ガチャの景品でTSしてもドスケベの親友に堕とされたくない 作:ハーメルンに性嗜好を歪められた被害者
大体その6かその7くらいでメス堕ちが爆速になる。
急いで自分の部屋に戻って確認すると、スマホに保存されている写真や動画、僕の生徒手帳、マイナンバーカードの右上にある性別表示まで、全て女に変わっていた。
「う、嘘だろ……」
それだけなら、百歩譲って冷静でいられたかもしれない。でも、もっと看過できない変化があった。
母さんとのチャットの内容も変わっている。母から送られてきたメッセージには「女の子なんだから気を付けなさい」なんて、今までの放任が嘘みたいな文言が書かれていた。
家族まで、僕のことを女だと思っているという証拠だ……。
「どうなってるんだ、これ……!?」
これでは、これではまるで、最初から僕が〝女〟として生まれてきたかのような……!
「フミ! 突然走って行きやがって!」
乱暴な扉の音が聞こえたと思ったら、散らばった身分証の前でへたる僕の前に、アキが回り込んできた。
「アキ、ぼ、僕は、僕は女じゃ……!」
ま、まさか、実はアキの記憶の中でも、僕は女だったなんてことは……!
「僕は男だ!! ぼ、僕は、こんな……!」
「お、落ち着けよ! 分かってる! お前が男だってことは!」
「で、でも、これ……!」
ま、まさか、アキは最初から女だった友人が突然おかしなことを言い出したと思っていて、様子を見るために話を合わせているとかなんじゃ……!
「いいから聞け! オレの記憶でもお前はちゃんと男だったよ! 嘘じゃない!」
「ほ、ホントに……? そっ、か……よかった……」
アキのおかげで少しだけ冷静になることができた。これで、自分のことを男だと思っているのが僕だけだったら、どうにかなってしまうところだった。
「まぁ……気にすんな。まさか写真とかまで変わってるとは思わねーよ」
「悪い……」
「だから謝んなって」
社会的性別まで変えられるようなブツとは思わなかった。ということは、性別反転は開くことが条件であって、あの煙を吸ったからではないのか?
いや、確かにそう考えたほうがより近いか。だってそうじゃなければ、アキだって女になってるはずだし。
「で、でも、もう一度あのカプセルを引けば元に戻るんだよね……!?」
「そう、なんじゃねーかな……?」
歯切れの悪い答えだった。断言してくれよと言いたくなるが、頭では分かっている。彼に聞いても仕方がないなんてことは。
「と、とにかく、オレの部屋に戻ろうぜ。引かないと中身分かんねーんだしよ」
「そう、だね……」
彼は僕の腕を掴んで、軽々と引き上げて起こした。
「あっ……」
趣味のボルダリングでそれなりに貯金をしていたはずの筋肉は、すっかり軽くなってしまったらしい。
「どうかしたか?」
「いや……」
立って並ぶと、僕の目線は彼の胸の少し上辺りにまで下がっていた。見上げると、彼の顎がまず視界に映る。
アキの身長は、彼の申告によれば174センチ。その胸の辺りが僕の視線ということは、僕は今、概算140後半ということか。
本当に女になってしまったんだな……。
「結果発表です。フミくん。姿勢を正しなさい」
「はい」
「端から開けていこう。フミくんを開封係に任命する」
「了解です」
アキは部屋中を探して見つけたコインの分だけ、あのガチャを回してみた結果を、食卓の上にずらっと並べてみせた。
《☆2 叫び虫》
・胸部の空洞に風を受けると、最大で95デシベルの音を鳴らす虫の死骸。
「キモいね」
「キモすぎだ」
アキは茶色い胴体を摘んで(よくも触れるものだ)裏返したり、戻したりして形状を確かめ始めた。
うぇ、僕にもちょっと見えてしまった。畳まれて内側に向いた足が6本。完璧なシンメトリーで左右に並んでいる。線形が集まりすぎると何だか気持ち悪い。
「しかもお前これ、95デシベルって、ゲーセンの店内よりうるさいレベルじゃねーか?」
「近所迷惑な……」
この小さな虫1匹でカラオケレベルの騒音を出すというのか。電気やその他のエネルギーもなく、風力だけで? どういう原理なのだろうか。
「なぁ、うまくしたら危険を知らせる笛みたいになんねーか? ヤバい時に息吹き込んでみるとか」
「君はこれを口に付けられるか……?」
「自分で言ってて思ったわ。防犯ブザー買ったほうが早いな」
《☆1 よく燃えるマッチ》
・5本入り。指でこする程度の摩擦でも発火するので注意。自己発火性。
「危険物だろこれは」
アキの言う通りだ。指で擦る程度の摩擦で発火するということは、箱を振ったら中のマッチ同士で擦れて発火する危険があるということでもある。
「どういう原理なんだろうね」
「分からん……危険ということ以外には何も分からん」
燃えるものは、ある程度燃やす過程があるから使いやすい。ライターだってあの硬いスイッチがなく、ふとした刺激で火が出てしまうなんてものであったら、生産もされていないはずだ。
「火事になりそうだな……ねぇ、どうする、これ?」
「捨てとくわ。丸一日水の中に沈めときゃ、大体使えなくなるだろ」
彼は机の上からマッチを退散させ、慎重にテレビラックの上に置いた。指でこする程度の摩擦で発火するシロモノだ。机だと、僕らが揺らした時の摩擦で火が出るかもしれないし、妥当な判断だ。
《☆1 発光ステッカー》
・下紙を剥がすと淡く光るステッカー。効果時間5分。犬、猫、ウサギの三種類。
「う、うーん……なんか」
「分かるぞフミ。反応に困る引きだよな」
「マッチよりはマシ、か……?」
少なくとも大火事に発展する心配はない。近所の子供にあげたら喜びそうだ。
「だぁもう次! 次だ次! 今んとこゴミばっかだぞ!」
それは僕も思っている。何が出るものかと肩を高くしていたが、机の上に乗り出していた身は、二人とも薄れていく期待感とともに離れていた。
《☆3 擬似ポラロイドペイントブラシ》
・撮影した写真を巻いて絵を描くと、紙面に写真を絵画風に出力してくれる絵筆。油絵、水彩、鉛筆画、クオリティなどが指定可能。30回程度の使用で壊れる消耗品。
「アキ、美術の課題って覚えてる?」
「夏の思い出がテーマの自由画。鉛筆はダメだとよ。水彩絵の具以外認めないとか
「水彩絵の具なんて持ってないよね」
入学当初は美術用具全貸し出し、費用が抑えられる! などと先生は言っていたが、つまりこれは夏休みに学校に来させるための作戦だった。
画材がない? じゃあ学校に来い! それなら補習も受ければ一石二鳥だろう!
というのが教師陣の考えであるようで、先生の圧に打ち勝てなかった半分くらいの生徒は、週5で補習に通わされている。
「これで解決じゃん。試しにクオリティいじって一回やってみるか」
「あとで僕にも貸してね」
初めて当たりらしい当たりが出た。もしかしてこれは、夏休みの課題が多すぎて青春を謳歌できない僕達を神様が憐れんで、特別に下賜されたお助けアイテムなのではなかろうか。
だとしたら女性化のアイテムは何だよ。女体に縁遠い非モテ男子学生達へのサービスとでも言うのだろうか。余計なお世話だ。
「よっしゃ、次行こうぜ、次!」
アキのテンションも戻ってきた。というか、浮かれている。僕が元に戻るための薬を得ようとしているのを忘れていやしないだろうな。
《☆3 盗聴のイヤリング》
・半径100メートル以内の、事前に設定したワードを含む声及び会話を盗聴できる。イヤリング下部の装飾が録音機。
「ほーん……なんか犯罪臭がすげー」
アキは僕に片耳分のイヤリングを渡すと、試しに「学校!」と、吹き込んだ。
それから同時にイヤリングを耳たぶに付けてみる。すると、時間を置かずして誰かの話し声が聞こえてきた。
『学校だりぃ〜』
『明日も朝から補習だろ? 部活行かせてくんねーかなぁ、来週試合なのに』
『補習来た生徒には〝ご褒美〟の特別課題だってよ。そういうのって来なかったヤツがやらされるもんじゃねーのかよ……』
「うお! すげ! ホントに聞こえた!」
「今の会話……ウチの高校かな」
「十中八九そうだろ、あんな可哀想な会話」
つくづく補習に行かなくてよかった。教師は言葉で脅しつけ、半ば強制の感を醸していたが、単位数には何も関係ない。
その上やることもテキスト丸投げの自習なので、家で自習でもしているほうがずっと有意義だ。夏休み中は職員室以外のエアコンが付かないし。しかも生徒には暑い教室で自習させておいて、自分達は時間まで涼しい職員室に帰る。
「ま、これはオレがもらっておこう」
「悪いことに使っちゃダメだよ」
つまりこれは、距離とワードがかなり限定される代わりに、発信機要らずとなった盗聴器だ。そう考えると、普通の盗聴器よりも邪悪かもしれない。
悪い人の手に渡れば、僕には想像のしようもないような悪行を思いつくだろう。アキが保管するというなら、彼にはしっかり管理してもらわなければ。
《☆3 鉄パイプ 殴打用》
・建材ではなく凶器として用いられる鉄パイプ。持ち主には非常に軽く感じられるが、重量はそのまま。自動で怪我などの弱点を突く機能、外傷を目立たせずに痛め付ける機能などがある。撲殺に便利。
「えぇ……」
金属バットではなく鉄パイプであるところが余計に怖い。より殺傷性が高そうな響きだ。
「反社会的勢力向けガチャかよ」
ここまでのラインナップを見れば納得の感想だが、ガチャガチャを引いた反応としては二重ペケだ。聞こえが悪すぎる。
ただ、そう思わせるアイテムのほうにも問題がある。こんなカラフルなカプセルから出てきたものの説明書に、撲殺なんてフレーズが挿入されているのがあり得ない。
「アキ、誰か恨んでる人とかいる? 試しに使ってみたら?」
「いるか! 封印だ封印こんなもん!」
彼は何重にもした紙袋に鉄パイプを放り込むと、上からガムテープでぐるぐる巻きにした。
それをさらにビニール袋に入れて、服でいっぱいの押し入れの奥に押し込んでいた。あんなとこに放置して忘れたりしたら、高校を卒業してここを出る時に困りそうだな。
「この調子だと何が出てくるか分かんねーぞ……銀河系消滅モジュールとか出てきたらどうするよ」
そんなものを想像しないでほしい。本当に出てきたらどうするつもりなのか。猫型ロボットのポッケに収納するくらいしか対処法は思い付かないぞ。
「う、ううん……でも、元の体には戻りたいし……」
カプセルを開けるのが怖くなってきたが、それでも男に戻るためには開けるしかない。
「よ、よし、引くぞ……!」
僕は少し目を薄め気味に、全てのカプセルを開けた。
「結局、残り三つはダブりだったな……」
残りは発光ステッカーが2枚、叫び虫が一つと、すでに見たことのあるアイテムが出てきた。
「どうしよ……これじゃ僕、一生……?」
昨日まで普通に男だったのに、今日から突然女となって暮らせなんて言われても、どうすればいいか分からない。
「い、いや、まだ諦めるなよ! あのガチャも初回無料って言ってただろ! 他に何か、代償を払ってコインに交換する方法があるって!」
「う、うん……そ、そうだよな……ごめん、ありがとう」
アキは僕の背を叩いて励ましてくれた。そうだよな。まだガチャの箱はそこにあるし、きっと……!
「そうだ、あのスクリーンみたいなヤツ! あれってガチャ画面だったよな? あれが見れたら何か……」
彼は腕を組んで何かを念じ始めた。多分、ガチャ画面よ、出てこい! みたいなことを考えているのだろう。
それで出るものなのかは定かではないが、一応僕もやってみることにしよう。目を瞑って念じてみる。出てこーい。今ならお菓子もあるから。
あるいは僕にはガチャを引く権利やコインを集める権利はないかもしれないが、試すくらいはいいはずだ。
「おっ、なんか、出たぞ! さっきのだ」
アキの声で思わず目を開けると、確かに彼の前に、先ほどの青い画面が映し出されていた。
それから、僕の目の前にも。
「おぉ……! こう見るとすごいね……どういう原理で空中に映し出してるんだろ」
「フミ、よく見ろ! さっきと表示が全然違うぞ!」
そう言われて詳細を確認してみると、確かに違う。さっきの目に悪そうな配色の画面ではなく、色分けされた三つの項目が上から並ぶシステマチックな表示になっていた。
「えぇ、と……上から、プロフィール、ミッション、ガチャ、って書いてある」
「オレのほうも同じだ。とりあえず確認してみっか。さっきの要領で行けんなら、画面を指で触ってみれば……お、ほら見ろ! プロフィール欄が出たぞ!」
・
身長 174cm
体重 65kg
その下には彼の性別、年齢、身長体重など、パーソナルな情報が載っていた。
「アキの好きなもの、ハンバーグだって」
「だァーッ! 見るな見るな! 恥ずいわ!」
「いいじゃん。 嫌いな人のほうが珍しいだろ」
僕のほうのプロフィール欄も、構成は完全に一致していた。
性別欄に〝女〟と書かれていたり、身長は149に、体重は51に下がっていたけど、性別や体型を除けば、僕の自認と同じだ。
「どれどれ……おい、お前のほうだけなんか具体的な採寸値まで書かれてねーか? ふくらはぎの数値とかまで出てるぞ」
「ホントだ。うわ。なんか嫌だな……」
・
身長 149cm
体重 51kg
B95 W54 H91
B95、アンダー66.2……の辺りで見るのをやめた。見てはいけないものを見ている気分だ。というか、例の海賊漫画のキャラみたいな非常識な数字だったな……。
「男の時、いくつだった?」
「168」
「身長じゃなくて、スリーサイズのほう」
「知る訳ないだろ」
モデル業とかでもないのに、わざわざ自分のスリーサイズを測る機会があるだろうか。服だって適当だったし。
正直数値を見ても、あまりピンとこない。平均を知らないし。知っていたら逆に気持ち悪いだろう。女でもないのに。
「なんかこう、見ちゃいけないものを見てる気分だな。うわ、バストもだけど、ヒップもデケぇな」
「見ないでよ」
「数値入れるとブラジャーのサイズ分かるサイトあるの知ってるか? ……おお!? すげーぞ! お前
「やめろって!」
別にこんなもの見られても構わないが、変なことを言うな。僕までおかしな気分になるだろうが。
というか、胸とか尻とか。どれだけ好きなんだ君は。いや、分からないでもないけど、僕のを見て想像するな。セクシー女優の数値でも検索してろ。
「あとはミッションと、ガチャか……ガチャってのは多分さっきのパチンコの演出みたいなヤツだよな。先にミッションを確認してみるか」
ミッション、というくらいだから、多分何かさせられるのだろう。それに応じて報酬がもらえると考えるべきか。
だとすると、コインがもらえるかどうかはこの項目が関係しているのか?
僕はプロフィール欄を閉じて、ミッションの欄を開いてみた。
「ランク別に箇条書きなんだ……」
どれどれ、一体どんな無理難題を、僕達にさせるつもりなんだ……?
ランク1
・異性と話す Success!
・異性とじゃんけんをする Success!
・unknown
・unknown
etc…
ランク2
・(r)異性の体の一部に触れる Success!
・異性から下の名前で呼ばれる Success!
・異性を下の名前で呼ぶ Success!
・(r)異性からプレゼントをもらう
・unknown
・unknown
etc…
ランク3
・(r)異性に手料理を振るまう Success!
・(r)異性と手をつなぐ
・異性に髪を触らせる
・unknown
etc…
ランク4
・(r)異性に服越しに胸を触らせる Success!
・(r)異性に服越しに臀部を触らせる
・異性の部屋で二人きりになる Success!
etc…
ランク5
・unknown
・unknown
・unknown
etc…
Extra!
・(r)クリア済みミッションをもう一度クリアする(0/3)※獲得経験値は半減
・unknown
「…………」
「フミー、お前のはどうだった?」
「はぇっ!? え!? な、何が!?」
後ろからアキが画面を覗いてきたので、僕は咄嗟にスクリーンを消してしまった。
「い、いや、ミッションがだよ……何か慌ててるな。どうかしたか?」
「べ、別に! 別に普通? 普通だよ?」
「そ、そうか……?」
い、言えるか!! こんな、つまりこれって、男相手に色仕掛けをしろってことだろ!? こ、これ、僕が女になったことを見越して、僕にだけ変なミッションが与えられているとかではないだろうな……!?
い、いや待て。そもそも僕が男なんだぞ? だったらこれは生まれてから今日までの僕の体験であって、別に男にそれをする必要はないんじゃないか!?
ランク4
・異性に胸を触らせる Success!
・異性の部屋で二人きりになる Success!
…………現実逃避はやめよう。僕は女の子に自分の胸を触られたことなんてないし、非常に残念ながら、女の子の部屋にあがらせてもらったこともない。
この二つはおそらく、アキのおかげでクリアした項目だ。
だって今、この部屋にアキと二人きりだし、丁度さっき僕の胸は、こいつにがっつり揉みしだかれた訳だし。まだ揉まれた時の感触が残っている。乱暴にしやがって。
「なんか人助け系が多かったな。財布を拾って交番に届けろ、とかさ」
「えっ」
あ、アキのほうは、異性がどうちゃらってヤツじゃないのか!?
「その状況を探すほうがむずいヤツもあるぞ、これとか。轢かれそうになっている人を助けるって、無理だろ」
「ふ、ふーん……」
「ふーんって、フミも同じこと書かれてたんじゃねーの?」
「え、いや!? そっ、そそそうだよ!? そうだよね! あー難しそうだなー!」
僕もそっちがよかったんだけど。というかそっちのほうが難易度低くないか!?
い、いや……しかし今の情報は有意義だ。つまり、僕とアキでミッションの内容が違うということになる。だって僕のミッション、見えている範囲では上から下まで全部「異性」が枕詞に入ってたし。
「このミッションってのをやってくと、頭の数字が上がっていって、5の倍数で1枚もらえるらしいぞ。加えて、10の倍数ならさらに2枚追加だって」
そう言ってアキはミッション欄右上にある、「確認」と書かれたボタンを押した。
すると、アキの頭上の数字が一つ増えて、5になった。
「じゃ、じゃあ僕のほうも……!」
彼に背を向けて、画面を見られないようにしながら、こそこそと確認ボタンを押す。
名前横のゲージが一気に伸びて、僕の頭の上の数字は一息でレベル8にまで上昇した。
「おぉ! 一気にレベル8だぞ! お前、結構人助けとか好きなんだなぁ!」
「そ、そうだね! アキがお人好しだから、移っちゃったかな……はは……」
サッ、とスクリーンを消して、彼に見られないようにする。あの恥ずかしい画面を彼に知られるのだけはごめんだ。調子に乗って何をしでかすものか分かったもんじゃない。
レベル2からこんなに一気に上昇したのは、十中八九アキのおかげ(せい?)だ。普通に男の頃の距離感でやっていたことが、たまたま項目にあったので、レベルの上昇も早かったのだろう。
「と、とにかくこれでコインが……いてっ」
「空中からコインが落ちてきたぞ!」
ちょっと高いところから落ちてきたコインが僕の額に当たった。部屋中を探して見つけた、あの銀色のコインと同じものだ。
「よっしゃ! 早速引いてみようぜ! もしかしたら一発目から目当てのモンが出るかもしんねーぞ!」
「そ、そうだね」
今度こそ出てこい! と、強めに念を込めてから、コインを箱に投入し、スクリーン上のボタンを押した。
「出るぞ……!」
ガラガラ、と音がして、カプセルが落ちてくる。色は、金色……カプセルの色がレアリティに関係するかは分からないが、見た目だけで言えばかなり期待値が高いぞ。なんせ金色なんだから。
「行くよ……!」
《☆1 ネタバレしおり》
・挟んだページから先の内容を要約して勝手にしゃべるしおり。小説や専門書より漫画のほうが饒舌になる。特にバトル漫画がアツい。
「あ、アキ、これいる?」
「い、いらないな……」
「だよね……」
しゃべるってことは外では使えないし、いや、家の中でも積極的に使いたくはないな……先の展開バラしてくるのはちょっと。
専門書の要約とかに使えそうかもしれないが、説明を見る限り何というか……バカそうだし。
「この感じだと、期待薄だな」
「そ、そういうこと言わないでよ! 次でくるかもしれないでしょ!?」
今のコインは僕の分。もう一枚、アキが出した分がある。
「よし、引くぞ。ポチッと」
「こ、今度こそ……!」
《☆2 ジャストフィットウェア 女性用下着タイプ》
・上下セット。スポーツタイプ。着用する人間の体型によって適切な形状、サイズに変化する。カラーは黒、グレーの2種。ホックあり、なしの4着組。
「…………タイムリーだな。これ着ろよ。さっきから乳首浮いてるし」
心が折れそうだ。