四月。多くの学校で始業式が行われる時期であり、俺が通う文月学園も今日始業式を迎える。今日で2度目の始業式だ。現在時刻7:50。いつもより早く家を出た俺は、通学途中に同じく早く出ていた自身の悪友に出会う。
「よう明久。いつもより早いんじゃねーか?」
「おはよう龍也。そりゃ、今日は振り分け試験の結果発表だからね!」
ここ文月学園は少し変わった制度をとっており、2年、3年の進級時には『振り分け試験』なるものを受けさせられ、その結果に応じてAクラスからFクラスに振り分けられる。もちろん、Aクラスが頂点でFクラスが最低だ。これだけではなく、科学とオカルトによって偶然発見された『試験召喚システム』の試験校であり、召喚された『召喚獣』を使用して、クラスの設備をかけてクラス間で争う『試召戦争』を取り入れている。
「と言うことは、だ。明久、お前今回の振り分け試験自信あるのか?」
こいつが遅刻しないのはかなり珍しいからな。本当に上位クラスに行けるくらいの点数をとったのか?
「当たり前じゃん。今回のテストはかなり出来たから、もしかしたらEクラスには入れたかもしれないね!」
…………前言撤回。やっぱりこいつは
「どうせそんなことだろうとは思っていたよ。だからお前はいまだに葉月ちゃんから『バカなお兄ちゃん』って呼ばれてるんだよ」
「なっ……!ば、バカって言った方がバカなんだぞ!」
「ほらみろ。返しがまんま小学生じゃねえか」
すっかり黙り込んでしまった
「おはよう龍也、それにアキ。今日は早いじゃない」
「おはよう美波。まあ、今日くらいは、ね」
「よう美波。今日は瑞希と一緒じゃないのか?」
いつもなら瑞希と一緒に登校しているはずなのに、瑞希の姿がどこにも見当たらないな。そう思っていると……
「美波ちゃん、速いですよ…。いきなり走り出すから見失うところでした…」
瑞希が息をきらしながら、走ってこちらへ向かってくる。
「よう瑞希。朝から美波が迷惑かけたな」
「おはようございます龍也君、明久君。迷惑だなんて、これくらい大丈夫ですよ」
「ほら、皆そんなとこに突っ立ってないでさっさと行くわよ」
そんな他愛もない話をしている内に、正門前に着いたようだ。正門の前には一人の男が立っている。
『おはようございます。西村先生』
「おはようございます。鉄じ……西村先生」
「おはようっす鉄人」
彼の名は西村宗一。通称鉄人。趣味はトライアスロン、また、力が異常に強いため、生徒からは親しみを込めて『鉄人』と呼ばれている。
「ああ、おはよう姫路に島田。おい吉井、今鉄人と言いかけなかったか?」
「気のせいですよ、西村先生」
「それと天崎。俺の名前は西村だ、それに教師には敬語を使え」
「いいじゃないですか、折角生徒が付けてくれたんですから」
「はあ……。まあいい。今回の振り分け試験の成績表とクラス結果だ」
『ありがとうございます』
この学校ではなぜか、試験結果は教師が手渡しで渡している。なんでも、昔からの伝統らしく今でもそれが受け継がれているらしい。
「吉井、何をにやけている?」
「いや、どのクラスなのか気になってしまって」
明久、現実を見ようぜ。振り分け試験終わって二人で採点したが、あの点数じゃ行くクラスは一つしかないぜ。
「さてと、僕は何クラスかな」
クラス発表
吉井 明久 Fクラス
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「うっせえバカ久!」
「ぎゃふっ……」
そう言って俺は明久を(物理的ダメージを与え)黙らせた。
「そういや、美波と瑞希はどうだった?」
「ウチはFクラスだったわよ」
「私はAクラスでした」
やっぱり瑞希はAクラスか。春休みもかなり勉強してたから、当然と言えば当然か。さて、俺のクラスは……
「そうだ、言い忘れていたが天崎。こいつがバカなことをしないよう一年間頼むぞ」
「……おい、鉄人」
「なんだ天崎。敬語はどうした」
「そんなことよりもさらっとネタバレしてんじゃねーよ!結果見る前に俺のクラスが判明したじゃねーか!」
「なんだ、まだ見てなかったのか」
くそ……俺の楽しみを奪いやがって!もう少し楽しみながら見たかったのに……っ!
「なにかと大変だとは思うが、各々一年間頑張れよ!」
まあいい、Fクラスにはどうせあいつらがいるだろ。何はともあれ楽しい一年間になりそうだ。
クラス発表
島田 美波 Fクラス
クラス発表
姫路 瑞希 Aクラス 学年第三席
クラス発表
天崎 龍也 Fクラス 学年主席