後藤隆二って知ってる? 作:俺アラプレイヤー
今から10数年前…異次元とこちらの世界を繋ぐ門『ゲートが』世界各地で出現し始めた。
ゲートの向こうには通常の攻撃手段効かない異形の怪物『モンスター』が存在する。
そのモンスターと戦える力に覚醒した人間たちは『ハンター』と呼ばれ、日夜戦いに明け暮れていた。
そんな世界から二十数年前。
まだゲートもハンターも現れる前のこと…
とある家族に1人の男児が生まれた。
そのまま2年、3年と過ぎていき、10歳になる頃にはどこにでもいる普通の子に育った。
少し目つきが悪いことを除いて。
だがその目つきとは裏腹に少年は優しい心の持ち主だった。
12歳のある日、小さな子がボールを追いかけて車道に飛び出した所を見た少年は、迷わず飛び出した。
なんとか子供を突き飛ばしたものの、迫ってくる乗用車は避けられずその後3か月ほど入院することになった。
この事件が少年の人生を大きく変えた。
その少年の名は後藤隆二…後のS級ハンターリューである。
車に轢かれた瞬間だった。
まるで走馬灯のように様々な情景が一瞬のうちに記憶へと入り込んできた。
それはおそらく前世の記憶だろう。
だからと言って特に何かあるわけでも無かった。
前世と同じ日本に生まれ、いい両親の元に生まれ、実質若返った。ゆうて10歳ぐらいだけど。
みた所前世は事故で死んだらしい。
事故繋がりで記憶を思い出したのだろうか?…まぁどうでもいいや。
とりあえず寝よ。
そんなこんなで前世の記憶を抱えつつ、俺は19歳になった。
いつも通り大学で講義を受け、1人暮らしをしている家に帰る。
修練までは2時間はある。少し休憩しようとテレビをつけた所で俺は衝撃のあまり口に含んだお茶を吹き出した。
テレビで放送されているのはニュース番組、だがいつもと違い、慌ただしくアナウンサーが情報を伝えている。
その画面の中心。海外のどこかを写したその映像は明らかに異常だった。
ビルが立ち並ぶ街並みのど真ん中に。
軍隊が道路を封鎖し、避難誘導を行うその奥に。
まるで水面に浮かぶ渦の様にねじれた光のモヤ。
前世を含め50年ほどになるが、そんなものは一度も……いや、どこか見覚えがあった。
現実ではない。
フィクションでだ。
「まさか…ゲート…なのか?」
つまり…ここは…
「俺レベの世界かよ…」
あれから一年が過ぎた。
あのあと世界中に現れ出したゲートに各国は軍を投入したが、まともな成果は得られず。
結果的に世界初のゲートはかなりの被害をもたらした。
だが、その事件は同時に様々な物を人類に残した。
覚醒者の出現だ。
ゲートから溢れ出すモンスターと戦える唯一の存在に世界は歓喜した。
それを皮切りに世界各地で続々とハンターが現れ出した。
人々は彼らをヒーローと称賛した。
もう一つはゲートという資源そのものだ。
モンスターを倒す、もしくはゲート内に多く存在する特殊な資源達は核に変わるエネルギー源として世界から注目されている。
そんなふうに世界が変わり始めている中で、俺の周りは特に変わることはなく日々を過ごしていた。
強いて言うなら俺言うなら俺個人の生活が変わった事だろう。
あの日以来元々通っていた道場に行く頻度が週3から時間さえ有れば鍛錬を重ねる様にしていた。
お陰で結構筋肉はついたし、大学に行ったあと週5の工事現場のバイトと毎日最低6時間の鍛錬というハードワークをこなしても普通に暮らせる様になった。友人からはドン引きされたが。
そしてわかった事も多い。
まず一つ目に俺は後藤隆二であると言うこと。
そう俺レベ最強のかませ犬DFNのS級ハンターリューである。
でもなぜ俺がいるのがDFNではなく日本なのかと思うだろう。
簡単な事だ。俺レベは元々韓国版で生まれた漫画だ。
そのため、日本版にする際、人物名や文化など一部の設定を日本に合う様に変えたのだ。
水篠旬の元の名はソン・ジヌとかだったはずだ。
そして韓国版ではDFNは日本なのである。
つまり!順当に行けば俺はいずれ架南東のレイドで「俺が王だ」とか言って死ぬと言うことだ!
一年前ならまだ「どうせ別人だろ」とでも笑っていただろう。
もう一つの証拠がある。
俺の通っている道場の流派の名が『天風流』だ。
はい確定〜このままじゃ死〜かと言って行かないと国内で叩かれる〜
リューは元々愛国心がカンストしているキャラクターだ。
他のハンターが金や名誉を目的にギルドを立ち上げる中、S級として覚醒したにも関わらず一般市民を守るため、ハンター教会に入り、人々を守り続けた。
行くだけでもかなりの名声が得られるカミッシーのレイドにも自分がいない間に失われるであろう少数の民の命を気にしてDFN…日本に残ることに決めた。
だが、国民がリューに求めたのは名声だった。
年々リューに対する「国家権力級」と言う称号を逃した事に対する周りの視線は辛いものへと変わっていった。
結果、彼は権力に取り憑かれ、本編で架南島にて命を落とす事になる。
かと言ってリューの実力ではカミッシーのレイドに行っても死ぬだろうし架南島に行かなくても結局その後の巨大ゲートで死ぬ。
最後の希望として、カミッシーのレイドでなんとか生き残り、光の破片となる事だが…
原作でのまともな描写もないだけではなく、その方法で生き残ってもどうせ君主の襲撃で死ぬだろう。
これもしかして…詰んだ?
一週間後、隆二の通う大学の使われていない林の中。
パチッパチパチッバチバチバチバチバチバチ!!
人知れず存在したゲート。美しい光を放つそれに異変が起こる。
ピキ、ピキピキピキ!パリーン
まるでガラスが砕ける様にゲートの表面が割れる。
後の『ダンジョンブレイク』だ。
その日もいつも通り大学の講義を受けている時だった。
「大変だ!モンスターだ!モンスターが出た!」
講堂に飛び込んできた1人の男が叫んだ。
しかしそれを聞いた教授はイタズラだと思い、声を荒げる
「何言っているんだ!くだらないイタズラを!」
全員がホッと胸を撫で下ろした時だった。
「ギャギャギャギャギャギャ!」
講堂の扉を蹴破って現れたのは緑色で子供ほどのサイズのモンスター『ゴブリン』だった
「キャーー」
一瞬の間を置いて悲鳴が上がる。
それを皮切りに全員大急ぎで逃げ出す。
俺も逃げ出そうとした時だった。
「キャ!」
「リカ!」
振り返ると、後ろの方で転んだ女性とそれを起こそうとする男が目に映る。
おそらくカップルだろう。
その時、俺は、いや後藤隆二は見逃さなかった。
2人の後ろに迫るゴブリンの姿に。
次の瞬間だった。
体が勝手に動いたとはこう言う事なんだろう。
2度目の感覚にようやく自覚する。
1度目は少年を救った時。
この後道場に行く予定だったからたまたま持っていた竹刀を袋から出す。
そのままの勢いでカップルを飛び越え飛び掛かるゴブリンに向かって逆袈裟を放つ。
「天風流 鬼天風!」
予想外の攻撃に驚いたのか、ゴブリンはバランスを崩し、そのまま吹き飛んでいく。
「早く逃げろ!」
「ありがとうございます!」
カップルを先に逃すと、俺は再びゴブリンに向き直る。
どうやらさっきの一撃で獲物ではなく敵と認識された様だ。
今の一撃が砕けた竹刀を捨て、さっきのゴブリンが落とした長剣を拾う。
刀ではないが素手よりかはマシだろう。
どっちでも倒せないのは同じだが。
ゴブリンは3匹
普通なら余裕な3体1だが、ハンターではない俺からしたら奴らの無造作な横薙ぎが致命傷になりかねない。
互いに睨み合いを続ける。
先に動いたのはゴブリンだった。
手斧を持ったそいつは近くの机を足場の飛び掛かってくる。
まずはそいつの首に向かって突きを放つ。
「天風流 牙突天」
喉に一撃をもらったやつはそのまま吹っ飛んでいく。
一歩大きく交代しながら短剣持ちの横薙ぎを避け頭に一撃入れつつ蹴り飛ばす。
背後に回った1匹をゴルフの要領で弾き飛ばす。返す刃で戻ってきた手斧持ちの斧を弾き飛ばす。そいつを踏みつけながら机の上に飛び乗り距離を取る。
その時だった。
左肩に激痛が走った。
思わぬ一撃にバランスを崩し、床に転げ落ちる。
なんとか体を起こし、肩を見ると短剣が刺さっている。
あのゴブリンが投げた様で3匹のゴブリンは喜んでピョンピョン跳ねている。
なんとか短剣を引き抜いて立ち上がった時、動かせない左側からもう一体の短剣が迫る。
一瞬死を自覚した時、奇跡が起こった。
なんとそのゴブリンが何者かによっての殴り飛ばされた。
「大丈夫ですか!?」
よく見るとそいつはさっき助けたカップルの男の方だった。
「なんで戻ってきた?」
そう聞くと男は答えた。
「さっき外の人の聞きました。あなたハンターじゃないんですよね。」
男は申し訳なさそうな顔をしながら続ける。
「それ聞いて恥ずかしくなったんですよ。俺は自分の彼女どころか自分すら人に守ってもらうにかって。」
そして男は笑って言い切った。
「だから、助けに来ました!」
リューは少し黙ると、右手を差し出して聞いた。
「隆二だ名前は」
男は右手を掴んでリューを引き起こしながら、
「村田です。村田潤」
リューは長剣と一緒に短剣を拾いそれを潤に手渡した。
リューは片手で剣を構えると、
「俺が動きを止める。お前が仕留めろジュン。」
その言葉に潤は短剣を構え答えた。
「はい!リューさん!」
これが後の後藤隆二伝説の序章だった。
「そういや…これどう倒すんですか?」
「…はぁ?」
「いや…俺、ハンターじゃないっすよ。」
リューの顔から人生初めて血の気が引いた。
光の破片に関しては元々光の破片持ちが生き残ったのか生き残った人が破片持ちになったのかわからなかったのでオリ設定ということで。
まぁ今はあんまり関係ないので頭の片隅にでも置いといて下さい。
気になることがあったらコメントで聞いて下さい。
考えてる範囲でネタバレにならなければ答えます。
あと牙突天はオリジナル技で実際にはただの突きです。
名前はるろ剣の牙突をパクりました。
本作ではリューの年齢を本編の時間あたりで30後半にします。