『メスメライズは五つの頭蓋骨を大地に誘う符である
五つの頭蓋骨からはそれぞれ五つの異なるイメージが具現化される
しかしそれらが状況に有効なものかはどうかは
全くの運任せ!
ゆえに一か八かの状況でしか使われず
使う場面を見るのは稀なのである』
というのが、ダリルが最初にメスメライズを使用した時の説明でした。
そして、実際にトルトゥーガとの戦いにおいて大いなる存在ギギ・マーシンを呼び出したとき、ダリルは以下のように発言しています
『メスメライズはまさにルーレット
生と出るか死と出るか
出目は絶対中間などない
一か八かの大博打』
『メスメライズをこのような形で使ったことはないが』
このメスメライズという技術、どうにも不可解な存在です。
作中の描写をそのまま見るのなら、メスメライズとは
「ランダムな霊を五つの頭蓋骨に憑依させる降霊術」
と捉えることができます。
そして「術者にもどのような霊が憑依するかわからない」という性質が見て取れます。ダリルがギギ・マーシンを呼び出した際に
『これほどの力を持つ奴が現れたのは初めてだ』
と言っていることからも、ギギ・マーシンのような強大な存在が降霊することは非常に稀であると読み取れます。
ところが、トルトゥーガは戦闘中にこんなことをのたまいました。
『無知にもほどがあるぜ
だからお前は雑魚なんだよ
てめぇはその符の価値を全く理解してねぇ
親父はなにも教えてくれなかったってのか?』
ストレートに解釈すれば以下のようになるでしょう
・メスメライズにはダリルが知らない「真価」が存在する。
・メスメライズはブアデ家に伝わる家伝の技術である。
さらに、
・「mesmerize(催眠する・魅了する)」という名称
・「出目は絶対中間などない」という極端な表現
これらが単なるランダム召喚を指しているとは思えません。
結論から述べると、メスメライズの本質は
「他者が用いている符を強奪し、五つの頭蓋骨にストックする技術」
であると私は考えます。
つまり、
・ランダムに霊を呼び出すのではなく、他者が操る霊を狙って頭蓋に憑依させる
・成功すれば相手の切り札を奪い、失敗すれば何も得られない「中間なしの二択」
この解釈なら、すべての台詞が自然に繋がります。
「mesmerize」という名も、他者の霊を“魅了”して自分の支配下に置くという意味で完璧に符合します。
ダリルがそういう風に使わない理由は明確で、作中のトルトゥーガは符を使わず、アブレウスの力と素手で戦っていました。
つまり、対象となる「他者の符」が存在しなかったのです。
ダリルはトルトゥーガの戦法を知っていたが故、ランダム召喚という“応用”に頼らざるを得ませんでした。
その結果、偶然にも大いなる存在ギギ・マーシンを引き当てた―――
そして、大いなる存在を頭蓋に宿せたということは、
同じく大いなる存在であったアブレウスも、理論上は頭蓋に収めることが可能だった
ということです。
ダリルがアブレウスの存在を知っていれば、トルトゥーガの切り札を奪えたかもしれない。
結局、彼は二択の博打に二度も負けたのです。