光らないシリーズに新しい二次創作小説が投稿されましたぁ!」
「ダニィ!? 早速小説を読みに出かける。あとに続け!」
「ダメです!もっと投稿話が増えてからでも「トラン〇スルー」ハァッ☆」
つい書いてしまった、後悔はない。
古の時代から現代まで存続し、政治・経済と並び社会の根幹にまで伸びている文化と化したこの世界で唯一のカードゲームだ。ふざけたこと言ってるかもしれないが、社会科の歴史授業で必ず言っていいほどLifeの話は聞かされるのだ。それも一般教育レベルな扱いで。
そんなカードゲームが根付いたこの世界に、俺こと
……いやちょっと待って? Lifeってなんだってばよ!?
遊◯王は? デュ◯マは? ポ○カにバト◯ピ、ヴァ◯ガードとか他のカードゲームはどこいった!?
こんなんじゃ……
つか俺、前世でやってたの遊◯王とデュ◯マくらいで、他は名前くらいしか知らんから仮にあってもどうにもならねぇや。
しかもやってた二つも大会に出てたわけでもない趣味全振りなカジュアル勢だ。
社会人以降はマスターデュ◯ルやデュ◯プレというDCG版でやってたくらいだしな。精々イベやミッション目的でランクマに行ってたくらいだから、強さなんてお察しよ。
それはともかく、前世で転生物のラノベは嗜んでいたが、まさか実体験するとは思わなんだ。
まさに事実は小説より奇なりってか?
確か前世の最後はコミケからの帰りの駅に向かう途中でいきなり包丁ブスリされポックリ逝ったという情けない死に様だった。
そっからいきなり赤ちゃんの状態で意識覚醒したという状況よ。まるで意味が分からんぞ!?
とまぁ転生の経緯はこんな感じで色々とあったが俺は健やかに生きている。そして冒頭で言ってたこの世界中で広まっているLifeなんだが、実は最初から始めていたわけではなかった。
興味が無かったわけじゃない。むしろ前世で聞いたことが無いカードゲームでどういうものかと興味があった方だ。
だがLifeのカード単価が前世のカードに比べてパックとシングル両方共に少し高い。パックなら封入してるカードのレア次第で元が取れる可能性はあるが、そこまで行くともはやギャンブルと変わらん。
ちなみにこんなにカードが高いのは、なんでもカードが頑丈な素材で出来ているからとかなんとか。確かにカード手裏剣出来るくらいに頑丈なんだよな。
シングルは有用なコモンとアンコモンなら多少は買えなくはない値段だが、レアカードに関してはマジのレアすぎて高いのなんの。
前世のレアがハズレアで数百、
んでこっちの世界のレアカード価格はハズレアで1枚当たり数千、並の性能の奴なら数万からという値段が当たり前である。
ただ嬉しい誤算として、明らかに
おかげでそういうカードは前世に比べれば高いとはいえ、集めやすくて助かる。
さて、値段が狂った市場でカードをまともに集められない状況が渦巻く構築環境。……なら、ストラクを買えばいいじゃん! と思う方がいるだろう。俺もソーナノだった。
……だが甘い、そんな考えはチョコラテの如く激アマだよニーニョ! (
──この世界に
一応店側で束ねて作られたらしい基本セットの紙束が売られたりしてたが、お世辞にもあれをデッキとは言えない。それでも擁護として、一番安い価格でデッキの最低限の骨組みにはなれるが。
どれくらいの出来かというと、デュ◯マの闘魂編スターターセットのホイルカード無し~しょっぱいバニラクリーチャーと魔法を添えて~をより酷くしたものだ。
しかも店舗によっては枚数も地味に40枚届いてねぇこともある始末。これでどうやって戦えばいいんだ……! (切実)
故にしっかりとしたデッキを作るにはパックから剥いてカードをよせ集めて構築するのが主流である。しかしパック購入でも問題がある。
まずパックの中身は人ごとに偏りがあるということ。
どれだけ引いても狙ったものが出ず、特定のカードやテーマばかりが出るのはザラだという。中には収録されていないカードが紛れているなど、これらが起こる原因で共鳴率という
だからどうしても欲しいカードを手に入れるには破産覚悟でパックを剥き続ける運任せか、シングルで割高購入するやり方しかない。
もし転生者としての意識が無い無垢な子供だったら親に買ってとぐずってねだってたんだろう。
けど、カード単価の真実や闇鍋構築するしかない構築環境を知ってからはとてもじゃないが親にぐずってねだるもんじゃないなと思ったよ。
特に俺の場合、今世の両親が良い人過ぎて不必要な負担は掛けたくないのもあって我慢し、いつしかそのままLifeへの興味は薄れていっていた。
その後しばらくして数年が経ち俺が小学生の高学年になった頃、少し年の離れた妹がLifeに興味を持って親にねだり始めた。
両親からは地道なお手伝いを続けられたら良いという条件を妹に課し、妹はきちんとそれを成し遂げ続けたことでご褒美に買ってもらえることになった。
その時に両親は、それならまだ買っていなかった俺の分も一緒に買おうという話になった。
俺は別にねだってたわけでもないし、もう物をねだるような歳でもないから妹の分だけで良いと遠慮したんだけど、両親は俺が普段しっかりしているのと、いつも手が掛からなかった故に我が儘できずに我慢させてしまったのではと思い、これをきっかけに何か贈り物をしてやりたかったという。
どうしてそう思ったのかというと、以前俺をLifeのカード売り場に連れてきた時に初めはLifeを興味津々そうだった自分が、カードを少し見てから興味が消え失せていたのが両親からして印象に残っていたという。
そのことから本当はLifeをやりたいけど我慢してたんじゃないのかと両親はそう考えていた。
そこから俺は両親への負担の軽減のための遠慮、両親は俺に何か贈り物してやりたい親心と、お互いがお互いを思ってる故に少し押し問答に発展してしまったのだが、最終的に「
やはり
まぁひいき目で見てるのを差し引いても、ウチの妹は実際結構かわいい方だ。そんなかわいい妹を泣かすのは兄として失格だよなぁ?
故に全力でお兄ちゃんを遂行する……! (鋼の意思)
そんなこんなで家族で来た大きいカードショップ。始めて来たカードショップに妹は目を輝かせながら嬉しそうに見渡していた。
ショップに着いてからは休憩エリアで一旦休む両親と別れ、俺ははぐれないよう妹の手を握りながら店内を見て回っていった。店内でカードパックやシングル棚、ストレージボックスを眺めながら妹と一緒にどのカードがいいかと探していた時だった──、
「おっと、ぶつかっちまった。悪い悪い」
「──いや、こっちもよそ見してた。すまん」
あの日、俺は生涯で一番の
「ぬわああああん疲れたもぉぉぉぉん……!!」
さらに時は経って今ではピチピチの高校生である俺、孝州布礼也はバイトでの疲労のあまり職場でクッソ汚い弱音を上げてしまう。
なおこの世界に例の汚いネットミームは侵食してない。なので声に出しても大丈夫だって安心しろよ~!
「あまり情けない声を上げるなよ。けどまぁ、確かに今日は疲れたな……」
「あ、フッツー。そっちもお疲れ~。(大会あったから)いつもより忙しくてきつかったすよもう~」
俺の弱音にお小言入れながらも本日の忙しさには同意した黒髪の少年。彼の名は
ここホビーショップMeeKingで俺と同じバイトをしているLifeが上手い高校生だ。愛称として俺はフッツーと呼んでいる。
──そしてあのカードショップで出会った俺の一番にして自慢の
あの大きなカードショップで不意のぶつかりから出会い、俺と同年代ということで少し世間話をすることになった。
話を聞いた感じ、とてもLifeに関して詳しそうな感じだったので俺はフッツーに恥も承知でLifeについて教えてほしいと頭を下げて頼み込んだ。
ついさっき知り合ったばかりの赤の他人である俺の頼みをフッツーは嫌な顔を一つもせず、それどころか新入りが入って嬉しそうな顔で快く引き受けてくれた。
正直あの時にフッツーが引き受けてくれて本当に助かった。
下手したら俺も妹もデッキが出来ずにLifeデビューがずっこけてたに違いない。
そこからフッツーのアドバイスに従って、まずは基本的なカードが束で売られている安いカードセットを購入し、デッキの基盤を作成した。
上記のようにこういう基本セットはまぁ紙束同然だがフッツー曰く、ここのはほんの数枚アンコモンが混じっているなど基本セットの束にしては気前がいいとのこと。
次にデッキとしての体を為すためにパックを剥き、カードを集めてデッキを構築していく。
ここは両親から貰った
だが作れるデッキはパックのエキスパンション次第で変わるので、どういうデッキを組みたいのかとフッツーは俺達兄妹に尋ねてきた。
そこで妹は可愛いクリーチャーがいるデッキを、俺の方は扱いやすいビートダウンタイプのテーマで要望を出した。
ついでに可能なら1、多くても2種類までのエキスパンションで済むものがいいと追加要望を出した。
そうした理由は同じパックでの購入なら妹が欲しいけど出ないカードを、俺の方で出せればそのまま妹に渡せることが出来、逆もしかりなことが狙えるからだ。
俺達の要望を聞いたフッツーは少し考え、ちょうど条件を満たせそうなエキスパンションパック_【生命に捧ぐ華唄】を紹介してくれた。
このエキスパンションには"
その他にもビートダウン系を含むいくつかのテーマが収録されていたりと俺の要望も満たせる内容らしい。
他にもいくつかフッツーからエキスパンションの紹介された結果、俺と妹は【生命に捧ぐ華唄】を思い切って1BOX分購入し、パック開封作業に入った。
この時に店員の粋な計らいで10%引きしてくれたのは地味にありがたかった。
ありがとう、あの時の店員さん。ちょっと思い出したから今度久しぶりに行ってみようかな。
そうして1BOX開封した結果、妹は"
これには俺も安心した。闇鍋パックの構築環境からして、もしかしたら"
もしそうなれば、その時の妹の悲しそうな顔はとてもじゃないが想像したくない。下手すりゃこれが原因でLifeが嫌いになっていたかもしれないからな。
作りたいデッキが作れない気持ちはよくわかる。
んで俺の方なんだが、こっちも要望通りにビートダウン系のテーマデッキを組むことが出来た。
作れたんだが……俺が引き当てたカードを見たフッツーは凄く驚いた顔をしてた。
小声*1でなんか呟いて良く聞こえんかったけど、まぁデッキ組めたしOKでしょ。
確かこの後、習うよりも慣れろスタイルで妹とフッツーで滅茶苦茶ファイトすることになったんだよな。兎にも角にも、フッツーの協力もあって俺達兄妹はLifeデビューを無事に果たし、こうして今もLifeは続けていられている。
「二人ともおつかれさま。今日は本当にありがとね~」
そんな過去のことを振り返っていると、俺とフッツーに労いの言葉が掛かってきた。声のする方に振り向くと、店の奥から俺とフッツーと同じ店員エプロンを身に着けた女性が出てきた。
「お疲れ様です、店長」
「あ、店↑長↓! おつかれ~っす」
彼女はMeeKingの店長。名前は地柩セトという。
某社長と同じ下の名前だが粉砕! 玉砕! 大喝采! と叫んだりはしない。
見た目は若く見えて大学生、おそらく20代くらいの年齢で黒髪ショートのお と な の お ね ぇ さ ん。
そして、とてつもない
「そうだ店長。片付けするんで今日もテーブル使っていいですかね?」
下世話なこと考えているとフッツーが店長にテーブルの使用許可を求めていた。
バイト店員としての特権……というわけではないが、きちんとした許可を求めれば閉店後にテーブルの使用をさせてもらえたりと粋な計らいをしてくれる。
「いいよー。というより何なら今日は"バトルフィールド"を使ってもいいんじゃない? まだ電源は落としていないし、
「あーそうかぁ……なぁレーヤ、今日はこの後暇か?」
店長からの提案にフッツーは少し考え……俺に対してこの後の予定を尋ねてくる。
ふんふんなるほどなるほど……この流れは、いつものやつだな?
「ふっ、
「助かる。お前がいる時だとバトルフィールドで対戦できるからな。とりあえず3本のマッチ戦でどうだ?」
「あ~、いいねぇ! そんじゃパパパッとやっていくど~!」
互いに了承を得たのを確認し、俺達はバトルフィールドに行き、フィールドを挟んで相対する。
「んじゃ、始めるか。ファイト開始の宣言をオナシャス! 店長!」
「お願いします」
「わかったよ二人共。レディ──────ファイト!! 」
──さぁ行くぞフッツー! 俺の"
神聖なる森は、守護者たる聖獣に力をもたらす。
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