伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う 作:スピリタス3世
愛視点
私たちは学園祭ライブに向け、必死に練習した。いつも転びまくっていた舞々も、だんだん転ばなくなってきた。彼女の必死な姿に、こっちのモチベーションもぐんぐん上がってきた。
「愛〜、高校には可愛い男の子いるかな〜?」グビグヒ
「変な事するんじゃないわよ、この変態が‼︎」
「アル中さんって、本当にお酒飲んでるんですね!」
「そ〜だよ〜!だって美味しいも〜ん♪」
「そういや、私が7号でいいんですか?アル中さんもとい、奈々子さんが7じゃ?」
「いや、違うよ〜!大丈夫〜♪」
「ホントに紛らわしいよね。名前変えて。」
「愛〜、それは無茶苦茶だって〜!」
それと、奈々子は違うモチベーションを上げないでほしい。いざとなったら警察に突き出すからね?ニートでアル中でヤニカスでギャン中でショタコンとか、ホントろくでもない奴だ。
そして、私たちはいよいよ学園祭前日となった。なんと舞々の機転で、私たちは学校を見学していいことになった。久しぶりの学校にテンションが上がりつつ………
「ね〜ね〜、なんでお酒ダメなの〜⁉︎」
「高校にお酒持ち込んでいいわけないでしょうが‼︎」
「じゃあタバコ〜!」
「それもダメ‼︎」
「じゃあパチンコ〜!」
「どうやって持ち込むのよ、それ⁉︎」
私はショタコンニートの監視をしていた。
「愛ったら、厳しいな〜!風紀委員長みた〜い。」
「そういや学校にそんなポジションあったね。」
「あんま通ってないから知らないか〜。」
「そうね。仕事で忙しかったし。」
それにしても、ちゃんと学校に来たのは小学生以来かな。中学生になってからはアイアンフリルで忙しかったし。もし私がアイドルやってなかったら、こうして学校通ってたのかな?
「ボクも仕事で忙しかったから、あんま通ってなかったな〜。」
「アンタはニートでしょ‼︎」
「そうでした〜!」
「忘れんな‼︎」
そして、こんな感じでアル中の女教師と………って、コイツが先生⁉︎無理に決まってるでしょ‼︎生徒に酒飲ませてクビか、生徒を襲ってクビ。絶対使い物にならない。
それか問題児とか。そっちの方がありそう。私が風紀委員長的な感じで面倒を見るとか。高校生なのに酒を飲む問題児。黄緑髪にピアスのヤンキースタイルといい、絶妙にいそうなラインだ。
「ぷっ………!」
「えっ?愛どうしたの〜?なんかこわ〜い!」
「いや、アンタがここに通ったら超問題児だなって思って♪」
「そんな事ないよ〜!というかボクは大人、先生側でしょ〜?」
「こんなダメダメな教師いないでしょ♪」
「あ〜!バカにしやがって〜‼︎」
26歳だけど童顔だし、やっぱり生徒でしょ!色々子供っぽいし。
あれ、26歳?それじゃあ奈々子の生まれた歳は……?確か今年の2月に一周忌とか言ってたから………去年*1の2月に26歳で死亡。だとすると、生まれたのは1991年3月〜1992年2月。あれ、私と同い年?
「ねえ、奈々子。」
「どしたの〜、愛〜?」
「アンタって1991年度生まれ?」
「へっ?」
「いや、だってこの間一周忌って言ってたよね?で、アンタ26歳で死んだから………」
「あ〜、確かにそうだったね〜!」
「なんでそんなあやふやなのよ⁉︎」
「お酒飲むと忘れちゃうんだよね〜。」
「流石にそれくらいは覚えてなさいよ‼︎」
いや、それも忘れてんのかい‼︎流石に無茶苦茶過ぎるでしょ‼︎ホント奈々子ったら……っ!
「それに、アンタ私と同い年じゃない?私は1992年の3月生まれだし。」
「おっ、そっか〜!愛は早生まれだもんね〜♪」
「気づくの遅くない⁉︎」
私と同い年。だからライブでも見たことなかったのね、酒飲んでるこんな感じのお客さん。その時奈々子は中学生から高校生くらいだもん。それに、巽奈々子は居なかったけど、奈々子ってお客さんなら何人かいたはず。だから恐らく、結婚して苗字が変わったのだろう。
でも、私と同い年で奈々子って居たっけ………?私が名前を覚えきれなかっただけか………?それとも、奈々子が違う名前を名乗ってたり………
「おっ、可愛い男の子はっけ〜ん!逆ナンするぞ〜♪」
「ちょっと、行っちゃダメでしょ!この変態‼︎」
ってマズい‼︎奴の暴走を止めないと‼︎そう思い、私は奈々子を追いかけた。幸い彼女は足が遅かったので、速攻で捕まったのだった。
翌日、いよいよ私たちは学園祭当日を迎えた。今は本番直前。舞々が緊張してるっぽいし、声かけてあげよう。
「舞々、大丈夫。あれだけ練習したんだから!」
「はい!」
「しゃあ‼︎気合い入れて行くぞぉぉぉぉぉ‼︎」
「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ‼︎」」」」」
円陣を組んだのち、私たちのステージが始まった。最初の曲はなんと舞々センターの『ぶっちゃけてフォーユー』。学園祭チックな明るい曲調で、場をあっという間に盛り上げた。私もただのライブというより、友達と一緒に盛り上がってる感じがしてとても楽しかった。
そして、次の曲にして最後の曲、『光へ』。だけどその前に………っ!
「え〜!アタシら、学園祭っつーのが初めてで〜、なんつーか、とりあえず今日から8人になります‼︎以上です!」
「フランシュシュ7号です!よろしくお願いします!」
新メンバーの紹介!私たちの期待のホープを、同じ学校の皆の前で派手に紹介した。舞々も喜んでくれてるようで何よりだった。
「そんじゃあ7号から一言!………ぶちかましてやれ!」
「本日は、フランシュシュスペシャルライブ・イン
「イェーイ‼︎」
「今から皆さんに、大切なお知らせがあります‼︎」
そして、舞々の挨拶‼︎声も出てるし、場も盛り上がってる‼︎最高ね!それにしても、大切なお知らせ………?あれ、こんな流れだったっけ?
「私、フランシュシュ7号は………このライブをもって、フランシュシュを卒業します‼︎」
えっ?嘘でしょ?舞々が………卒業⁉︎
「「「「「えぇぇぇぇぇ⁉︎」」」」」
「フランシュシュ7号、最後の曲です。聴いてください、『光へ』。」
そして、感情を整理する間もなく次の曲が始まってしまった。それからの時間は、何が何だか分からないという感じで、混乱したままライブをしてしまったのだった。
そして、私たちはライブを終えると、舞台裏で舞に話を聞くことにした。
「ねえ舞々、なんでよ?卒業なんて………」
「昨日さくらさんの話ば聞いてから、ずっと考えよって、決心しました。」
昨日のさくらの話?一体何があったの………?
「私は皆さんと何も変わらんて思っとったけど、違ったんです。顔色が悪いとかそういうことやなくて、きっと皆さんはそれぞれの時代で、必死になって短い人生を生き抜いたんです。皆さんの輝きは死んでしまってもなお立ち上がって、今度こそ人生を生き抜いてやろうっていう、そういう強さなんです。」
一生懸命は舞々だってやってた。でも一度死んでるか死んでないか………。そこが彼女と私たちの大きな違いなのか………
「皆さんみたいに輝くためには、まずは私もこの佐賀でちゃんと生きんと。だから私はフランシュシュを卒業して、この令和を一生懸命に生き抜きます‼︎以上、楪舞々でした〜‼︎えんやー、まいまい‼︎」
だからこそ、彼女もまずは今の人生を精一杯生きる。だから死者の私たちとは、共に行動しないって決めたのね………。その彼女の言葉に、私は気がついたら胸を打たれていた。
そしていよいよ別れの時。私たちは車る前に、舞々に最後のお別れを告げてきた。
「あなたすごいと思う。色々。」
「まるで嵐のようでした。」
「名前はのんびりなのにね☆」
「その豪胆さ、忘れないでおくんなんし。」
「うぅぅぅぅぅ…………」
「本当に、ありがとうございました‼︎」
「万が一死んじまったらまた来いよ。」
「はい!」
「ボクみたいにギャンブルで全財産溶かしたらすぐよ〜!」
「コイツは見習わなくていいから。」
「はい!自分の命、無駄にしません!」
「え〜、舞々ったら、厳し〜!」
本当にすごい子だった。彼女に誇れるライブが出来るよう、私たちも頑張らないとね!あと奈々子、人生の無駄遣いはアンタだけで充分よ。
「あっ、これ〜、サキさんに!」
「はぁ⁉︎あの時の虹色たまごっち⁉︎よかとかよ⁉︎すげーいいもんだろ、これ⁉︎」
「貰って下さい!」
「マジか、サンキュー‼︎ぜってー大事にすっけん‼︎」
「ボクにはお金くれないの〜?」
「ありません!これ以上愛さんを困らせないで下さい!」
「言ってくれてありがとう!コイツ本当に懲りなくてさ〜!」
「む〜、2人ともひど〜い!」
「酷いのはアンタの頭って、何度言えば分かるの?」
そして、これからも無駄遣いをやめてよね。
「短い間だったけど、舞々ちゃんがフランシュシュに入ってくれて、がば楽しかった!」
「私もです!」
「それじゃあまたね!」
「「「「「ばいば〜い!」」」」」
「またライブで〜‼︎」
それにしても、舞々と別れるのが名残惜しかった。まるで新しい友達が増えたみたいな、そんな感じだった。本当にかけがえのない経験ができてよかったと、そう思った日だった。
この後の佐賀事変は既にやったのでカットです。そのため、オリジナルの話を挟んだ後、アニメ2期10話〜12話を最終章としてやります。よろしくお願いします。