アイツ意識無いから分からなかった。
「愛も混ざる〜?」
そんな事を思っていると、奈々子から誘われた。
「いや、いいよ。私未成年だし。」
「お酒飲めなくても飲み会は参加できるよ〜。」
「実際に体質で飲めない方も参加することありますし。」
「下戸の人もよく来てはりましたなぁ。」
「そういうことなら混ざるわ。」
「オッケー!」
まあ飲まなくてもいいなら参加してみたいわね。せっかくだかは、大人になった時の練習でもしておこうかな。ゾンビだから成長しないけど。そんな事を考えながら、私は奈々子の隣に座った。
「それじゃあ改めて〜、」
「「「「乾杯!」」」」
そして、私は乾杯とともに普通の水を飲んだ。
「かぁ〜、やっぱり鍋島は最高ですなぁ〜♪」
「懐かしい味*4でありんす。」
「美味しいですよね、これ!」
ちなみに、他3人は揃いも揃って日本酒。私あんまり分かんないけど、お酒ってもっと種類あるよね?ビールとかカクテルとか。そんなに皆で同じ酒を飲むことある?奈々子はいつも飲んでるし、ゆうぎりは生前飲んでそうだからわかるけど、純子は意外ね。
「純子、アンタも日本酒なのね。」
「はい!好きな和食にとても合うんです!」
「アンタ、確かに和食好きだったね。それなら日本酒か。」
「ええ!愛さんも3年後に飲んでみてくださいね!」
「試してみるよ。」
なるほど、好きな食べ物に合わせるためか!それなら納得。それにしても、おしゃれにゆっくりと飲むのが似合うなぁ。こんな人がライブではパワフルボイスで場を支配する。そのギャップがたまらない。
「そういえば、ゆうぎりさんと奈々子さんが作ってくれた、おつまみもありますね!食べましょう!」
それはそうと、奈々子作のおつまみもあるのか。ちょっと食べてみよう。
「えっ………しょっぱっ!」
そう思って口にしたら、めちゃくちゃ塩辛かった。2人とも料理上手いはずなのに、なんで?
「それ、お酒に合わせた味付けにしてるからね〜。」
「
「そうなんだ〜。」
そういうことね。お酒を飲まない私じゃ分からないって感じか。大人の味ってやつだね。なんかちょっと憧れるな。
「ちなみに〜、ボクの一番好きな食べ物は塩辛だよ〜!」
「アンタ本当にアル中よね………」
「愛も将来なるかもよ〜?」
「絶対ならないから‼︎」
そして、私はアル中にもヤニカスにもギャン中にもならない。だって奈々子の醜態を間近でみているから。いい反面教師よ、アンタは。
そんな事を思っていると、
「そういえは、幸太郎さんって何者なんでしょうか?」
純子が違う巽の話をした。謎が多い方ね。
「確かに、不思議な方でありんす。」
「ボクにもあんまり教えてくれないんだよね〜。」
「そもそも、私たちはどうやってゾンビになったのでしょうか?
「そもそも日本は火葬でしょ?死体はそこで消えてるはず。」
「わっちや純子はんなんかは、恐らく幸太郎はんが生まれる前に死んでなんし。」
「奈々子は何か知ってるの?」
「いや、全然〜。」
「ホント、訳わかんないよね。」
「謎多き男、巽幸太郎なり〜!」
目的はなんなのか。そもそも死体をどうしたのか。何歳なのか。なんなら本名かすらも怪しい。出身は佐賀だと思うけど、佐賀弁を話してるだけで違う可能性だってある。最初は奈々子が奥さんかと思ったけど、どうやら赤の他人らしい。
「それに比べて、奈々子はんはあんまり謎とかありんせんし。」
「分かりやすいですからね。」
「いや〜、意外とボクも謎多きミステリアス女かもよ〜?」
「そんな訳ないでしょ。」
「ですね。」
「え〜‼︎」
対照的に、奈々子は好き嫌いがはっきりし過ぎていて、行動原理がとても分かりやすい。酒とタバコとギャンブルが好きで、労働が嫌い。そして、私のためにフランシュシュのマネージャーをしている。本当に単純で、変わっていて、そしてとても優しい人だ。
そんなこんなで、飲み会が始まってから1時間が経過した。そういえば、誰かお酒で豹変したりしないのかな?さくら曰く巽が酔うとクソめんどくさいらしいけど、ここには居ない。となると、他にお酒弱いのは誰だろう?純子とかかな?意外と飲むと大胆になったりして…………
それにしても、なんか頭がふわふわしてきたな。というか、この水の味、なんか変…………
「愛、それボクのコップ!」
「あっ、ごめん‼︎」
「大丈夫〜?」
「うん、平気平気〜!」
「一応ゾンビですから、未成年が飲んでも大丈夫ですけど……」
「愛はん、お水足しといたでありんす。」
「ありがとう〜、ゆうぎり〜!」
な〜んだ、間違えてお酒飲んだだけか〜。ならいっか〜♪
「奈々子〜、ご飯ちょ〜だい♪」
「塩辛?いいけど大丈夫………?」
「う〜ん!わぁっ、しょっぱいけどおいし〜!」
「これは完全に酔ってますなぁ〜。」
「よってないよってない〜!」
それにしても………なんか奈々子の身体、柔らかそう…………
「にゃにゃこ〜、ぎゅーってしていい〜?」
「いいけど………大丈夫〜?」
「だいじょぶ〜!」
「これは相当でありんすなぁ。」
「一杯でこうなるとは……愛さん、可愛いですね!」
「じゅんこ、うるはい‼︎」
「ほ〜ら、お水飲んで〜!」
「は〜い!じゃあ、ぎゅってするね〜♪」
「いいよ〜!」
わぁ〜、やわらか〜い!もちもちしてる〜!なんかふとんみたいで、ねむくなってきたな………なんか………なつかしい……かんじ……
純子視点
愛さんがあっという間に酔い潰れてしまいました。お酒弱かったんですね。
「これは驚きんした。」
「本当にびっくりです!」
「愛〜、おやすみ!」ナデナデ
そして、なんだか奈々子さんが愛さんのお姉さんみたいです。普段はあんまりそんな感じしないですけど、ちゃんと歳上してるのですね。
「愛さんって、奈々子さんの妹だったのですか?」
「違うよ〜!ボクが愛のファンなだけ〜。」
「おお。それはいいでありんすなぁ。」
「そうなのですね!」
そういえば、さくらさんも愛さんのファンでしたよね。彼女がこの光景を見たら、きっと羨ましがるでしょうね。そんな事を思った飲み会でした。
愛視点
お酒飲んだ次の日。私は死ぬほど頭が痛くてゲロを吐きまくっていた。二日酔いだ。まさか自分がこうなるとは………
「うう、最悪…………」
「大丈夫〜?」
「う、うん………」
「とりあえず、味噌汁を作るよ〜。二日酔いには効くんだよね〜。」
「ありがとう…………」
「いえいえ〜!」
しかも酔った後の記憶が全く無い。私は一体何をしていたの?なんか怖いんだけど。奈々子の優しさが心に沁みる。大丈夫だよね、私変な事してないよね?こうして休みの日は二日酔いで全部潰れたのだった。