伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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第三十話 マイマイレボリューションSAGA 後編

  愛視点

 

 私たちは学園祭ライブに向け、必死に練習した。いつも転びまくっていた舞々も、だんだん転ばなくなってきた。彼女の必死な姿に、こっちのモチベーションもぐんぐん上がってきた。

 

「愛〜、高校には可愛い男の子いるかな〜?」グビグヒ

「変な事するんじゃないわよ、この変態が‼︎」

「アル中さんって、本当にお酒飲んでるんですね!」

「そ〜だよ〜!だって美味しいも〜ん♪」

「そういや、私が7号でいいんですか?アル中さんもとい、奈々子さんが7じゃ?」

「いや、違うよ〜!大丈夫〜♪」

「ホントに紛らわしいよね。名前変えて。」

「愛〜、それは無茶苦茶だって〜!」

 

 それと、奈々子は違うモチベーションを上げないでほしい。いざとなったら警察に突き出すからね?ニートでアル中でヤニカスでギャン中でショタコンとか、ホントろくでもない奴だ。

 

 

 

 

 そして、私たちはいよいよ学園祭前日となった。なんと舞々の機転で、私たちは学校を見学していいことになった。久しぶりの学校にテンションが上がりつつ………

 

「ね〜ね〜、なんでお酒ダメなの〜⁉︎」

「高校にお酒持ち込んでいいわけないでしょうが‼︎」

「じゃあタバコ〜!」

「それもダメ‼︎」

「じゃあパチンコ〜!」

「どうやって持ち込むのよ、それ⁉︎」

 

 私はショタコンニートの監視をしていた。

 

「愛ったら、厳しいな〜!風紀委員長みた〜い。」

「そういや学校にそんなポジションあったね。」

「あんま通ってないから知らないか〜。」

「そうね。仕事で忙しかったし。」

 

 それにしても、ちゃんと学校に来たのは小学生以来かな。中学生になってからはアイアンフリルで忙しかったし。もし私がアイドルやってなかったら、こうして学校通ってたのかな?

 

「ボクも仕事で忙しかったから、あんま通ってなかったな〜。」

「アンタはニートでしょ‼︎」

「そうでした〜!」

「忘れんな‼︎」

 

 そして、こんな感じでアル中の女教師と………って、コイツが先生⁉︎無理に決まってるでしょ‼︎生徒に酒飲ませてクビか、生徒を襲ってクビ。絶対使い物にならない。

 

 それか問題児とか。そっちの方がありそう。私が風紀委員長的な感じで面倒を見るとか。高校生なのに酒を飲む問題児。黄緑髪にピアスのヤンキースタイルといい、絶妙にいそうなラインだ。

 

「ぷっ………!」

「えっ?愛どうしたの〜?なんかこわ〜い!」

「いや、アンタがここに通ったら超問題児だなって思って♪」

「そんな事ないよ〜!というかボクは大人、先生側でしょ〜?」

「こんなダメダメな教師いないでしょ♪」

「あ〜!バカにしやがって〜‼︎」

 

 26歳だけど童顔だし、やっぱり生徒でしょ!色々子供っぽいし。

 

 あれ、26歳?それじゃあ奈々子の生まれた歳は……?確か今年の2月に一周忌とか言ってたから………去年*1の2月に26歳で死亡。だとすると、生まれたのは1991年3月〜1992年2月。あれ、私と同い年?

 

「ねえ、奈々子。」

「どしたの〜、愛〜?」

「アンタって1991年度生まれ?」

「へっ?」

「いや、だってこの間一周忌って言ってたよね?で、アンタ26歳で死んだから………」

「あ〜、確かにそうだったね〜!」

「なんでそんなあやふやなのよ⁉︎」

「お酒飲むと忘れちゃうんだよね〜。」

「流石にそれくらいは覚えてなさいよ‼︎」

 

 いや、それも忘れてんのかい‼︎流石に無茶苦茶過ぎるでしょ‼︎ホント奈々子ったら……っ!

 

「それに、アンタ私と同い年じゃない?私は1992年の3月生まれだし。」

「おっ、そっか〜!愛は早生まれだもんね〜♪」

「気づくの遅くない⁉︎」

 

 私と同い年。だからライブでも見たことなかったのね、酒飲んでるこんな感じのお客さん。その時奈々子は中学生から高校生くらいだもん。それに、巽奈々子は居なかったけど、奈々子ってお客さんなら何人かいたはず。だから恐らく、結婚して苗字が変わったのだろう。

 

 でも、私と同い年で奈々子って居たっけ………?私が名前を覚えきれなかっただけか………?それとも、奈々子が違う名前を名乗ってたり………

 

「おっ、可愛い男の子はっけ〜ん!逆ナンするぞ〜♪」

「ちょっと、行っちゃダメでしょ!この変態‼︎」

 

 ってマズい‼︎奴の暴走を止めないと‼︎そう思い、私は奈々子を追いかけた。幸い彼女は足が遅かったので、速攻で捕まったのだった。

 

 

 

 

 翌日、いよいよ私たちは学園祭当日を迎えた。今は本番直前。舞々が緊張してるっぽいし、声かけてあげよう。

 

「舞々、大丈夫。あれだけ練習したんだから!」

「はい!」

「しゃあ‼︎気合い入れて行くぞぉぉぉぉぉ‼︎」

「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」」」」」

 

 円陣を組んだのち、私たちのステージが始まった。最初の曲はなんと舞々センターの『ぶっちゃけてフォーユー』。学園祭チックな明るい曲調で、場をあっという間に盛り上げた。私もただのライブというより、友達と一緒に盛り上がってる感じがしてとても楽しかった。

 

 そして、次の曲にして最後の曲、『光へ』。だけどその前に………っ!

 

「え〜!アタシら、学園祭っつーのが初めてで〜、なんつーか、とりあえず今日から8人になります‼︎以上です!」

「フランシュシュ7号です!よろしくお願いします!」

 

 新メンバーの紹介!私たちの期待のホープを、同じ学校の皆の前で派手に紹介した。舞々も喜んでくれてるようで何よりだった。

 

「そんじゃあ7号から一言!………ぶちかましてやれ!」

「本日は、フランシュシュスペシャルライブ・イン佐賀南(さがなん)カーニバルにお越しいただき、ありがとうございます‼︎」

「イェーイ‼︎」

「今から皆さんに、大切なお知らせがあります‼︎」

 

 そして、舞々の挨拶‼︎声も出てるし、場も盛り上がってる‼︎最高ね!それにしても、大切なお知らせ………?あれ、こんな流れだったっけ?

 

 

 

 

 

「私、フランシュシュ7号は………このライブをもって、フランシュシュを卒業します‼︎」

 

 えっ?嘘でしょ?舞々が………卒業⁉︎

 

「「「「「えぇぇぇぇぇ⁉︎」」」」」

「フランシュシュ7号、最後の曲です。聴いてください、『光へ』。」

 

 そして、感情を整理する間もなく次の曲が始まってしまった。それからの時間は、何が何だか分からないという感じで、混乱したままライブをしてしまったのだった。

 

 

 

 そして、私たちはライブを終えると、舞台裏で舞に話を聞くことにした。

 

「ねえ舞々、なんでよ?卒業なんて………」

「昨日さくらさんの話ば聞いてから、ずっと考えよって、決心しました。」

 

 昨日のさくらの話?一体何があったの………?

 

「私は皆さんと何も変わらんて思っとったけど、違ったんです。顔色が悪いとかそういうことやなくて、きっと皆さんはそれぞれの時代で、必死になって短い人生を生き抜いたんです。皆さんの輝きは死んでしまってもなお立ち上がって、今度こそ人生を生き抜いてやろうっていう、そういう強さなんです。」

 

 一生懸命は舞々だってやってた。でも一度死んでるか死んでないか………。そこが彼女と私たちの大きな違いなのか………

 

「皆さんみたいに輝くためには、まずは私もこの佐賀でちゃんと生きんと。だから私はフランシュシュを卒業して、この令和を一生懸命に生き抜きます‼︎以上、楪舞々でした〜‼︎えんやー、まいまい‼︎」

 

 だからこそ、彼女もまずは今の人生を精一杯生きる。だから死者の私たちとは、共に行動しないって決めたのね………。その彼女の言葉に、私は気がついたら胸を打たれていた。

 

 

 

 

 そしていよいよ別れの時。私たちは車る前に、舞々に最後のお別れを告げてきた。

 

「あなたすごいと思う。色々。」

「まるで嵐のようでした。」

「名前はのんびりなのにね☆」

「その豪胆さ、忘れないでおくんなんし。」

「うぅぅぅぅぅ…………」

「本当に、ありがとうございました‼︎」

「万が一死んじまったらまた来いよ。」

「はい!」

「ボクみたいにギャンブルで全財産溶かしたらすぐよ〜!」

「コイツは見習わなくていいから。」

「はい!自分の命、無駄にしません!」

「え〜、舞々ったら、厳し〜!」

 

 本当にすごい子だった。彼女に誇れるライブが出来るよう、私たちも頑張らないとね!あと奈々子、人生の無駄遣いはアンタだけで充分よ。

 

「あっ、これ〜、サキさんに!」

「はぁ⁉︎あの時の虹色たまごっち⁉︎よかとかよ⁉︎すげーいいもんだろ、これ⁉︎」

「貰って下さい!」

「マジか、サンキュー‼︎ぜってー大事にすっけん‼︎」

「ボクにはお金くれないの〜?」

「ありません!これ以上愛さんを困らせないで下さい!」

「言ってくれてありがとう!コイツ本当に懲りなくてさ〜!」

「む〜、2人ともひど〜い!」

「酷いのはアンタの頭って、何度言えば分かるの?」

 

 そして、これからも無駄遣いをやめてよね。

 

「短い間だったけど、舞々ちゃんがフランシュシュに入ってくれて、がば楽しかった!」

「私もです!」

「それじゃあまたね!」

「「「「「ばいば〜い!」」」」」

「またライブで〜‼︎」

 

 それにしても、舞々と別れるのが名残惜しかった。まるで新しい友達が増えたみたいな、そんな感じだった。本当にかけがえのない経験ができてよかったと、そう思った日だった。

*1
2018年




この後の佐賀事変は既にやったのでカットです。そのため、オリジナルの話を挟んだ後、アニメ2期10話〜12話を最終章としてやります。よろしくお願いします。
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