孤独な冒険者の始まりの物語   作:狐男

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前回に引き続き、日ノ国編ですね、さてさてオロチが復活しましたが果たしてどうなる事やら、そして炎竜さんのご活躍にも乞うご期待です!では本編をどうぞ!


第10話 蛇と狐と破壊の力!

俺は信永の家の手洗い場の鏡を見て昨日の夢を思い出していた。

 

「なんだったんだ、あの夢は…」

 

あの夜俺は自分が仲間たちを殺す夢を見ていた、凄く生々しく写った映像であり、最後の方で俺は壊せ壊せと言う声を聞いていた、次第にそれは膨張していき、俺の精神はおかしくなろうとしていた所で夢から覚めた。

 

「自分で自分の仲間を殺すか?普通…」

 

俺は一時考えたが、ただの夢だということで考えるのをやめた。

 

「皆、おはよう〜」

 

俺は皆のいる居間へとやってきた、朝からお腹いっぱい食べている椿は食べ物に夢中のようだ

 

「おはようございます、師匠!」

 

「おはよう、フォックス…」

 

「おはよう、兄ちゃん!」

 

「おはようございます、フォックス様」

 

とそれぞれ朝の挨拶をする。

 

「それで?椿は朝からこんなに食べて大丈夫か?」

 

俺は椿に質問するが椿は即答する。

 

「大丈夫、まだ1割にも満たない…」

 

凄いな、大食いすぎだろ

 

「まぁ食べる事はいいことだけどって、そうだった信永、お前に言いたいことがある。」

 

信永は俺に呼び止められ、正座する。

 

「何かな?兄ちゃん…」

 

信永は何かを察したように顔を下に向ける。

 

「俺たちは明日この家を発つ、ごめんな?まだ居たいけど、仲間達が待ってるはずだからさ。」

 

俺がそう言うと、信永は泣いてきた

 

「うっ、ぐす、兄ちゃん達は明日出るんだよね?、なら最後ぐらい、一緒にいる時間は増やしていいよね?」

 

涙ぐんだ顔で言われると正直、嬉しい。

 

「あぁ、わかった、明日まで一緒にいるよ、皆も同じ気持ちだ。」

 

俺は信永にそう言いつつ慰めるのだった。

 

一方その頃ガレス達は

 

「ふぃ〜、キツイぜ、九華師匠、なんで山道なんすか?」

 

ガレスは九華に質問する。

 

「山道の方が安全じゃからだ!万が一敵に見つかっても逃げ切れる自信はあるわい!」

 

ともかく山道がキツく、アンナに至ってはポーラにオンブしてもらっている状態だ。

 

「九華さん、ここいらで休憩にしませんか?俺たちも流石に限界で…」

 

九華はシリウスにそう言われると

 

「…ふむ、わかったのじゃ、すまんのぅ、儂は亜人じゃからか体力には人一倍自信があるせいで、儂基準で登っておったわ」

 

九華はそう言うとしゅんと落ち込む。

 

「フォックスにも散々言われたわ、師匠みたいにバカ体力がある訳ないだろうとかな…」

 

「そんな事もあったんですね〜」

 

シリウスはその光景を想像し、少し笑う。

 

「シリウス〜、水頂戴〜」

 

メアリーがシリウスに水が欲しいという。

 

「あぁ、わかったよ。」

 

シリウスはメアリーに水の入った皮の水筒をあげる。

 

「ありがと〜」

 

メアリーは水をがぶがぶ飲む。

 

「メアリー、オレにも水をくれよ、喉が乾いちまって仕方がねぇ」

 

ポーラでさえも喉が乾いている状態である。

 

「わかった〜」

 

水を飲んで少し休憩しているガレス達一行だが、九華とシリウスは山の異変に気付く。

 

「ふむ?おかしいのぅ、山道を登ってはおるが一向に動物に出会う気配がないのぅ」

 

「そうですね、山道だというのに、イノシシすらもいませんから不思議です。」

 

シリウスと九華の会話にガレスは?を浮かばせる。

 

「山道に動物がいねぇことの何がおかしいんだ?」

 

なんの事情もわかっていないガレスにシリウスは呆れた顔でこう言う。

 

「あのな、ガレス、動物が山道等で遭遇しないって事は何か強大な生物などに怯えて隠れているって事なんだぞ?」

 

ガレスは少し考え、なるほどという顔になる。

 

「なるほど、そういう事か!てことはこの山の何処かに強い魔物か動物がいるってことだな?」

 

「強い魔物か〜、オレも戦いてぇ〜な」

 

ポーラとガレスはどうやら強い魔物と戦いたいらしい。

 

「ふむ、なら皆の者、頂上まであと少しじゃ、行くぞ」

 

九華は皆にそういうと皆は山道を再度登り始める。

 

「やっと、頂上だよ、ハァハァ」

 

アンナはかなり疲れていた。

 

「九華さん、なんで山道を登ってまで頂上へ?」

 

「そうじゃな、頂上へ登れば周りの景色が見れるし、何か異変があるかもしれんじゃろ?」

 

皆は納得した顔になる。すると背後の茂みに気配を感じる。

 

「何者じゃ?」

 

九華がそう言うと茂みに隠れている者は姿を現す。

 

「いやぁ〜、山道登って頂上たどり着いたらまさかの美女と美少女たちとの出会いって何か運命感じるよね?」

 

ガレスとシリウスは絶句する、その男は赤髪であり、そして全裸上等の格好で大事な部分は葉っぱで隠していたからだ。

 

「「「なんで裸なんだ!ボケー!」」」

 

ポーラとメアリー、アンナは同時に拳をその男に当てる。

 

「なんでぇー!」

 

その男はそのまま高く飛び地面に頭から突き刺さる。

 

「って、その刀!もしかして炎竜先生?」

 

シリウスはそう言うと、炎竜の足を掴み地面から掘り出す。

 

「イタタ、炎竜先生って久しぶり言われたって…あっ!シリウスにガレス、ポーラちゃんにメアリーちゃん、アンナちゃんまで!ようやく見つけたよ!久しぶり〜」

 

炎竜は裸でガレス達に抱きつこうとしたが、案の定、シリウス以外の4人にフルボッコにされるのだった。

 

「それでじゃ、この男はお主たちの先生で間違いないんじゃな?」

 

とりあえず、旅装束の服をシリウスが貸し出し、炎竜に与えたので裸ではなくなった。

 

「うん、ボク達が暮らしてた孤児院の先生で、かなりお世話になった、でも女癖はかなり悪かった。」

 

アンナがそう説明する。

 

「あはは、アンナちゃんも言うようになったね〜、昔は炎竜先生と結婚する!とか言ってたのに〜」

 

炎竜がそう言うとアンナは嫌そうな顔になる。

 

「それは3歳までの話」

 

アンナがそう言うと炎竜はまじで?という顔でアンナを見る。

 

「いやいや、ここまで育てたのは俺だからね?」

 

炎竜がそう言うとガレスは反論する。

 

「いやいや、炎竜先生はたしかに俺たちを育てたかもしれね〜、でも育てたのはあくまで戦闘技術のみであって、他は炎竜先生お付きのメイドのアテナさんだろう?」

 

ガレスがそう言うと炎竜はギクッとする。

 

「あはは、何を言ってるんだい?ガレスく〜ん、俺が戦闘技術も込みで育てたからここまで強くなれたんだよね〜」

 

シリウスは炎竜の言動に違和感を覚える。

 

「炎竜先生、もしかして日ノ国に来たのってアテナさんから逃げる為?」

 

またも炎竜はギクッとする。

 

「当たりだね〜、アテナさん、炎竜先生にはやたら厳しかったから…」

 

「確かにな〜、アテナ姐さん強かったからな〜オレもアテナ姐さんみてぇ〜に強くなりたいぜ!」

 

皆が皆アテナを褒め称える。

 

「くそぅ!なんでアテナさんばっかり子供達にモテるんだよ!俺だってモテたいよ!」

 

炎竜が駄々を言い始めるが九華がそんな炎竜にトドメの一撃を食らわせる。

 

「ふむ、聞いた話じゃと、炎竜?お主はまず女癖を治すところから始めねばならぬぞ?」

 

九華の言葉の一撃に炎竜はノックダウンする。

 

「どうせ、俺は女癖は悪いですよ〜だ。」

 

「いじけちゃった」

 

「いじけたのぅ」

 

「いじけたね」

 

「いじけた〜」

 

「いじけたな!」

 

「おいおい、情けないぜ?炎竜先生、まずは女癖を治そうな?な!」

 

ガレスがそう言うと九華以外の4人はじーっとガレスを見る。

 

「「「「お前もな!」」」」

 

ガレスは皆にそう言われると炎竜の隣に行きいじけてしまう。

 

「はぁ〜、仕方ないのぅ、お主たち、そこの2人の首根っこ掴んで下山するぞ。」

 

九華がそう言った次の瞬間空から何かが落下してくる。

 

「ぐはっげほっ」

 

空から落ちてきたのはサージャだった。

 

「サージャ?どうしてここにって、言ってる場合じゃないか、メアリー!」

 

重症を負っているサージャを上級の回復魔法で癒すメアリー。

 

「何があったのじゃ?」

 

九華は何かを察したのか回復中のサージャに質問する。

 

「げほっ、貴方は?」

 

口からも吐血しているサージャに九華は…

 

「今はあまり喋るでない!重要な事だけを話すのじゃ」

 

サージャは重要な事を九華に話す。

 

「忍者と、交戦中、師匠に…」

 

師匠にという前にサージャは気を失う。

 

「サージャ!サージャ!」

 

この場にいる皆は少し静かにする。

 

「皆の者、聞こえたか?戦闘音じゃな、誰かが戦っておる。方角は東、距離は1Kmじゃな、行くぞ!」

 

九華がそう言うと皆は立ち上がりシリウスはサージャをロープで自身の背中に括り付け落ちないようにし、戦闘音のなる方角へ向かうのであった。

 

時は少し遡り、サージャがガレス達の所まで飛ばされる10分前。

 

「師匠、やっぱり山道なんですか?」

 

サージャの質問にフォックスは答える。

 

「山道が1番安全で尚且つ敵に見つかりにくいからな」

 

フォックスがそう言うと椿は納得した顔になる。

 

「なるほど、九華様の教え通りだね」

 

椿がそう言うとフォックスは驚きの顔になる。

 

「椿…師匠の事知ってたんだ。」

 

「知ってるも何もフォックスが婚約者だと教えてくれたのが九華様で私が幼い頃に戦闘術も教えて貰ってる。」

 

フォックスは師匠ならやりそうだなという顔になる。

 

「なるほどな〜、メイビスは師匠について何か知ってるのか?」

 

フォックスはメイビスに聞いてみる。

 

「はい、フォックス様のお師匠様であらせられる九華様は私もご存知でございます、戦った事はありませんが。」

 

メイビスでも知ってるぐらい師匠は知名度が高いのか〜

 

「まぁ歩いて話していたりしたけど、どうやら敵のお出ましのようだな。」

 

俺がそう言うと隠れていた忍者が姿を現す。

 

「貴様!我らの気配を勘付いておったか!」

 

気配を感じてたっていうか、殺気ダダ漏れだもん。

 

「殺気がダダ漏れ!殺す気で挑むなら殺気ぐらい消して不意打ちしたらいいのに…」

 

俺がそう注意すると忍者達は怒り心頭になった。

 

「フォックスが忍者をいじめた。」

 

「いじめましたね」

 

「えぇ、いじめましたね」

 

3人で俺が悪いと思ってるの?傷つくわ〜

 

「で?やるの?やらないの?」

 

俺は短剣を構える。

 

「なら全員でお前を相手にしてやる!」

 

忍者達はサージャ達には目もくれず俺だけに集中攻撃を仕掛けてきた。

 

「喰らえ!土遁の術!」

 

土の魔法か〜、厄介ではないんだよな〜

 

「中級魔法 水の檻(ウォーター・ケージ)

 

俺は中級魔法の水の檻を使用し、土の壁を閉じ込める。

 

火球(ファイヤー・ボール)!」

 

すかさず俺は忍者達に追撃を行う

 

「なんだ!この強さ…まさか鬼神!?」

 

鬼神は姉貴の2つ名だろ!

 

「人違いだよ!」

 

俺は忍者全員の元へ白撚を使用し、高速で近づき腹に1発入れる。

 

「これで終わりかな?皆、どうだった?俺だけでも片付くもんだろ?」

 

俺がそう言うと、椿はうわぁという顔で俺を見る。

 

「やりすぎ、フォックスなら瞬殺」

 

う〜〜ん、椿に言われても説得力が…ってあれ?

 

「おかしいな、単純な魔法や能力の使用なのに魔力の消費が激しい…」

 

メイビスもおかしいと思っているらしい

 

「本当ですね、フォックス様の魔力が満タンから一気に半分まで減っています。」

 

メイビスも俺がおかしくなっていると思うか、たしかに魔法2種に白撚だけの使用だったのに、魔力が半分も持っていかれるなんて…

 

ドスッと何かが俺に刺さる。

 

「隙ありだ!俺も気絶したかと思っただろう?」

 

忍者の隊長格は気絶したのではなく気絶したフリか…

 

「お生憎様、痛みには慣れっこでね、この程度の傷じゃ俺は倒せ…な…い」

 

俺の中で何かが動く、なんだこれ、魔力が力が抑えきれない?まずいこのままじゃ

 

「皆!逃げろ!」

 

俺がそう言った次の瞬間、俺の意識は消える。

 

〜椿 視点〜

 

フォックスが逃げろと言った瞬間、フォックスは謎の繭に閉じ込められる。

 

「皆…ここはフォックスの忠告通り、逃げる。」

 

私がそう言うと、サージャとメイビスは頷き後方へ下がる。

 

「繭は私が見てるから全速力…」

 

私は繭から目を離さず、後ろ走りで逃げる。

 

「ん?繭が動いている?まさか…」

 

繭の動きに違和感を覚え、繭から200m離れた位置に着く。

 

「サージャ、メイビス、魔法を構えて、繭から出てきた者はフォックスではないと思って…」

 

私も刀を構える。

 

「椿さん、この状況って…」

 

フォックスを心配しているサージャが私に話しかける。

 

「分からないけど、フォックスは明らかに何かの力を使用した…覚醒?にしては不自然、おそらく呪い系の魔法か、もしくは呪印」

 

私が次の言葉を言う瞬間、繭から何かが出てくる。

 

「破壊だ…」

 

その姿はフォックスそのもの、だけど所々違う箇所があり、黒髪の黒目に加え、腕には何かの模様が浮き出ている。

 

「2人とも、フォックスをと…」

 

私が止めるという瞬間、フォックスはサージャの近くにまで来ていた。

 

「破壊だ」

 

その拳はサージャを殺す勢いであった

 

「サージャ!防御!」

 

私はサージャに命令する、サージャはかろうじて防御魔法を展開するが一瞬だけ見えただけでかなりの重症を負っていた。そして何処かへ飛ばされてしまう。

 

「メイビス!私と2人で止めるよ!」

 

「わかりました!」

 

私とメイビスは何かの力で暴走するフォックスと戦うのであった。

 

時間は現在へと移る。

 

「ここじゃな、なっ!」

 

九華が見た光景は森が1部半壊している景色であった

 

「九華さん!あそこ」

 

シリウスが指をさす方向を見ると、2人が黒いモヤを纏った者と戦っていた

 

「うむ?あれは…椿か!もう1人は知らんが仲間かのぅ?」

 

アンナは何かを察知する。

 

「全員伏せて!」

 

アンナがそう言うとすかさず皆は身体を地面に伏せる。

 

「なんじゃ!この風圧は…」

 

そして九華の元には椿が飛んできた

 

「ガハッ、あの強さ、まるで…」

 

椿はそのあとの言葉を言う前に気を失う。

 

「メアリー、椿…この子も致命傷じゃ、治癒は頼むでな」

 

「はい!任せて〜」

 

九華は治療中のメアリーを除く他の皆に目線を合わせ

 

「お主たち、行くぞ!」

 

戦場へと駆ける。

 

「これは相当キツイですね〜」

 

メイビスは応戦していたが、一向に近づけず、かなりのダメージを負っていた。

 

「おい!お主大丈夫か?」

 

そこに九華達が駆けつける。

 

「なるほど、貴方達でしたか、私はしばし回復を…」

 

メイビスはそう言うと、治療中を行っているメアリーの影へと潜る。

 

「それで?なんじゃあれは…」

 

禍々しいオーラを放っている存在を見る九華は考える。

 

(何かの前触れか?それとも魔族か、わからんのぅ)

 

「破壊だ」

 

九華に攻撃を仕掛けるその存在の拳を九華は受け止める。

 

「貧弱な拳…じゃ…なんじゃと?」

 

その存在はフォックスであった。

 

「リアンなのか?」

 

九華は動揺してしまう、それもそのはず、フォックスは九華にとって弟子であり、また甥でもある為であるから…

 

「どうしてじゃ!ぐはっ」

 

九華は動揺のあまり、普段の力を出せないでいた。

 

「九華師匠!シリウス、ポーラ、アンナ、俺たちでフォックスを止めるぞ!」

 

ガレス達はフォックスと戦い始める。

 

「うぉぉぉ、豪炎斬(ゴウエンダン)

 

ガレスは闘気で練り上げたオーラを大剣に纏わせ、炎へと変換する。その攻撃に斬られるフォックスだが…

 

「なんだと?効いてねぇー」

 

ガレスの攻撃は無意味かでも言うようにフォックスに傷はついていなかった。

 

「なら!五月雨撃ち(サミダレウチ)!」

 

シリウスは魔力で作り出した矢を連射し、空へと撃ち出す、何百もの矢がフォックスへと降り注ぐ。

 

炎の壁(ファイヤー・ウォール)

 

フォックスは炎の壁を作り出し、五月雨撃ちを防いでしまう。

 

「くそっ、防がれた。」

 

そのままフォックスはシリウスの懐に潜り込み、腹と顔に1発ずつ拳を入れる。

 

「ぐはっ」

 

シリウスは吹っ飛び、木々に激突する。

 

「シリウス!」

 

アンナはシリウスの元に向かいたいが、フォックスに邪魔されてしまう。

 

「フォックス、ごめん今はこれで大人しくしてて!」

 

アンナは毒生成でヒドラを出そうとするが、フォックスはそれを阻止し、アンナの腕を折ってしまう。

 

「ぎゃああああ」

 

アンナは腕が折れた衝撃で気を失う、そんなアンナをフォックスは無表情で見つめ、トドメを刺そうとする。

 

「させるかよ!」

 

だがすかさずポーラがフォックスを吹き飛ばそうとするが…

 

「なんだ?フォックスが吹き飛ばねぇ」

 

フォックスはその場で足を固定し飛ばないようにしている。

 

「ガハッ、ぐほっ」

 

ポーラは肋骨やあばら骨などが折れるという大ダメージを負ってしまう。

 

「ハァハァ、オレ達じゃ止められねぇのか?」

 

ポーラはそのまま気を失う。

 

「壊す。」

 

フォックスは両手に魔力を集中させる。メアリーは感じていた、あの魔力の質量はこの地一帯を吹き飛ばすほどだと

 

「俺が止めてみせる!そしてフォックスも助ける!」

 

ガレスは予め気を失っているシリウス達をを回収し、メアリーの元へと届ける。

 

「ガレス!?まさか自分を犠牲に?」

 

メアリーのそんな質問にガレスはニヤリと笑い

 

「あたりめぇだろ、俺達は仲間だぞ?暴走する仲間を置いて逃げるかよ、そしてピンチの仲間を見捨てることもしない」

 

そして膨大な量の魔力が解き放される。

 

「覚悟を決めろ!うぉぉぉ」

 

ガレスがかっこいいセリフを言っている時

 

「ガレス、ちょっと退いて、よっと」

 

そんな自分を犠牲にしようとするガレスの前に炎竜が助太刀に入る。

 

「ガレスも限界だろ?後ろで休憩しとけよ、ここからは俺の時間だ」

 

炎竜は自身の所有する刀、炎獄刀を鞘から抜くとフォックスに向ける。

 

「壊す」

 

フォックスは炎竜に対し、中級魔法の風の刃を使用するが、炎竜はその魔法を見ずに全て炎獄刀で防いでしまう。

 

「魔法の威力は高いけど、それだけって感じかな?予備動作なんかはないけどこれなら勘でどうにかできそうだな…」

 

炎竜はすぐさまフォックスの懐に潜り込み、炎獄刀で切り刻む

 

「堅っ!なるほど、通常の攻撃じゃ、ほぼダメージゼロか…ならこれならどうかな?」

 

炎竜はある魔法を唱える。

 

炎獄(エンゴク)魔法 炎夏(エンカ)

 

炎竜が魔法を唱えると炎竜より約10m離れた位置、即ちフォックスとの丁度中央辺りに炎獄の球体が現れる。

 

「ぐぁぁぁ」

 

フォックスは突然苦しみ出し、地面にもがき苦しむ

 

「やっぱり、その呪印は魔法か何か、即ち俺の魔法で燃やす事ができる。」

 

だがフォックスも負けずと立ち上がる。

 

「まだ立ち上がるのか、ちょっと面倒臭いけど、これならどうかな?」

 

炎竜は刀を鞘にしまい、カウンターの状態に入る。

 

「本来ならカウンターができるここぞって時に使うんだけど、理性を失っているのならカウンターは効くよね?」

 

フォックスは炎竜に打撃の攻撃を仕掛けようとする。

 

「炎獄魔法 炎獄居合!」

 

炎獄の炎を纏わせたカウンターの居合を行いフォックスに大ダメージを与える。

 

「ガハッ」

 

フォックスはそのまま気を失う。

 

「何とか助かったけど…他の皆は気を失っているし…どうしよう。」

 

炎竜はそのまま悩み続けるのだった。

 

数十分後、目覚めた皆と九華はフォックスをどうするか決めるため、九華の用意した屋敷へと入る。

 

「それにしても、フォックスさんはなぜ暴走を?」

 

シリウスは頬を抑えつつ九華に質問する。

 

「分からぬな、儂でさえ最初はフォックスと気付くことは出来なかったしのぅ」

 

皆は考え始める。

 

「あのさ、考えるのはいいことだけど、フォックス君?は大丈夫なの?まだ目覚めないと思うけど、てか屋敷広すぎ!」

 

炎竜は場の空気を考えずに皆に聞く。

 

「まぁそこの変態の言う通りじゃ、フォックスはしばらく目覚めさせぬ、儂の固有スキル生命強奪(ライフ・ドレイン)でな」

 

アンナは九華の固有スキルを聞き質問する。

 

「九華さん、質問、生命強奪は普通に死ぬんじゃないかな?」

 

アンナに質問され、九華は答える。

 

「そうじゃな、生命強奪は命を奪うスキルじゃ、ただ妖狐族に置いては儂のスキルを使用しても死なぬのじゃ、妖狐族にもたらされるのは永遠の眠りじゃな、今のフォックスでは目覚めてもさっきの二の舞じゃ」

 

皆は納得した顔になる。

 

「お主たちは先の戦いに置いてまだまだ実力不足を感じたのではないか?まぁ安心するのじゃ、儂がまた鍛えるのでな、そこの2人も追加でのぅ」

 

九華はサージャと椿の方を見る。

 

「わかりました!頑張って強くなります。」

 

「私はまずは食べ物…」

 

それぞれ強くなる決意をする皆であったが炎竜は…

 

「サージャちゃん、椿ちゃん、2人とも可愛いィィィ」

 

炎竜は目をハートにして2人に近づくがメアリー達にフルボッコにされる。

 

「うぅ、痛い…それにしても九華さんはよくこんな屋敷持ってたね?どこから取り出したの?」

 

炎竜の質問に九華は答える。

 

「あぁ、ここは儂の屋敷でのぅ、フォックスも昔はここに住んでおった、フォックスの自室もあるのでのぅ、あぁ、あと地下には行くではないぞ?フォックスの実験場になっておってのぅ、儂でも地下に行くのは躊躇ってしまうわい。」

 

そんな話を聞いてアンナは目を輝かせてしまう。

 

「おぉ、地下の実験場、行ってみたい。じゅるり」

 

地下の実験場を想像し、ヨダレを垂らしているアンナに椿以外全員しっかり引いてしまう。

 

「まぁしばらくこの屋敷で暮らすでのぅ、各々好きな部屋を使ってくれ」

 

皆は元気に返事をする。

 

「九華師匠…あのさフォックスは今…」

 

フォックスを心配しているガレスは九華にフォックスの事についてきく。

 

「安心せぃ、生命活動は停止しておるが、今は眠ってるだけじゃ」

 

そんな言葉を聞き、ガレスは安心した顔つきになるのだった。

 

〜先の戦場跡地〜

 

「ふむ?一足遅かったか、何やら俺に似た妖力を感じて来てみればなるほど、俺の眷属に噛まれ破壊の力を手にしたか、しかも妖狐族か、それにこの気配九華と東の者もいる。果てさせ蛇と狐どちらが生き残るか…ふはははははははは」

 

オロチは先の戦場跡地にて過去の映像を覗き見、高笑いをするのであった。

 

〜九華の屋敷〜

 

九華は1人考えていた、あの力は単なる暴走ではなく、ヤマタノオロチの力に似ていたこと、そしておそらくヤマタノオロチが復活したことも繋がるということ。

 

「あぁ、もう、考えるに、ヤマタノオロチは復活したことになるではないか!」

 

あのおぞましいモノが復活したとなればたちまち日ノ国は終わってしまう。九華はそう考えるのだった。

 

シリウスは風呂上がり、廊下を歩いていた、フォックスがまた暴走した時の対処法を考えていたのだ。

 

「どうすれば俺たちだけでフォックスさんの暴走を止められる?」

 

シリウスがそんな考えをしている途中、足元に違和感を覚える。

 

「うわぁ、なんだ?水滴?」

 

廊下には水滴が所々に落ちていたのだ。

 

「どうした〜、シリウス?」

 

そこにガレスがやってくる。

 

「いや、水滴が廊下に落ちているもんだからなんなのかと思ってね。」

 

水滴を見てガレスは

 

「うわぁ、まじかよ、九華師匠の出したこの屋敷って幽霊でもいんのか?」

 

ガレスは幽霊がいるかもという事に足をガクガクさせていた。

 

「いや、まだ分からないよ?敵かもしれないよ〜」

 

ガレスの背後で話しかけるメアリー

 

「うわぁ、びっくりした!ってなんだメアリーかよ驚かせんなよ!」

 

ガレスはメアリーの頭に拳骨する。

 

「イテッ、殴らないでよ〜」

 

騒ぎを聞きつけ全員集合してしまった。

 

「ふむ、幽霊の可能性かのぅ…それはないのぅ、幽霊がいたとすれば儂が追い払っておる。だとすると可能性は人じゃな」

 

炎竜は人の仕業と考えると。

 

「人怖だ〜」

 

炎竜もまた足をガクガクさせるのだった。

 

「とりあえず、水滴を追ってみよう。何かわかるかも?」

 

アンナの提案に炎竜とガレス以外は乗り気のようだ。

 

「アンナさん、この水滴あそこの1番奥の部屋まで続いてますよ?」

 

サージャが指差す方向を見る。

 

「あそこの部屋かぁ〜九華さん、あそこの部屋って?」

 

アンナは九華に部屋の持ち主について聞く。

 

「フォックスの部屋じゃな」

 

そしてフォックスの部屋の前で立ち止まる皆。

 

「んぅ?なんかガサガサ音が聞こえんぞ?」

 

ポーラは音が聞こえると言う。

 

「なら入るか、頼も〜」

 

炎竜は強引に扉を蹴り開ける。

 

「ちょっ、炎竜先生!蹴り開けなくても…」

 

シリウスが炎竜に注意していたその時、部屋の中でシリウスはあるものを見てしまう。

 

「うわぁ」

 

メアリーも続け様に部屋の中を見る、すると…

 

「何で、裸の女の子が〜!?」

 

炎竜の声でその女の子が振り向いてしまう。

 

「誰だい?君達」

 

女の子に質問されるガレス達

 

「それよりもお主は何者じゃ?」

 

すかさず質問を返す九華にその女の子は

 

「僕か?僕の名前は…無いや」

 

その女の子には名前が無いという事実に皆は驚愕するがアンナは気付く。

 

「どことなくフォックスに似ている?」

 

その女の子の容姿は白髪であり、ミニアムサイズの姿をしたフォックスの写し鏡みたいなものだった、決定的に違うのは女の子であることと、髪の長さが足元まで届いていたこと、それを除くとフォックスに瓜二つである。

 

「君は…アンナだね?創作者(オリジナル)が送った記憶では君達と初めて出会った記憶しか送られてきてないから、そこの4人の事は分からない」

 

その女の子はサージャ、メイビス、椿、炎竜を指さしそう言う。

 

「それで?一体お主はどこの誰じゃ?」

 

九華の質問に女の子はムッとした顔になりこう言う。

 

「さっき言ったじゃん、オリジナルって、僕はオリジナルから生み出されたホムンクルスだよ」

 

その言葉に九華は驚く

 

「ホムンクルスじゃと?まさかフォックスは地下でホムンクルスの制作を行っておったのか!?」

 

その女の子は正解と言わんばかりの顔で九華に花丸を送る。

 

「それから呼び名に困るんだったらホムンクルスから取ってクルスって呼んでね?よろしく〜」

 

クルスはそう言うと九華に手を差し出す。

 

「あぁ、よろしくのぅ?クルス」

 

九華は手を握り返すのだった。

 

〜新薙帝国 空洞〜

 

空洞にある、異質な城にある会議室で1人うたた寝をしているものが居た。

 

「こーら、ゼロちゃん?こんな所でうたた寝してたら死んでしまうっスよ?」

 

気持ちよくうたた寝をしていたゼロを起こしたのはアメノである。

 

「アメノ様、お久?」

 

アメノはゼロの口調を聞きムスッとする。

 

「ゼロちゃん?誰から教わったんスか?お久って…」

 

ゼロは表情を変えずにアメノの質問に答える。

 

「サリエルから教わった…ダメな言葉?」

 

アメノはその名前を聞き、ため息をつく。

 

「ダメな言葉ではないっスけど、ゼロちゃんはもっと上品な言葉を使うことをオススメするっスよ」

 

アメノの言葉にゼロは頷く。

 

「わかった、気を付けます。」

 

アメノはそんなゼロの頭を撫でて褒める。

 

「いいっスよ、もうそんな細かな事は気にしないッスよ、それよりシャドーちゃんから聞きましたけど、ゼロちゃんもこれから日ノ国に行くんスよね?」

 

アメノはゼロにそう聞く。

 

「そうです、シャドーに言われた、邪魔な奴来たから妨害頼むって」

 

「そうスっか、気をつけるんスよ?俺は仕事に戻んなきゃいけないッスから元気にゼロちゃんも仕事をするんスよ?」

 

アメノはゼロにそう言うと会議室を後にする。

 

「たしかに炎竜・ファイアは今の計画には邪魔っスねぇ〜、ゼロちゃんなら勝てるッスけど…」

 

アメノは何処かに電話を掛けるや否や誰かと会話をするのであった。

 

第10話 END

 

「次回第11話 日ノ国 崩壊 お楽しみに!」

 

 




今回は長くなっちゃいました、前回、不穏な空気を出していたフォックスさん、遂に謎の力で暴走してしまいましたね〜、そして炎竜さんの戦闘能力、高く盛りすぎてしまいました、次回は遂に!オロチが本格的に動き出すとの事で日ノ国は今まで以上に大変な事が巻き起こります!次回の第11話を楽しみに待っててくださいね!?ではさらばシュバツ =͟͟͞͞ ( ˙꒳˙)
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