伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う 作:スピリタス3世
愛視点
ドライブイン鳥に行った翌日、私たちはいつものようにミーティングを始めようとしていた。
「Ahー、メルシー。」
すると、巽がフランスパン片手に気持ち悪いセリフを言いながら入ってきた。コイツ、中々に頭おかしい。隣の奈々子も中々だけど、コイツも負けず劣らず。苗字も同じだし、兄妹か夫婦なのかな?
「ねえ、奈々子。あれ何?」
「さぁ?ボクもよく分かんな〜い。」
「アンタの身内でしょ。なんとかして。」
「ちが〜う。ボクと幸太郎は赤の他人だよ〜。」
「えっ、そうなの⁉︎」
「うん!」
違うんかい‼︎確かに2人とも全然似てないけど。それなら夫婦の線もあると思ったけど、そういうわけじゃないのね。ホント、どんな偶然よ。
「ボンジュール。サガジェーンヌ。」
そんな事を思ってると、巽がいきなり私に顔を近づけてきて、気持ち悪いセリフを放った。今日は私の番?マジでキモいんだけど。
「はぁ?」
「サガジェーンヌ。」
しつこいんだけど‼︎これ私がちゃんとノリに合わせなきゃいけないの⁉︎
「愛〜、サガジェンヌ〜♪」
しかも逆側から奈々子まできたし‼︎本当に意味わかんない‼︎あぁ、もう、面倒くさいわね‼︎
「チッ。はいはいサガジェンヌサガジェンヌ。」
「お〜、生ジェンヌだ〜!」
これでいいでしょ。あと奈々子の反応はなんなの?生ジェンヌって何?いちいち意味分かんないんだけど………
「お前のどこがサガジェンヌじゃ〜い‼︎」バシン‼︎
って痛っ⁉︎いきなり巽にフランスパンで殴られたんだけど⁉︎ふざけんなし‼︎あったまきた‼︎
「なんなの⁉︎」
こうして私は巽からフランスパンを奪いあげ、それで顔面を殴………
「ん〜‼︎」カキーン‼︎
ろうとしたら、奈々子が怒って巽の股間を蹴り上げたんだけど⁉︎えっ、嘘でしょ⁉︎アンタが反撃すんの⁉︎しかもすごいとこ攻撃してんじゃん‼︎自分が小柄で非力だからって、一番の弱点を攻撃して効率よくダメージを与えてるし‼︎殺意の塊じゃん‼︎
「愛はイジってもいいけど殴っちゃダメ‼︎」
「イジんのもやめてよ!」
「それは無理だね〜。」
「なんで⁉︎」
それに、コイツはどんだけ自分勝手なのよ⁉︎そりゃ反撃してくれたのは嬉しいけどさ‼︎それなら私をからかうのもやめろし‼︎
「あっ、あっ…………」
「巽、痛そ〜う☆」
「仕方ないでありんす。」
そして、股間を蹴られて悶える巽。自業自得だ。ざまあみやがれ‼︎
その数分後、痛みから回復した巽はいつもの変な口調で喋り始めた。
「いいか‼︎お前らまだこれっぽっちもサガジェンヌになれとらんぞ‼︎鼻水垂らして袖で拭いとる田舎ゾンビじゃ〜い‼︎しか〜し‼︎そんなお前らでもパリジェンヌに負けないサガジェンヌになれる方法、見つけてきました〜‼︎」
サガジェンヌになるってホント何よ?意味分かんないんだけど。頼むから普通に喋りなさいっつーの‼︎
それはさておき、コイツはおそらく何らかの仕事を探してきてくれた様子。一体どんな仕事なんだろう………?
「ガタリンピック出場じゃ〜い‼︎」
いや、何それ?オリンピックじゃなくて?
「嘘やろ………ガタリンピックっ‼︎」
「えっ、また⁉︎」
「あれ普通に誰でも参加できるよ〜。」
「ってゆうか何なの、それ?」
「信じられん、お前ら全員佐賀失格や‼︎」
しかもまたサキだけテンション上がって泣いてるし。完全に佐賀ローカルのイベントじゃない‼︎全然知らないし‼︎なんならリリィの言う通り、誰でも参加できるのかよ‼︎じゃあ別に頑張って取ってきた仕事じゃないじゃん‼︎
「はい、動画ドーン‼︎」
で、肝心の内容は…………えっ?両脇が泥になってる細い道を自転車で漕ぐの?汚いから嫌だなぁ。
「華やかさと言うより、色がないですね………」
「リリィやりたくな〜い☆」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇ‼︎」
そう言って巽は上に来ていたベストを脱ぎ、中に来ていたTシャツ姿を露わにした………のだが、めちゃくちゃダサかった。
「えっ………?」
「何そのゴミみたいにダサいTシャツ。」
「奈々子、あれなんとかならなかったの⁉︎」
「ボクも幸太郎もデザイン下手でね〜。お金稼いだら外注することにしたよ〜。」
「じゃあお金稼いで、このクソダサいTシャツを破り捨てるしかないね☆」
裏方2人もいてどっちもデザイン系ダメなの⁉︎最悪じゃん‼︎無理なら外注するって判断はいいけどさ〜。稼げるようになるまで、ろくなTシャツがないのね………
「で、いつからや⁉︎」
「今からじゃぁぁぁぁい‼︎」
「キタァァァァァ‼︎」
ということで、私たちはやたらテンションが上がってるサキと巽に連れられて、ガタリンピックの会場に向かったのだった。
数時間後。会場に到着した私たちは、更衣室で例のクソダサTシャツに着替えていた。
「なんだか、水着だらけの水泳大会を思い出しますね。」
すると、私は隣にいた純子に話しかけられた。ちなみに逆隣はいつもの通り奈々子だ。
「出てたんだ、ああいうの。」
「ポ、ポロリはしてませんよ⁉︎///」
「確かポロリ役の人がいたんだっけ〜?」
「そうです!もちろん私じゃないですよ!」
そういや純子のいた時代はそういう番組もあったよね。規制とかも私が生きてた頃と比べてかなり緩かったし。私だったら正直そういう番組には出たくないなぁ。
「愛はポロリじゃなくて、チラリに気をつけなくちゃね〜。」
そんな事を思ってたら、奈々子に変な事を言われた。
「はぁ?何よそれ?」
「愛は胸が小さいからさ〜、ちょっと屈んだ時に見えちゃうよね〜。ボクはそんな事ないけど♪あっ、純子も気をつけてね〜♪」
どうやら私の胸が小さい事をバカにしてるらしい。前半だけでいいのに、余計な一言を付け加えやがって‼︎誰が鉄壁のアイアンフリルだっての⁉︎
「純子、コイツ泥に埋めるわよ。」
「ですね。
「えっ、ちょっと待って〜!2人とも、掴まないで〜‼︎」
ということで、私は純子と協力して奈々子を持ち上げ、そのまま泥に投げ捨てたのだった。
しばらくすると、レース開始の時になった。ガタリンピックは細い道を自転車でいかに速く駆け抜けるかというレース。もちろん道を踏み外すと泥まみれだ。
ちなみに途中巽が奈々子を呼びにきたが、私たちが捨てたと返すと、そそくさと1人でどこかへ行ってしまった。
「よっしゃ〜!ぶっちぎってやるぜ〜‼︎」
それはさておき、私たちのトップバッターはサキ。元特攻隊長らしく先陣を切るのだ。
「2人とも〜、酷いよ〜。」
そして、そんな時に貧乳の敵が私たち元に帰ってきた。もちろん泥まみれで。
「アンタは胸デカいからバランス崩さないように、ね♪」
「また泥まみれになっちゃいますよ〜♪」
「うぇ〜ん、2人がいじめる〜!」
コイツの泣き言はさておき、サキの勇姿を見届けないと…………
「く………っ!」
ってすぐ落ちてる〜⁉︎嘘でしょ、ぶっちぎるんじゃなかったの⁉︎
「サキさん、呆気なく終わっちゃいましたね。」
「慣れてるサキでも難しいか〜。」
もしかして難易度高い感じ⁉︎次私なんだけど⁉︎このまま行きたくないんだけど⁉︎
「愛さん、頑張って下さい!」
「サキちゃんみたいにならないでね〜☆」
「頑張って、愛ちゃん!」
「健闘を祈りやんす。」
「がぁぁぁぁぁぁあ‼︎」
「ボクとおそろになってもいいんだよ〜!」
「やれるだけのことはやってみるわ。」
ということで、私は戦場へと向かったのだった。
自転車に乗ってみると、思ったより乗りやすい高さだった。これはいける!そう思ったのも束の間…………
「うわっ………!」
泥で濡れた道で滑ってこけたのだった。これむずくない⁉︎最後まで行ける人いないでしょ‼︎ということで、私は泥まみれになったのだった。
もちろん後続のメンバーも次々と落下し、最終的には全員が泥まみれになった。これじゃあ何も宣伝できないじゃん‼︎こうして私たちは、ただの泥まみれゾンビになりましたとさ。
長くなったので分けます。