【プロローグ】は今話でラストです。また、グルメシーンはありません。
ただ、ようやくオリ主のポジションが確定し、原作に介入できました。
春、それは桜の花が咲き誇る出会いと別れの季節である。遠月学園でも三年生が卒業し、中学からの進学や編入してきた新一年生が高等部に入ってくる。
「以上で、新入生のご挨拶を終わります。新入生代表、薙切えりな」
パチパチパチパチ…………………………。
味覚を失ったままえりなは高等部へと進学した。もちろんこのまま進学していいのかという葛藤はあったが、それでも『料理』から目を背けたくはなかったのだ。
入学の挨拶を終えて新入生や教師からささやかな拍手が送られるが、それ以上にえりなへ懐疑的な目を向ける者が多かった。中には入学式の最中だというのに、えりなを見てヒソヒソと話し出す者さえいる。
「ねぇ、えりな様って味覚が無くなって『神の舌』も失ったんでしょう。何で高等部へ普通に進学してるの?」
「さあ? やっぱり薙切家のご令嬢ってことで大目に見てもらったんじゃない?」
「ぅわあ、それって『縁故』ってことでしょ。サイアクなんですけど」
「けっ、味も分からないヤツが遠月学園に入って来るなよな」
「シッ! あまり大声で言わない方がいいぞ。味覚障害を抱えている孫娘すら身内贔屓して入学させるんだ、総帥の耳にでも入ったら間違いなく退学だぜ?」
「孫娘を守るために善良な生徒も退学させる、か。遠月も落ちたもんだな………………………」
『味』が無い世界で一人苦しみにもがく当人のことなど露知らず、周りの新入生たちは心無い言葉をえりなに浴びせる。
それは今まで周りの人たちを『神の舌』で平伏させてきたえりなが初めて味わう人間の悪意であった。
「っ、え~~~、それでは続きまして、今期の編入生の挨拶に映ります。編入生、前へ」
1人1人の声は小さくても、それが何十人と集まればそれなりの大きさになる。仙座衛門の代わりに式を進行している教師もえりなの陰口を止めることは不可能と考え、式の進行に務める。
えりなのことを腫れ物に触れるかのように対応する教師に促され、飄々と現れたのは赤髪の青年『幸平創真』。先の厳正な編入試験において、ただ一人合格した生徒である。
「あ~~~、この空気の中で挨拶すんのは正直ビミョーなんですけど……………………とりあえず入学したからにはテッペンを取ります。
エリートだか何だか知らないけど、店の看板背負って『客』の前に立ったこともない連中に負けるつもりはないんで」
幸平の言葉で、えりなへ向けられていたヘイトは全て幸平へ向けられる!
先ほどまで静かに執り行われていた入学式は一人の編入生によってブチ壊し、会場の怒りのボルテージが急上昇した!!
だが幸平は周りからの怒声など全く気にせず下がろうとする………………………しかし言い忘れたことがあったように壇上に戻ってきた。
「あぁ、それから…………………………薙切のこと、色々と言ってるヤツがいたけどよぉ。別にいいんじゃね? 『料理』が好きならさ」
「っっっっっっ!?」
突然幸平がえりなのことを擁護したことで怒り心頭であった新入生も静まり返る。当のえりなも『急に何を言い出すの?』と眉をしかめていた。
「だってそうだろ? ある日いきなり自分の味覚が無くなったってのに、それでも『料理』を好きでいられるんだぜ。
お前ら自分が同じ立場になっても薙切と同じこと出来んのかよ? 『美味い』って感覚が分からなくなっても、真っすぐに『料理が好きだ』って気持ちを持ち続けられんのかよ?」
「「「「ッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!」」」」
「『味覚が無い』『味が分からない』、ただそれでも『料理が好き』だなんて相当な『料理バカ』だぜ? まっ、俺もその1人なんだけどよ♪
でもこの学園はそんな『料理バカ』が集まるところなんだろ? だったらそれで十分じゃねえか」
「「「「…………………………………」」」」
幸平の話を聞いて、あれほど猛っていた新入生たちの怒りが治まった……………………………憤りはある、不満もある、あれだけ好き勝手言われたのだからまだまだ言いたいことはある。
しかし『突然自分の味覚が無くなったら』……………………そう考えたら何も言えなくなってしまった。
『味の無い世界』、そんな世界で生きるなんて到底想像すらできないし、ましてや『それでも料理に携わる』なんて口が裂けても言うことは出来なかった。
「そのとおりである!!!!」
とても入学式とは思えない重苦しい空気が漂う中で、仙座衛門の声が響き渡る! 俯いていた新入生やどう収拾をつけようか悩んでいた教師たちの視線が後方に集中する。
「っ、お、お爺様!!!」
「そ、総帥、お戻りになられたのですね!?」
「皆の者、遅れてすまなんだ。天候が荒れて飛行機の到着が遅れてしまってな………………………さぁ、こちらに」
仙座衛門が遅参したことを詫びると一人の男性を招き入れる。腰まで伸びる長い銀髪、堀の深い端正な顔つき、空のように透き通るスカイブルーの瞳。
長身でよく鍛えられた身体付きは、細身でありながらも力強さを感じさせられる。
物静かに歩いているが、その男の佇まいにこの場の全員が息を吞んでいた。
「ッ、カ、カムイくん!? どうしてキミが………………………!」
「儂が連れてきたのだ。あらゆる情報網を駆使して見つけ出してな」
「あ、あれが、『神域の料理人』……………………」
「確か高等部トップの『遠月十傑』全員に圧勝したって話だよな……………………」
「しかも噂じゃあ、料理1つで国が動くって聞いたことがあるんだけど…………………………」
えりなは何故カムイがここにいるのか尋ねると仙座衛門が代わりに答える。思ってもみなかった人物との再会に珍しくえりなも慌てふためいていた。
また料理界において、『神域の料理人』の名前は知らぬ者がいないほど広まっている。
国のトップ会談などで出される料理は全てカムイに依頼しようかという話も挙がっているほどだ。
そんな自分たちと(見た目だけ)同い年でありながら、生ける伝説のようになっている人物が現れたのなら、新入生たちが戸惑うのも当然である。
「あ、あの、わたし、その…………………アナタに謝らないといけないことが…………………………///////////////////」
えりなはカムイの『人生のフルコース』をバカにしたことをずっと謝りたかった。もしもう一度会うことが出来たら、まずは謝罪することから始めようとも決めていた。
味覚を失い、意気消沈としていても『どうやって謝ればいいか』を考えていた。
だが生来の気質が災いして、いざその場面となったらどうすればいいか分からなくなってしまったのである。
ズイッ!
「っ、あ、あの………………………………/////////////」
緊張して言葉が出てこないえりなの前に顔を寄せてくるカムイ。
少し顔を前に動かせばキスが出来るくらいまで近づいており、角度によってはカムイが突然えりなへキスをしたかのように見えてしまう。
重苦しい空気から一転、男子は顎が外れるくらいにショックを受け、女子はキャーキャーと騒ぎ出す。
そして、いきなり顔を近づけてくるカムイを緋沙子が引き離そうとするも、仙座衛門に止められていた。
一方のえりなだが、急に顔を近づけられたことに驚くもカムイの目から視線を外すことが出来なかった。
長髪で分かりにくいが、ファッションや異性に疎いえりなの目から見ても、カムイは間違いなく『イケメン』と呼ばれる部類に入る。
そのうえ特徴的な水色の瞳を間近で見て、心が吸い込まれたかのようにカムイの瞳に見入ってしまっていたのである。
「………………………舌を出せ」
「え……………………?」
透き通るほど綺麗な水色の瞳に釘付けになっていると、急にカムイから舌を出すように言われる。
何故いきなりそんなことを言ってくるのか分からないえりなだったが、無言で自分の目を見続けていることから、舌を出さない限りこの状況は終わらないと判断し、素直に舌を出す。
スッ、ちゅぽ!
「っ~~~~~~~~~~~//////////////////」
自分の顔や、あまつさえ舌までジロジロと見られるという初めての経験に、えりなの顔がさらに赤くなっていく。
しかしカムイはそんなことを気に留めず、ポケットから『アイランドシェル』で栽培した『チェリンゴ』をえりなの舌に乗せて口へ押し込んだ。
当然カムイの指はえりなの口の中まで入るわけなのだが………………………他人の、しかも男性の指を口の中に入れるという初めての行為に、えりなの顔は火が噴きそうになるほど真っ赤になった。
その様子を見ていた新入生男子は、試合で燃え尽きたボクサーのように真っ白となり、女子の興奮は最高潮に高まる。
なお新戸はあまりのショックに意識がどこかへ飛んでいき、生まれたての小鹿のように震えていた。
「噛め」
(かめ!? 亀? 瓶? あ、ああ、『噛め』ということね/////////////)
周りの喧騒など全く聞こえていないかのように淡々としたカムイの指示に、頭がオーバーヒートしてえりなは思考がまとまらない。
それでもなんとか言われた通りに口の中にある物を咀嚼すると…………………………。
シャク、ジュワァッ!
「っ………………………お、おいしい………………………!」
「「「「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」
シャクシャクとした食感にりんごの酸っぱさとサクランボの甘さを兼ね備えた『チェリンゴ』の果汁が、口の中いっぱいに広がる!
心地よい食感と甘酸っぱさは、味覚を失ってから久しく感じたことのない『口福』をえりなにもたらしていた。
「っ、え、えりな様! い、いま、『美味しい』と……………………!?」
「まさか、味覚が戻ったのか!?」
「え、ええ、完全に戻ったのかは分からないけど………………………でも、カムイくんがくれた果物?の味は確かに感じることが出来ます」
「っ、っ〜~~~~~! ぐすっ、うぅぅぅ、えりなさまああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
えりなの味覚が戻ったという事実に、先ほどまで魂が抜けかかっていた新戸は号泣してえりなに抱きつく。
自分以上に自分のことで喜んでくれている緋沙子を見て、えりなは思わず頬を緩めて嬉しそうに笑う。
(ああ……………………そうだったわ。『美味しい』って、こういうことだった。『味が分かる』って、こんなに幸せなことだったんだ♪)
いきなり噂の『神域の料理人』が現れた上、えりなの味覚が戻った展開についていけてない新入生たち。
そして泣いている新戸を優しく抱きしめるえりなを微笑ましく見ていた仙佐衛門がカムイに尋ねてきた。
「カムイよ、えりなに何をしたのだ?」
「俺が作った果物を、食べさせただけだ」
料理だけではなく果物まで自分で栽培しているという事実に仙佐衛門は驚き、カムイはえりなの容態について詳しく話した。
カムイが言うには、自分の料理の味がえりなの鋭敏過ぎる味覚に強烈な衝撃を与えていたらしい。
その反動でしばらくの間、味覚が麻痺してしまい味が分からなくなっていたとのこと。
さながら耳の近くで大きな音を出すと聴覚が麻痺して、しばらく音が聞こえなくなるのと同じ現象………………………つまりえりなの味覚麻痺は一時的なものであって、時間経過とともに元に戻るものだったのだ。
ただあのままでは味覚が麻痺した状態が年単位で長く続くため、活性化された旨味を持つ食材や料理で少しずつ舌をならしていく必要があった。
いわゆる『味覚のリハビリテーション』とも言うべきものである。
しかし旨味を活性化させることが出来るのは、カムイや【食材に選ばれた者】だけ。
そのため他の料理人が作った料理をいくら食べても、えりなの味覚が戻るのは当分先の話になっていだろう。
そこで【比較的】旨味が控えめで調理せずとも食べられる『チェリンゴ』を食べさせ、えりなの味蕾(舌にある味を感じる器官)に優しくジンワリと旨味を染み込ませたのだ。
『チェリンゴ』の穏やかな甘酸っぱさがショック状態で麻痺していた舌を優しくほぐし、無事にえりなの味覚が戻ったのである。
「なるほどな。時間が経てば戻るとはいえ、いつ戻るか分からず長い期間を過ごすのは相当な苦行であったはず……………………カムイよ、えりなを助けてくれてありがとう。この薙切仙座衛門、心から礼を言う」
仙座衛門が孫娘を救ってくれたことに感謝し頭を下げると周りの教師や新入生がどよめきだす。
日本屈指の財閥の総帥がいち料理人に、しかも学生ぐらいの若造に頭を下げたのだ。少なくとも自分たちがカムイの立場であれば、委縮してしまうだろう。
だがカムイにとっては既に何度も頭を下げられたばかりか、土下座までされた身なので見慣れた光景でもあった。
やるべきことを終えたカムイは『シェルダーバッグ』を担いで去ろうとする………………………しかし、周りの者がそれを許してくれない。
「あ、あの、カムイくん! その、ありがとう、私の味覚を治してくれて………………………これでまた私は『料理』を楽しむことができます。本当に、ありがとう//////////」
「ズズ、わ、わだじがらも、礼を言わせてくれ。グスッ、えりな様を、私の最も大切な方を助けてくれて、ありがとう」
「別に、気にしなくていい………………………味覚が戻って、良かったな」
「っ~~~~~~~! は、はい//////////////////」
えりなと緋沙子からも礼を言われるが、カムイにとっては些細なことなので適当に返事をする…………………………ただ、『美味しい』という感覚が戻り、妹のような人間を出さずに済んだことだけは喜ばしかった。
今まで無愛想な態度ばかり取られていたえりなも、不意に見せられたカムイの優しさに再び顔が真っ赤になってしまう。
しかし他にも言わなくてはならないことがあったことを思い出し、すぐに頭を切り替えた。
「カ、カムイくん、その……………………あの時はごめんなさい!!! アナタが言う『人生のフルコース』、よく知りもしないのに軽んじるようなこと言ってしまって………………………ずっと謝りたかったの。本当に、ごめんなさい」
「……………………別にいい、もう気にしていない」
「っ、カムイくんが気にしなくても私が気にするの! だから、その、何かお詫びをさせてもらえないかしら?
本当ならアナタのために料理を振る舞いたいところなんだけど、残念ながら今の私じゃあアナタの舌を満足させられるものが作れそうにないわ」
自分よりも遥か高みにいる料理人に無礼を働いたばかりか、自分のことを救ってくれた。
『それほどの恩人に対して何もしないなど、薙切家の者としてあってはならない』。
そう思ったえりなは押しつけがましいと分かっていても何とかお礼をしたいと伝える。
カムイとしては特にえりなからしてほしいことも無いため、この申し出には正直困ってしまう。強いて言うなら、このまま帰らせてほしいと言いたいところだ。
けれどここまで真剣に『お礼がしたい』と言ってきている相手を無下には出来ない。
そんなことをすれば調理技術だけではなく礼儀まで教えてくれた『節乃』に顔向けが出来なくなるだろう。
無愛想でぶっきらぼうで他人事には我関せずを貫くカムイだが、決して礼儀知らずというわけではないし通すべき筋は通す人間なのだ。
「だ、だから、何か私にしてほしいことがあれば言ってほしいの! で、出来る限りの要望は叶えるわ//////////////」
何をどう言えば諦めてくれるか考えているカムイに、えりなは頬を赤く染めながら『ズズイッ!』と近づいてくる。
先ほどとは逆で、今度はえりながカムイに迫っているようにも見えてしまう。女子生徒はキャーキャーと騒ぎ出し、男子生徒は流す涙も枯れ果てたかのように絶望していた。
もはや完全に入学式の空気ではなくなった会場、カムイ1人が来ただけでこの有り様である……………………………そんな空気の中、珍しく困っているカムイに対して仙座衛門が助け舟を出す。
「オホン! ではカムイよ、こういうのはどうだろうか。以前頼んでいた遠月学園への在籍の件、あの話に『在学中の雑事などについてはえりなが最大限サポートをする』という条件を付け加えるというのは?」
仙座衛門からの提案は『カムイが遠月学園に編入し、学園生活をえりながサポートする』というもの。
要はえりなを付けることでカムイに首輪とまでは言わないまでも、ある程度の『リード』を付けたいという考えだ。
仙座衛門が提示した遠月学園に編入するにあたっての条件は、カムイも覚えている。実際、遠月学園に籍を置いたところでカムイにとっては何の支障も無い。
この世界で知るべきことを知れれば、また旅に出ればいいだけの話なのだから。それよりも今の状況を切り抜ける方が重要である。
えりなを小間使いにするような提案だが、当のえりな自身は喜んで承諾する。また偶然にも双方の利害が一致したことで、カムイは遠月学園高等部の一年生として編入することとなった。
『神域の料理人』が遠月学園に所属するという事態に新入生も教師も言葉が発せられないほど驚愕する………………………しかしただ一人、カムイに近づいていく強者がいた。
「へぇ~~~、お前も俺と同じ編入生ってわけか。なら俺と同期だな! 俺は『幸平創真』、これからよろしくな♪」
「………………………カムイだ」
人懐っこいというよりも馴れ馴れしいと言うべき距離感で近づいてくる幸平に目をしかめるカムイ。
しかし名乗られた以上は自分も名乗らなくてはならないと思い、とりあえず最低限の挨拶をする。
「なぁなぁ、さっき薙切に食べさせたヤツだけどよぉ。アレ、スッゲー美味そうじゃん♪ 余ってたら俺にもくれねえか?」
ただ幸平のアグレッシブさはこれだけでは済まなかった。
距離感の詰め方が半端ではないどころか、初対面の相手に食べ物をねだるなど、いったいどんな生き方をしたらここまでコミュ力が高まるのだろうか。
「おっ! サンキュー♪ へぇ、初めて見る果物だな。ははっ、小さなリンゴがサクランボみたいに房でくっついてら♪」
取り合うつもりは無かったカムイだが、幸平があまりにもしつこく迫ってくるので仕方なしに『チェリンゴ』を渡す。
ただカムイは、この陽気さからくる雰囲気がかつて共に旅をした『トリコ』に似ているように思えた。
さらに何故かは分からないが………………………『小松』ほどではないにしても、幸平からは『食材に好かれる才能』のようなものを感じていた。
「シャク、ッ、美ん味えええええええええええええええええええ!!!!! リンゴの酸っぱさとサクランボの甘さが口の中に溢れてくる! これカムイが作ったのか!? 何て果物なんだ!?」
「っ………………………『チェリンゴ』だ」
カムイは幸平が『チェリンゴ』を持つと微かに輝いたように見えた。これは自分が栽培した『チェリンゴ』が幸平のことを気に入り、僅かだが旨味が増した証拠である。
食材を持つだけで好かれるというのはカムイでも滅多にない。ましてや自分が栽培した食材が自分以外の者を気に入ったことに複雑な気分になってしまう。
小松同様に幸平が自分には無い才能を持っていると思ったカムイは、『他にも同じような人物がいるかもしれない』と幸平や遠月学園に強い興味を抱くのであった。
その後、何とか無事に入学式を終えた生徒と教員たちは解散した………………………………しかしカムイが編入するということで、教員たちは各方面への対策に追われることになったのだ。
『料理一皿で国が動く』とまで言われている『神域の料理人』。
今までどれほどの要人が頼み込んでも首を縦に振ることはなく、目が飛び出るぐらいの金額を提示されても見向きもされなかった存在が遠月学園に在籍することになったのだ。
世界中の注目を集め話題を独占することは目に見えていた。
実際、カムイが遠月学園に編入したという情報は瞬く間に世界中に広まり、多くの問い合わせや依頼が学園に殺到することとなった。
『どうやって彼を迎え入れたのか』から始まり、編入したばかりなのに『卒業後の進路はどうなっているのか』などと既にカムイの処遇についてまで聞いてくる有り様である。
その他には
『彼を借り入れることは出来るのか』
『我が社が作っている商品の開発に協力して欲しい』
『企業のトップが集まるパーティーで腕を振るってもらいたい』
『今度行われる首脳会談の料理を任せたい』
などと頼んでもいないのに多額の寄付金を用意してカムイに料理を作ってもらおうとする団体や企業が後を断たなかった。
そのため、カムイが在籍するというだけで多額の金が寄付され遠月学園の財政はストップ高となる。
もはや所属しているだけで、遠月学園の富と名声が高まっていくカムイ。当然ながら一般生徒と同じ扱いにすることは出来ず、遠月学園の教師と十傑評議会はカムイのために特例の措置と役職を与えることが満場一致で決まる。
かくしてカムイには遠月学園の長い歴史でも類を見ない最高の料理人の称号が与えられた。
その名は……………………………【番外席次 第零席】。
グルメものなのに気づいたらラブコメってる不思議。あまり堅苦しい話は好みじゃないので、ニヤニヤして読める部分を入れようとしただけなんですけどねwww
一応、今作は『グルメもの』なのでオリ主と誰ががくっつくという展開は予定していません。もしかしたら原作主人公である『創真』と誰かのカップリングくらいはあるかもしれませんけど…………………。
なお、作者的には『幸×えり』ではなく『幸×恵』だと思っていますwww
連続投稿はここまでとなります。次回の【宿泊研修編】は毎日18:00の投稿となります。
ただ、ストックの関係から【宿泊研修編】が終わりましたら、当初の週イチ投稿に切り替える予定です。
読者の皆様、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【グルメ食材】
『チェリンゴ』
それでは皆さん、次回で♪
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