孤独な冒険者の始まりの物語   作:狐男

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前回、フォックスはオロチによって死亡してしまう、ガレス達が駆けつけ、オロチとの戦闘を始めるがオロチの圧倒的な力に為す術なく敗北してしまう、そしてオロチがアンナとクルスを殺そうとした瞬間、フォックスは亜人特有の覚醒へと目覚めアンナとクルスを助けるのだった。それでは本編をどうぞ


第13話 フォックスvsオロチ 決着の時

俺の拳がオロチの顔へと当たる。

 

「ぐはっ、なんだこの力は!」

 

オロチは困惑しているようで自身に起きている変化に気付いていない。

 

「これは皆との絆の力だ!」

 

俺はオロチへと急接近する。

 

「お前を倒し日ノ国を救う!」

 

俺は魔法を使用する。

 

「超級魔法・地獄の螺旋(インフェルノ・スパイラル)!」

 

地獄の炎がオロチを巻き付けそのまま炎の柱へとなる。

 

「こんなもの!」

 

オロチはその拘束を解き、俺へと急接近する。

 

「なっ!フォックスさん、危ない!」

 

シリウスが俺に危険だと言葉を送るが俺の行動は遅くオロチの爪で胴体を貫かれ刺されてしまう。

 

「ぐはっ」

 

「ハハハハハハッ、これで終わりだ!」

 

オロチは慢心の笑みを浮かべていたが…

 

「ぐはっ、なんだと?」

 

逆にオロチが俺に刺されていた。

 

「さぁ?なんででしょうか?」

 

俺は今自分に使用している逆転(・・)の固有スキルをオロチに対して使っただけ…

 

「これでも喰らえ!」

 

俺の拳をオロチの頬へと当てる、オロチは地面にめり込みしばらく抜け出せないような感じになった。

 

「しばらくは抜け出せないな、よし次は…」

 

俺は自分の視点を魔物に変えられてしまった人達に向ける。

 

「フォックス!そのもの達を殺そうとするでない!」

 

師匠が何か言っているけど無視無視、俺は魔力で作り出した弓を用い魔力の矢でその人達を貫いていく。

 

「なっ、フォックス!殺すこたぁねぇ〜だろ?」

 

ガレスが俺に対してそう言ってくる。

 

「全員見てみろよ、俺はこの人達を殺せないし、そもそも殺してない。」

 

俺は全員にそう言い辺りを見渡すよう言う。

 

「魔物に変えられた人達が元の姿に戻ってる?どういう事だい?フォックスさん。」

 

「再生の力だよ、オロチの力を宿してしまった俺は暴走すること無くこの力を扱えるよう逆転の力と+して覚醒の力を用いる事で再生の力へと変化させたんだ。だからオロチの力で変えられた人達を元の姿へと戻すことができたんだ。」

 

俺が淡々と説明すると皆納得するように頷いてくれた。

 

「でも、皆は1度死んだのに生き返れたのも逆転の力?」

 

アンナがそう質問してくる。

 

「そうだよ、ただしもうお前たちに生と死の逆転はできない、あれはどうやら同じ対象に1度しか能力が使えないんだ、だから今後逆転の力でお前たちの死を生へと変えることはできないわけ。」

 

「なるほど〜、それじゃあその力を使えばオロチは倒すことができるの〜?」

 

メアリーの質問に俺はこう返す。

 

「いや、あいつを再度封印して、一生出られないようにする。それがあいつに施せる罪の償わせ方だ。だからここは俺に任せてくれ。」

 

俺がそう言うと皆は納得して頷いてくれる。

 

「クソガキが!この俺をよくも土へと!」

 

うわぁ、恨み言かよ、たしかに土に押し込んだのは悪かったけど、人の命を玩具みたいに扱うのは良くないね。

 

「もうお前の攻撃は俺には通用しないよ」

 

俺はオロチの攻撃を避けつつ火球(ファイヤー・ボール)を使いオロチに反撃する。

 

「ガハッ、なんだこれは俺の力が徐々に弱まってきている?」

 

俺はどの魔法や能力(スキル)でも再生の力を付与することができる、だからオロチは俺の攻撃をガードしても徐々に力が弱まっていく感覚になるのだ。

 

「はぁぁぁぁ」

 

俺の拳にも再生の力は使われているのでオロチに対しては効果は抜群だ。

 

「ガハッ、馬鹿な馬鹿な、この俺が負けるだと?こんなちっぽけな亜人如きに!」

 

「お前は負けるんだよ、この俺によってな」

 

俺とオロチは高速戦闘を開始する、お互いスピードは互角だが徐々にオロチの力は弱まっていっている。

 

「クソ、ならこれを喰らえ!」

 

オロチは魔法陣を生成し、魔法を唱える。

 

絶対的な衝撃(アブソリュート・ブレイク)

 

この魔法は超級魔法か、なら!

 

俺はその衝撃波を指1本で受け止め魔力で相殺し消し去る。

 

「それがお前の本気か?なら俺も本気を出すぞ」

 

俺は白撚と逆光のスキルを使用し、自身のスピードを大幅に向上させる。

 

「速すぎるだと、なんなんだこのスピードは…バケモノめ!」

 

「お前には言われたくないね」

 

俺の渾身の一撃がオロチに刺さる。

 

「ぐわぁぁ、顔が体が焼ける!」

 

どうやら再生の力はオロチに対してかなり効果的でオロチの皮膚をも溶かすようだ

 

「まだだ、まだ終わってないぞ!」

 

オロチは魔力を限界まで高め本来の巨大な8つの首を持つ蛇へと姿を変える。

 

「デカイな〜、だけどそんだけ的が大きいと魔法が当てやすい!」

 

「この俺の本気を見せてやる!」

 

オロチと俺の激闘は続く。

 

一方その頃ガレス達は…

 

「ハァハァ、ひとまず避難はできたな〜、ただ、フォックスやり過ぎだろ!下手すりゃ俺たちが巻き込まれてるところだぜ。」

 

ガレスはフォックスとオロチの戦いを遠くで見ている。

 

「確かに今のフォックスさんは圧倒的だ、あれが亜人特有の覚醒…とてつもない力を感じたよ」

 

驚くシリウスに九華は…

 

「それに加え、あの子は逆転のスキルを用い、己の中に眠るオロチの破壊の力を再生の力へと変貌させておるわ、じゃからフォックスがオロチに負けることはもうない…」

 

「だけど私たちじゃあ、とてもじゃないけど今の師匠を援護することさえもできないわけですよね?」

 

サージャの言葉に皆は声が出ない、そんな中1人だけ変にテンションが高い人が…

 

「でも結果的にはフォックス君は復活して覚醒、今はオロチを圧倒だろ?でも俺たちは今は体力の回復と傷の回復、魔力の回復が必要になっている、こんな状態でオロチや魔物の大軍が攻めてきたらやられちゃうよ」

 

炎竜のその言葉にポーラは反応してしまう。

 

「なぁ、炎竜先生?オレそのセリフてっきりフラグなのかと思ったぜ〜」

 

ポーラがそんな事を言うものだからフラグは成立してしまう。

 

「九華様…あれ」

 

椿は表情を変えず青ざめた顔で指を指す方向を示す。

 

「炎竜!お主!余計なフラグを立ておって!」

 

「てへぺろ〜」

 

炎竜は悪気のない顔になる。だが九華や炎竜も満身創痍、魔物の大軍を制圧する程の力は残ってはいなかった。

 

「やべぇ、どうすんだよ、九華師匠!」

 

「どうしたもこうしたもあるもんか、全力で逃げるんじゃ」

 

全員全力ダッシュで逃げてはいるが徐々に魔物達との距離が縮まってきている。

 

「あっ」

 

その瞬間、アンナが石に躓き転んでしまう。

 

「アンナ!」

 

回復していたクルスが助けに入ろうとするがアンナはそのまま魔物の大軍の中へと飲み込まれてしまう。

 

「アンナーーーー!」

 

クルスが泣き叫ぶ、しかし、魔物達はアンナを飲み込んだところで動きを止める。

 

「何じゃ、この魔力の高まりは…」

 

九華と炎竜は感じ取っていた、魔物の大軍の中で膨れ上がっていっている膨大な魔力の高まり

 

そして魔物達は破裂していく。

 

「なんだ!?」

 

ガレスが驚くとそこにはアンナをお姫様抱っこしている謎の男、髪色は半分白ともう半分は黒で目の瞳は白と黒のオッドアイ、服装はどこかの神官を思わせるようなものだった。

 

「大丈夫かい?もう大丈夫だよ、ここは僕に任せて早くおいき」

 

その男はそう言うとアンナを下ろす。

 

「えっと、貴方は?」

 

アンナの問いにその男は…

 

「僕かい?僕はアメ、もう君たちに会うことはないけど、この魔物達は任せて?そこの人達も早く逃げて」

 

アメはそのままガレス達にそう言うと、ガレス達も頷きアンナを連れその場を去る。

 

「さて、言葉の通じない君たちの相手は僕だよ」

 

アメはそう言うと魔物の大軍へと足を踏み入れるのだった。

 

時は同じくオロチとフォックスの戦いは激闘を極めていた。

 

「死ねぇぇ」

 

オロチは自身の首を振り回しフォックスに激突させる。

 

「どうだ?」

 

オロチはフォックスの死体を確認するようフォックスを潰した跡を見るがそこにフォックスの死体は存在していなかった。

 

「何をしてるんだ?俺を倒す幻でも見ていたか?」

 

オロチの背後には先程ダメージを与えたフォックスが突っ立っていた。

 

「ふん!」

 

フォックスの拳がオロチの巨大な胴体に激突する、オロチは再生の力を喰らいもがき苦しむ。

 

「馬鹿な!俺には適応があるんだぞ!なぜお前の攻撃に適応できない!」

 

オロチの問いにフォックスは答える。

 

「俺の攻撃が速い所為でお前の適応が機能しないんだよ。」

 

フォックスは白撚で身体能力を、逆光で自身の肉体を光の速度で移動できるようにスキルを適用させているのだ、そのためフォックスの攻撃速度は次元を超え、オロチの適応を無力化するほどに至るのだった。

 

「お前じゃもう俺には勝てない、大人しく封印されろ」

 

フォックスは最後の頼みとしてオロチにそう言うがオロチは…

 

「誰が封印されるか!お前を倒し、俺は自由にこの世界を破壊する!俺は俺自身の本能で生きている!誰にも邪魔はさせねぇ!」

 

そう言うとオロチはフォックスに縮地で近づき尻尾で打撃を入れようとする、しかしフォックスは当然の如くその攻撃を避ける。

 

「もうお前の攻撃は通用しないと言っただろ?」

 

フォックスはオロチの腹に蹴りをいれ吹き飛ばす。

 

そしてすかさず自身の得意とする白撚を使用した狐火をオロチに浴びせさせる。

 

狐火の爆炎(フォックス・ランプ・エクスプロージョン)

 

その爆発は以前とは比べ物にならないほど強化されていた。

 

「ぐげぇぇぇ、ハァハァ」

 

オロチはかなり満身創痍になっており、本来の姿である蛇の姿から人間体へと戻っていた。

 

「これで、終わりにする。」

 

俺は予め仕込んでおいた封印魔法を使用する。

 

「この俺がぁこの程度で、封印されると思うな!」

 

オロチは封印の鎖を自らの力で破壊し、俺目掛けて拳を振るおうとする、しかしその拳が俺に届くことはなく俺はオロチの拳を受け止める。

 

「そんなに弱っているのに、俺に拳を当てれるわけないだろう?」

 

俺はオロチが脱出不可能にするため封印魔法に+して絶級魔法を使用しようとする。

 

「お前は終わりだ!絶級魔法・四大元素(フォース・エレメント)!」

 

その魔法は炎を起こし、竜巻を起こし、巨大な波を起こし、最後には土の塊がオロチの周りを飛来し直撃させる。

 

「この俺がこの程度でー」

 

オロチはその先を言おうとしたが俺が封印を施したのでその先の言葉を喋らせることは出来なかった。

 

「お前は一生封印されていろ、そして生涯そこで反省するんだな自分の行いを…」

 

俺は封印されたオロチにそう言い残しその場を去る。

 

フォックスがオロチを封印した場所から約200m離れたところ、そこには人型のオロチの姿がいた、ただし見た目は幼くなっており力の大半は失われているだろう。

 

「ハァハァ、俺に恥をかかせたあの妖狐族は許さない、キヒヒ、100年後だ、100年後俺は力を取り戻し、あの妖狐族に復讐してやる!」

 

オロチは万が一の為自身の分身体である蛇の眷属に乗り移り封印から逃れることになったのだ、しかし封印が失敗したと分かればフォックスは追ってくるとわかっているので力の大半を手放すほかなかったのである。

 

「ここから地道に俺は力を…」

 

そう言おうとした瞬間背後から気配を感じ取る。

 

「何者だ!」

 

オロチは声を荒らげ背後の気配の人物に話しかける。

 

「なるほど、力を大半失うも気配は感じることはできるのか…」

 

赤髪の剣士…ルージュがそこにはいた。

 

「貴様…ちょうどいい俺の力を取り戻すための供物となれ」

 

オロチはそう言うとルージュに近づく。

 

「はぁ〜、お前ほどの実力者でも俺の力に気付けないとは、哀れだな」

 

ルージュにそう言われオロチは激怒する。

 

「なんだと?俺はあのヤマタノオロチだぞ?この国を滅亡寸前まで追い込んだ!俺を舐めるのも大概にしろ!」

 

オロチはそう言うがルージュは1つ付け加える。

 

「日ノ国を滅亡寸前まで追い込んだんだろ?なら俺達は1人だけでもこの国を滅ぼすことは可能だ。」

 

ルージュがそう言った瞬間、ルージュの背後に20人の人の姿が見える。

 

「なっ、なんだソイツらは、お前達は一体ぃ!?」

 

オロチが言葉を喋る瞬間に切り刻まれるようや感覚に陥る、オロチは自身の身体を見る、首だけが残っており身体はみじん切りのように切られていた。

 

「ふぅ、オロチのDNAは回収した、俺は帰るが…」

 

ルージュはそう言うと1人の黒髪ロングの三つ編みの黒のロングコートに上は白、ズボンは黒といった服を着た女の子はこう言う。

 

「ならこれ私が貰ってもいい?」

 

そう言われルージュは…

 

「好きにしろ、オロチの死体には興味は無い、DNAさえ回収出来ればその死体に利用価値はない、まぁ最もオロチは長生きした魔物、今尚意識はあるだろう。お前の好きにしろ名華(メイカ)

 

名華と言われた少女はオロチの死体に近づき悪魔の門らしきものを出現させる。

 

「私のペット達の贄になってね?」

 

名華がそう言うと門は開きオロチの肉体は門から出てきた腕に吸収されていく。

 

「嫌だァ、俺はまだ何も為せてていないのいぃぃぃ」

 

オロチはそのまま門の中へと引きずり込まれてしまう。

 

「ご馳走様でした!」

 

名華はそう言いながらお腹をさするのだった。

 

オロチの脅威が断ち日ノ国は今復興するため国中の人達が日夜忙しく動き回っていた。

 

「なぁ〜、フォックス〜なんで俺達までこの国の復興を手伝わなきゃいけねぇんだ?」

 

ガレスは俺に文句を垂れてくる。

 

「仕方ないだろ?今この国じゃ、オロチの被害で作物がダメになったり家屋なんかが破壊されたりしてんだから。」

 

俺はガレスにそう言う。

 

「でも、フォックスさんが元の姿に戻って良かったよ、それに以前よりも強くなってるかな?」

 

シリウスがそう言ってくる。俺的には覚醒したままでも良かったけど…どうやら覚醒には多くの体力が必要らしい、そのため力を使いすぎた俺は2日間眠っていた。だからリハビリも兼ねて国の復興作業を手伝っているわけ。

 

「でも良かったですね、師匠の仮面が直って!」

 

サージャの言った通り俺は今久々に直った仮面を着けて作業をしている、これ以上、素顔は晒せん!

 

「ほんと、良かったよ〜師匠がその場で直してくれたから。」

 

師匠は仮面を貸せと言ってきて仮面を貸したところものの数分で直してきたのである。バケモンか?

 

「へい、らっしゃい炎竜直伝!炎竜たこ焼きはどう?」

 

俺たちから数m離れたところで屋台を展開している奴がいる。炎竜・ファイアと言っていた人物である。アイツ復興作業手伝えよ。

 

「ウマウマ」

 

椿はたこ焼きを50パック買ってやがる、どんだけ食うんだよ。

 

「こちらもどうですか〜、メイビス直伝 フォックス様焼きですよ〜」

 

メイビスに至っては俺の顔を模した焼き菓子を提供してやがる。後で潰す。

 

創作者(オリジナル)これはどこに置いたらいい?」

 

クルスはなんやかんやで手伝ってくれている。癒しだな〜

 

「クルスの今日の服可愛いな〜、アンナに見繕ってもらったのか?」

 

俺はクルスに質問する。

 

「ううん、僕が選んだ!」

 

そうかそうか、偉い子だな〜今まで眠らせたままにしてたのは反省だな〜、ちなみに服はマリン系のワンピースだ。

 

「フォックス、これはどこに置く?」

 

アンナは大量の木材を片腕だけで持ってきた。なんでもクルスと契約して以降力がかなり増したらしい、下手すりゃ俺より強いんじゃ…

 

「木材はそこ、今日の分の家屋は直すよ〜」

 

俺は釘やハンマーを取り出し作業に移ろうと思った時ある声が聞こえる。

 

「兄ちゃん〜、復興作業、お疲れ様、これ母ちゃんと作ったおにぎりぜひ食べて?」

 

信永がおにぎりを持ってきてくれた。

 

「ありがと、信永、おにぎりはそこに置いといて、お母さんの容体はもう大丈夫そう?」

 

俺が信永にそう質問すると笑顔で信永は答えてくれる。

 

「うん、母ちゃん元気だよ、それに俺強くなりたくて…その今椿姉ちゃんに東流を教わってるんだ!」

 

なるほど、東流をね

 

「それでいつか日ノ国の将軍になってこの国を変えていきたいんだ」

 

なるほど、将軍にね

 

「本音は?」

 

俺は信永が少し嘘をついていたので本音を聞いてみることに。

 

「あっはは、やっぱり兄ちゃんにはわかるか〜、俺強くなって立派な大人になって将軍にもなれたら椿姉ちゃんに告白するつもりなんだ〜」

 

やっぱり、椿のことが好きだったのか〜

 

「そうか、目標はでかい方がいいぞ〜、それに夢が叶えばお前の母ちゃんにも楽させてあげれるし、頑張れ信永!」

 

俺がそう言うと信永は元気よく頷くのだった。

 

日ノ国に滞在し、復興作業を手伝ってから数日が経過していた。日ノ国はこの数日で復興作業が進み、日ノ国の国民達の生活は徐々に安定していた。そんな中俺達はこの国を発つ準備を行っていた。

 

「兄ちゃん達本当に帰っちゃうの?」

 

信永は寂しそうな目でこちらを見つめてくる。

 

「そうだ、この国ももう俺達の力が無くても十分復興していける。それに俺達は冒険者で俺達には帰るべき場所がある。」

 

信永はその事を聞き、嬉し泣きでこう言ってくれる。

 

「なら、せめて見送らせて欲しい」

 

「わかった、俺達が国を出るのは明日だからな。」

 

俺がそう言うと信永は頷いてくれる。

 

「うん、わかった!」

 

信永はそう言いこの場を去っていく。

 

「さてと、明日の出発までにやれる事はやっておくか。」

 

俺はそのまま復興作業を続けるのであった。

 

翌朝、俺達は朝一で日ノ国を出発する気だったのだが

 

「何この人の数…」

 

俺は仮面の中でびっくりした顔をしていた。

 

「おいおい、なんだよこの見送りの数、なんだか泣けてくるぜ」

 

ガレスは見送りの数に驚きはしつつも涙していた。

 

「嬉しい見送りだね。」

 

この国の人達は俺達に感謝していた、オロチを封印してくれた事にこの国を助けてくれたこと、様々な思いで俺達を見送ってくれるのだろう。

 

「なんだか、嬉しいね、フォックスも仮面の中で笑ってる?」

 

アンナには気付かれたか、まぁ俺も嬉しい事があったら笑うけど、仮面を着けていたらこの顔も人には見せられないからな〜

 

「ありがと〜兄ちゃん!それに皆!この国を救ってくれて!」

 

信永も大きな声で俺達を見送ってくれる。あぁ本当に嬉しい。

 

「フォックス、またね。」

 

椿は他の人達の声で聞こえにくいが、俺にははっきりと聞こえている。

 

「またな、椿、信永、それに師匠と姉貴もな。」

 

俺達は乗っている船から日ノ国を見つつ手を振りラナフィ王国へと帰って行くのであった。

 

〜冒険者ギルド総本部〜

 

ニコロ・ライゼンスは日ノ国で起こった事件についての情報をまとめていた。

 

「まさか、ヤマタノオロチの再封印を行うとはフォックスもその仲間もやるじゃねぇ〜か。」

 

ニコロはその情報にニヤニヤが止められなかった。それもそのはず、ニコロの計画にオロチは邪魔な存在でしかないのだ。

 

「でもさ〜、オロチのDNAは私達には必要だったんだよ?あのお方の復活を早める為にもね」

 

ニコロの正面に座っている黒髪のショートボブの女の子はそう言う。

 

「そうかよ、でも俺達の計画には邪魔だったんだぜ?オロチはよそこんとこ理解してるのか?シャドー」

 

ニコロにそう言われるとシャドーは苦い顔になる。

 

「あはは、理解してるよ〜、それで?あの子(・・・)は順調に育ってる?」

 

シャドーがそう言うとニコロはこう言う。

 

「まぁ順調に育ってるぜ、アイツにとっての居場所は俺の組織にしかねぇ〜、アイツが順調に育てば俺もいつか…キヒ」

 

ニコロは部屋に響き渡るほどの高笑をするのであった。

 

〜1年後〜

 

日ノ国の事件から1年が経過し、俺達は今緊急会議をしています!

 

「なぁ、皆この1年俺達頑張って来たじゃん、あそこでナンパしている無職(ニート)とは違ってさ」

 

俺はラナフィ王国で有名なカフェ店のテラス席で皆と会議するために座っているのだが後ろを指差しながらそう言う。

 

「まぁまぁ、確かにこの1年、フォックスさんがSランク冒険者になったり、食費が増したりしたけど、フォックスさんが今開いている緊急会議ってなんの話をするんだい?」

 

「それはだな、パーティメンバーが増えて宿での生活もお金がだいぶかかるようになったからマイホームを買おうと思ってね。」

 

「「「「「「マイホーム!?」」」」」」

 

 

俺がそう言うと皆は驚きのあまり声を大きくして言うのであった。

 

第13話 Eーーー

 

森を走る白いワンピースを着た1人の少女がいた、その子はどこか怯えた顔で走っているようであった。

 

「ハァハァ、早く、逃げないと」

 

その子を追いかけている複数の十字の仮面を着けた者たちがその子の事を追っていた。

 

「待てーーー!」

 

少女は必死に走る、だが少女は後ろを気にしてばかり走っていたせいで前方が崖になっている事に気付かず…

 

「ハッ、きゃああああああ」

 

その子は崖から落っこち川へと流されて行くのであった。

 

「ちっ、逃げられた、崖から落ちましたが、どうします?隊長」

 

「ボスには混血が逃げ出したと報告しろ、それにこの程度では死なぬだろう。」

 

隊長と呼ばれた男とその隊員たちはその場を去っていく。

 

この時フォックス達は知らなかった、この先日ノ国以上の大事件に巻き込まれることを…

 

第13話 END

 

「次回 第14話 マイホーム購入と謎の少女 お楽しみに!」

 

 

 

 

 

 

 




今回で日ノ国編は終幕です。次回からは武闘大会編とその少女を巡る戦いが始まります、次回の孤独な冒険者をお楽しみに!
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