「というわけで明久、Dクラスに宣戦布告してきてくれ。開戦時間は、そうだな……今日の午後1時でいいだろ」
「やだね、他の人に頼んでよ。確か下位クラスの使者って殴られたり、蹴られたりと色々酷い目に合うって聞いたことあるけど」
雄二の頼み事を明久が間髪入れずに断る。 まあ、実際明久の言っていることは事実だし、何より行くことが面倒臭い。だが、雄二はどうしても明久に行かせたいらしく、話を続ける。
「それは噂だろ?そんなの漫画かゲームの中の話だ。下らないこと言ってないでさっさと行ってこい。宣戦布告出来る時間がなくなるだろうが」
「だよね! じゃあいってくるよ!」
そう言うと、明久は勢い良く教室を飛び出しDクラスに向かって行った。よくもまあ、こんな
「やっと行きやがったか、あのバカ」
「雄二よ、お主も鬼畜じゃのう」
「え?あの噂って本当だったの?」
「ああ、事実だ」
秀吉の言葉に疑問を持った美波に対し、当然だと言わんばかりに雄二が即答する。
「じゃあ、アキだけじゃ危ないんじゃ……」
「当たり前だ……と言いたいところだが、あいつなら大丈夫だろ。確かに明久は俺や龍也みたいに相手をねじ伏せる力はないが、あいつは喧嘩の仕方、戦い方を知っている。だから
端から見れば、あの明久が"喧嘩"が強いというのはいくらなんでも過大評価だ、と思うだろうが、これは紛れもない事実だ。『悪鬼羅刹』。中学の時に荒れていた雄二に付けられたあだ名だが、本人とは知らないとはいえ、偶然喧嘩の現場を見かけたあげく、追い撃ちをかけようとしていた雄二を止めに入ったらしい。しかも俺が二人の喧嘩の仲裁に入るまで、ほぼ互角の戦いだったとか。俺も最初は信じられなかったが、あれ以来行動を共にしていると、あいつが雄二と互角に渡り合えた理由がよくわかった。
「ずいぶんと明久のことを買っているんだな」
「バカいえ。あいつの誉める所なんてこれくらいし「死にさらせ雄二!」……っと、危ねえじゃねーか明久」
俺らが話し込んでる内に、明久が帰ってきていたらしく、雄二に殴りかかっていた。まあ、がっしりと拳は捕まれているが。当然と言えば当然だが、制服が少し汚れている位で身体は無傷のようだ。
「雄二、僕を騙したな!宣戦布告した瞬間に、Dクラスの男子ほぼ全員が一斉に殴りかかってきたじゃないか!何とか撒くことができたけど、貴様それでも僕の親友か!」
「お前は何を言ってるんだ明久、騙されるやつが悪いに決まってるだろ。それとな、言い忘れていたが、俺はお前の不幸が大好きなんだ」
「それって親友に向ける言葉じゃないよね!?よし、わかった。そっちがその気なら僕もそっくりそのまま返してあげるよ、この赤ゴリラ!こんな目に合わせたことを絶対に後悔させてやる!」
売り言葉に買い言葉とはまさにこの事だろう。喧嘩するほど仲がいいとは言うが、このままだと本題に戻れそうにないから明久にDクラスのことでも聞くとするか。
「そう言えば明久、ちゃんと宣戦布告は出来てるんだろうな?」
「あっ、うん。一応午後1時からって伝えて来たよ」
「よし、充分だ明久。そろそろ予鈴がなるだろうし続きは昼休みでいいだろう。なあ、雄二」
「ああ。じゃあここいるメンバーは昼休みに屋上に来てくれ。そこで作戦会議だ」
「あ、僕……っとチャイムなっちゃったね。また後で話すよ」
雄二の言葉が言い終わるのとほぼ同時刻に、一時限目のチャイムが鳴り響いた。明久が何か言いたげだったが、まあ、大体は予想がつく。ふと時間割表を確認すると、1時限目は日本史らしい。今日は朝早く起きたせいで、かなり眠気があるし寝るとするか。そう決めた俺は授業開始早々から眠りについた。
「ふぁ~、よく寝た」
1時限目からぐっすり眠った俺はそのまま眠気に負けてしまい、2時限目、3時限目とほとんどの授業を寝て過ごした。普段の授業ならかなり危ない状況なのだが、大抵初回の授業はその授業を受けるにあたっての導入講義が設けられているので、今回に限っては寝ていても全然問題ない。次回からは聞いていないとやばそうだが。
「おい、さっき言ってたメンバーは集まってくれ。昼飯持って屋上に行くぞ」
「その事なんだけどさ、雄二。今日瑞希と食べる約束してるんだけど、そっちに行ったら駄目かな?」
「別に構わんが、戦争始まってからなにも分かりません、とかほざいたらどうなるか分かってるよな?」
「それくらい分かってるよ。申し訳ないけど、また後でね。」
そう言うと明久は教室を出て、瑞希がが待つAクラスへと向かっていった。瑞希も一緒に、と行きたいところだが、仮にも彼女はAクラスだ。こちらの作戦は極力他のクラスには漏らしたくない。
「よし、残ったメンバーはさっさと屋上に行くぞ。時間が惜しいからな」
そう言った雄二を先頭に、俺、美波、ムッツリーニ、秀吉の5人で屋上へと向かった。
5ヶ月かけて、この内容のなさと文章力で申し訳ありません。