伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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第六話 君の心にナイスバードSAGA

  愛視点

 

 嬉野温泉での営業ライブから数日。私たちはまたミーティングをしてた。のだが………

 

「愛〜、眠〜い。膝貸して〜!」

「嫌よ‼︎ちゃんと座ってミーティングを聞きなさい‼︎」

「じゃあパチンコ行こうかな〜。」

「文脈おかしくない⁉︎普通はそうならないでしょ‼︎」

「ボクは普通じゃないから〜!」ドヤァ

「何も誇らしくないっつーの!」

 

 隣で座ってる奈々子が相変わらず駄々をこねていた。コイツ、ちゃんと起きれないのなら、早く寝ればいいのに‼︎昨日もパチンコ行こうとして金なくて駄々こねて酒飲んでただけなんだからさ‼︎

 

「こらそこ‼︎ちゃんと話を聞かんかいバカゾンビィ‼︎」

「ほら、アンタのせいで怒られたでしょうが‼︎」

「幸太郎が働かせるのが悪〜い!」

「なわけないやろがい‼︎つべこべ言わずに話聞かんかいボケェェェェェ‼︎」

「は〜い………」

 

 しかもそのせいで幸太郎に怒られる始末。嬉野の時に上げた奈々子の株はとっくに下がりきってしまった。本当にちゃんとしてほしい。

 

「さてと、話の続きだが………今日から始まる知名度アップ作戦‼︎その先駆けとして、お前らにはある超有名企業のテレビCMに出演してもらう‼︎」

 

 それはさておき、私たちの次の仕事はテレビのCM。巽の奴、そんな仕事を取り付けてくるなんて、意外とやるじゃない。隣の奴はネットしかしてないのに。有名企業っていうと、どの辺かな?この間の久中製薬も中々大きかったけど………

 

「は〜い!○ハンですか〜?」

「パチンコ屋なわけないやろがぁぁぁぁぁい‼︎」

「私たち未成年よ?そもそも入れるわけないでしょ。」

「そっか〜。18歳超えてるのゆうぎりと純子だけ*1だもんね〜。ほな違うか〜。」

 

 奈々子がトンチンカンなこと言ってる。メンバーの大多数が入れないパチンコ屋なんか行けるわけないのに。それに、もっと有名な企業あるでしょ。正直幅が広すぎて見当つかないけど。一体どこなんだろう………?

 

「答えはドライブイン鳥じゃぁぁぁぁぁぁい‼︎」

 

 そんな事を思ってたら、まさかの全然知らない名前が出てきた。巽の方がトンチンカンだったのだ。

 

「「「は?」」」

「えっ………嘘やろ、マジか⁉︎」

「マジで〜す!はい、この映像ドォォン‼︎」

 

 サキだけマジかよみたいな反応してるけどさ、全然知らないんだけど⁉︎時代が違いすぎるゆうぎりが知らないのはともかく、他のみんなの反応も薄いじゃん‼︎映像見たところで全然分かんないし‼︎ここそんな有名⁉︎

 

「マジで、マジでドラ鳥じゃねえか………っ‼︎」

「えっ、なんて………?」

「バカかお前‼︎あのドラ鳥だぞ、ぶっ殺すぞ‼︎」

「ごめん、分かんない………」

「リリィ知ってたけど行ったことな〜い。」

「信じられん、お前ら全員佐賀失格だぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 逆になんでリリィは知ってるのよ!それがむしろ凄いんだけど。サキだけ行ったことあるとか、完全に地方のローカル店じゃない!さくらは記憶戻れば知ってそうだけど、他の皆は知る余地無いでしょ‼︎佐賀出身じゃあるまいし‼︎

 

 そういえば、奈々子は知ってるかな?方言出てないとはいえ、似た人がゆうぎりの時代にいたから………

 

「ねえ奈々子、ここ知ってる?」

「知らな〜い。そもそも佐賀出身じゃないし〜、ボク。」

「あの人先祖じゃないんだ。」

「先祖がどうかは分かんな〜い。」

 

 まあ違うか。似てるだけで全然違う人かもしれないし、何代かしたら違う県に引っ越すなんてよくあるし。ぶっちゃけ今の奈々子には関係ないか。

 

「で、いつ行くと⁉︎」

「今からじゃぁぁぁぁぁい‼︎」

「キタァァァァァァァァァァ‼︎」

 

 ということで、謎にテンションが高いサキと幸太郎に連れられて、私たちはドライブイン鳥へと向かった。

 

 

 

 

 向かった先では、地方にありそうな雰囲気の鶏肉のお店があった。鶏肉専門店は少し珍しいなと思いつつ、これのどこが超有名企業なんだと疑問になった。巽的には、佐賀で有名なら超有名に入るのかな?まあ佐賀のアイドルだし、その認識でも間違いじゃないか。

 

「なにやっとんじゃ、お前ら‼︎こっちこんか〜い‼︎」

「ドライブイン鳥の社長さんの、おな〜り〜!」

 

 そんな事を思っていると、珍しく仕事している奈々子が巽と一緒にドライブイン鳥の社長を連れてきた。非常に穏やかな表情だ。きっとまだ奈々子がやらかしてないのだろう。さてと、挨拶するか………

 

「こんにちは、初めまして。」

「「「「こんにち………」」」」

「ちゃぁぁぁぁぁっす‼︎」

「うっさ…………」

 

 いやサキの声デカっ⁉︎そこまで叫ばなくてよくない⁉︎リリィにもうるさいって言われてるし‼︎90度かってくらいのおじきまでしてるし。どんだけ嬉しいのよ………

 

「本日はありがとうございます。皆様には思う存分、うちの宣伝をしてもらいたいと思います。まずは中に入って、当店自慢の焼き肉を食べてください。」

 

 ってマジで⁉︎焼き肉⁉︎やった〜、私の大好物じゃん!こんなところで食べられるなんて、ラッキー♪

 

「「「「ありがとうござい………」」」」

「ざーっす‼︎」

 

 ということで、私たちはウキウキで店内に入ったのだった。

 

 

 

 

 中に入ると、私たちは早速肉を焼き始めた………のだが………

 

「は〜い、いっちょあがり〜!」

「珍しく働いてる〜☆」

「奈々子はん、焼肉奉行でありんすか。」

 

 なんと意外な人物がみんなの肉を焼き始めたのだ。

 

「えへへ〜、ボクはマネージャーですから〜!」

「よっ、マネージャー!」

「そういえばそうでしたね………」

「がぁぁぁぁぁぁ‼︎」

「奈々子が働くとは………今夜は嵐が来るかもしれんけん‼︎」

「そんなに〜⁉︎」

 

 効率よく肉の焼け具合を見てはバランスよく色んな人の取り皿に移していく。それでいて、サラダなどの分配も完璧。一体何があったの?誰かと中身入れ替わった?

 

「アンタ、どんな風の吹き回しよ………」

「ふっふっ〜!実はボクは料理が得意なのです〜!」

「「「「えっ⁉︎」」」」

 

 料理が得意⁉︎嘘でしょ、コイツが⁉︎確かにゾンビになってから会ったし、お金もなかったから、今まで料理を食べてなかったけどさ。だからコイツが出来るなんて全然知らなかった。ホントらしくないわね………

 

「誰かに養ってもらうには、胃袋を掴むのが手っ取り早いからね〜。」

「「「「やっぱそうか………」」」」

「なんかガッカリされてる〜⁉︎」

 

 前言撤回。やっぱ彼女らしいや。

 

「ほらほら〜、皆バランスよく食べて〜!」

「なんかお母さんみたいっちゃね!」

「そういや歳上やったな!」

「童顔なのもあって、あんまりそんな感じしないですもんね………」

「純子は人のこと言えないでしょ〜!」

「そ、そうですか⁉︎」

 

 にしても、初めて奈々子の歳上らしさを感じたな。確かに酒とパチンコとギャンブルという大人要素はあるものの、全部ダメ要素だからね。本当になんか新鮮だなぁ………

 

「愛〜、ご飯もちゃんと食べなきゃダメだよ〜。エネルギーが足りなくなっちゃう〜!」

 

 って思ってたら、奈々子に怒られたんだけど⁉︎私が⁉︎というかなんで私が炭水化物嫌いなの知ってるの⁉︎もしかしてご飯取ってないの把握されてた⁉︎

 

「えっ、い、いや、食べるから………っ!」

「愛、ここのとり飯はめっちゃ上手か‼︎せやけん食ってみ‼︎」

「う、うん………!」

「こ〜ら〜、鶏肉だけ取らな〜い!」

「ちょっ、ちょっと見てみただけだから!」

 

 くっそ!なんでコイツに怒られなきゃいけないの⁉︎別にゾンビだから、バランスなんて考えなくてもいいじゃん‼︎急にどうしたのよ、コイツ⁉︎

 

「愛さんが奈々子さんに怒られてますね………すごい光景です。」

「珍しいっちゃね〜。」

「中身入れ替わったでありんすか?」

「ホント珍しいんだけど。全く、アンタどうしたのよ⁉︎」

「ふっふ〜!ボクは皆のマネージャーですから〜!」ドヤァ

「マネージャーならパチンコでお金溶かさないよね☆」

「リリィ〜、そういうことは言わない約束〜!」

 

 それにしても、なんか懐かしいな。自分が生きてた頃に戻ったみたい。あの頃も炭水化物が嫌いだったから、よくお父さんお母さんや友達に怒られてたっけ。今何してるのかな?久しぶりに会ってみたいけど、死んだから会えないし………

 

「愛〜、大丈夫〜?もしかしてキツかった〜?」

 

 そんな事を思ってたら、奈々子が心配して声をかけてくれた。さっき思ってたこと、表情に出てたかな?彼女、基本的にダメ人間だけど、なんか憎めないのよね。優しいし。

 

「うん、アンタがしっかりしてるのが違和感ありすぎて!」

「ちょっと〜、愛ったら、ひど〜い!」

「あはははは!」

「笑うな〜、も〜‼︎」

 

 奈々子のおかげで、そんな心配事があっても明るくなれた気がする。そんな事を思った日だった。

 

 その後、撮影はなんとか無事成功。私たちはドライブイン鳥のTシャツを手に入れたのだった。正直要らない………

*1
この時点で、たえの年齢は幸太郎以外に知られていない

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