━祇浄ユウキ視点━
「<
私の攻撃宣言に応え、勇者王が地を蹴る。
機体背部や装甲内部に備えついたスラスターを吹かしながら勢いつけて店員さんの方へと突進していく。
このまま勇者王の攻撃が決まれば、私の勝ちだ。
私も、そして店内の誰もが皆、固唾を飲んで見届けていた。
「──なんと……」
その時、静寂の中で自分の耳に聞こえたのはボソッとかき消えるような声の呟き。
(I)「なんと……! 素晴らしい……!!」
自らに迫るとどめの一撃を前に、
(I)「あの劣勢からここまでの逆転劇はまさしく、あなたのカードへの愛によって紡がれた……! やはり愛です、愛ですよユウキ。カードへの愛がファイトのすべてを解決する……!!」
「ふぇっ!?」
ちょっと!? いきなり愛って、何言ってんのこの人!?
怪しいけどさっきまですごくしっかりしてて見直してたのに、これじゃますます意味が分かんないよぉー!!?
(I)「──あぁ、だからこそ。この逆転の一撃を阻むのが、実に残念で他なりません」
「……え?」
阻むって……、この攻撃を防ぐつもり?
けど店員さんの場にはクリーチャーがいない。色彩は全て使い切っている。
今の時点で店員さんにはもう、<
(I)「先程言ったはずですよ、逆転こそがカードゲームだと。それがあなただけの特権でないことを、今からお見せましょう」
そう言う店員さんが手札から1枚のカードを引き抜いて公開し、そのカードは発動を示す光が灯る。
(I)「私は<
【革悟5・護】!? また知らない能力、一体どういう効果……!
(I)「【革悟5・護】は自身のライフが残り5以下であり、相手クリーチャーの攻撃宣言または効果ダメージを含む効果の発動に対して、コスト無しで発動できる能力。この時、相手はこの効果に連動できません」
(I)「<ラック・ルーダンテ>の場合は発動宣言後にデッキの一番上を表にして、それが【新生】以外の白のクリーチャーであればそのクリーチャーをタダで場に出し、そのクリーチャーの上に【新生】して場に出ます!!」
<ラック・ルーダンテ> (白)(白)(白)(5)
革醒軍・天使・ドラゴンのコマンド・新生・
9/10
【新生】……白のクリーチャー
【革悟5・護】……白の新生以外のクリーチャー
【飛行】
【革悟5・護】で場に出た時、+2/2の修正を加える。
このカードが場に出てる間、このカードをコントロールするプレイヤーは効果ダメージを受けない
このカードが場に出た時または攻撃時、以下の効果から1つ選択できる
・次の自分のアップキープフェイズ時まで、相手はコマンド・クリーチャーで攻撃できない
・種族を1つ選択する。次の自分のアップキープフェイズ時まで、相手は選択した種族を持つクリーチャーで攻撃できない
コストを使わずに場に出せる能力!?
(I)「ですが捲れたのが【新生】ではない白のクリーチャーでなければ、山札の一番上をそのまま戻し【革悟5・護】は不発に終わります。さぁ捲りましょう。この戦いの運命を決める1枚を……!」
ペラりと、店員さんのデッキトップが捲られる。
そのカードは──、
(I)「……来ました。捲れたカードは<呼応の天霊龍 サザンクロス>! よってサザンクロスを場に出し、その上に<ラック・ルーダンテ>を重ねて【新生】召喚!!」
店員さんは捲れた
同時にバトルフィールド内でも雲を割いて天から金色の龍人が姿を現す。
そして龍人の肉体全てが眩く輝き出すと同時に姿が変貌していく。
剣の翼から純白の羽根を持った翼に。人型の姿から獣の四脚へと変わり、まるで新たな生命へと変化していく。
≪──ヴェア゛ァァァァヴゥッ!!! ≫
そして輝く光が収まり、天には背に派手な装飾をした円盤を浮かばせ、頭部後ろに立派な鬣をたくわえた
「きれい……」
戦う相手なのに、その神々しい姿に思わずそう口をこぼしてしまった。
そう思ったのは私だけでなく、審判の店長さんや観客の全員が感嘆し、見惚れていた。
(I)「驚き、見惚れているところ申し訳ありませんが、ルーダンテの登場時能力を発動させてもらいます。種族を宣言し、相手は次の私のアップキープフェイズまでその種族のクリーチャーで攻撃を出来なくします。当然私は
「なにそれ!?」
店員さんの宣言と同時に、私の場にいる
(I)「勇者王は攻撃中なのでこの効果に適応されません。最もこのターン、<束ねる勇気>のデメリット効果で他のブレイバーは攻撃できませんからルーダンテの効果はほぼ意味は薄いでしょう」
(I)「……とはいえ、勇者王の
突撃する勇者王を、その巨体に負けない程の大きさを持つ天馬の龍が天から強襲して割り込み、身を挺して主人である店員さんを守り切った。
互いがその巨体でせめぎ合うもスタッツは11/13と8/8であり力の差は歴然。
力の均衡が崩れたところを天馬の龍が勇者王の腕に食らいつき、そのままハンマー投げの要領で振り回してから投げ飛ばし、勇者王を破壊した。
「くぅ……破壊された勇者王の効果! 墓地・デッキから「勇気」と名のつくカード一枚を探し出し、手札に加える! 私はデッキから<護身の勇気>を手札に加える!」
返しのターンの為の防御札を手札に加えたけど、このターンはもう私に出来ることは無い。
あとちょっとってところだったのに……!
「……ターンエンドです」
(I)「それでは私のターン。レディ・アップキープ・ドロー」
……まだ諦めちゃだめだ。
このターンを凌いで、次のターンで4点、いや3点でもダメージを与えれば勝てるんだ。
こっちの場には待機状態の4体のクリーチャーがいるからブロックできる。
仮にあのクリーチャーが【飛行】持ちでも、場にいる葬射の効果で【到達】をブレイバー全てに付与してるからブロックは可能。
そして手札には1コストでダメージを防ぐ瞬間魔法の<護身の勇気>と、手札1枚を捨てる代わりに瞬間発動で場に出る<ブレイバー・追風>で追加のブロック役で防御することが出来る。
このターンさえどうにか凌げば……!
(I)「──さて、ファイナルターンです。楽しいファイトも名残惜しいですが、このターンで終わらせましょう」スイッチオーン
何かフィールドのBGMが急にピアノでクラシックな曲*1に切り替わったんだけど?
しかもこのターンで終わらせるって、まさかここから……一気に勝利する方法があるの?
でも今までのターンからして、店員さんは白や青の交じったクリーチャーが主体。
場に出てきたクリーチャーは防御や妨害寄りなのが殆どで【速攻】の効果を持ったクリーチャーを出してない。
このターンで再びクリーチャーを大量展開させても、攻撃できるのは召喚酔いしていない<ラック・ルーダンテ>だけになるはず。
ブロック役が4体もいるこの状況でいったいどうやって……?
(I)「さてユウキちゃん、先程まで逆転こそがカードゲームだと教えましたがこういう格言もあるのですよ。
──逆転を封じることもカードゲームだと。今からその理不尽を押し付けましょう」
逆転を封じる……!?
(I)「色彩はセットせず、私は1コストの<幸せの光玉 ラクル>を召喚」
店員さんの場に現れたのは、彼がこのファイト中で何度も呼び出した弱いクリーチャー。あれじゃとてもじゃないけど逆転するなんて力は……。
(I)「そして……【共応】により1コスト下がったので7コストでプレイ。<時の革醒 ルーダンテ>をラクルの上に重ねて【新生】召喚!」
<時の革醒 ルーダンテ> (白)(白)(白)(5)
革醒軍・天使・ドラゴンのコマンド・新生・
10/10
【新生】……白のクリーチャー
【共応】……白のコマンド
【飛行】
【革悟5】……相手はクリーチャーを召喚することができない。
このカードが場に出た時、相手のクリーチャー全てをステイ状態にし、次の相手のレディフェイズにてレディ状態にならない
店員さんの宣言と同時に、先程召喚されたラクルがすぐさま光り輝き、姿を著しく変貌させていく。
そして現れたのは多少の意匠が違えど<ラック・ルーダンテ>に似た天馬型の龍のクリーチャーが場に出てきた。
「同じクリーチャー!?」
(I)「似てますが違いますよ。<時の革醒 ルーダンテ>は場に出た時の効果で相手のクリーチャーを全てステイ状態にし、次の相手のレディフェイズでレディ状態にするのを封じます」
「えっ!?」
場に出たルーダンテが咆哮を唸らせ、その咆哮で鎖で縛られたブレイバー達が強制的に跪かされる。
これじゃブロックが出来な……いや、手札の追風を召喚すればまだ……!
(I)「さらに私のライフが5以下ですので、<時の革醒 ルーダンテ>の【革悟5】が機能します」
店員さんがぱっと右手を開いて5本の指を強調しながら発言すると同時に、手札にある追風のイラスト部分が急に現れた光り輝く茨の蔓で縛られていく。
「っ!? 手札の追風が……!」
(I)「<時の革醒 ルーダンテ>の【革悟5】により、ルーダンテが場にいる限りユウキちゃんはクリーチャーの召喚が出来なくなります」
召喚を封じる!? そんな効果ありなの!?
1体のクリーチャーでこちらのクリーチャーを完全に封じられた……!
でもまだ魔法が──、
(I)「──おやおやおや、まだ魔法が使える……そう思っていませんか? 」
「うっ!?」
なんか心読まれてる!?
(I)「読むも何も、そんなわかりやすい顔をしているユウキちゃんは可愛いですね。手札から通常魔法<クロノ・ストップ>を発動します」
店員さんの魔法発動と同時に<ラック・ルーダンテ>から光り輝く鎖が射出される。
鎖は私の手札とライフデッキに向かい、私の魔法カードのイラストとライフデッキが鎖で縛られていった。*2
(I)「<クロノ・ストップ>は次の相手のアップキープフェイズまで、相手の魔法と呪言の発動を封じます」
(I)「そして自身の場に天使・ドラゴンのコマンドのカードがいればコスト0で発動でき、相手はこの魔法に対し魔法での連動は出来ません」
淡々と語られる内容に耳を疑った。
クリーチャーに続いて魔法、そして呪言までもが封じられれば、殆どのデッキは何も出来なくなったのと当然だ。
たった3枚のカードをプレイしただけで、こっちの対抗手段を全て封じ込められてしまった。
(I)「一応秘宝や魔石での対処は可能ですが、おそらくブレイバーにはそのような対処手段は無いでしょう。
そんな……あとちょっとだったのに。
勇者王の攻撃が決まれば勝てたのに……!
(I)「何も無ければメイン1を終わらせバトルフェイズに入ります。──<時の革醒 ルーダンテ>でユウキちゃんにダイレクトアタック! 」
「え!? そのクリーチャーってこのターン召喚したから攻撃は出来ないんじゃ……!?」
(I)「新生クリーチャーはデフォルトで【速攻】と同じ効果を持ちます。よってこのターンから<時の革醒 ルーダンテ>は召喚酔いせず攻撃が可能です」
【速攻】以外で召喚酔いしないクリーチャーなんているの!?
そんな驚きを最後に抱きながら、私は天馬の龍から放たれるブレスの光に浴びて飲み込まれていった。
(I)「グットゲーム。この敗北の糧が、あなたのファイトの黎明になることを祈りましょう」
「し、勝者! 孝州布君!!」
あとちょっとだった。
本当に、あとちょっとだった。
「──負けたぁぁー!! くやしい~!!」
おもわずそう叫ばずにいられなかった。
めちゃくちゃ悔しかった。
(I)「お疲れ様ですユウキちゃん。ナイスファイトでしたよ」ハクシュパチパチ
対戦相手だった店員さんが拍手しながら悠々と、こちらに声を掛けて歩み寄って来る。
「むぅ~、けど店員さんに勝てなかった……。あとちょっとで勝てそうだったのに……」
「孝州布君、ちょっと大人気がなさ過ぎじゃない? クリーチャーと魔法封じとか鬼だよ?」
(I)「何言ってますか店長、これでも結構ギリギリでしたよ。さっきの<藁の手>でピン差しの<ラック・ルーダンテ>を引いてなかったらそのまま勇者王のダイレクトアタックが決まってましたし」
「え、そうなの!?」
じゃあ本当に惜しかったってことじゃん!
尚更あとちょっとだった事実に少し凹んでしまう。
(I)「それはそれとして、私も先達としてそう簡単に勝ちを譲りませんよ。デッキはわざと弱く調整しているとはいえ、相手が本気で戦ってくれてる以上、こちらも抜かねば無作法というものです」
無作法かどうかはともかく、確かに店員さんは私よりもLifeを長くやっている。
本当にあのデッキが弱かったのかは甚だ疑問だけど、あの場面でどうカードのプレイをすればいいのかは経験でわかっているのだろう。
(I)「寧ろここまで諦めずに
「では軽く感想戦をいたしましょう」っと、そう言う店員さんは今回のファイトについておさらいし始めた。
店員さんが言う私のファイトでの悪い点は2つ。
1つ目は、2ターン目に火閃と鋼士で3点ダメージ与えたことで相手の色彩を増やし、こちらの動きを速めてしまったこと。
もし殴らなければあの時の店員さんはア・ウクラしかプレイできなかった為、余計な攻めではあったという。
一応店員さんも同じように2ターン目に殴っていたが、こちらは【革変】を成立させるためだったので意味合いが違うとのこと。
攻撃時に効果が発動するクリーチャーで攻撃したりと、ちょっとだけ攻撃する際のリスクとリターンを意識するのが改善のコツと述べてくれた。
(I)「……正直1つ目はそうたいした問題ではありません。むしろ2つ目が今回のファイトでの致命的な部分でしょう」
2つ目の悪い点は、勇者王を出して攻撃したターン。
店員さんとしては結果論も含むとは言え、あのターンは一撃でとどめを刺すために一旦攻撃は待つべきだったとのこと。
仮に攻撃を待って相手にターンを渡しても、葬射の効果でブレイバーには【到達】が付与されているので相手の【飛行】持ちクリーチャーの攻撃を攻撃を止めることが出来てた。
相手のターンで勇者王が除去してくることを考慮しても、破壊とかであれば勇者王の効果で<手を取り合う勇気>での蘇生、
少なくても、余程のピンポイントに有効なカードでもない限り崩されることが無かった盤面だったので、勝負を焦りすぎたと言える。
実際
……店員さんの言う「鉄壁に入れたら逆転フラグ」ってのはちょっとよく分かんなかったけど。
ただ店員さんの曰く、普通は<手を取り合う勇気>での二段構えの攻撃は上手であり、そう防げるものではないので一概にプレイが悪かったとも言えないとのこと。
しかし、あの攻撃で店員さんが逆転できる結果になってしまったのは事実だ。
(I)「……とはいえ、もし私があなたの立場であれば似たような動きをしていたと思いますので、そう気を落としすぎるものではありませんよ?」
ブレイバー含むビートダウンのデッキはどこかしらで殴る必要がありますし、それを押し通す為の攻めのタイミングは実際にファイトしていかないと身につかないものですから、と話を締めていた。
「……じゃあ、店員さんがこうも強いのはそんな風にプレイングを深く考えられるからなんだ」
(I)「そう褒めていただけると嬉しいものですね。ですが、ことプレイングに関しては私の親友の方が上なので私もまだまだなのがなんとも……。実際、あの最後は運で勝ったようなものですからね」
「え、何その人……?」
店員さんが身を持って強いと思い知らされたのに、プレイングならこの店員さんよりも強いって、一体誰なの……?
(I)「おやおや、そう驚いていますが既にあなたは会っているはずですよ。ほら、ここにはもう一人のバイトがいるでしょう?」
「……あっ! あの人!?」
そう私の頭で思い浮かぶのは初めてこの店に来た時に応対してくれた高校生くらいの黒髪の男性の店員さん。
でも目の前の店員さんとは違ってなんか特徴という特徴がなくて地味な感じだった気がするけど。
(I)「彼は私にLifeを教えてくれた師匠みたいなものです。ビ〇ス&ウ〇スみたいな関係です」
「ごめん、ビル〇&ウイ〇が誰なのかわかんないんだけど」
「あのー、話を弾ませてるところ悪いけど孝州布君、そろそろ大会の閉幕しないと……」
(I)「おやおや、ちょっとした感想戦のつもりが時間がだいぶ経ってしまったようですね。
──それでは皆さん、お待たせしましたが大健闘した彼女に盛大な拍手をお願いいたします!」
──パチパチパチッ!
「よく頑張ったぞー! ユウキ!!」
「ドンマイですお姉さまー!」
「凄かったぞー! お嬢ちゃーん!!」
「ナイスファイトー!!」
「てか店員さん鬼つえぇ!? なんだよあのデッキ!?」
「あれでわざと弱くしてるってマジ? 全然強すぎるんですがそれは……」
店内で多くの拍手が鳴り響き観客から健闘を讃えられる。
その後に店員さんが包装した何かを持ってこちらに来ていた。
(I)「お待たせしましたユウキちゃん、こちらがエクストラマッチに参加した景品です。どうぞお受け取りください」
「あ、ありがとうございます!」
店員さんから包装された分厚いカードの束を渡される。
少なくてもデッキの半分くらいの厚さはありそうだ。
(I)「あなたがブレイバーデッキなのを親友から聞いたので、それに合うカードや汎用性──扱いやすいカードを取り揃えています」
(I)「──それと、これは私からの選別です」
そう言って店員さんが1枚のカードを私に差し出す。
<革悟の熱鉄拳> (赤)(2)
通常魔法
【革悟5・護】
山札の上から4枚を表向きにし、その中から赤のクリーチャーを一体選ぶ。そのクリーチャーのパワー・タフネス・コストの内一番高い値のダメージを相手クリーチャーに与える。
この魔法を唱えた後、墓地に置くかわりに山札に加えてシャッフルする。
(I)「ラッキーカードです。これがあなたの所に行きたがってるのでお渡ししましょう」
「これって……店員さんが使ってた【革悟5・護】がついてる!? もらってもいいの!?」
(I)「もちろんですよ。もっとも、使いこなせるかはあなた次第ですがね」
「……なら、上手くカードを使いこなせるようになって、そして今度は店員さんに勝ってみせます!!」
今回のファイト、負けちゃった今までのファイトには無い面白さがあって、とても楽しかった。
けど、このまま負けっぱなしなのは悔しいし嫌だ。今度は勝つんだ!
(I)「その意気ですよ。バイト中いつでもとは言いませんが、手が空いていれば腕試しの相手くらいは受けて立ちますのでぜひかかって来てください」
(I)「……そして強くなったその時に、このファイトのリベンジも受けて立ちましょう」
「──はい!」
こうしてエクストラマッチ含めた小・中学生限定の大会は無事閉幕となった。
このファイトを見て触発されたのか、一部の人達が店員さんとファイトしたいという声がちらほら出てきたけど、当の本人は今日この後に用事があるのでバイトから上がるとのことで断られていた。
私はミカド君たちと一緒に、さっきの一戦で貰った参加賞の景品を開封してカードを確認していた。
景品の中身はコモンやアンコモンばかりだったけど、どれも私が持ってないものばっかりだった。それに良く効果を見ればブレイバーと相性のいいカードが多く入っていた。
さらにほんの数枚だけレアカード、それもブレイバーのカードが入っていたので私としては嬉しかった。
この日の残りは貰ったカードからデッキからカードを入れ替え、使いこなせるよう実戦で試すためにミカド君たちとテーブルでファイトしまくった日だった。
──そして翌日。
学校帰りにMeeKingに立ち寄って入ると、
「いらっしゃいませー。っておやユウキちゃんか。今日もファイトかい?」
「……いや、誰!?」
店に入ったら本当に見知らぬ人に声かけられて思わず防犯ブザーを引きそうになった。
その後、店でバンダナ巻いてエプロンを付けて作業している男子高校生くらいの男の人が、昨日戦った仮面の人だということに、私は驚愕していた。
すごい普通そうな人に見えるし、あとあの時とは口調が全然違くないっ!?
奇跡は待つものじゃない、起こしていくものだ!
──<ラック・ルーダンテ>
・今回のキーワード能力
【革悟x】、【革悟5・護】_自身のライフがx以下の数値の時に適応、発動が可能な効果。【革悟5・護】の場合はライフ5以下で攻撃または効果ダメージという狭い条件も加わるが、発動時に相手は連動出来ない効果を備えている。
ライフを減らすリスクがある故にその効果は強力な物ばかり。
元ネタはデュエマの【革命】【革命0トリガー】。元ネタはシールドが0でも問題ないが、Lifeではライフ0だと駄犬とかいなければそのまま終わるのでちょっと調整されている。
おま〇け1:精霊賭博黙示録
≪ニヒヒ、今回の勝者はI字マスクだったよぉ。結果はどうだったかなぁ?≫
≪おっしゃぁあああ!! 勝ったぁぁぁぁ!!!≫
≪(0W0)ウソダドンドコドーンッ!!≫
≪アリエンナァ!≫
≪ごすじんかった、わーい≫
≪俺のちっPaいprprがぁあああ!!?≫
≪ど゛う゛し゛て゛だ゛よ゛ぉ゛ぉ゛! ゛! ゛≫
≪お゛の゛れ゛ルーダンテ! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!≫
≪ノーカン! ノーカン! (【革悟5・護】なんて)通るか……! そんなもん!≫
≪(手札にある)それは~まぎれもなく、
≪コブラじゃねーか!≫
≪アハハ、大きい……彗星かな? イヤ、違う、違うな。彗星はもっとパーって動くもんな≫
≪フフフ……セッk≪やめないか!≫ボゴォ!≫
≪賭けに負けて嘆いてる奴が多くて草生えるww。あ、ワイはご主人に賭けたんで高みの見物≫
≪嘘よ……夢でしょこれ……夢に決まってるわ……≫
≪ところがどっこい、夢じゃないんだよねぇ、ニヒヒ!≫
≪これが現実なんだなって、はっきりわかんだね≫
≪あーまな板天使は残念やったなぁ。ドンマイやで≫
礼也曰く、一部の精霊はざわざわ……と精神崩壊起こしてたらしい。(数日で治った)
おま〇け2:バイトに遅れてやってきた茂札
「店長、ただいま入りま──ブフォッ!?」
(I)「おやおや、この声は我が親愛なる心友のフッツーではありませんか。どうしましたか、そんなに唾を噴き出してばっちぃですよ?」
「10割お前のおかげでこうなってんだよ……ww。ってかなんだそのマスク、完成度高いなオイ」
(I)「そう褒めていただけると嬉しいものですね。お礼にとっておきを見せましょう……
「ちょおま、それは卑怯だろ……ww!!!」
デカケツデカパイ店長曰く、あんなに笑ってる茂札君は初めて見たとのこと。