孤独な冒険者の始まりの物語   作:狐男

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今回はまじで戦闘シーンを多めに書きたいです!頑張って書いていきます!


第6話 紅蓮の剣士vs闇夜の暗殺者

俺たちは船でヒューズ王国へと向かっていた、なんか途中海が割れてたみたいだけど気にすることないかな?変な魔力の流れだったし、それにあの魔力どっかで感じた事がある様な…

 

「おい!フォックス、着いたぞ?ヒューズ王国に」

 

俺はガレスにそう言われ振り返る。

 

「わかった、今行くよ。」

 

あの後船に乗った俺はアンナと共に仮面の外面部分の修復を行っていた、流石に機能の復元は出来なかったのでまた割れたら修復は不可能だろう。だが仮面があった方が落ち着く。

 

「ふぅ〜、良かった〜、仮面の外面だけでも修復できて俺は嬉しい」

 

俺は久々に仮面を着けてウキウキしていた、これで素顔を仲間達に晒さなくて済むと。

 

「でもまた壊したら流石のボクでも修復は無理だよ?強度は上げてあるけど…」

 

アンナにそう言われ俺は仮面が割れないように動く。

 

「師匠…そんなに警戒しなくても落としても仮面は割れないと思いますけど?」

 

えっ、そうなの?サージャに言われてなかったら、仮面が割れないよう警戒していた俺が怪しい人物になってた訳か…

 

「まぁ、ヒューズ王国には3日間滞在するつもりだから、皆そのつもりでいてね?食料確保と各自装備のメンテと3日間でできる依頼の確保!」

 

俺は皆にそう言い聞かせる。食料に至っては俺たちの倍食べるガレスとポーラがいるから食費が馬鹿にならない。そのためのお金も少しは稼がないといけないから3日間でできる依頼を見つけるしかない。

 

「俺はサージャと行動するけど、シリウスはどうする?」

 

俺はシリウスに聞く

 

「俺はとりあえず矢の補充と弓のメンテナンスかな?後は適当に依頼を見つけて稼いでおくよ。」

 

このイケメン、できる!矢の補充と弓のメンテで忙しいのに、依頼もついでにやるとか出来すぎてる。

 

「ガレスはボクと依頼を受けよう。毒生成で新しい毒も試したいしね?」

 

アンナはガレスと行動を共にするか〜、しかもしれっと毒生成の新しい毒をガレスに試そうとしている。なんて恐ろしい娘!

 

「ポーラはどうするんだ?」

 

俺はとりあえずポーラにも聞いてみる、まぁ予想はしてるけど…

 

「オレか?オレは特訓だぜ!」

 

やっぱりか〜、ラナフィ王国にいた時よくいなくなるなとは思ってたけど特訓してたのかよ。

 

「ポーラ…迷子にだけはなるなよ?」

 

俺はポーラにそう言い聞かせるがポーラの方はポカンとしていた。メアリーに関してはヒューズ王国に着いた途端魔法書を求めて魔法書店に行ってしまった。魔法式を覚えられるのはほぼ才能だけど、メアリーは魔法の才能はあるからな〜。

 

「とりあえず皆解散!」

 

俺とサージャは皆と別れた後冒険者ギルドへ、理由はまだサージャの冒険者登録を済ませていないからだ。まぁ新薙で冒険者登録試験は済ませているから冒険者ライセンスを受け取るだけだ。

 

「今日からAランク(Fランク)だね」

 

そう、サージャは俺たちのパーティに属しているためAランク冒険者扱いだが冒険者自体のランクはFなのでAランク(F)と付くのだ、あくまでAランクは仮って意味でね?

 

「これが私の冒険者ライセンス…嬉しいです!」

 

良かった良かった〜

 

「まずは肩慣らしにゴブリン退治かな?サージャ行くよ?」

 

俺はサージャを連れてゴブリンが居そうな所に行こうとしていた。冒険者ギルドを出てすぐ背後に気配を感じる。

 

「サージャ?気づいているか?」

 

俺はサージャに質問する。

 

「はい、背後に私たちを尾行している人がいますね。何者でしょう?」

 

気配からして熟練の老冒険者みたいな気配だけど、足音息遣いから女の子なんだよね〜、何者だろ?

 

「サージャ止まるよ。」

 

俺はサージャに止まるよう指示し、歩くのをやめる。

 

「おい!尾行するのはいいが膨大な魔力がダダ漏れだぞ!」

 

俺は尾行している子にそう言う。

 

「バレてたか〜、やっぱり君強い子だね〜?」

 

物陰から出てきた女の子は燃えるような赤い髪に、腰には剣がぶら下がっていた。

 

「それで?お前名前は?」

 

俺は赤髪の女の子に名前を名乗るよう指示する。

 

「私の名前?ベルリンド・スカーレットだよ?」

 

俺はその名前を聞いた瞬間青ざめたよりにもよってとんでもない大物に目を掛けられてしまったのだから。

 

「それで?かの有名なSランク冒険者様が俺になんの用で?」

 

俺の質問にベルリンドは…

 

「私と戦って欲しい、それだけだよ?」

 

やっぱり噂通りの戦闘狂、最近じゃあまりの強さに彼女と同等の力を持ったものは中々現れないらしい。

 

「それに君面白い固有スキルを持ってるね?」

 

俺は仮面の中で驚きの顔をする。まさか解析鑑定の固有スキル持ち?

 

「ベルリンド、お前も知っての通り、冒険者同士の決闘は禁止されているんだぞ?」

 

冒険者はいざこざが多いため決闘自体を禁止にしている。

 

「知ってるよ〜、でもヒューズ王国では冒険者同士の決闘は禁止されていないよ?」

 

そうきたか〜、確かにヒューズ王国は冒険者同士の決闘を祭りとして挙げていたりする。近々武闘大会が開催されるはず。

 

「武闘大会で強い奴と戦えばいいだろ?」

 

 

俺はベルリンドにそう言う。

 

「それもいいけど、私武闘大会出禁になったんだよね〜」

 

強すぎるからか、なら納得だ。でも俺が目を付けられているなら後々が面倒だ、一生付きまとわれたら厄介だし決闘の話には乗ってやるか…

 

「決闘は受ける。だが決闘には賭け事は必須だろ?お前が買った場合はどうする?」

 

ベルリンドが何を賭けるかは分からない、俺が買った場合の報酬も考えるか…

 

「なら私が勝てば私とパーティを組んで欲しい」

 

パーティの引き抜きか…なら俺は全力で勝つしかない。

 

「わかった、俺がお前に負ければお前とパーティを組む。逆に俺がお前に勝てば金貨400枚を請求する。」

 

よし俺がベルリンドに勝てば無償でお金が手に入るし、しばらくの間食費を気にしなくて済む。

 

「わかった、なら決闘は明日の昼頃でいいかな?」

 

「俺はそれで構わない。」

 

俺とサージャはベルリンドとその場で別れ、一旦レストランの席についた。

 

「どうしよ〜、Sランク冒険者に勝てる未来(ビジョン)が見えない…」

 

俺は頭を抱えていた。現状最強と言われている冒険者紅蓮の剣士ベルリンド・スカーレットには勝てる気がしないと。

 

「でも師匠ならなんやかんやで勝てるかもです!」

 

「勝てないんだよ。ベルリンドには莫大な量の魔力と俺が知らない固有スキルを持ってる可能性があるんだ。それにあいつの腰にぶら下がっていた剣、あれはただの剣じゃないな。」

 

サージャは頭に?を浮かばせる。

 

「あの剣、あれは神器だなそれも高位の」

 

俺の言葉にサージャは質問する。

 

「師匠、神器ってなんですか?」

 

「神器を知らないのか…まぁいいや説明しよう。」

 

神器とはかつて神々が作り出した武器であり、現在確認されている神器の数は21個だという。

 

「神器があるベルリンドさんには師匠でも勝てないんですか?」

 

「そうだな〜、勝てない。ベルリンドの持つ神器はおそらく魔剣アスモデウスだな、あれは業火の炎を操ることのできる神器であり自我がある武器だ。それに…」

 

あの神器は自然界に存在する魔力を供給することで実質的にベルリンドには魔力切れもないと思う。

 

「手数で押し切るか…」

 

俺は明日の決闘のために特訓をするのであった。

 

翌日、俺は決闘のある会場もといコロシアムに来ていた。控え室で待機をして今日使うであろう武器のメンテを行っていた。

 

「これでよし!って言っても短剣じゃあ勝てないか。」

 

まじで勝たないと引き抜かれるから嫌だな〜、日ノ国に行くだけだったのにとんでもない事に巻き込まれた?よ〜

 

「よし行くか!」

 

俺は控え室から出場口へ向かい外へと出るすると…

 

「なんだこのギャラリーの数。」

 

コロシアムの席は全て満席になっていた。ふと背後を見ると案の定ガレスたちがいた。

 

「おーーいフォックス〜頑張れよ〜」

 

「フォックスさん、頑張れ〜」

 

「フォックス〜、負けたらボクの特別な毒を君にプレゼントするよ?」

 

「フォックス、頑張れ〜、負けたら魔法の修行付き合ってね〜。」

 

「フォックス!負けんなよ!」

 

「師匠〜頑張ってください!」

 

なんか応援席っぽいし、なんなのガレスのあの服、フォックスLOVEって書いてあるんだけど!?

 

「恥ずかしい…身内にあんなのがいるのが恥ずかしい。」

 

俺がうずくまってると、会場が盛り上がっていく。

 

「ベール!ベール!ベール」

 

ベルリンドの応援か、負けないぞ〜

 

「来たね?フォックス君。」

 

すごい気迫だ、流石はSランク冒険者、太刀筋でわかる強い!

 

俺とベルリンドは構えどっちが先に仕掛けるかを見極めていた。

 

「ん?なんで2人とも動かね〜んだ?」

 

ガレスは不思議そうにシリウスに質問する。

 

「2人は戦ってるよ?ガレス、少なくとも僅かな動きでね?」

 

「僅かな動きですか?シリウスさん…」

 

サージャは不思議な顔をする。

 

「そうだね、フォックスさんとベルリンドさんほどの実力者だったら駆け引きをしてどのように動くか予想するんだ。」

 

そうフォックスとベルリンドは僅かな動きによって行動を予測しあっている状態なのである。

 

『まずいな〜、どの攻撃も躱されたり、防がれたりしている。どう攻めようか』

 

俺は地面を深く踏み込み加速する。

 

「フォックスさんが仕掛けた!」

 

俺の拳はベルリンドに当たったはずだった、だが…

 

「くそ、避けられた。」

 

俺の攻撃を避けたベルリンドはすかさず機動を変え俺に反撃してくる。

 

「はぁ!」

 

ベルリンドの剣を腕で受け止めるが…

 

「重ッ」

 

あまりの重さに地面が沈むような感覚だ。

 

「ベルリンド、お前魔力と闘気両方使って身体能力を強化しているのか?」

 

俺の質問にベルリンドは答える。

 

「そうだよ!」

 

攻撃が重たい、それに速すぎる。避けるので精一杯だ!

 

炎の槍(ファイヤーランス)!」

 

俺は炎の槍を生成しベルリンドにぶつける。

 

「アチチチ、なんちゃって」

 

やはり炎の攻撃は通用しないか。

 

「なら私も使わせてもらうね?業炎!」

 

ベルリンドが剣を振りかざした途端炎の柱が空高くまで登り上がる。

 

「なんて威力だ…」

 

俺はこの威力を見て油断していた。

 

「隙ありだよ?」

 

ベルリンドの剣が胴体へと直撃しダメージを負ってしまう。

 

「ぐっ、ガハッ」

 

攻撃を直で受けるなんて何年ぶり…

 

「なんだ?体がだるい、魔力も消費させられている?」

 

俺は気づけば膝を地面についていた、身体強化で使っていた魔力も無くなっている。それに俺の魔力が半分以上も失われている?まさか…

 

「ハァハァ、その神器の効果か?」

 

俺はベルリンドに質問する。

 

「そうだよ?神器・魔剣アスモデウスに切られた者はアスモデウスに魔力を吸われるそういった能力なんだ。でもアスモデウスの魔力吸いに対して無意識に抵抗するなんてやっぱり君は強いね?」

 

なるほど、ならいっそうのことその能力に気をつければいいだけの事なら白撚を使用するまで。

 

狐火の爆炎(フォックス・ランプ・エクスプロージョン)

 

俺は蒼炎の炎の玉を生成し、ベルリンドに攻撃を仕掛ける。勿論爆発はする。

 

「面白い攻撃方法だね?だけど炎は私には通用しないよ?」

 

そこは読んでいる。だから

 

「中級魔法風の刃(ウィンド・スラッシュ)

 

俺は予め中級魔法を用意しベルリンドに攻撃を仕掛ける。流石のベルリンドでも死角の攻撃は防げなかった。

 

「私も久しぶりにダメージを負ったかも。」

 

ベルリンドは不甲斐な笑みを浮かべる。風の刃でつけたはずの傷が治っていた。

 

「なんだと?傷が…」

 

回復魔法を使う素振りはなかった、完全回復も使用はできないだろうと踏んでいた。なら考えられる可能性は1つ…

 

「複数固有スキル持ちか!」

 

「正・解♡」

 

ベルリンドはパチッとウィンクをするとそう答える。

 

「自己再生、厄介なスキルを…」

 

自己再生は自身の意思に関係なく発動する常時能力(パッシブスキル)だ。即ち俺の勝ちという道は無くなったというわけだ。

 

「戦いの最中に考え事は良くないよ?」

 

ベルリンドの攻撃が俺に刺さる。

 

「ぐはっ」

 

俺はそのまま壁と衝突する。

 

「フォックス!頑張れよ!それでも俺たちの最高戦力かよ!」

 

ガレスが何か言ってる。ダメだ頭がぼんやりする。

 

「フォックス君は固有スキルを2つ持ってるけど、その継承って固有スキルは何?」

 

ガレスの言葉とは裏腹にベルリンドの言葉に耳がいく。

 

「あ!わかった!もしかして継承って固有スキルが君の本来のスキル?じゃあなんで白撚っていう固有スキルばっかり使ってるの?もっと全力を出してくれなきゃ私が困るよ?」

 

白撚はアイツ(・・・)から受け継いだスキルだ。俺が1番気にしなくちゃいけなくて使っているだけだ。

 

「それに君の仲間、全員君より弱いよね?なんで君は強いのに弱い子達とパーティを組んでるの?もっと強い仲間ができるはずだよね?」

 

ベルリンドのその台詞に対して俺は怒りが溢れてくる。

 

「何も知らないお前が俺の仲間を侮辱するな。」

 

コロシアムの観客席にいた者たちは唖然とした。なんせ膨大な魔力が溢れているのだから。

 

「フォックスの魔力の流れがやばいね」

 

メアリーが不安そうにフォックスの魔力を凝視していた。その魔力は怒りや悲しみなどの負の感情みたいなものだったから。

 

「ベルリンド、お前は俺を怒らせた!」

 

俺は半分以下になった魔力で身体強化を施し、闘気による身体強化も同時に行った。

 

「君の攻撃は見切ってるよ?」

 

ベルリンドがすかさず斬撃を与えようとするが俺はその斬撃を避けベルリンドの腹に1発入れる。

 

「ぐっ、痛った〜、中々いいダメージを貰ったね〜。」

 

「流石に一撃じゃ仕留めきれないか。ならこれなら!」

 

俺は魔法陣を浮かべ出す。俺が唱える魔法は…

 

「超級魔法隕石の落下(メテオ・ドロップ)!」

 

巨大な隕石がベルリンドに襲いかかる。ベルリンドはニヤッと笑い。

 

「ふん!」

 

隕石を両断してしまう。

 

「魔法じゃ私を倒せないって!」

 

再びベルリンドが斬りかかってくる。俺はベルリンドの斬撃を素手でいなしながら蹴りを入れるがそれも防がれてしまう。

 

「フォックス君は打つ手無しかな?」

 

流石の俺でも一撃で仕留めきれる様な魔法はないならどうするか。自己再生の追いつかない程の攻撃を与え続けるしかないがベルリンドがその隙を与えてくれはしないだろう。

 

「なら私はとっておきでフォックス君を倒すとしようか。」

 

ベルリンドは突如、剣を地面に突き刺す。

 

「アスモデウス、久しぶりにアレ(・・)やるよ?」

 

『ムッ、あれはベルの体に負担が…』

 

「それでもやるの!フォックス君に私の全力をぶつけないとね?」

 

『ふむ、承知した。だがくれぐれも体には気をつけてくれよ?』

 

先程からベルリンドは誰かと会話をしている…アスモデウスか?一体何を…

 

「ッ!何だこの莫大な魔力の流れは!」

 

周囲の魔力がベルリンドと魔剣アスモデウスに流れていっている。一体何が起こるって言うんだ?

 

「この光は!」

 

ベルリンドと魔剣アスモデウスは光に包まれ姿が現れたと思う瞬間背中が凍るような感覚に陥てしまう。その光から現れたのは魔人なのだから。

 

紅蓮の炎の髪色はそのままに見た目はほぼ人間とは思えないほどの体をしていた。頭には角が生え、後ろには尻尾が見える。背中には羽が生えていた。

 

「『これが私達の全力だよ?フォックス君!』」

 

ベルリンドの打撃が俺のガードしていた両腕に当たる。

 

「この威力は…」

 

俺の腕は無残にも折れていた。

 

「だがその姿あまり長くは持たないだろ?」

 

俺はベルリンドに質問する。

 

「『まぁね?』」

 

おそらくあれは亜人特有の覚醒に近いものなのだろう。自我のある神器と同一化なんて恐ろしいことをよく考える。

 

「攻撃が読みずらい!」

 

ベルリンドの攻撃は確実に俺に当たっているが俺の攻撃は避けられたりいなされたりしている。

 

「まずいね、フォックスさんの体力と魔力が削られていってる。このままだと…」

 

「フォックスは負けるね?確実に、でもボクはまだフォックスには隠し玉があると思う。」

 

アンナの言う通り、フォックスには切り札があるがそれを切ることはできなくなってしまっていた。普段の倍魔力を消費させられてしまっている為擬似的な絶級魔法の使用が不可能になってしまったためである。

 

「ぐはっ」

 

フォックスには既に傷を治すほどの魔力も攻撃を仕掛けるほどの体力も残っていない。

 

「ハァハァハァハァ」

 

「フォックス君?もうおしまい?」

 

ベルリンドの言葉が耳に入ってくる。

 

「おしまいだと?ハァハァ、まだ戦える」

 

俺は動かない体を無理やり動かそうとする。

 

「無理に動かなくても私にはわかるよ?もう限界でしょ?」

 

「確かにもう限界だ、だが俺は負ける訳にはいかないんでね?」

 

俺の言葉にベルリンドは驚きの顔をする。

 

「なるほど、そんなに彼らと一緒がいいんだ〜。でも君が負ければ私とパーティを組んでもらうその約束だよね?」

 

確かに約束は約束だ、無理に破ろうとはしない。だけど俺は今の環境がいいんだ、あの温もりのある仲間達が何より大切なんだ。

 

「ふ〜〜ん、まだ諦めてない目だね?ならこの一撃で終わりにしてあげる!」

 

ベルリンドの業火が俺に襲いかかり、俺はその攻撃をもろに受けてしまう。

 

「これで終わりなのか?フォックス!」

 

ガレスの声が頭に響く、いやガレスだけじゃないな、他の皆の声も同時に聞こえてきている。

 

「審判〜、私の勝ちだと思うから判定よろしく〜」

 

審判がベルリンドの勝利判定を出そうとした瞬間。

 

「ベルリンド、まだ終わってないぞ?」

 

俺はベルリンドにそう言う。

 

「やっぱり君は強き者だね?そこまでダメージを負いながらまだ立てるなんて…」

 

確かにベルリンドの言う通り、俺はとっくに限界を迎えている。だけど仲間達の声援が俺をまた1段と強くしてくれるそんな気がする。そして初めて気づいた白撚のもう1つの可能性。アイツから受け継いだこのスキルの可能性を!

 

「さぁ最後の戦いといこうか!」

 

俺はベルリンドの背後に回り込む、そしてすかさず蹴りを入れる。

 

「『だからそんな攻撃私には…』」

 

ベルリンドに蹴りを入れたが腕で防がれてしまう。魔人化の防御力は凄まじい、だが俺の攻撃が通用したのかベルリンドは地面に膝をついてしまう。

 

「『どういうこと?私の防御力を軽々超えるなんて』」

 

俺が考え出した白撚のもう1つの可能性、それは身体強化に使用している魔力に白撚を付与し、爆発性を帯びた魔力に変化させるという単純なもの、通常魔法に付与すればその魔法は着弾地点で爆発するという性質になる。なら身体強化にこれを使用できないかと考えていた。そうできたのだ俺も知らなかった白撚の仕様。

 

「俺のスピードについて来れるか?」

 

俺は白撚を使用し、高速に移動する。

 

「『速い!だけど予測はできる!』」

 

ベルリンドの攻撃が俺を捉えたかに思える。だが俺の目にはあのベルリンドの攻撃すらも遅く見える!

 

「はぁぁぁぁ!」

 

俺の拳がベルリンドを捉える。

 

「『ガハッ』」

 

ベルリンドは壁に衝突する。俺はその隙を逃さない

 

「俺は絶対に勝つ!」

 

「『私も負けられない!』」

 

お互いの拳がぶつかり合い、コロシアムに付与されているであろう結界が崩壊する。

 

拳による衝突で発生した光が収束し、収まると次に見えたのは満身創痍の2人の姿。

 

「これは…最後の決着かな?」

 

「最後ってシリウス、まさか拳での殴り合いでか?」

 

コロシアムの観客席の人々は驚きの顔をしていた。あのベルリンド・スカーレットが負けるのかと

 

「俺たち2人とも満身創痍、最後は拳で決着をつける!」

 

「そうだね、私もそう思う!」

 

ベルリンドの拳が俺に襲いかかるが俺はそれを避け、ベルリンドの腹部に拳を入れ、蹴りも入れる。

 

「この戦い、フォックスさんの勝ちかもしれない。」

 

シリウスのこの言葉にガレス以外の他4人は頭を?にする。

 

「単純な話だよ、薄々気づいていたけどフォックスさんの格闘術はおそらく全世界で1番だと思う。」

 

ベルリンドの攻撃は俺に届かず逆に俺の攻撃はベルリンドに届くその繰り返しだった。

 

「おそらくこれで最後の攻撃だな、確実にベルリンドも俺に攻撃を与えてくるだろう。」

 

「おそらくフォックス君の攻撃は私に届く、私の攻撃もフォックス君に届かせる!」

 

「「はぁぁぁぁ!」」

 

両者の拳がお互いの顔面に放たれる。

 

どうなった?コロシアムの観客はそう考えるだろう。フォックスの攻撃はベルリンドの顔面辺りで止まっている。

 

「女の子だからね?顔面に拳は勘弁してやる。だけど…」

 

デコピン!俺のデコピンはベルリンドに届き、ベルリンドはその衝撃で壁へと衝突し気絶する。

 

「勝者!フォックス!」

 

コロシアムには歓声が轟く。

 

その翌朝。

 

「はいこれ約束の金貨500枚と白金貨1枚」

 

俺はあまりの大金に驚きを隠せない

 

「これはその、お詫びだよ…その、フォックス君の仲間の人たちを侮辱してごめんなさい!」

 

「いやいや、別にもう気にしてないし、それにお説教はアスモデウスに受けたんだろう?」

 

俺の言葉にベルリンドは暗い顔をする。こってり絞られてんな〜

 

「それにベルリンド…ベル、久しぶり」

 

俺のこの久しぶりという台詞にベルは俺に抱きついてくる。

 

「うん、本当に久しぶり!フォックス君!」

 

実を言うと俺はベルの事を今の今までど忘れしていた。実を言うとベルに会ったのは50年も前だからである。仕方ないじゃんあの村娘がこんなに成長してるなんて普通思わないだろ?

 

「まさかヒューズ王国にくる強き者の気配がまさかフォックス君だなんて思わないよ〜、それに私の事忘れてたみたいだし…」

 

ギクッ、

 

「確かに忘れてたのは謝るけど、何十年も会ってなかったわけだし…」

 

俺の言葉にベルは頬をぷくっと膨らませるが…すぐに機嫌が治り。

 

「なら今度始まる武闘大会に出場してよね?そうしたら許したげる!」

 

武闘大会、本当は出る気はなかったけど…

 

「わかった、出るから。俺は仲間達と合流するからまたな?」

 

俺がそう言うとベルは潔く頷きその場で別れる。

 

「じゃあ約束だからね〜!」

 

そう言われつつ手を振り別れる。

 

中々めんどくさい事になったなと思いつつ宿へと帰還するのであった。

 

〜ヒューズ王国外れの森にて〜

 

謎の光が森の中央に放たれる。その光に包まれるかの様に1人の少女が現れる。

 

その子の容姿は白い髪を腰あたりまで伸ばし、瞳は蒼眼、フード付きのローブをしており背は164cm程だろうか?かなりの容姿端麗である。

 

「この辺りかな?」

 

女の子は1人ヒューズ王国に向かっていた魔物の大群を瞬殺するのであった。

 

「これでヒューズ王国は滅亡しない、他の過去も少しづついい方向に改善していかないと…」

 

その少女はまた光に包まれどこかへと行くのであった。

 

〜冒険者ギルド総本部〜

 

茶髪の大柄な男は密かに報告書を見てニヤニヤと笑みを浮かべていた。

 

「あのベルリンドが決闘にて敗北か…面白い情報だな。」

 

茶髪の男は不思議そうに秘書の女性に聞く。

 

「ベルリンドに勝った相手は誰だ?」

 

「無名のAランク冒険者だそうです。」

 

その答えに茶髪の男…グランドマスターのニコロ・ライゼンスは驚きの顔をする。

 

「ほぅ、面白い、もしかしたらSランクになれるほどの実力者かもしれん。あの冒険者ランキング1位のベルリンドに勝てる人材だ、そいつの事はよく調べておけ、新たなSランク冒険者が現れるかもしれん、さすれば俺の計画も…」

 

「面白いことになったね〜ニコロ君?」

 

ニコロは驚き背後を振り向くが…

 

「こっちだよ〜」

 

目の前に居たのは…

 

「シャドーか、当然お前も俺の計画には賛同だよな?」

 

シャドーは笑みを浮かべ

 

「もちろんわかってるよ〜、君の計画には全面的支援をしているから頑張ってね?君の計画が完遂したあとは…わかってるよね?」

 

ニコロは冷や汗をかき

 

「わかってる、あの方の復活の手伝いだろ?分かってるって。」

 

2人はお互いそう言いつつ高笑いををするのであった。

 

「次回第7話 到着!日ノ国と東家の無愛想お姫様」

 

お楽しみに!

 

 

 

 

 

 




今回戦闘パートを多めに書きました、最後の白髪の少女は何者なんでしょうね〜、それとまさか冒険者ギルドのグランドマスターがシャドーとかいう怪しいヤツと手を組んでいたとは何を企んでいるんでしょうね?次回は日ノ国に到着したフォックス達を待ち構えていたのはまさかの日ノ国伝説の家系東家とその東家の最強の剣士にしてお姫様、一体なんの用なんでしょう?お楽しみにね?
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