伝説のニート、平成のアイドルと共に佐賀を救う   作:スピリタス3世

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第八話 ガタリンピックアンドサガジェンヌ 後編

  愛視点

 

 私たちは全員ガタリンピックで泥まみれになった。あの競技難しすぎるのよ!そんな事を思いながら、レースをボーッと眺めていると………

 

「次の方お名前を!」

「あっ、あの………巽幸太郎です……」

 

 なんと巽が出てきたのだった。

 

「こ、幸太郎さん⁉︎」

「何でアイツはTシャツ着てないわけ⁉︎」

「ずる〜い!」

 

 しかもTシャツを着ておらず、いつもの気持ち悪いスーツとベストで。ホント意味分かんないんだけど⁉︎これじゃあ宣伝できないじゃん‼︎プロデューサーなんだから、そこはちゃんとしなさいよ‼︎

 

「それでは意気込みを‼︎」

 

 まあいいや。ここで巽ならなんか言ってくれるでしょう………

 

「あっ………あの、頑張ります………」

「他には?」

「あっ、あっ、いえ………」

 

 何も言わないの⁉︎ふざけんじゃないわよ‼︎それじゃあ隣のニートと何も変わらないじゃない‼︎

 

「なんか言いなさいよ‼︎」

「あの野郎、絶対泥まみれになるけん、笑ってやろうぜ‼︎」

「そうだね、サキちゃん☆」

「ドロドロになれ〜!」

 

 まあいいや。アイツはこういうの苦手そうだし、泥まみれになって恥をかくのだろうな………

 

「ひゃっほ〜‼︎」

 

 嘘でしょ⁉︎走り切ったんだけど⁉︎ふざけんなよ⁉︎これじゃあただアイツがカッコつけただけじゃない‼︎

 

「くっそ………、あのグラサンめ!」

「なんかつまんな〜い☆」

「幸太郎、ずる〜い。」

 

 マジでなんなのよアイツ⁉︎これなら奈々子にやらせた方がマシだったじゃない‼︎というか、元から泥まみれで気づかなかったけど、奈々子だけこの競技やってないような………

 

「そういや奈々子、アンタの出番は?」

「ボク〜?無いよ〜。」

「無い………?」

「お酒飲んだから、自転車漕ぐと飲酒運転になっちゃうし〜。」

「「「「「は?」」」」」

 

 コイツ、そういえば行きの車で普通に酒飲んでやがった‼︎ふざけんなよ‼︎はなから仕事する気ないじゃん‼︎ったく、これだからニートは‼︎

 

「ふざけてんの⁉︎」

「テメェマジぶっ殺すぞ‼︎」

「なんでいつも仕事前に酒飲むと⁉︎」

「ただの観客と変わらないじゃないですか……」

「本当に恥ずかしいでありんす。」

「ゴミみたいにダサいね☆」

「がぁぁぁぁぁ‼︎」

「ちょっと〜、皆いじめないでよ〜!」

 

 正直やらかす度にたえに(かじ)ってもらうのが一番いい気がしてきた。ゾンビだからいくら噛まれても死なないし。

 

「次の競技のガターザン、絶対活躍しろよな‼︎じゃねえとぶっ殺すぞ‼︎」

「もう死んでますけどね。」

「これくらいちゃんと仕事してよね。」

「分かってるって〜!」

 

 まあいいや、次はターザンみたいなやつ。これは飲酒運転関係ないから、奈々子でも出れるやつ。頼むから少しは仕事してよね‼︎

 

 ちなみにガターザンは飛距離を競いながら、着地までの芸術点も競うというもの。着地先は泥のため、結局泥まみれになる運命だったのだ。

 

「あれじゃ、結局Tシャツなんか見えませんよ………」

「そうでありんすなぁ。」

「せめて、あの表彰台に立てたらいいのに〜。」

「確かに、それが一番のアピールになるかもしれない。」

「よかやんか〜!てっぺんとってやろうぜ〜!」

「それしかないね!」

「うん☆」

「がぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 まあ、表彰台に立ちさえすれば少しは目立てるだろう。それか意気込みのところで挨拶をするか。それしかないわね。

 

 

 

 しばらくすると、私の出番になった。

 

「3号〜、頑張れ〜‼︎」

 

 奈々子が大きな声で応援してくれる。そんな大声出せるんだ、って驚くと同時に、こうやって応援してくれるところは悪くないなって思える。さてと、私も表彰台に登るために頑張らないと!

 

 そう思いながら、ロープを掴んで飛んだ………のだが、泥で手が滑ってそのまま落下した。

 

「記録の方は、5m20cm!これは微妙だ‼︎」

 

 いや、微妙って言うなし‼︎私も思ってたけれども‼︎なんか恥ずかしいんだけど………っ‼︎

 

「「「「…………」」」」

 

 他のみんなは何か言いなさいよ‼︎そうだ、奈々子、奈々子は⁉︎

 

「う〜ん、ポロリ写らなかったな〜。」

 

 アンタは何を撮ろうとしてんのよ⁉︎マジでマジでムカつく‼︎この前のパンツの件といい、人の恥ずかしい写真を撮ろうとするな‼︎

 

 

 

 

 

 その後、他のメンバーが次々と飛んでいった。さくらと純子は即落下、サキは上に飛び、ゆうぎりは芸術点こそ高けれどスタート地点に戻る始末。リリィが縄を身体に巻き付けて思いっきり飛んでいったが、飛距離が微妙に足りなかった。惜しい!

 

「さ〜て、いっちょ飛んじゃいますか〜!」

 

 そして、続いては奈々子の出番。自転車レースでは出番なかったんだから、ちゃんと仕事してよね。

 

「では、意気込みを教えてください!」

「えっと〜、今日はボクが推してるアイドルが来てるんです〜!だから、その人たちの目に留まるような〜、活躍をしたくて〜。」

「おっ、そうなんですね!ちなみにどんなアイドルですか?」

「フランシュシュで〜す!結構可愛いので〜、皆さんも推してみてくださ〜い!」

 

 おっ、意気込みで宣伝!しかも自然なファンを装って!アイツやるじゃない巽ができなかった分の宣伝をしてくれた‼︎これはいいわね!あとは表彰台に乗るだけ…………

 

「そういや………もしかして、お酒飲んでます?」

「あっ、は〜い!お酒が好きなので〜!さっきも飲んでました〜♪」

「お酒飲んだ人は危険なので棄権です!」

「え〜‼︎」

 

 いや、ふざけんなよ‼︎アンタ酒飲んだせいで何も出来ないじゃん‼︎確かに酒飲んでターザンしちゃいけない法律はないけど、冷静に考えたら危ないから止めるよね‼︎そこは私たちも配慮が足りなかった………ってこれ私たちが悪いの⁉︎全部アイツのせいでしょうが‼︎

 

 

 

 

 ということで、酒気帯びでまたしても棄権になったニートが帰ってきた。

 

「アンタマジでふざけんじゃないわよ‼︎」

「ニートが趣味語って帰っただけじゃん☆」

「次やったらぶっ殺すぞ‼︎」

「もう死んでますけどね。」

「お酒ダメだって知らなかった〜!ごめ〜ん!」

 

 ごめ〜ん、じゃないよ‼︎全く、ホントムカつくわね。腹いせにもう一度泥に突き落としたのだった。

 

 

 

 

 そして、最後はたえの出番となった。のだが………

 

「おいおい、アレ大丈夫か……?」

「左右に揺らし始めたとね………」

 

 なんかロープに捕まった状態で、急に左右に揺らし始めた。確かにこれなら飛距離は稼げるけど………大丈夫だよね?ゾンビ的な意味でポロリしないよね…………?

 

「んぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 そして、たえがロープの反動を活かして思いっきり前に飛んだ………のだが…………その勢いで全身がバラバラになった。マズい、ゾンビ的な意味でポロリしてるじゃん‼︎バレないようにしないと‼︎

 

「ん、何だ?逆光でよく見えなかったけど、何が起こった⁉︎」

 

 逆光で見えてない今がチャンス‼︎早く行かないと‼︎

 

「ヤベヤベヤベヤベ‼︎」

「マズい‼︎」

「ゾンビ隠さんと!」

「急げ〜!」

 

 皆で泥を這いながらたえの元へ駆け寄る。なんとかしないと‼︎ゾンビだとバレる前に‼︎

 

「おっと〜!チームメイトが泥の中に次々と飛び込んだ〜!これは素晴らしいチームワークだ〜‼︎」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

 ということで、私たちはなんとかたえの腕や足を合体させて元通りにし、ゾンビバレを防いだのだった。良かった………

 

 ちなみにこれによってたえが優勝したものの………

 

「では、優勝者インタビューです!今のお気持ちは?」

「うぅぅぅぅぅ!」

「泥が口に入って上手く話せんとかな?とにかくすごいジャンプでした。おめでとうございました!」

 

 全然宣伝できなかった。そりゃそうよね。たえは喋れないものね………

 

「そういや、たえちゃん2枚Tシャツ着てたような……」

「おっ、マジか!」

「たえちゃん、Tシャツ破って‼︎」

 

 と思ったら、まさかの展開‼︎これなら宣伝できる‼︎さぁ、見せなさい‼︎フランシュシュの文字を…………

 

 

 

 

「ドライブイン………鳥?」

「コケコッコー‼︎」

 

 ってそっちかよ‼︎確かにTシャツもらってたけども‼︎

 

 ということで、私たちは無事ドライブイン鳥の宣伝をすることができたのだった。ったく、全然ダメじゃない‼︎

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