伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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リリィのセリフだけ、たまに句点の代わりに⭐︎をつけています。一番誰のセリフか分かりにくい子だったので。


第三話 デッドオアアライブSAGA

  愛視点

 

 佐賀城でのライブの次の日。私たちはいつものようにミーティングしようとしていた。

 

「おっはようございまぁぁ………あれ、奈々子はどうした?」

 

 が、相変わらずニートが欠席していた。

 

「ニートか?アタシは見とらんけ!」

「私もです!」

「今日ずっと見かけないですね………」

「わっちも知りんせん。」

「リリィも知らないもん!」

「がぁぁぁ!」

 

 もちろん他のメンバーも知らない。まだ寝てるのだろうか。ニートが朝遅いのはイメージつきやすい。ただ、流石にもう午前11時だ。そろそろ起きているのが自然だろう。

 

「私も知らないわよ。」

「なんじゃい。奈々子係の、愛も知らんのか〜い‼︎」

「誰が奈々子係よ⁉︎」

「そりゃ愛が一番懐かれとるからやろ。」

「仲良かとね〜、2人!」

「良くないから‼︎」

 

 そして、知らない間にニートのお守りにさせられてる私。第一10個も歳下に甘え懐くってどういう状況よ!ホント意味分かんないんだけど‼︎こんなものの為にアイドルに戻ったわけじゃないから‼︎

 

「つーわけで、愛が奈々子を探してこんかい、ボケェェェ‼︎」

「チッ‼︎分かったわよ‼︎アイツの部屋行って叩き起こしてくればいいんでしょ‼︎」

 

 ということで、私は舌打ちをした後に奈々子の部屋に向かった。

 

 

 

 

 そういや、この屋敷では奈々子と巽だけが個室を与えられている。メインプロデューサーかつ性別の異なる巽はともかく、ほとんど何もしてない奈々子に個室があるのがホント意味分かんない。6畳だからそこまで広くないとはいえ、ニートにはもったいないくらいだ。

 

 そんな事を思いながら部屋の前に到着。そして、

 

「奈々子〜、ミーティングよ〜!起きなさ〜い!」

 

 ドアの外から呼びかける。まるで子供を起こす母親みたいだ。向こうのほうが全然歳上なのに。アイツ本当に26歳だよね?酒とタバコのギャンブルがなかったら完全に子供だ。

 

「………」

 

 もちろん反応はなし。ああ、これは寝てるな。そう思って扉を開けると………

 

「zzzzzzzz」

 

 酒瓶片手に爆睡している奈々子がいた。予想通り。おおかた昨夜飲んで潰れたのだろう。全く、呆れた人だ。

 

「起きて、奈々子!もう11時だよ‼︎ミーティングするよ‼︎」

「………ん?あぁ………愛〜?」

「ほら、早く起きなさい‼︎ミーティングミーティング‼︎」

「え〜、無理〜、ねむねむ………」

「二度寝するな‼︎」

「というかさ〜、」

 

 完全に起きる気ないじゃん‼︎ミーティングって言ってるのに‼︎このバカめ‼︎しかも言い訳しようとしてるし‼︎一体何を言うつもりなの⁉︎

 

「ボク、昨日仕事したばっかじゃ〜ん!それなのに今日も仕事〜?そんなの無理〜!ずっとニートだった人が2日続けて働けるわけないよね〜。ということでおやすみ〜♪」

 

 完全に甘えじゃん‼︎昨日だってほとんど酒飲んで盗撮してただけだし‼︎あったまきた‼︎なんとしてても引き摺り回して働かせてやる‼︎

 

「断る権利ないから‼︎ほらこっち来る‼︎」

「ぎゃ〜、引っ張らないで〜!今日は休みなの〜!未来永劫休みなの〜‼︎」

「うるさい‼︎黙れ‼︎早くこっちに来なさい‼︎」

「も〜、仕方ないな〜!」

「仕方なくない‼︎」

 

 最終的には奈々子が渋々布団から出てきた。全く、もっと早く起きて欲しかったんだけど。そう思わざるを得ない体たらくだった。

 

 

 

 

 

 その後、私たちはミーティングで佐賀駅前のゲリラライブの開催が決定した。しかも明日朝。そんな急拵(きゅうごしら)えはあまりにも無茶だと思いつつ、やれるだけのことはやるしかない。そう思って気を引き締めていると、

 

「おっ!ボク明日やることな〜い!やった〜♪休みだ〜!」

 

 奈々子が気の緩む声で気の緩む事を言った。

 

「はぁ⁉︎そんなわけないでしょ‼︎」

「明日パチンコ行ったらぶっ殺すかんな‼︎」

「せめてリリィたちの応援くらいはしてよね☆」

「大丈夫大丈夫〜!ちゃんと応援するから〜!」

「現地でね‼︎」

「分かってるよ〜!」

 

 本当にコイツ分かってるのかな?心配になる。もし明日来なかったら追い出そう。この屋敷を。そう思った日だった。

 

 

 

 

 そして翌日。色々と私たちは心配したのだが、奈々子はちゃんとライブ会場である佐賀駅前に来た。というより私たちと普通に一緒に向かった。それはよかった………のだが…………

 

「かぁ〜!青空の下で飲むお酒は美味し〜!」

 

 なんと駅前広場で座って酒を飲み始めたのだ。しかも日本酒ラッパ飲み。上下灰色のスウェット着た女がそんな事やり始めたら、頭がおかしくなったホームレスにしか見えない。

 

「ねえママ、あの人………」

「しっ!見ちゃダメ!」

「佐賀駅前って意外と治安悪いんだな………」

「なんだぁ?ここは中洲*1かぁ?」

 

 当然そんな奴がいるところに人なんか寄ってこない。全く、何よアイツ⁉︎人の足しか引っ張らないじゃない‼︎

 

「巽、アイツどかして‼︎」

「いいや、このままライブを決行する。」

「はぁ⁉︎」

「はいゴーゴーゴーゴゴーゴーゴー‼︎」

 

 しかもこんな状況でやるの⁉︎バカなじゃないの⁉︎絶対失敗するに決まってるじゃん‼︎第一警察とか来たらどうすんの⁉︎私たちまで奈々子のとばっちり受けるじゃん‼︎不安になりながら、私たちは車を降りてダッシュで配置に着いた。

 

「おっ、フランシュシュだ〜!皆見て〜!あの子たち凄いんだよ〜!」

「えっ………?」

「おいおい、酔っ払いの前であの子たち大丈夫か……?」

「変なのに目をつけられたんだな………」

「可愛いのに可哀想だな………」

 

 一応奈々子がサクラしてるけど………完全に変な目で見られている。というか多少哀れまれているような………。まあいいや、とりあえずこの状況を突き抜けなきゃね!あのニートが気にならないくらい、盛り上げてやるんだから‼︎

 

「え〜っ、うちら、フランシュシュって言います‼︎気合い入れて歌うけん、夜露死苦(よろしく)〜‼︎」

 

 ということで、私たちはサキの挨拶の後、ゲリラライブを始めた。ライブ自体はクオリティは微妙なものの、なんとかある程度の人の足を止めることができた。

 

「わはぁ!可愛い〜!」

「でしょ〜!このお姉ちゃんたち、凄いんだよ〜!もっと近くで見てみて〜!」

「うん!」

 

 奈々子もなんやかんや写真撮ったり、聞きに来てくれた小さい女の子*2に席を譲ったりと、意外にもちゃんとしてた。今回はその子の前だからか、パンツを撮ろうとしなかったことだけは許してやろう。

 

 

 

 ということで、ライブが終わり、私たちは今撤収しようとしていた。

 

「こらこら〜、君たち〜?」

「うわっ、警察だ!リリィたち怒られちゃう☆」

 

 その時に、アクシデントが発生した。なんと巡回していた警察がやってきたのだ。

 

「ど、どうしましょう………」

「どやんすどやんす〜⁉︎」

「何してんのぉ〜?ダメじゃんライブとか勝手にやっちゃ〜‼︎逮捕か〜、これ逮捕きちゃうか〜?」

「あぁ⁉︎文句あっとかコラァ⁉︎」

「サキはん、ここは抑えんと‼︎」

「リーダーなんだから☆」

「がぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「たえちゃん、警察に噛みついちゃいかんよ!」

 

 マズい、このままだと警察沙汰になる‼︎こんなところでアイドル活動を終わらせるわけにはいかない‼︎だからなんとかしないと‼︎

 

「おまわりさ〜ん、ちょっといいですかぁ〜?」

 

 そんな事を思っていたら、地面に座って飲んでた奈々子が近づいてきた。一体何を言い出すんだろう?不安しかない……

 

「ボクと飲みませんか〜?仕事サボっちゃいましょうよ〜!」

 

 不安的中‼︎何言ってるのコイツ⁉︎相手警察だよ警察‼︎そんな人に駅前のロータリーで酒瓶持って絡んだら、絶対大事になるじゃん‼︎最悪なんかのギャンブルがバレて捕まったりして‼︎あぁもう、なんとか止めないと………。じゃないと警察が………

 

「おっ、どした〜?可愛い姉ちゃんだな〜?まさか俺に惚れたのか〜?///」

 

 なんか嬉しそうなんだけど⁉︎警察が仕事中に鼻の下伸ばすな‼︎可愛い子に絡まれてテンション上がってんじゃん‼︎コイツもバカなんじゃないの⁉︎

 

「お兄さんカッコいいな〜、って思って〜。お酒無理ならタバコでもいいですよ〜♪」

「おっ、おう!そっ、そうだな‼︎やっぱ俺に惚れちゃったか〜‼︎///」

 

 そして、警察と話しながら私たちの方を見てウインクする奈々子。ここは私に任せて逃げろってことか。アンタ、意外とやるわね‼︎

 

「よしっ、帰るぞお前ら‼︎」

「撤収撤収〜⭐︎」

「はい!」

「がぁぁぁぁ‼︎」

「あっ、車来たと!」

 

 ということで、私は奈々子にウインクを返してその場を去ったのだった。 

 

 

 

 

 撤収から数時間後…………

 

「お前ら、奈々子の帰還じゃい。」

「やっほ〜!帰ってきたよ〜!」

 

 もう一度迎えに行った巽が奈々子を連れて帰ってきた。

 

「奈々子、ありがとう‼︎今回はとても助かったわ‼︎」

「おお!奈々子、お前やるやん‼︎」

「すごかったとよ!」

「あれが大人の武器ですか………」

「流石26歳☆」

「誠に見事な色仕掛けでありんした。」

「がぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「皆ありがと〜、もっと褒めて〜!養って〜!」

「それは嫌よ!ちゃんと働きなさい‼︎」

「愛ったら、ひど〜い‼︎」

 

 とはいえ、今日と明日くらいは休ませてあげよう。いっぱい褒めてあげよう。超役に立ったし。そんな事を思っ………

 

 

 

 

 

 

「ちなみに、活動資金を奈々子がパチンコで溶かしたため、お前らには明日から営業活動をしてもらう。」

「「「「「はぁ⁉︎」」」」」

「ごめんちゃ〜い♪」

 

 わなかった日々だった。マジで何してんのよコイツ‼︎警察との飲みをとっとと終わらせて、パチンコしてたってこと⁉︎ホント最低じゃない‼︎しかも本人は全然悪びれないし‼︎ホント頭にくる奴なんだから‼︎

 

「テメェマジぶっ殺すぞ‼︎」

「何してるんですか………」

「せっかく凄いと思っとったとに‼︎」

「わっちが首を斬り落として進ぜやす。」

「いけ〜、ゆぎりん☆」

「がぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「奈々子は金輪際ギャンブル禁止。しかもこれから毎日働いてもらうから。拒否権はないわ。」

「ちょっとやめてよ〜!皆いじめないで〜‼︎ボク頑張ったじゃ〜ん‼︎それに全額じゃないし〜‼︎こんなのあんまりだよ〜‼︎」

「それはこっちのセリフよ‼︎」

 

 ということで、私たちは奈々子をこき使うことに決めたのだった。

*1
福岡市の繁華街

*2
古参幼女先輩




ゆうぎりの花魁言葉も難しいですね。
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