伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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第三十七話 奏でる君のソウルにカットインSAGA (終)

  愛視点

 

 いよいよリベンジライブ開演の時間。私たちは皆と一緒にステージへ出た。すると………

 

「「着いたばい‼︎」」

 

 なんと客席にデスおじ出現‼︎もう着いたの⁉︎すごくない⁉︎

 

「あのおっさんら、マジすっげーな!」

「ほんに、ここまでどうやって来たのでありんしょう。」

「あっ、みてみて〜、あれ☆」

 

 更に、リリィが指差す先には………

 

「エンヤー‼︎」

「「「「「エンヤー‼︎」」」」」

「エンヤー‼︎」

「「「「「エンヤー‼︎」」」」」

 

 なんと舞々が沢山のお客さんを連れてきてくれた。その数なんと………えっ、ちょっ、数えられない‼︎なんかいっぱいいない⁉︎千人、二千人、いや、一万人以上⁉︎嘘でしょ⁉︎なんかライトに詩織率いるアイアンフリルまで駆けつけてるし‼︎ホントどうなって…………

 

「ねえおとっつぁん‼︎愛に似てるめんこい女の子だべ‼︎」

「ホントだ。すっげえ似てるべさ。隣にいるのは灯里ちゃん似の子か?」

「声がそっくりなんだと‼︎この間ラジオの動画のやつ*1でやってたべ!」

「なんか見た目違うのに、なんかそっくりなんだよなぁ‼︎」

 

 お父さんにお母さん………っ⁉︎嘘でしょ⁉︎秋田から佐賀まで来てくれたの⁉︎そんな、私のために…………っ‼︎しかもあの辺にいるのは、当時のアイアンフリルのメンバーとスタッフ‼︎嘘でしょ⁉︎

 

「よかったね〜!」

「うん、本当にね………っ‼︎」

 

 本当に、始まる前から泣きそうだった。自分がお世話になった人が来てくれるなんて。本当に、本当に嬉しい………っ‼︎

 

「みんな来てくれたね〜♪」

「そうね!」

「よっしゃぁぁぁぁぁ‼︎気合い入れて行くばぁぁぁぁい‼︎」

「「「「「オー‼︎」」」」」

 

 そして、来てくれた皆のためにも、精一杯やりきらないとね‼︎

 

 

 

 

  灯里視点

 

 愛の両親や旧アイアンフリルの人たちには手紙を送りました〜!そしたら来てくれたよ〜!愛も喜んでくれて、オッケーだね!

 

 そしていよいよ始まりました〜!フランシュシュのリベンジライブです〜!今回ボクは客席からお送りしますよ〜!

 

 さて〜、最初の曲は〜、『REVENGE』!このリベンジライブに相応しい曲さ!超盛り上がる曲で一気に会場は最高潮だ〜‼︎イエ〜イ!

 

 そして間髪入れずに〜、『輝いて』!カレーメシのCMでやったやつの〜、ちゃんとした歌詞バージョン!真面目な歌詞になると印象変わるよね〜!

 

 その次はMCを挟んだあと〜、メンバー紹介を兼ねた〜、『We are Franchouchou‼︎』‼︎メンバーの曲調に合わせたメロディーを他のメンバーが歌い、そのメンバーを紹介するという形式さ〜!最初はさくら→サキ→愛!2番で純子→ゆうぎり→リリィ!そして大サビでたえ!そして、いつもはここでまたサビに戻るんだけど〜!

 

「「「「「ジャンバ〜リ!」」」」」

「仕事中に酒飲んで〜♪」

「「「「「ジャンバ〜リ!」」」」」

「すぐ金を溶かして〜♪」

「「「「「ジャンバ〜リ!」」」」」

「毎日休みがいい〜♪生粋ニートのヒモ志望〜♪」

 

 なんとここで特別に、ボクの紹介パートです!メインを愛が歌って〜、合いの手を他のメンバーでやるという豪華さ〜!たまんないね〜♪ちなみにこの時だけ、ステージにも上がっちゃってま〜す♪

 

「プライド捨てて〜、未成年(こども)に泣きつく〜、ろくでなしの28歳*2〜♪でも料理ができて〜、場を和らげて〜、支えてくれるから無問題(モーマンタイ)〜♪そんなコイツのな・ま・え・は、」

「「「「「巽!奈々子!巽!奈々子!巽!奈々子!巽!奈々子〜!」」」」」

「もう、いい加減にしてよね‼︎」

「すいませ〜ん♪」

 

 最後にちょっとだけセリフを言って、客席に戻りました〜♪めでたしめでたし〜♪

 

 

 

 この曲の後は、『ヨミガエレ』→『風の強い日は嫌いか』→『目覚めReturner』→『激昂サバイブ』→『佐賀事変』→『To my Dearest』と、各自のメイン曲*3をやった後〜、『ぶっちゃけてフォーユー 7人Ver.』→『Flagをはためかせろ』と盛り上がる曲をやって〜、

 

「それでは、これが最後の曲っス‼︎徒花ネクロマンシー‼︎」

 

 最後に、徒花をやってフィニッシュ‼︎リベンジライブは大成功で〜す!そして〜、被災者の心を温めるチャリティーライブにも〜、なったんじゃないでしょうか‼︎

 

 

 

 

 徒花が終わってメンバーが退場した後〜、ボクも楽屋に着いてきました〜♪アンコール鳴り響く中、幸太郎が皆に喋り始めました〜!

 

「この状況下でよくやったな。」

「みんな〜、すごかったよ〜!」

 

 みんなも笑ってる〜!本当にリベンジできて〜、よかったね〜♪幸太郎も泣きそうだし〜!

 

「だ、だが………っ!あれだ……っ!勘違いすんなよ……っ‼︎お前たちがぁぁぁっ‼︎」

「私たちが勝者になるには、まだ早い!」

 

 そして、幸太郎のセリフを愛が遮る。そう、ここが終わりじゃない‼︎

 

「私たちにとっては、この駅スタすら通過点です。」

「やるべきことは、まだまだあるでござんしょう。」

「リリィたちならもっともぉ〜っと輝けるよ☆」

「なんてったってフランシュシュは、永久に不滅だもんな!」

「あ゛あ゛ぅ‼︎」

「私たちはいつまでもどこまでも戦い続けるアイドルゾンビィです!」

 

 むしろここからが始まりだ〜‼︎

 

「うぅぅぅ、ぐすっ‼︎」

 

 そして、皆の確固たる意思を聞き、泣き崩れる幸太郎。ここまで頑張ってきたことが、こみあげてきたのかな〜?

 

「幸太郎さん、大丈夫ですか⁉︎」

「震えてますか⁉︎救急車呼んだ方がいいですか?」

「いや、これ新しいムツゴロウの物真似………」

「泣いてんのぉぉぉぉ!泣いとんじゃい‼︎いい大人が泣いとんじゃい‼︎」

「ボクもいい大人だけど泣きつくよ〜♪みんな〜、養って〜♪」

「それは意味が違うでしょ!というか働け‼︎」

 

 まあ、もう働いてますけどね!こんな事言ったら、純子にセリフ取られましたって言われそうだから言わな〜い!

 

「何をお前らぁぁぁぁ、偉そうな事をぉぉぉぉ!このへなちょこゾンビィ‼︎俺にくだらん事伝えんのに、腐りかけの喉使っとる場合かぁぁぁぁ‼︎お前らまだまだ、これぇぇっぽっちしか佐賀救っとらんからなぁぁぁぁ!分かったらぁ、さっさとお客に魂ぶつけてこんかい‼︎ゴーゴーゴーゴー‼︎」

「「「「「「ゴーゴーゴーゴー‼︎」」」」」」

 

 そして泣きながら、皆をアンコールへと送り出した幸太郎。その顔の下には涙ではなく、血だまりがあった。

 

「も〜、無理しちゃダメだよ〜。人間なんだから〜。」

「うるさい灯里。俺には時間がないんだ。」

「そんなに焦らなくてもいいのに〜。」

「それよりどうだった?愛の復活ライブは。」

「楽しかったよ〜♪本当にありがと〜♪」

「それはこっちのセリフだ。」

 

 幸太郎はここまでほぼずぅ〜っと、いや、ある期間を除いて、相当頑張ってきた。そして、人間だからこその限りがある。いずれそうなった時は、プロデューサーを引き継げるように、ボクも頑張らないとね〜。

 

 

 

 

 

 アンコールが終わり、ボクたちは全員でお客さんを見送った。そして見送り終わった後、なんだか肩の荷が降りたような気がした。

 

「終わったね〜。」

「いや、まだよ。」

 

 だけど、愛は先を見ている様子。君は本当にストイックだな〜。そういうところに憧れるんだけどね〜。

 

「ここからがスタートってことかな〜?」

「いや、違う。ステージの前に来て!」

 

 って思ってたけど、違う〜?どういう事だろう?この先に何かあるんじゃなくて〜、今日まだ何かあるってこと〜?言われるがままに、ボクは客席の一角に立った。そしてステージにフランシュシュの皆が上がった。えっ、どういうこと〜?次のライブのリハ見てってことかな〜?

 

「それじゃあ第二ラウンド、始めるぜ‼︎」

 

 第二ラウンド………?お客さん皆帰ったよ?もしかして、皆ハイになってるのかな〜?

 

「ここからの司会は………愛、お前に任せた!」

「任された!」

 

 えっ?愛が司会?どういうこと〜?

 

「えっと、この曲は今ここにいるファンの皆さんに向けて、私の気持ちを込めて書きました!」

 

 今ここにいるファンって………ボクしかいないじゃん!えっ、愛が?マジ〜?

 

「それでは聞いてください。『Beginning』。」

 

 えっ?本当に一曲作ったの?嘘でしょ?初めて聴く曲なんだけど?いつの間に………?

 

「ありふれた〜日々の景色が〜♪目の前で急に輝く〜♪臆病な心を叩き続ける〜鼓動〜♪」

 

 そして、歌は愛のパートから始まる。本当に新曲だ。全然知らない。そして、あの頃を少し思い出させるような曲調………

 

「「「すれ違いながら〜♪」」」

「近づいて〜♪」

「「「時にぶつかって〜♪」」」

「揺れたもの〜♪」

 

 他の皆との掛け合い。すごい。本格的だ。

 

「陽だまりによく似てる〜♪優しい温もり〜♪」

 

 そして、サビの前の盛り上がりで、ボクのことを見つめながら君が歌う。これってもしかして………ボクのこと?嘘………でしょ?ボクのために歌詞を書いたの………?

 

「確かめようこの先に広がる未来を〜♪全てが今ここから始まる〜♪泣いてもいい傷ついても〜何事も全部〜♪どこかへ繋がる道の途中〜♪」

 

 全てが今ここから始まる。手を上げた瞬間に思い出す。ここで君が雷に打たれたあの時のことを。ようやくあの時から先へ進めた気がする。ここからまた始まるんだ。君の物語が………

 

「「溢れ出る想い〜♪」」

「「「叶えるその日まで〜♪」」」

「胸を張って〜、高く遠くまで舞い上がれ〜♪」

 

 君がアイドルとして頂点に立ち輝いて欲しい。そんなボクの想いが叶うまで、胸を張って欲しい、ってか………。ホント、ずるいよ君は………

 

 

 あまりにも泣きすぎてて、ボクはアウトロが終わってたのに気がつかなかった。

 

「どうだったかな、私の曲は?」

 

 感想を求められて、我に帰ろうと思っても帰れない。感情が溢れ出て、それが止まらなくて、どうしようもなくなって………

 

「ぐすっ………本当に………良かったよ………」

 

 とりあえず、なんとか言葉を振り絞った。

 

「そっか!それは良かった!本当に本当に、今まで支えてくれてありがとう‼︎」

「こちら………こそ………ぐすっ……」

 

 ただのいつも通りのやり取りをすればいいのに、それが上手く出て来ない。本当に、本当に君はすごいよ………

 

「だからこれからも、いっぱいいっぱい働いて、私を支えてよね!」

「うん…………っ!」

 

 だから、そんな君の夢をボクが叶える。感情が色々と掻き乱され溢れながらも、その想いだけはずっと心の中心に残り続けたのだった。

 

 

 

 

 

  愛視点

 

 ずっとお礼が言いたかった。私の大切な友達にして、最初のファンである灯里。時折ふざけ合いながらも、ずっとそばで支えててくれた。だから私は、アンタに一番のアイドルになった姿を見せ続けるんだから!

 

 不意の事故で死んだ平成のアイドルが、酒金タバコのニートになってしまった大好きな親友と一緒に、世界一のアイドルになって佐賀を救う物語。そんな物語のBeginning(ビギニング)に相応しい、そんな日だった。

*1
佐賀のラジオは直接だと秋田まで届かないので、動画サイトにアップロードされてたのを聞いた。

*2
死んでからの期間も足した年齢

*3
パラッポや宣誓Aliveみたいなガチソロ曲は省きました。さくらは迷いましたが、大サビの叫びでこの曲を選びました。




これにて完結です!最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
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