鬼切与力つなもり事件帖   作:mimick

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第三十七話

 

 源一郎が火付盗賊改方の役宅に戻ったのは、八つ時の鐘が鳴り終わる頃──午後二時ほどだった。

 

 寺社奉行方の役宅となっている上屋敷から、数寄屋橋御門内の南町奉行所へ。江戸城を挟んで北と東に位置する二つの役所を回り、堀田と木村の両名から御用改めへの参加を取り付けた。手段は脅しによる圧迫という力業であり、到底褒められたものではなかったが、結果を出すことはできた。

 

 麻布の火付盗賊改方役宅に入ると、詰所には既に同心たちが集まっていた。御用改めに向けた準備が着々と進んでいるのだろう。刀の手入れをする者、縄を束ねる者、捕物の段取りを確認し合う者──詰所全体に、戦を前にしたような緊張感が漂っている。

 

 源一郎の姿を見ると、年配の同心が声をかけてきた。

 

「やっとお戻りですか、渡辺様。御頭がお待ちです」

「む、待たせてしまったようだ……分かった、すぐに行く」

 

 源一郎は頷き、平蔵のいる書院へと向かった。

 

 廊下を歩きながら、源一郎は今日一日のことを振り返った。尾行を終え役宅に戻ると、朝から神猿の使いによる報告を受けた。その後に千鶴の訪問対応をし、寺社奉行方と南町奉行所への根回しをした。多忙過ぎて目が回りそうだ──息つく暇もない一日だったが、ようやく御用改めの準備が整いつつある。

 

 書院の前で足を止め、障子戸の奥に声を掛けた。

 

「渡辺です」

「入れ」

 

 障子戸を開ける。平蔵は書院の中央に座していた。文机の上には浅草周辺の地図が広げられ、山谷堀の辺りに墨で幾つもの印がつけられている。破れ寺の位置だけでなく、周辺の道や堀、橋の位置まで細かく書き込まれていた。

 

「戻ったか」

 

 平蔵は顔を上げた。その目は相変わらず鋭いが、どこか面白い話を期待するような色も浮かんでいる。

 

「首尾はどうだった」

「はっ。寺社奉行方の吟味物調役・堀田、南町奉行所与力・木村。両名とも、今宵の御用改めに参加することを承諾いたしました」

「ほう」

 

 平蔵の眉が上がった。口元には薄い笑みが浮かぶ。

 

「あの連中が素直に首を縦に振るとは思えんが」

「少々、強引に参りました。多少手荒な真似をいたしましたが、御用改めの意義をご理解いただけたかと」

「強引に、か」

 

 平蔵はクツクツと笑った。その笑い声には、呆れと愉快さが混ざっている。

 

「まあよい。どうせ碌でもないことをしたのだろう。だが、結果が出たならそれでいい」

 

 平蔵は源一郎にどうやって落としたのか聞くことをしなかった。おそらく聞かずとも大方の想像はついているのだろう。元より火盗改方は武官の集まりだ。交渉方法など大体予想がつく──もっとも、源一郎の場合は規格外が過ぎたのだが。

 

 平蔵は地図に目を落とした。墨で書き込まれた印を指で辿りながら、言葉を続ける。

 

「こちらも根回しは既に済んでおる。若年寄には俺から報告を入れ、その場で了承を得ている」

「若年寄に」

 

 若年寄──火付盗賊改方を管轄する上役であり、将軍直属の軍事組織や警備組織を監督する役職。老中が幕府の政策決定と実行の全てを取り仕切るのに対し、若年寄は将軍家の警備、直参の幕臣統制、家政という、将軍直属の軍事的な基盤を掌握している。

 

 その名を耳にして源一郎は居住まいを正した。

 

 今回の御用改めは大規模なものになる。火盗改の精鋭を揃え、他の役所の者まで動員する。こうした大掛かりな捕物においては、若年寄への事前報告と許可が必須であった。

 

「ああ。今回の件、幕府からの祭礼費に将軍家の寄進、諸大名からの喜捨──盗まれた金の出所が出所だ。火盗改だけの独断で動くわけにはいかん」

 

 平蔵は腕を組んだ。

 

「若年寄の反応は悪くなかった。『寺社奉行方の不手際は承知している。火盗改が始末をつけよ』とのお達しだ。御老中にも話は通っておる」

「では──」

「ああ。お墨付きは得た。存分にやれ」

「はっ!」

 

 源一郎は安堵の息を吐いた。上役の後ろ盾があれば、今回の御用改めも正当性を持つ。後になって「何故事前に報告しなかった」と詰問されることもない。

 

「ただし──」

 

 平蔵の声が、僅かに低くなった。

 

「失敗は許されんぞ。奉納金を取り戻し、下手人を残らず捕らえよ。将軍家、幕府、諸大名の面目に関わる一件だ。丁寧に尻拭いをしてやれ」

「ハハ、無論承知しております」

 

 源一郎が平蔵の軽口に付き合って笑いながら頭を下げると、平蔵は頷いて地図を指さした。表情が引き締まる。ここからは本題だ。

 

「さて、段取りを確認するぞ。賊の根城は浅草、山谷堀の破れ寺──間違いないな」

「はい。豊川稲荷の白狐の配下が引き続き見張りを続けております。賊は未だ破れ寺に留まっており、奉納金もそこにあるものと」

「うむ。こちらでも現地の確認を行い、その報せがきている」

 

 平蔵は地図の上に置かれた書付を手に取った。同心、岡っ引きたちが集めた報告をまとめたものだろう。

 

「お前が追っていた盗賊の実行犯は十名ほど。だが、破れ寺に出入りしている人数は、それよりも遥かに多い」

「……と、申しますと」

「四十名ほどだ」

 

 源一郎は眉根を寄せた。四十名。盗賊の実行犯が十名だとすれば、残りの三十名は何者なのか。

 

「身なりからして、その多くは男女の無宿人のようだ、との報せが入っておる」

 

 平蔵は書付を文机の上に置いた。無宿人──戸籍がないままに江戸の町に住み着いている者たちのことだ。

 

「破れ寺を寝床にしている者どもだろうが、実際の盗賊団との繋がりは尋問してみないことにはわからん。ただ、無宿人たちが騒げば御用改めの際に混乱が生じるやもしれん」

「それは……厄介なことです」

「ああ。無宿人どもが盗賊に加担しているのか、それとも単なる寝床なのか……現地での見極めが必要になるだろう」

 

 平蔵はそう言って思案するように顎を撫でた。無宿人たちが大人しく反抗する気がなければ問題ないが、盗賊に加担して襲い掛かってくるのであれば火盗改としても手荒な手法を取るしかなくなる。

 

 その実──江戸の町で起こる盗賊やら火付け、夜鷹といった存在は、その素性が生活に困窮した無宿人であることも多い。四十人規模の盗賊団が存在しない訳ではないが、江戸の外れとは言え、町に規模の大きな盗賊団が潜んでいるというのは、あまり考えたくないことだった。

 

「──いずれにせよ、四十名を相手にするとなれば、こちらもそれなりの数が要る。火盗改の精鋭を揃えておいたが、油断はできん」

「承知いたしました」

「お前の方で盗賊どもについて、何か他に掴んでいるか」

 

 平蔵は源一郎を真っ直ぐに見た。その目には、部下を試すような光が宿っている。

 

「いえ……ただ既出ではありますが、手口を見る限り素人ではないのは確かかと。蔵破りの手際、社人の殺し方、逃走経路の選び方……少数ですが、いずれも手慣れた者の仕業でした。どこぞで場数を踏んだ者が足並みを揃えているとも考えられます」

「ただの寄せ集めではないということだな」

 

 平蔵は難しげに眉を顰めた。

 

「はい。ただ、やはり詳細については根城の破れ寺を押さえ、尋問する他ないかと。──それとですが、今朝方、日枝神社の宮司の娘が役宅に訪ねてきて話をしました」

「ほう──?」

 

 源一郎は周囲を確認してから話をした。元神職、兼嗣がどうして神社を追われることになったのか。噂で聞く人物ではなく、普段から接していた者としてどのような人物と感じたか。兼嗣と宮司、千鶴らとの人間関係。神社内における兼嗣の役割。素行不良と噂される所以。女遊びの実態。そして──寺社奉行方すら把握していなかった事情。

 

 平蔵は源一郎の話を静かに聞き──深息した。

 

「……なるほどな。それは表沙汰にはし難い話だ。それならば宮司を逆恨みしていた可能性は考えられるが……神に仕える神官とはいえ本性は人と変わらず、か。世の中とは儘ならないものだ」

「はい……本当に」

 

 平蔵の表情が苦悩で翳る。それから、平蔵が表情を改めて言った。

 

「──段取りは以上だ。申の刻に出立し、戌の刻には観音堂前に集合する。寺社奉行方と南町奉行所の者も来るのだな」

「はい。堀田殿と木村殿、それぞれ配下を連れて参ると思われます」

「ふむ……まあ、結局は修羅場の経験のない文官連中だ。頭数だけあっても現場ではあまり当てにはできんがな」

 

 平蔵は苦笑した。

 

「今回は重大な局面だ。全体の指揮は俺が執る。与力はお前と佐久間。同心は権助以下、腕の立つ者を十名ほど連れて行く。岡っ引きたちにも報せを出しておいたが夕刻には集まるだろう」

「承知いたしました」

「準備を整えておけ。火盗改の総力を挙げて臨むぞ」

「はっ!」

 

 源一郎は一礼し、書院を出た。

 

 廊下を歩きながら、源一郎は胸の内で今宵の御用改めについて思いを巡らせた。

 

 盗賊の実行犯は十名。だが、破れ寺には四十名もの人間が出入りしている。無宿人たちが盗賊と関わりがあるのかどうか、現時点では分からない。だが……いずれにせよ混乱は避けられまい。

 

 それに──ただの寄せ集めではない、という平蔵の言葉が源一郎の心にずっと引っかかっている。

 

 あの手際の良さ。五人もの社人を殺す冷酷さ。散り散りに逃げる計画性。ただの盗賊ではない。何か、裏があるような気がしてならなかった。

 

 ──今宵、全てが明らかになる筈だ。

 

 源一郎はそう思いながら、与力部屋へと足を向けた。

 

 §

 

 申の刻──午後四時頃。

 

 役宅の庭には、火盗改の精鋭たちが集まっていた。

 

 旧暦の六月中旬。西の空にはまだ太陽が残り、庭には長い影が伸びている。夕刻とはいえ、空は明るい。茜色に染まり始めた雲が、戦を前にした男たちの頭上に広がっていた。

 

 与力の佐久間、同心の権助をはじめとする腕利きの面々。皆、幾度もの捕物を経験してきた者たちだ。顔つきには緊張感が漂っているが、浮足立った様子はない。それぞれが自分の役割を理解し、静かに出立の準備を進めている。

 

 刀の鯉口を確認する者。十手を腰に差す者。捕縄を束ねて肩にかける者。誰もが無言で、だが確かな動作で己の武器を整えていた。

 

「渡辺様」

 

 権助が近づいてきた。顔に刀傷のある、いかつい風貌の同心だ。火盗改の同心の中でも古参であり、源一郎の父、藤治郎の元部下──場数を踏んだ頼れる男だった。

 

「準備は整っております。同心十名、いつでも出られます」

「ご苦労。皆に御用改めについて詳細を伝えてあるか」

「はい。山谷堀の破れ寺、盗賊は十名ほど、だが無宿人を含めると三十名近くが寝泊まりしている可能性がある、と」

「よし。くれぐれも油断のないように伝えておいてくれ」

「承知しております」

 

 権助は頷いて、同心たちの元へ戻っていった。

 

「熊造はいるか」

 

 源一郎が周囲を見回すと、背後から声がした。

 

「へい、ここに」

 

 振り返ると、熊造が立っていた。親しみやすい親父のような顔だが、目には鋭い光が宿っている。普段の飄々とした雰囲気は鳴りを潜め、戦を前にした男の顔になっていた。

 

「お声がかかったんで、急いで飛んできやした」

「助かる。今宵は荒事になる。頼むぞ」

「あっしに任せてくだせえ」

 

 熊造はニッと笑った。

 

 源一郎は集まった面々を見回した。火盗改の精鋭たち。荒事に慣れた者ばかりだ。彼らとなら、どんな修羅場でも乗り越えられる──そう思わせる頼もしさがあった。

 

「若旦那」

 

 熊造が小声で話しかけてきた。

 

「どうした」

「いえ、なんでもありやせん。ただ──」

 

 熊造は目を細めて源一郎の顔をじっと見た。その目には親子二代に渡って支える者、ならではの観察眼がある。

 

「若旦那が、今日はいつもより気合が入ってるように見えやして」

「……そうか」

「へえ。なんか、目が据わってるっていうんですかい。こえぇ、こえぇ、獲物を狙う獣みてえな目をしてまさぁ」

 

 その取りようによっては失礼極まりない言葉に源一郎は堪えきれずに笑った。

 

「色々あったからな」

「そうでしたか。最近はちっとも呼んでくれねぇんで、まだかまだかと待ってたんですがねぇ」

「それは済まなかったな」

 

 文句を言いたげな様子の熊造は、しかし、それ以上は聞かなかった。余計なことを詮索しないのが、この男の良いところだ。ただ、にやりと笑って言った。

 

「まあ、若旦那がそういう目をしてるってことは、本気の本気ってことなんでしょう」

「さてな──」

 

 源一郎は西の空を見上げた。太陽が徐々に傾き、空が茜から朱へと色を深めつつある。浅草までは一刻ほどの道のり。戌の刻に間に合わせるには、そろそろ出立の刻限だ。

 

 ──待ちに待った、狩りの時だ。

 

 奉納金を取り戻し、社人を殺した下手人を捕らえる。それが源一郎に与えられた使命。そして──千鶴との約束でもある。

 

 あの娘は、父を救うために恥を忍んで火盗改に頭を下げに来た。身を差し出すとまで言った。その覚悟に源一郎は応えなければならない。

 

 §

 

 戌の刻──午後七時頃。

 

 夕暮れの浅草。西の空には茜色の名残が薄く残り、東の空からは宵闇が忍び寄っていた。観音堂の大きな屋根が、夕空を背景に黒々と聳えている。

 

 この刻限、観音堂の前にはまだ人の姿があった。

 

 夕涼みがてら参拝に訪れた町人たち。仲見世の店じまいを手伝う奉公人。茶屋の軒先で団扇を使いながら涼む老人。境内の石畳を歩く僧侶の姿も見える。昼間ほどの賑わいはないが、夏の夕暮れ時、観音様の御前はまだ人の気配に満ちていた。

 

 ──しかし、その空気が一変した。

 

 異様な集団が、観音堂前に現れたのだ。

 

 黒や濃紺の装束に身を包んだ男たち。腰には刀、手には十手や捕縄。提灯の灯りに照らされた顔は、いずれも厳しく引き締まっている。その数、二十名余り。明らかに只事ではない。

 

「なんだ、ありゃあ……」

「火盗改じゃねえか……?」

「おい、何かあったのか」

 

 ざわめきが広がった。夕涼みの町人たちが足を止め、不安げに顔を見合わせる。茶屋の店主が慌てて暖簾を下ろし、子供を連れた母親が足早に立ち去っていく。

 

 火付盗賊改方──その名は江戸の町人なら誰でも知っている。凶悪な盗賊や火付けを取り締まる、幕府直属の捕物役人。彼らが大挙して現れるということは、何か大きな事件が起きたか、これから起きるということだ。

 

「御用改めか……」

「こりゃあ、近づかねえ方がいいな」

 

 人々は距離を取り、しかし好奇心から完全には立ち去らず、遠巻きに様子を窺っていた。

 

 そこへ、もう二つの集団が合流した。

 

 一つは寺社奉行方。吟味物調役の堀田と、小者らしき者が二名。堀田の顔は提灯の明かりに照らされても青白く、明らかに緊張している。昼間の一件が尾を引いているのだろう。配下の者たちも不安そうに落ち着きがなく、しきりに周囲を見回していた。

 

 もう一つは南町奉行所。与力の木村と、配下の同心が二名。木村もまた顔色が優れない。こちらも昼間の一件を引きずっているようだ。時折、源一郎の方をちらちらと窺っては、すぐに目を逸らしていた。

 

「火盗改に町奉行所まで……?」

「何があったんでえ」

「でけえヤマだな、こりゃあ……」

 

 町人たちのざわめきが大きくなる。複数の役所が合同で動くなど、余程の大事件に違いない。噂好きの者たちが、早くも何事かと囁き合っている。

 

 平蔵は周囲の視線など意に介さぬ様子で、低い声を発した。

 

「揃ったな」

 

 その声は大きくないが、よく通る。夕暮れの喧噪の中でも、全員の耳にはっきりと届いた。

 

 平蔵の目が、堀田と木村を順に見る。二人は平蔵の視線を受けて背筋を伸ばした。火盗改の頭──「鬼平」と呼ばれる男の威圧感に、二人は明らかに萎縮していた。

 

「今宵の御用改め、火盗改が指揮を執る。異存はないな」

「……一切ございません。よろしくお願い致します」

 

 堀田が掠れた声で答えた。喉が渇いているのか、声がかすれている。木村も無言で頷いた。

 

「よし。渡辺、案内しろ」

「はっ」

 

 平蔵が源一郎を見やる。源一郎は頷き、一同の先頭に立った。

 

「山谷堀の破れ寺まで四半刻ほどの道のりです。足音を立てぬよう、静かに参りましょう」

 

 一同は頷き、源一郎の後に続いた。観音堂を背に、北へ。田畑を超え、山谷堀の奥地へ向かって。

 

 町人たちは道を開け、異様な黒い影の列を見送った。提灯の灯りが揺れながら遠ざかっていく。やがて、その姿は夕闇の中に溶けていった。

 

「おっかねえな……」

「何があるんだか……」

 

 残された町人たちは、暫くの間、黒い影が消えた方角を見つめていた。

 

 §

 

 左手には田畑が広がり、右手には町屋の灯りがぽつぽつと見える。道は次第に細くなり、人家も疎らになっていく。空は茜から紫へ、そして藍色へと移り変わり、最初の星が瞬き始めていた。

 

 やがて、堀沿いの寂しい道に出た。水の匂いが鼻をつく。蛙の声が、どこからともなく聞こえてくる。

 

 源一郎は前を見据えながら、心の中で呟いた。

 

 ──待っていろ。もうすぐ、お前らの元に辿り着く。

 

 番人を殺した賊ども。奉納金を盗んだ下手人。その全てを捕らえ、裁きの場に引きずり出す。それが、火付盗賊改方の務めだ。

 

 そして──源一郎自身の、償いでもあった。

 

 見逃した罪。救えなかった命。その重さ、下手人どもに思い知らせてやろう。

 

 源一郎は目を爛々とさせて、一団を先導してゆくのだった──。

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