ガチャの景品でTSしてもドスケベの親友に堕とされたくない 作:ハーメルンに性嗜好を歪められた被害者
この小説終わったらファンタジー書かせてください。ファンタジーでTSを書かせてください。一生のお願いです。
休み明けテストも何とか再テストを免れる程度の点数を取り、通常授業にも慣れてきたこの頃。
「今日の6限は学園祭の出し物を決めるぞぉ」
担任がいつものダルそうな手つきで、後ろの時間割黒板の6限に「総合」と書いた。
「おぉー。もうそんな時期か」
体育祭が1学期の関係上、文化祭は2学期になるという当然のスケジュールだ。
3年の参加は自由。クラス単位での出し物もクラスの自由。その出し物の準備や運営に関わるも自由だ。
というのも、学校側は進学実績が死ぬほど欲しいので、この辺りを弛めて学生には勉強してくださいと懇願している訳だ。この辺は正直助かるところではある。
「去年オレら何やったっけ」
「覚えてないの? スタンプラリー。他のクラスとかにもスタンプ台置く許可もらって、かなり広めに校内を歩かせたじゃん」
「あー……撤収がクソ怠かったあれか」
スタンプ台の隣に待機する僕らが出すなぞなぞを解かなければ、スタンプがもらえないというルールだった。
しかもそのなぞなぞの答えが次のスタンプ台までのヒントになっていたり、結構凝った造りだった。
「今年は僕ら、何するんだろね」
「飲食だろ、多分。2年から飲食解禁だし、食い物は客集まるからな」
調理室代わりに使われる家庭科室のキャパの問題から、1年生は飲食系の出店ができないという決まりがある。
3年は検便やら書類提出やら、基準を満たせば教室での調理が許されるので、家庭科室がどうこうというのは言い訳。本当は学校側がトラブルを面倒くさがっているだけだ。
「片付けが楽なヤツがいーわ。早く片付け終わったら、撤収日はさっさと帰れるし」
「えー。折角2年からは色々できるのに」
「楽な催しなら、他の出店見る時間沢山あるぞ」
「それはそうだけど」
確かにそれなら、アキと学園祭デートをする時間が沢山生まれる。それはそれで魅力的だけど……。
しかし折角なら、後夜祭で表彰されるような催しを成功させたいじゃないか。
体育祭はB組に、合唱祭はD組に負けているのだから、学園祭ではこのクラスで1位を取りたい。
「ほれ、出店の投票用紙」
「アキは何て書いた?」
「フォトスポット」
うわ、一番つまんないヤツだ。適当に顔ハメ看板とか作って、あとは教室内は全部休憩所になるような出物。
なまじモノを集める手間がある展示系よりも酷い選択肢だ。全てのクラスがフォトスポットを出店する学園祭を想像してみろ。何なら来年から通常授業になるぞ。
「通らないよ。うちのクラス、アキ以外やる気満々なヤツしかいないから」
体育祭も、合唱祭も全力だった。結果としてはどちらも2位だったが、団結で言えばこのクラスはどこより勝っている気がする。
近所の小学生が手作りした銀色の楯が二つ、埃なく綺麗に並んでいる。子供好きの結城さんが拭いているのだろう。
「ダりぃー。フミまでそっち側かよ」
頭の後ろで手を組んで、太々しく悪態を垂れているが、僕は知っている。口では文句を言うけれど、何だかんだ言って自分の領分はきっちりとこなす。アキはそういうヤツだ。
素直に一緒に頑張ろう、というのが照れくさいのだろう。かわいいヤツめ。
「やべ、今日の1限体育だ」
「あ、き、着替えなきゃ」
未だに女子更衣室を使う勇気の出ない僕は、体育袋を持ってそそくさと女子トイレへと走った。
6限目、出し物を決める議論は大白熱だった。
「表彰は客数がかなり評価に入ってくる! 絶対に飲食系で行くべきだ!」
「評価には芸術点も含まれるでしょ! 演劇をするべきよ! 一番大きな多目的室を空けてもらえてるんだし!」
クラス委員の結城さんと、もう一人のクラス委員である高本くんが、飲食をやるか劇をやるかで揉めに揉めていた。
語気は熱いが決して罵倒語が出てこないところに彼らの品のよさを感じる。担任は色々な案が出た黒板にチョークを向けたまま、ハラハラしながら彼らを見守っていた。
「高本も熱いヤツだよな……結城に全部仕切らせときゃいいのに。不機嫌になるだろ」
アキは頬杖をついて、りんごジュースを飲みながらクラス委員同士の舌戦を眺めていた。
「高本くんと言い合ってる時の結城さんは楽しそうだけど。あと、二人で出かけてるとこ、隣のクラスの男子が見たって」
「じゃあ何だ? もしかしてこの時間で痴話喧嘩でも見せられてんの? オレら……」
優勝を狙うあまりに、クラス委員の二人が激論を交わす姿は、僕らには見慣れた光景だった。
本気で考えているからこその衝突だし、これのせいで二人が険悪になったことはないので、意外と安心して見ていられる。
「フミ、お前どっちがいい?」
「う、ううーん……劇」
「マジ? 人前で演技とかすんの?」
「僕はしないよ。裏方でさ、書き割りとか作る」
あるいは劇中の暗転係とか。場面に合わせて照明のスイッチをカチカチする役。
舞台に上がるのは無理だ。緊張でセリフを噛んだりした日には、もう恥ずかしくて学校に通えない。
「アキは器用だし、美術係がよさそうだよね」
僕は折り鶴も折れない体たらくだが、アキが鶴を折るともれなく脚が付いてくる。
美術も得意科目だし、たまに金工室の先生と話し込んでいるところを見るに、ものを造ること自体が好きそうだ。
「それを言ったら、飲食ならフミも調理得意だろ」
「学園祭のメニュー程度じゃ、あんまり調理の腕とか関係ないでしょ」
メニューと言っても、提供するのは一つか二つになるだろう。何なら全く調理なしで冷凍でも驚きはしない。
いくつも作り分けたりは考えられないし、人手を考慮すれば、誰でも作れるメニューにするのは予想できる。それでも家庭科室からの往復や配膳を考えれば、そんなに暇にはならないはずだ。
「特に毎年審査員をやる北見先生は、芸術点にかなり厚く振ってくれるわ! そこを狙っていくべきよ!」
「美術の北見……先生は気難しい性格だし、得点源としては安定しない! ここは万人に喜ばれる飲食が安全策だ!」
議論はまだ終わりそうにない。むしろ余計に語気が強まっているような気さえする。
担任は諦めて課題の採点をやり始めた。几帳面にも一人一人の回答にコメントを残している。全部がお母さんの小言みたいな指摘だけど。
「こうなったら、もう一度多数決を取るか? 一度目は同数だったが、考えを改めた者がいるやもしれん」
「ほぼ半数も反対意見がある状態で多数決はよくないわ。それで優勝を逃したら、やっぱり自分の言う通りにすればよかったって言い出す人間が出てくるわよ」
考えすぎではないだろうか。当然ながら、やるからには優勝狙いだが、精いっぱいやった結果で負けたとして、誰かのせいにするような真似はしないと思いたい。
とはいえ、今更多数決でもないという点には賛成だ。ここまでくれば納得できるまでとことん議論したほうがいい。
「ダりぃ〜……オレ腹減ってきた」
アキはつまらなそうにあくびをして、紙パックのりんごジュースを飲み干した。前から甘い匂いがして鬱陶しい。
気持ちは分からなくもないけど、これは僕達にも大いに関係のある議論なんだぞ。
「ちょっと敷島!! 何を大あくびしてんの!」
「んあ? オレか?」
その怠惰な振るまいに、目を付けられてしまったようだ。案の定結城さんが苛立ち紛れにアキを指差した。
「あんたいつもダルそうにして! たまには意見とか出してみなさいよ!」
「あ!? 意見!?」
突然案出しを求められたアキは、頭の支えにしていた手から頬を滑らせ、素っ頓狂な裏声で聞き返した。痛そうだ。頬骨からゴリって音がしたけど、平気だろうか。
「聞かれてるよ。アキ」
「つってもなぁ……オレ別にどっちでも――――」
「どっちでもはナシよ。いいから案とか出してみなさいよ」
夕飯に食べたいものを聞かれて、何でもいいを先回りで封殺された子供みたく、アキは押し黙ってしまった。
彼にしてみれば、何をやらされても準備が大変なのでやりたくないといったところか。とはいえこのやる気マンだらけのクラスでそれが許される訳ないのだけれど。
「じゃあもう、どっちもやればいんじゃね」
後ろのゴミ箱に紙パックを投げ捨てながら、その動作と同じくらい投げやりに、アキはそんなことを言い出した。
「丸テーブル出してさ、劇見せながら客に飯食わせたらいいだろ」
アキは多分、コンカフェとかで食事提供をしながらパフォーマンスをするメイドコスプレ店員でも想像していたのだろう。
そして、半分くらいは悪ふざけのつもりでそういう提案をしたに違いない。だって声音が投げやりだったし。
しかし、クラスの反応は、おそらくアキの思惑とは全く反していた。
「おぉ……!」
「それ、結構よくね……!」
「奇抜だし、北見のウケも取れるぞ……!」
「絶対他の組の出し物とも被んねーし……!」
「敷島が初めて役に立つこと言ったな……!」
この突拍子もない提案に、みんなは結構ノリ気になっていた。やる気モノばかりなので、劇と飲食、どちらもこなすつもりでいる。
高本くんも「それは盲点だった」と言わんばかりに目を丸くしてから、すごく満足げに頷いている。
「お、おおぉ? な、何か意外とウケてんな。つか誰だ、初めてとか言ったヤツ」
失礼なヤツもいたものだ。でも正直に言うと僕もそう思う。
僕にはかっこいいところも沢山見せてくれるけれど、クラスじゃ気を抜いているところしか見せていないし。でもアキがモテたら僕が困るので、やっぱり他の人の前では見せなくてもいいや。
「ふーん。敷島にしては面白いこと言うじゃない」
結城さんも好反応だった。そんな荒唐無稽な方法が通る訳ないでしょ、とか言って怒ると思っていたけど、意外と柔軟な考えができるみたいだ。
「アキ、今の、自分で自分の首絞めたよ」
「何だよ急に」
「だって準備も後片付けも絶対大変だから」
「そうじゃん……」
気付かないで提案したのか。この場を収めることにばかり気を取られていて、失念していたらしい。
喫茶と劇なんか、覚えることも作らないといけないものも大量だぞ。出演者やナレーター、道具係や美術係の他にも、劇の宣伝係も必要だし、そこに調理係と配膳係も必要だ。飾り付けや舞台の作成、メニュー作成やテーブルメイキング。今思い付くものを列挙してみるだけでも、ちょっとげんなりするくらいだ。
「他の出し物回ってる暇ないだろーね」
学園祭の全日程、クラスの全員が出し物に出ずっぱりでもおかしくはない。3日間しかない開催期間のうち、1時間も自由時間を作れるかどうか。
「お、おい! お前ら! 今なら単なる冗談みたいなモンだぞ!? 間に受けんなよ!」
慌ててアキが自分の軽率な意見を撤回しようとするも、もうクラスメイト達の耳には届かない。
なぜなら、ほら。
「キャストが配膳もやるってのはどうだ?」
「それいいかも! 会食の場面とかを脚本に書いておけば、自然に給仕っぽくできるし……!」
「そうなると、一回の公演時間は短いほうがいいだろうな……」
「最初からメニューが決まってれば、少し客の人数が多くても回せないかな?」
「整理券も作っておこうか。公演を待っている間、客が並ばずに他の出し物を回れるように。公演時間が決まってればスケジュールも作れる」
全員、もうそれで確定とばかりに案出しを始めている。やる気マンマンだ。
担任も出し物が決まったと安心しきった表情をしているし、クラス委員の二人も、早速この突発的な話し合いで出た案や懸念意見を黒板に記録し始めている。もう決まりだ。
「あーあ……余計なこと言っちまった……」
「観念して頑張ろうよ」
僕は知っているぞ。君がダルそうにしているのはポーズだけで、始まってしまえば結局誰よりも真面目に仕事をするヤツだ。
そういう素直じゃないところも好きだけど♡
午後も四時に差しかかる夕方、僕はアキと協力して今日の課題を終わらせ、そのまま彼の部屋に入り浸っていた。
「放置してる間にかなり貯まったな……」
棒金みたいに積まれたコインを眺めながら、アキは露骨に持て余したみたいに手遊びをしていた。
「もう要らないしね、これ」
僕が今の僕を受け入れた以上、TSCはもう必要ない。アキが女の子になりたいって言うなら引くのを手伝うけど。
「いいのか? 男に戻れなくても。フミが戻りたいなら、オレはいつでも……」
「今更戻れないって」
もしかしたら、僕の心の底に眠っていた本当の心を、この箱は見抜いていたのかもしれない。
なんて、無責任なオカルトを軽薄に語るつもりもないが、多分、心のどこかでアキに大きな感情を抱いていたのも事実だ。
「だって、君に女の子にされちゃったんだよ。責任取ってね♡」
「お、おう……」
ちょっと猫撫で声を出して耳元で囁くと、アキは面白いように顔を赤くした。かわいい。
「なんてね。それよりさ、どうする? この余ったコイン」
「余らせてても邪魔だしなー。回してみるか?」
危険物が出るかもしれない恐ろしさもあるが、それ以上に、他にどんな不思議アイテムが出てくるものか、見てみたい好奇心もある。
「何日ぶりかな。これ引くの」
10連分のコインが集まるくらいだ。かなりの間放置していたようだ。
「じゃ、引いてみっか」
もう危機感もへったくれもなく、アキは躊躇なくコインを投入した。
さて、今回の結果はこんな感じ。
《☆2 自在定規》
・ボタンを押している間自在に曲がる。もう一度ボタンを押すと固まる。差金がない時にどうぞ。専用の箱に入れると形が戻る。
「あー、んー、まー……」
金属製の思い折りたたみ定規を眺めながら、アキは何とも言い難いのか、有意な日本語にならないうめき声を上げていた。
「学園祭で大活躍じゃないかな」
「ああ。それだ」
立候補した台本役が、今日から死ぬ気でシナリオを書き始めたらしい。それが出来上がったら、舞台セットの作成で、これが大助かりになる。
シナリオができるまで暇という訳でもない。飲食のほうはどうするのか、会議や準備がいくらでも待っている。
「あー、マジで何であんなこと言っちゃったんだろオレ……」
学園祭で忙しくなることを思い出したのか、アキは憂鬱げに肩を落とした。いい加減観念すればいいのに。
《☆3 目口鼻出し帽》
・付けている間は知り合いにも他人と思われる。写真や映像を誤魔化すことはできない。
「お、おいおい、おいおいおい」
「すごいのが出たね……」
見た目は単なる透明フェイスガードだが、これを付ければ誰にも知り合いとして認知されなくなる。
ということは、だ。例えば防犯カメラのない店に侵入して窃盗し、その様子を店主や他の人間に見られたとしても、これさえ付けていれば犯人がバレない……。
「これは……ダメだろ。悪用し放題じゃねーか」
アキは一時保存、と書かれた袋に目口鼻出し帽を投げ入れた。あの袋は、入念に破壊してから捨てるアイテムを入れる袋だ。
適当に捨てて誰かに拾われ、悪用なんてされたら絶対ヤバいものを入れておく袋。
「最近やべーもんよく出るな……」
このガチャは僕達の良心を試しにでも来ているのだろうか。
《☆1 強圧ハンディファン》
・常軌を逸した風力の手持ち扇風機。単三電池を2本入れれば動く。扇風機としては強過ぎて使いにくいが、スカートはめくれる。
「ふーん……」
電源を付けて風を手に当ててみると、確かに結構な風量が出ているのが分かる。
そして、僕はアキがほんの一瞬だけ僕のスカートをチラ見したのを見逃さなかったぞ。
「うーん。ホントにスカートがめくれるほどの風量なのかなぁ」
わざとらしく腕を組んで考えているような素振りを見せると、アキはビク、と肩を震わせた。
「試してみる? 僕のスカートで」
「やめとけ! 痴女か!」
「いいのに。アキなら」
「お前な! ホントに危機感足りないぞ!」
照れ屋め。本当は見たいくせに。昨日だって人が来なければ、あのままめくって中を見ていただろ。
というか危機感も何も、アキに手を出してほしいからやっていることだ。揺らいでいるのなら僕の作戦通りなんだな、これが。
《☆3 全自動拘束ロープ》
・先端のスイッチを押すと、目の前にいる相手を押したスイッチに対応した縛り方で縛ってくれる。後ろ手縛り、亀甲縛り、菱縄縛り、あぐら縛り、M字開脚縛りの5種類に対応。
「やっば……うわ、うわー……すご……」
付属していた説明書には、恥ずかしい格好で縛られた女性のイラストがいくつも描かれていた。
このボタンを押したら、僕もこのイラストの女性達みたいに、両手足を縛られ、身動きが取れない状態で胸や局部を強調させられるのだろうか。
縛られ、恥ずかしいところを何も隠せないようにされて、アキに至近距離で……。
うわ、それ、いいかも……♡
「フミ、フミ! 聞いてるのか?」
「あ、ご、ごめん、何?」
「これも危険物だから捨てるぞって話だよ」
え、え!? こんな素晴らし……使い道のありそうなものを捨ててしまうのか!?
「ま、待って! ほ、ほら、ボタンを押さなければ普通のロープでしょ!? だから、何かで使えるかもよ!?」
「ロープって……いつ使うんだよ」
「い、いつか!」
ロープなんてあって困るものでもないはずだ。もしかしたら、これが命綱になって人の命を救うかもしれないんだぞ。
と、というか、学園祭の劇の道具で、こういうものが必要になるかもしれない。そうだ。ロープなんてきっと使い道があるぞ。僕の欲望とかではなく。
「まぁ、お前が欲しいっていうなら……」
アキはロープを「保留」の箱に入れた。そのうち使ってもらおう。絶対アキだってそういうの好きなくせに、カッコ付けマンめ。
《☆3 母乳薬》
・母乳が出るようになる薬。服用してから1時間から2時間で効果が現れる。200ミリグラムで24時間継続する。
「うわ……」
透明な袋に入った、少し水分を感じる粉末状の薬が出てきた。見た目はほぼ砂糖だ。
「変な場所に保管してたら間違えるな……」
「しかも見てよこの量。200ミリで丸一日も継続するんでしょ?」
砂糖の袋と同じくらいの大きさ、重さ。ということは、どう見積もっても1キロはある。
200ミリを使い切るには、5000日くらいは必要にならないか。使う予定なんてないけど、もしこれを使い切ったら、僕の胸は一回りサイズダウンしていそうだ。むしろ母乳で膨らむかもしれないけど。
「というか、いいのかな……」
薬で不自然に分泌させようものなら、生理不順とか体温不安定とか、変な副作用が付いてきそうだ。
そういうのは不思議アイテムパワーで無視できるものなのだろうか。どっちにしろあんまり使い道はなさそうだ。
「…………」
「あれ、アキ、もしかして吸いたいの?」
「何で分かった!?(そんなこと言ってない)」
多分実際に言おうとしていたことではなく本音が出てしまったようだ。
そんなの見れば分かるよ。明らかに口数が少なくなったし、おっぱいガン見してくるし。
「ふーん……じゃ、これは僕がもらっておこ」
「あ、あの、フミ……今のは冗談で」
「じゃあ捨てちゃっていいんだ」
「それはっ! ほ、ほら、何かで使い道が出るかもよ!?」
分かりやすいヤツだな。もう素直に吸わせてくださいって言えばいいのに。
とはいえいい使い道を思いついた。彼女になった途端に手を出して来なくなったこのイケズな男を、その気にさせるのに使えそうだ。
「へへへ……」
「何だ、その悪だくみ丸出しの笑い声は」
「覚悟しといてね」
あんなに色々触っておいて、というか中身は親友の「玉崎フミ」だというのに、何を遠慮しているのだこいつは。
そのうち我慢が利かなくなり、理性を失ったアキに、乱暴に押し倒されて……。
「ふへへへ…………♡」
「さっきから何だよっ」
将来のことを考えてただけです。別にいやらしいことじゃないよ。
新しいものはこれだけだった。あとは例によって前に引いたことのあるものがダブった。
特に折り紙が被りまくりだ。学園祭の飾り付けにでも使えということなのだろうか。
「ねぇー、アキー」
「何だ?」
「へへー、呼んでみただけー」
「バカップルみたいなこと言いやがって」
暇を持て余して、僕はアキにダル絡みをしているところだった。
アキの背中に抱きついて、後ろから彼のほっぺをつついてみたり、わざと胸を擦り付けてみたり、勉強している手を掴んで邪魔してみたり。
アキは鬱陶しそうにしているが、僕を剥がそうとはしなかった。
ツンデレめ。男のツンデレに需要はないんだぞ。僕にはあるけど。アキのツンデレに限っては。
「ねぇー、こっち見てよー」
「今勉強中だって……」
「ふーんだ。じゃあこうしてやる」
後ろからアキの脇から横腹にかけて、つつー、と人差し指をおろしてみた。
「うおっ!?」
不意を突かれたアキは、高い声を上げながら体を飛び跳ねさせた。
「ちょ、お、おい! フミ!」
「へへ、くすぐったがり」
アキの脇の下で指をワシャワシャと奔放に動かして、皮膚の薄いところをくすぐってみた。
「お、ちょ、ま、やめっ! おい!」
「ふふふ……やめなーい」
アキは身を捩らせ、肩をくねくねと振り回しながらくすぐったがっていた。かわいい。
「ははっ、は、お、おい……! フミお前、ホントにやめっ、やめろっ、て……!」
「ええー? アキは僕のおっぱい好き勝手揉んでくるのにー?」
「最近、はっ、してねぇ……!」
「してよ。僕は準備できてるのに。全然構ってくれないんだもん。おしおきだーっ!」
「うははははっ! お、ちょ、マジでっ!」
アキが僕の手で転げ回っている。普段は絶対に力では敵わない、何をしても僕の負けが決まっているのに。
何か……ゾクゾクする。アキが、僕にくすぐられて、息苦しそうにしているのを見ていると、何だろうか……。
「おい! いい加減にしろっ!!」
「やっ……!」
両手首を掴まれ、僕は出しっぱなしの布団の上に押し倒された。
やっとこっち見てくれた……じゃなくて、アキの力で押し込められては、僕には抜け出す術がない。
「好き勝手しやがって……お返しだ!」
「うひっ!?」
アキの手が僕の脇の下に潜り込んできた。
「あはっ、あははっ、ははははっ!!」
「構ってちゃんも大概にしろ!」
「ごめっ! あはっ、も、あはははっ!」
くすぐったくて、息、息できないっ! も、もうしないから、許してっ……!
「はぁーっ……はぁーっ……」
この、鬼畜めっ……最近あんまり抱きしめたりしてくれないから、ちょっとした茶目っ気を発揮したくらいのことで、怒りやがって……!
「まだ反省が足りないみたいだな」
アキは床に放置していた、先ほどの10連ガチャで得た〝全自動拘束ロープ〟のボタンを押した。
すると、僕の腕がロープに巻き取られ、背中の後ろで硬く縛られた。痛くない程度の強さながら、どれだけ力を入れても外れそうにない。
「あの、アキ? これじゃ僕、動けな――――」
「抵抗できなくしてるんだよ」
アキは僕の両足を掴むと、その間に自分の足を入れ込んだ。足を引っ張られ、股の間に足裏を押し付けられる。
こ、これはっ……!!
「懐かしいだろ……お前が男の頃にも、生意気言いやがった時に、これで〝分からせて〟やったよな」
ま、まずいっ……これはっ……!
これだけはっ……♡
「覚悟しろよ。二度と逆らえなくしてやるからな」
そんな、怖い顔で見下ろされたら、僕……♡
「待って、アキ、待――――!!」
あ、あああ、あああっ♡
「はああっ♡ はあっ♡ はああーっ……♡」
も、ダメって、何回も、
「反省したか?」
「し、ゃ……まし、たあっ……♡」
「何でちょっと嬉しそうなんだよ……」
「へ、だ、って……♡」
あんなに鋭い眼差しで見下ろされて、少し前までのアキみたいに、ギラギラした欲望のままイジメられて……。
「まっ、また……ぼぅが、生意気
「しまった、むしろご褒美だったか……つかお前もう部屋戻れよ! 頼むから勉強させてくれよ!」
「ごめ、たて、立てなっ……」
う、動けない……腰が、ガクガク震えるせいで、足が立たない……♡
「結局苦労するのはオレかよ……」
アキはかけ声を出して力を入れながら、震える僕の体をお姫様抱っこで持ち上げた。
「部屋まで連れてってやるから」
「へ、へへ……すごい、硬い……♡」
「筋肉がな!? いいから静かにしてろ! つかもうお前、部屋戻ったら寝ろ!」
アキの首に抱きついて、いつもより高い視線を楽しみながら運ばれるのは気分がよかった。多少乱暴に運ばれ、布団の上に投げられたけど、それもよかったかも……♡
おまけ 脳破壊
フミに(下心8割の)恋心を抱いていた同じクラスの少年、甲斐堂は悶々とした気分を抑えられず、ベッドの上でひたすら天井を見つめていた。
(玉崎さんのパンツ……)
彼の部屋のサイドテーブルには、玉崎さんが落としたまま走り去った時の、卑猥な形状のパンツが置かれていた。
夏祭りのどさくさで拾って、そのまま持って帰ったものだ。
(玉崎さんはこれを着て、敷島に……!)
甲斐堂の頭の中では、たゆんたゆんと巨乳を放り出し、そこの下着一枚でアキにしなだれかかるフミの姿が思い浮かべられていた。
(あ、あんなことや、こんなことを……!)
敷島と舌を絡める玉崎さん、ベッドに座る敷島の足元に座り込み、恍惚とした表情を浮かべて口で奉仕する玉崎さん、好き放題に胸を揉まれ、まんざらでもない表情で息を漏らす玉崎さん……。
そして、真面目そうな顔をして見せたがりな玉崎さんの淫靡な蜜壺に、血管が浮くほど屹立した敷島の
「はぁっ、はぁっ……! 玉崎さんっ……!」
甲斐堂はその日、これまで感じたことのない伝達物質の刺激が受容体に飽和している脳の状態を自覚した。
激しい虚脱感と悔しさで、頭が縮み上がる気分であるというのに、なぜか愚息はかつてないほどに海綿体を膨張させ……。
「うっ……!」
彼はその日、取り返しの付かない快楽を知ってしまった。それ以来、好きな人が自分以外の男の手で乱れる姿を想像するのが日課になったという……。