今話はこの後の話の都合上、ちょっと強引な展開になっています。
本選初日の第一・第二試合が終了し、次の日の午前に第三試合、午後が第四試合というタイムテーブルで試合が行われることになっている。
会場は相変わらずの満員御礼、第三試合の対戦カードは新戸緋沙子VS葉山アキラ。
テーマは『ハンバーガー』、即ち【パテをバンズで挟んだ料理】である。
新戸は『薬膳』、葉山は『スパイス』と同系統の料理人同士のため、観客もこの第三試合には注目している。
しかし観客の熱気以上に熱く、火花を散らしているのが当人同士であった。
「よう、お前の主に言っといてくれや。『カムイを倒すついでにお前も倒させてもらう』ってな」
「戯言はこの場だけにしておきなさい。えりな様と共にカムイへ挑むのは、この私だ」
遠月のトップを目指す葉山にとっては、カムイもえりなも等しく超えなければならない相手。
だからこそ、その二人と同時に対戦できる【特別試合】には是が非でも出場しなくてはならない。
一方の新戸も、えりなへ『必ず優勝するので一緒にカムイへ挑みましょう』と言った手前、こんなところで負けるわけにはいかないと燃えている。
互いに譲れないモノのため、『勝つ』こと以外考えていない二人。そんな二人が対抗心を剥き出しにしている中で、試合開始の銅鑼が鳴った!
新戸がまず取り出したのは…………なんと『スッポン』だった! テーマが『ハンバーガー』なだけに、意外過ぎる食材を見て観客も驚きと興味が沸く。
『スッポン』は『四つおろし』という方法で捌くのが一般的である。
まず、腹を中心から割って前足と後足を分ける。次にスッポンを裏返すことで起き上がろうと首を伸ばすので、素早く首を掴み、切り落として血抜きを行う。
その後、首の根元から背中を切り両前足の根元にも包丁を入れてから、最後に甲羅を剥がす。そして内臓を処理し、肉をバラして完了となる。
だが新戸は『スッポンの血』もパテに使うべく、切り落とした首元に赤ワインを注いで血を抽出していた。
赤ワインの抗酸化作用で血の凝固を止めたら、内臓や肉を取り除き甲羅ごと煮込んで出汁を取る。
『スッポン』という捌くのに知識と技術が求められる難しい食材を、一切無駄のない手練で捌き調理を進めていく新戸の姿に、観客やスポンサーも関心を示していた。
一方の葉山は下味をつけた牛のバラ肉を何重にも重ね合わせ、『ドネルケバブ』にしていく。
分厚い肉の層にじんわりと熱が通っていき、会場全体を香しい香りで満たした。
両者共に己の得意なジャンルで、見ている者の興味を搔き立てる術を心得ている模様。
やがて調理も終わり実食が始まる。
先攻は新戸の【スッポンバーガー】。具材にはスッポンと豚肉を塩で熟成させた『塩豚』の挽き肉を使い、同じくスッポンの血と豚の血を塩水で固めた『猪紅』を混ぜて作ったパティ。
さらに香辛料を溶かした油に生姜を漬け込んだピクルスとサンチェ。それらをオーブンで表面を軽く焼いた蒸しパンに挟んだ品である。
「ほほう! 王道的なビジュアルでありながら、トロミのあるソースが絡んだパティが何ともなまめかしい。見ているだけで食欲をそそられる♪」
「ふぅむ、最後に軽く表面を焼いたことで蒸しパン特有のイースト臭を無くしたか。実に香ばしい」
「はい。蒸したバンズを焼くことで中はフワフワ、外はサクッとした食感を楽しむことができます」
「なるほど、焼かれたパンの香りが何とも香しい。ではさっそく」
焼きたてパン特有の香ばしさが、審査員たちの鼻腔をくすぐり食欲を搔き立ててくる。
香りを十分に堪能した審査員たちが、赤ちゃんの頬っぺたのようなフカフカのパンを思いっきり頬張る。
すると全身の産毛が逆立ち、肌が輝いて見えるほどに活性化した!!!
「なんというパンの美味さだ! 表面は焼きたてパンのサクサクした食感、中は蒸しパンならではのフカフカ食感が堪らない!
極めつけはこの香しいフレグランス! 最後にバンズを焼いたのはイースト臭を消し去るとともに、混ぜていたスッポンのスープの香りを立てる狙いもあったのか!!!」
「それにこのソース! これはスッポンで取った出汁を煮詰めて、酒や調味料で味付けしたソースだ! トロみのある濃厚なソースがパティに絡んで実に美味この上ない!!!」
「ソースだけではない。このパティの美味さの秘密はスッポンや塩豚の肉だけではなく、『血』や刻んだ『内臓』までも使ったことにある!
まさにスッポンの持つ『旨味すべて』がこの品に閉じ込められている!!!」
「何という満足感! しかし、この官能的なまでの快感はいったい!?」
サクフカ食感のバンズとスッポンの旨味が審査員の口内を満たすが、審査員たちは同時に『ハンバーガー』でここまでの満足感が生まれることに疑問を感じてしまう。
そしてその疑問には仙左衛門が答えた。
「この満足感の正体は、『ソースの粘り気』と『バンズ上部と下部の比率』にある。
スッポン由来の上品なゼラチン質が口の中を包み込み、比率を調整したパンズの食感が脳の快楽中枢を刺激しているのだ」
「な、なるほど。確かにスッポンに限らず、中華あんかけなどの粘り気は料理にコクと満足感を与えますからな」
「そして人間の顎は上顎よりも下顎の方が力が強い。そのため、バンズ上部と下部の比率を4:6にすることで、咀嚼がそのまま快感へと変わっていくのだ」
「まさしく! それにこのサンチェと生姜のピクルスも中々だ。咀嚼することでサンチェのシャキシャキ感、生姜のコリコリとした音が心地よい!!!」
「仰る通りでございます。人体の中で『舌』の次に物理的刺激に敏感な上アゴの内側部分『軟口盖 なんこうがい』。
さらには食材の食感を調整することにより、『顎骨』を通して人の本能を揺さぶる品にいたしました」
新戸がこの料理に込めたのは『薬膳』を応用した人体に関する『東洋医学』。
人体の構造を熟知するからこそ、『食事』がそのまま『快楽』へと変貌する料理となっていたのだ。
また、肉のみならず血や内臓といった『スッポン』を余すことなく丸ごと使ったことで中国料理における『一物全体』を見事に表現。
まさに『薬膳』を得意とする新戸らしい品になっていた。だが、新戸がここまで『食感がもたらす快感』を突き詰めることが出来たのは、カムイの影響が大きいと言える。
(カムイが食べさせてくれた料理の数々。アレらのおかげで私の持つ知識を『食感』と結びつけることができ、ここまでの品に仕上げられた…………感謝するぞ、カムイ)
カムイが極星寮で作った血のデザートや、レンコンを使用して作った『硬』と『軟』の極みと呼べる驚異の食感料理。
アレらの料理を食べて以来、新戸は自分の持つ薬膳の知識と『食感』を結び付け、料理に『快感』を加える方法を探っていた。
その結果、今や新戸は自分の料理に『薬膳』だけではなく、人の『五感』に働きかけ、食べる者に『快感』と『快楽』を与えられる料理が作れるようになったのだ!
「す、素晴らしい! 『黄金比率のバンズ』、『スッポンスープのフレグランス』、『コクのあるパティ』、『粘り気のあるソース』、『風味豊かなピクルス』、『歯ごたえ抜群の野菜』! ここまで食べる者の五感を揺さぶる料理があるとは!!!」
「恐ろしいまでの料理の完成度! その満足度たるや、まさしく『モンスター級』! 思わず陶酔してしまうわ!!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!
新戸の『薬膳』と『五感』を駆使した【スッポンバーガー】を審査員は大絶賛、仙左衛門も渾身の『おはだけ』を披露!
文句なしの高評価に観客も大盛り上がりを見せる、会場の誰もが新戸の勝利を予感した。
しかし葉山が料理を運ぶと一気に空気が変わる!
なんと葉山の料理を嗅いだ瞬間、審査員たちはあまりにも食欲へ直撃する香りに『お預けをくらった犬』状態で舌を出しながらヨダレを流していたのだ。
「お待たせしました、どうぞお召し上がりください」
葉山が自信満々に出したのは【ケバブ風ハンバーガー】。袋状に焼いた『ビタパン』に『ケバブ』と『ハンバーグ』を詰めた品である。
ケバブにハンバーグを合わせるという、どう見ても重たすぎる料理。しかも審査員には高齢の者もいる。
とても完食などできないだろう、そう思われていた。
「なっ、バカな!? あっという間に食べきってしまった!」
「あれだけ重たそうなハンバーガーだったのに………!」
「食べていることに気が付かないほど夢中になってしまった!」
「しかも『ケバブ』に『ハンバーグ』とクドそうだったのに、後口が驚くほどに爽やかだ!!!」
明らかに重厚なハンバーガーであったのに、その印象を全く感じさせないほどにスルリと完食してしまった審査員たち。
どうしてなのか頭を悩ませるも、既に食べきってしまっているため考えようがない。
だが審査員の中で、唯一まだ完食していない仙佐衛門が葉山のハンバーガーを食べつつ解説する。
「ふむぅ。『バンズ』は豆類を練り込んだ『ビタパン』、『ソース』は爽やかさ抜群の『特製ヨーグルトソース』。
『ピクルス』は『タマネギ』を様々な香辛料とハチミツに漬け込んだ『アチャール』、そして肝心のハンバーグは『キョフテ』だ」
『キョフテ』とは、トルコ発祥で羊肉や牛肉の挽き肉にスパイスで味付けされた団子状の料理である。
主に玉ねぎ・パセリ・スパイスを混ぜて練り、グリルや揚げ焼きにして調理し、トマトベースのソースやヨーグルトソースと一緒に食べられることが多い。
「この香辛料を効かせた『キョフテ』の鼻にツンとくる風味が、ソースやピクルスの酸味と合わさることで、これだけの重さを全く感じなくなっているのだ。
それに軽く焦がした『ビタパン』の『まろやかな渋み』と『柔らかな苦味』が合わさることで、スパイスの風味と肉の旨味が一層際立っている!!!」
『ビタパン』とは、主に地中海沿岸や中東・北アフリカで食べられているポケット状の形が特徴的なパンである。
中にある空洞に具材を挟んでサンドイッチのように食べるのが一般的。
またその歴史は非常に古く、なんと約6000年前に古代エジプトで生まれたとされ、『世界初のパン』とも言われている。
その独特な形状と食べ方から、多くの食文化に影響を与えた料理のだ。
さらに葉山は料理人なら誰もが避けたい『焦がす』という行為を自ら行い、『ビタパン』を焦がすことで『豆の渋味』と『焦げの苦味』を料理の土台としたのだ。
これはカムイがやった手法で、新戸のみならず葉山もまたカムイの料理からセンスの一部をモノにしていたのである。
そうして両者の審査が終わり評決に入った。
新戸は『食感』、葉山は『香り』。互いに人間の五感を通して、食欲と快楽を揺さぶるこの料理勝負を制したのは
葉山アキラだった。
「そ、そんな…………何故ですか総帥! なぜ、私の料理のどこが劣っていたのですか!?」
『二人で一緒にカムイへ挑む』。えりなとそう約束した新戸は自身の敗北を受け入れられず、つい仙左衛門へ詰め寄ってしまう。
普段の新戸なら絶対に見せない姿から、新戸がどれだけ取り乱しているのかが推し量れた。
「勝敗を分けたのは、『ハンバーガーとしての完成度』だ」
「っ、ハ、ハンバーガーの、完成度…………?」
仙左衛門から負けた理由を聞かされても、なお理解が出来ない新戸。そんな新戸に対し仙左衛門は自身の言葉の意味を説明する。
「左様、双方の料理はどちらも極めて美味だった。ハンバーガーを構成する『バンズ』『パティ』『ソース』『ピクルス』、いずれも甲乙つけがたい。全体の味も非常にまとまりがよく、バランスも完璧だった」
「っ、では、何故…………!?」
「言ったであろう、『ハンバーガーとしての完成度』だと。双方ともに『料理としての完成度』は完璧だった、味わいも互角。
だが敢えて相違点を上げるとすれば、新戸緋沙子は『スッポンのコクのある旨味』に重きを置き、葉山アキラは『スパイスの強烈な旨味』に重点を置いた。それが勝敗を分けたのだ」
仙左衛門の話を聞いても新戸はまだ自分が負けた理由が分からない。だがそれは新戸だけではなく、周りの観客たちも同様であった。
「味の好みは人それぞれだ。濃い味が好きという者もいれば、薄味が良いという者もおる。だが、モノが『ハンバーガー』となれば話は別だ」
「………………………」
「ハンバーガー。即ち【具材をパンで挟む料理】という形式上、具材には『強い味』が求められる。
それはハンバーガーに限らず、『ホットドッグ』然り『焼きそばパン』然り『サンドイッチ』然りだ」
「ッッッッッッッッッッ!!!!」
仙左衛門に言われて新戸はようやく自分の敗因を理解した。
新戸が作った【スッポンバーガー】は確かに『料理としての完成度』は高く、美味なる品であった。
しかし課題の【ハンバーガー】に求められるのは『強い味』、つまりは『濃い味付けの具材』である。
新戸の料理はいくら完成度が高く美味なる品であっても、『ハンバーガー』という課題から見れば『味が優しすぎた』のだ。
一方の葉山は下味やソースにタップリのスパイスを効かせたことで、ファーストフードやジャンクフードに定番の『濃い味付け』を強烈に演出。
さらに『渋味』や『苦味』が味の土台となることで、濃い味付けが更に際立ち、まさに『ハンバーガー』として理想的な味付けとなっていたのである。
「そ、そんな…………申し訳ありません、えりな様…………!」
敗北の理由を理解し、納得した新戸はその場に力無く膝から崩れ落ちてしまった。
そんな新戸に葉山がゆっくりと近づいていく。
「驚いたぜ、まさかお前がここまでデキるヤツだったとはな。てっきり薙切えりなの腰巾着だとばかり思っていたんだが…………でもまぁ、残念だったな」
皮肉としか思えない言葉だが、葉山が内心で驚いていたのは事実だ。
自分の予想ではもっと完勝できるものと思っていたのだが、実際は辛勝もいいところ。
これがもし『ハンバーガー』対決ではなく、『ハンバーグ』対決なら結果は違っていただろう。
だからこそ葉山も完全な皮肉ではなく、『褒め言葉』とも取れる言い回しとなっていたのだが、茫然自失状態の新戸の耳には届いていなかった。
(ふぅ、勝つには勝ったが、ギリギリだったぜ。たかが一回戦でこのレベルかよ…………カムイの料理で『渋味』と『苦味』の重要性を知っていなかったらと思うとゾッとするな)
『勝って当たり前』と言わんばかりに余裕の表情を見せて立ち去る葉山だったが、背中からは嫌な汗が大量に流れていた。
そうして葉山が立ち去った後で新戸もステージを降りるが、えりなには『申し訳ありません』と一言だけ謝罪し、えりなの屋敷から私物を引き払ってしまった。
激戦の末に第三試合を葉山が制し、観客の興奮は冷めやらぬ中で最後の試合が行われる。
第四試合はタクミ・アルディーニと美作昴の対決。課題は『デザート』、これまで通り滞りなく試合は行われる…………はずだった。
なんとこの第四試合で【食戟】が行われることになったのだ!
【食戟】は両者の合意がなければ成立しない。ましてや秋の選抜中に試合が【食戟】として行われることに、観客は混乱してザワつきだす。
だが、遠月学園の代名詞とも言える【食戟】を生で観戦できるということで、すぐさま会場は盛り上がってしまった。
一方の当人同士はというと、美作がタクミの弟であるイサミを侮辱したうえ、愛用の包丁『メッザルーナ』にガムを吐きつけたことでタクミが大激怒。
美作に白い手袋を投げつけ、負ければ『メッザルーナ』を奪われるというリスクを背負い【食戟】に臨んだ。
波乱の予兆を感じさせながら、第四試合が開始する。
タクミの料理は【セミフレッド】。「半分冷たい」または「半分凍った」という意味を持つデザートで、 アイスクリームとケーキの中間のような滑らかな口溶けが特徴。
16世紀にイタリアのメディチ家のために作られた冷たいクリームが原型とされており、攪拌してから冷やして作るのが一般的。
ちなみに今回タクミが作るのは『プラリネ』『半解凍したクリーム』『スポンジ』の三つの層からなるタイプである。
しかしタクミが調理を開始するべく材料を揃えた瞬間、観客がまたもやザワつきだす。
なんと対戦相手である美作が揃えている食材が、タクミと『ほとんど』同じだったのだ!
第四試合の課題は『デザート』、材料の種類や分量を細かく決めるため余りというものが出にくい。
それにより美作が作る料理も、【セミフレッド】であることは明らかであった。
何故自分と同じ食材を揃えているのか不気味に思うタクミだが、時間は限られているため調理を開始する。
ただ当然ながら、用意した食材と作る料理が同じためタクミと美作の調理工程も全く同じになる…………はずだった。
「あばよアルディーニ。こっからが、『アレンジ』だ!!!」
二人がスポンジ生地を作ろうとするのだが、タクミが卵を黄身も白身もまとめて泡立てる『ジェノワーズ(共立て)』なのに対し、美作は黄身と白身を別々で泡立てる『ビスキュイ(別立て)』で作り出したのだ。
『ジェノワーズ(共立て)』と『ビスキュイ(別立て)』、どちらにも利点があるため一概にどちらが上とは言えない。
『ジェノワーズ』であればシットリとした舌触りの良い生地が出来るし、『ビスキュイ』であればふんわりと軽いスポンジ生地が出来上がる。
「お前が作る【セミフレッド】はリモンチェッロ(レモンのリキュール)で作ったシロップが目玉!
『ビスキュイ』ならその恩恵を最大限に受けられる。つまり、『二つを並べて食べる』場合であれば『ビスキュイ』の方が上ってワケだ!」
美作の言う通り、『ビスキュイ』であれば生地が空気をたくさん含んでいるため、シロップをよく吸収する上に口当たりがまろやかになる。
だからシロップの甘美なる味を最大限活かしたいのであれば、『ビスキュイ』の方が良いと言えるだろう。
さらに美作のアレンジはコレだけではなかった。
生クリームの中には『マスカルポーネチーズ』と『とあるレモン』を混ぜることでコクと爽やかさをプラス。
生地には『とあるアーモンド』のパウダーを混ぜた『ビスキュイ・ジョコンド』にして、香ばしさをアップさせていた。
これが美作昴の戦法。対戦相手が出す料理の情報を掠め取り、自己流のアレンジを随所に入れることで、負ける可能性を限りなくゼロにする。
そうして美作はこれまで【食戟】を『99』もの勝利を積み上げてきたのだ、これは1年生の中でもダントツの勝星である。
一方のタクミは自分なりに食材も調理法も吟味したが、美作に対して後れを取っていることが明白なため戸惑ってしまっている。
だがこのままでは完成すら危うくなるので、やむを得ず『自分で考えた料理』という名のレーンを流れるように、調理を進めるしかなかった。
(どうする、どうすればいい!? 焼き終わってしまった以上、もう生地に手を加えることはできない。
残されたのはレモンの風味を強化するぐらい、だがどうすれば…………っ!!!)
残された僅かな食材を前に悩んでいると、父親からお守り代わりに持たされた『オリーブオイル』。
そして出かける時に何気なくカバンへ入れた『ビン』が目に止まる。
そこから天啓とも言える閃きを得たタクミは、試作段階では無かった調理を始めた!
しかし美作もまた、クリームに使った『とあるレモン』を再度調理して、トッピングに更なるアレンジを加えていた。
互いに様々な思惑が交錯する中、遂に調理時間が終了。先攻は僅かに調理完了が早かったタクミの品からの審査となる。
終始、美作に後れを取っている印象しかなかったタクミの品を見て、どうしても期待感が薄まってしまうも一口食べた瞬間
濃厚かつ複雑なレモンの旨味と爽やかな風味が、風となって優しくそよいでいた!!!
「なんという鮮烈なレモンの風味! こんなにレモンの味が強く爽やかに感じる料理は食べたことが無い!」
「この濃厚なレモンの味は、セミフレッドに挟まっている『黄色の層』から来るものだが、コレはいったい……………」
「お答えします。それは『レモンカード』、イギリス発祥のレモンを使った調味料です」
『レモンカード』とは、レモンの絞り汁・バター・卵・砂糖を使って作るイギリス生まれの濃厚なスプレッド(塗り物)である。
ジャムとは異なり、クリーミーでリッチな味わいがあり、本場イギリスではトーストやケーキに塗って楽しまれている。
またアレンジが利きやすく、様々なデザートやお菓子に使われることが多い。
タクミは残っていた材料がたまたま『レモンカード』を作る材料と一致していたことに気づき、急遽『レモンカード』でレモンの風味を強化することを思いついたのだ。
「しかし『レモンカード』を作るには、それなりの量の『バター』が必要のはず。それをどうやって……………」
「はい。ですので、バターの代わりにこちらの『自家製オリーブオイル』を使いました」
「っ、『オリーブオイル』!? そうか、そのオリーブの香りがバターよりもレモンの風味を一層引き立てているのか!!!」
タクミの機転を賞賛する審査員たち。だがタクミのレモンに対する工夫はこれだけではなかった。
「さらにレモンは新鮮なものと『塩レモン』にしたものをブレンドして使用。そして『オリーブの花』を砂糖漬けにしたものを加えております」
「っ、何と『塩レモン』!? なるほど、だからレモンの爽やかさだけではなく、レモン本来の旨味と渋味が強く感じるのだな!!!」
「それに『オリーブの花の砂糖漬け』! ただでさえ爽やかな甘い香りを持つ『オリーブの花』が砂糖に漬けられたことで、より一層の甘く芳しいモノとなり、レモンの酸味とよく調和している!!」
『塩レモン』とは、レモンを塩に漬けて熟成させたモロッコ発祥の調味料である。
果肉だけではなく渋皮や外皮などレモンを丸ごと使うため、爽やかな香りと深い旨味を料理に加えてくれる万能調味料なのだ。
そして『オリーブの花』は白や黄白色の小さな四枚花弁を咲かせ、キンモクセイに似た爽やかな甘い香りを放つ。
また花(エディブルフラワー)の砂糖漬けは別名『グリスタリゼ』と呼ばれており、味や香りにアクセントを加えることが出来る。
タクミはこの切迫した状況にも関わらず、『オリーブの花のグリスタリゼ』によって、新鮮なレモンの鮮烈な酸味と塩レモンの熟成された旨味を持つ『レモンカード』の魅力を最大限に高めていたのだ。
これまでのタクミは、良くも悪くも『イタリアン』に囚われていた。イタリア生まれのイタリア育ちなのだから、それは仕方のないことだと言える。
しかし、あらゆる国の調理法を駆使して『神品』と呼べる料理を作るカムイを見て、タクミは様々な国の調理法や食材を自分の料理に活かせないかと考えた。
自分の料理を進化させて、より美味なるイタリア料理を瞬時に作り出したカムイの料理を食べ、自分の知るイタリア技術だけではカムイを超えられないと判断。
そこで試合で出す【セミフレッド】の味を更に高めるべく試行錯誤した結果、『塩レモン』を使い新鮮なレモンの爽やかさと熟成されたレモンの味わいを両立し引き立たせることを決めた。
ここまでは美作もトレース出来ていただろう、だが美作にとっても予想外な点があった。
それはタクミがカムイの『エディブルフラワーの塩漬け』をヒントに、『エディブルフラワー』を調理したモノを味のアクセントにするというセンスを身につけていたことだ。
そしてタクミは会場へ向かう際に、たまたま試作していた『オリーブの花のグリスタリゼ』が目についたので、何気なく持ってきていたのだ。
土壇場で『オリーブの花のグリスタリゼ入りレモンカード』を思いついたのも、現場で培ってきた経験値に加え、『塩レモン』というイタリアの枠を予め超えていたからだろう。
「素晴らしい! オリーブの甘みと香りがレモンの風味とこれほど合うとは新発見だ! まさに地中海の風が心地よく吹いているかのような爽やかさ!!!」
「言わば『レオンカード・イタリアーノ』! これまでに無い、全く新しい調味料だ!!!」
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!
機転を利かせ、より美味なる品を作り出したタクミに歓声が上がる。
審査員も絶賛し、ファンクラブの女子生徒は抱き合って大喜び。弟のイサミも兄の逞しい姿を見て、ホッと胸を撫で下ろしていた。
そんな誰もがタクミの勝ちを疑わない状況で、美作の料理の試食が行われる。見た目はタクミの品に瓜二つなのだが、当然『レモンカード』は入っていない。
そのため『レモンの風味』から、タクミの品に軍配が上がると思った審査員たちだった。
だが突如、鮮烈極まりないレモンの風味とアーモンドの香ばしさが審査員たちの鼻を突き抜けた!!!
「バ、バカな! 何だ、この美味さは!?」
「圧倒的なまでのレモンの風味とアーモンドの香ばしさ! 特にレモンの風味はアルディーニの比ではない!!!」
「信じられん! これほどまでの強烈な旨味を持つ品を、たかが一年生が作れるものなのか!!!」
「これはもはや学生レベルの品ではない! この美味さは一流店のプロを凌駕している!!!」
美作の料理を食べた瞬間、審査員は腰を抜かしてしまうほどの旨味に襲われる!
その美味さは仙左衛門ですら『おはだけ』ではなく、一部の観客に『おさずけ』をしてしまうほどであった!!
しかしそれよりも、観客とタクミは驚愕以上に疑問を抱く。
ほとんど同じ食材を使い、調理工程もほぼ同じ。それなのに何故こうまで味に差が出ているのか! と。
「ヒャーーーーーーハッハッハッハッハッハッ! 残念だったなぁ、アルディーニィ。
せっかく機転を利かせたってのに無駄に終わっちまったなぁ? ヒャーーーーーーハッハッハッハッハッハッ♪」
「バカなっ!? どうして、こんなことが!?」
「クックックックックッ、ほらよ。お前の分の皿だ、じっくり味わいな。敗北の味と共になぁ♪」
「っ、パクッ…………っ~~~~~~~~!!!!」
タクミは言われた通り、美作に出された料理を一口食べると、かつてないほどのレモンの風味とアーモンドの香ばしさに鳥肌が立ってしまった!
そればかりか圧倒的なまでの旨味に思わず膝を屈してしまう。
「そ、そんな、俺の作った料理とは次元が違う…………バカなっ!!! どうしてここまでの差が生まれる!? ほとんど同じ食材と調理法なのに!?」
タクミは美作の料理を味わい、自分の料理とは比較にならないほどの旨味を感じた。これほどまでの料理であれば、自分が負けるのも納得できる。
しかし、何故ここまでの味になっているのかが全く理解できなかった!
あまりにも理解不能な不自然極まりない事態に、タクミは美作が魔法を使ったとさえ思えてしまう。
そうしてタクミだけではなく会場の誰もが不思議に思っていると、美作がこれ以上ないぐらいのご機嫌な表情で話し出す。
「『ほとんど同じ食材』だぁ? くっくっくっくっ、そうだなアルディーニィ。
俺とお前の料理は食材の種類は『ほとんど』同じだぁ。だがなぁ、俺とお前が使った食材では『質』が圧倒的に違うんだよぉ!!!」
「『質』、だと?」
「そうさ! 俺がお前に勝つために手に入れた『ある特別な食材』、それがお前が勝てなかった理由だ!!!」
「っ、バカな!? 俺も自分が手に入る限りで最高の食材を用意した! もしお前が俺以上の食材を用意したとしても、これほどまでの差が『食材の質』だけで生まれるものか!!!」
美作の言葉を聞いてタクミは更に納得が出来ず、美作に食って掛かってしまう。
だが観客や審査員も同じ感想だった、料理の味は食材の質によって大きく差が出るのは百も承知。しかし見たところ、タクミの用意した食材に粗悪な品は無い。
片方が最低品質の食材を使ったのなら話は分かるが、そんな見た目からして悪いと分かるような食材を遠月の生徒が使うとは思えなかった。
会場にいる全員の疑問が深まる一方で、さらに上機嫌になった美作は笑いながら答える。
「ハッハッハッハッハッハッ! 『自分が手に入る限りで最高の食材を用意した』? それが理由なんだよ!
俺が用意した食材は、お前なんかが用意できる食材とは比べ物にもならねえんだからな!!!」
「なっ!? ならお前が用意した食材とは何だ!?」
「ひーひっひっひっひっひっ♪ 教えてやるよぉ、俺が用意した食材はなぁ」
「『白金レモン』と『オンリーナッツ』だ!!!」
「っ、『白金レモン』と、『オンリーナッツ』、だと…………何だ、その食材は? そんな名前の食材、聞いたことも無い!!!」
美作に教えられるも、タクミは聞いたことの無い食材に却って困惑してしまう。
もちろんタクミだけではなく、観客や審査員たちも首を傾げていることから、この場の誰一人知らない食材であることは間違いなかった。
「そりゃあそうだ! 何たってこの食材は【神域の料理人】、『カムイの食材』なんだからな! ヒャーーーーーーハッハッハッハッハッハッ♪」
「!!!!!!!!!!!!!!!」
「流石はカムイの食材だぜ! たった二つ使うだけで一流店ですらお目にかかれない料理になっちまうんだからな!
分かるか、アルディーニ? お前がどれだけ頭を捻ろうが、ハナから勝てる可能性は無かったんだよ! ハーーーーーーハッハッハッハッハッハッ♪」
美作が答えると怪訝な雰囲気を漂わせていた会場が一気に驚愕へと変わる!
それもそのはず、カムイが見たこともない極上美味の食材を多数持っていることは有名であり、自分たちもソレを間近で見たのだから。
審査員も『カムイの使用する食材』を使っていたということであれば、美作の料理が学生レベルを超越した料理に仕上がったのも納得である。
だが問題は『どうやって手に入れたのか』であった。
美作という人間を見る限り、カムイが自分で渡したとは考えられない。
そもそもこれまで多くのプロ料理人や大手フードチェーンが求めてきたが、誰一人として手に入れることは出来なかった。
そんな一流店のプロですら手に入らない『カムイの食材』を、美作のような人物に渡すことなど天地がひっくり返ってもありえないだろう。
故に、考えられる可能性は一つしかなかった。
「美作キサマッ…………『盗んだ』のか、【神域の料理人】のみが扱う食材を!!!」
「クックックックックッ♪ さあ、どうでしょうかねぇ?」
「キサマァァァァ! アルディーニから調理法を盗んだだけでは飽き足らず、【神域の料理人】の食材までも盗むとは…………恥を知れ!!!」
「そうだ! 【神域の料理人】から食材を盗むなど、なんて不敬な!!!」
「料理人としてのプライドは無いのか!!!」
「こんな勝負は無効だ!」
「サイッテー! 勝つためにそこまでやるなんて!!!」
「こんなのカムイの食材で勝ったようなモンじゃない!!!」
「失格よ失格! あんなヤツ、失格にするべきよ!」
「いいえ、もう退学にするべきよ!!!」
『他人の食材を盗む』という料理人にあるまじき行為をした美作に、審査員のみならず観客やタクミのファンクラブからもブーイングの嵐が巻き起こる。
彼らの反対や抗議は当然のことだろう。
歴史と格式のある遠月学園。その生徒が他者の食材を…………ましてや【神域の料理人】のみが使うことを許された極上美味の食材を盗んだばかりか、【秋の選抜戦】という伝統行事で使ったと言うのだから。
「それの何が悪いんです?」
あまりにも料理人にあるまじき行いに、周囲のブーイングが鳴りやむことはない。しかし美作本人は悪びれる様子も無く答える。
「この選抜戦で使う食材の『制限』は一切無かった。だからこそ俺は勝負に勝つために最高………いや、『極上の食材』を用意したまでのこと。
ましてや【食戟】で使う食材は、全て自分で用意する決まり。俺は『たまたま運よく』手に入れたカムイの食材を、微に入り細を穿つ精神で調理した…………それの何が問題なんです?」
「キサマァァァ! よくもぬけぬけと「それに」っ!?」
「アナタたち審査員の仕事は、俺の料理とアルディーニの料理の『どちらが美味いか』を決めること。ならさっさと審査してくださいよ」
「っ~~~~~~~!!!」
怒り心頭の観客と審査員たちだったが、美作の正論に黙るしかなかった。
美作の言う通り、この選抜戦では使用する食材に『制限』や『規制』は無い。
カムイ自身が抗議するなら話は違ったかもしれないが、当の本人は会場にいない。
そのため出来ることは、このまま審査の結果を受け入れることだけだった。
結果は当然のごとく、美作の勝利。タクミがいくら自分の殻を破った料理を作ったとしても、圧倒的な旨味を誇る『グルメ食材』の前には成す術が無かった。
理不尽な敗北を喫したタクミはその場で茫然自失となり、立ち尽くしてしまう。
美作はそんなタクミから、悠々と賭けの対象であるアルディーニ兄弟愛用の包丁『メッザルーナ』を持ち去っていった。
「よう、美作。ご苦労だったな。と言っても、わざわざ俺が貴重な『カムイの食材』を融通してやったんだ。勝ってもらわなきゃ困るがな」
本選の一回戦がすべて終了し、二回戦は1週間後となった。関係者や観客が帰っていき、会場を後にしようとする美作に話しかけてきたのは……………十傑第九席である叡山だった。
「アンタか。フッ、アンタには感謝してるぜ。おかげで楽に勝つことが出来た」
「ハッ、よく言うぜ。『完全模写 パーフェクトトレース』をした結果、勝つ自信が無えってことで俺に泣きついてきたくせによ」
そう、美作にグルメ食材を提供したのは叡山だった。
美作はタクミを『トレース』していたものの、試作品である『オリーブの花のグリスタリゼ』までは完成させることが出来なかった。
そのため『トレース』が追いつかず勝ちを確信できなかった美作は、上司である叡山に相談を持ちかけた。
叡山も叡山で、自分がプロデュースとブランディングを手掛けた『もず屋』の関東進出を、幸平が地元商店街を守るために作った『からあげロール』によって阻止された恨みがある。
故に『幸平を倒す』ため、美作を刺客として送り込んできたのだ。そして何としてもタクミに勝ってもらうべく、相談してきた美作にグルメ食材を与えることにした。
叡山は自分がカムイ当番の時に何度かカムイの調理現場に立ち会ったことがあり、その際にいくつかのグルメ食材をくすねていたのだ。
なお『白金レモン』と『オンリーナッツ』という名前を知っていたのは、叡山がカムイの当番だった日にカムイへ写真を見せて聞き出したからである。
何故その時にカムイは叡山に『グルメ食材』のことを言及しなかったのか…………その理由は定かではない。
ただカムイが何も言わなかったところか、関心すら見せなかったことを考えると『食運が働いている』と言ったところだろう。
「おいおい、アンタに感謝してるのは本当だぜ? この遠月学園は最高の『狩場』だからな♪」
美作に料理人としての矜持や誇りというモノは一切無い。何故なら美作の料理は【食戟】で相手を打ち負かすことに特化しているからだ。
叡山の下に就いているのも、より自分が【食戟】で暴れられる環境に身を置けるからに他ならない。
「そうか。そう思うなら、幸平創真には必ず勝て。俺のキャリアにキズを付けたアイツを【秋の選抜】という大舞台で完膚なきまでに打ち負かすんだ」
「クックックックッ♪ 言われるまでもねえ。今日みたいに『カムイの食材』さえあれば「残念ながら、そいつは無理だ」っ、無理? どういうことだよ」
「簡単な話だ。圧倒的な旨味を持つ『カムイの食材』なんかホイホイ使われたら、試合そのものが成立しなくなる。間違いなく次の試合からは制限が設けられるだろう」
叡山の言う通り、この世界にある通常の食材では『グルメ食材』に勝つことは不可能。
カムイのように旨味を最大限まで活性化させれば話は別だが、遠月学園の生徒…………ましてや一年生の中にそれほどの技術を持った者はいない。
このままでは、F1カーに通常の自家用車がレースを挑むような試合となってしまう。
そのため、学園側が『グルメ食材』の使用に制限を設けることは容易に想像できた。
「っ、ちっ、仕方ねえな。じゃあ幸平創真と戦う場合は、『カムイの食材』無しってわけか。いつ対戦できるかも分からねえってのに面白みに欠けるぜ」
「安心しろ、先ほど第二試合の対戦カードが抽選で決まった。お前の相手は……………幸平創真だ」
叡山から次の対戦相手が幸平と聞かされた美作は、ニチャリと音が出そうな不気味極まりない笑みを浮かべた。
タクミを成長させた結果、美作が勝つには『グルメ食材』が必要だと考えました。
一応『成長したタクミが勝つ』という展開も考えたんですが、この後の話の都合上、美作が勝ってくれた方が話を作りやすいので、多少強引に美作を勝たせました。
ちなみに使うグルメ食材は『レーモンド』を考えていたんですが、アニメオリジナルなので原作で出てきた『白金レモン』と『オンリーナッツ』にしました。
【本日のグルメ食材】
白金レモン・オンリーナッツ
それでは皆さん、次回で♪
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