魔法学園アイドルマスター 作:MS 学P
第二話 「花海咲季、汚名挽回!天川駅の怪!」
○寮 明け方 花海姉妹の部屋
ウメ、ベッドで抱き枕をおにぎり鼠の抱き枕を抱きしめながら眠っている
ウメ「むにゃむにゃ、もう食べられないよ~。お姉ちゃん・・・・・・」
一方、咲季のベッドは空っぽ。
玄関にはトランクケースが開けっぱなしになって置かれている。トランクケースの中には
梯子がついており、なんと中には別の空間が広がっていた。
その内装は薬屋を思わせる。(千と千尋の蜘蛛爺の部屋みたいな感じ。)
壁には大量のポーションやマジックアイテムがラベル付きで収められている。
部屋の奥には魔法炉が稼働している。
脚立はなく、壁には箒が置かれていて、自分で浮遊して取り出すのが前提の設計。
床には大量の本が積み重なっている。下書きと思われる設計図がクリップで留められている。
板間に身の丈の半分位のサイズの盾を置いて、その上に乗る咲季。頭には鉢巻きをつけ、手には鏝を握りしめて、盾に模様を刻んでいる。
咲季「くぅ~!ついに出来たわ!構想からおよそ1週間!我ながら会心の出来!」
咲季、近くに置いてあるSSDを飲む。
咲季「あとは、実戦で試すのみね。誰に喰らわせてやりましょうか!楽しみだわ!」
咲季、あーはっはっは!と高笑いを上げる。
卓上に置いてあるカレンダーには1週間程度囲まれている箇所がある。
花海咲季、病欠と書かれている。翌日に初登校の花のマークが書いている。
○天川駅行き沿線 線路内
リットン調査団よろしく、スーツ姿に帽子をつけた生徒達。
ウメ「うぬぬぬぬ・・・・・・はっ!」
星南「何か感じた?」
ウメ「揺れています。何か近づいてきます!」
星南「電車かしら」
ウメ「むっ、星南会長、鋭い指摘ですね!」
星南「ふふっ。ウメの感知能力には成長の余地が期待できそうね」
ウメ「善処します!」
莉波「会長」
星南「そちらの反応の方は?」
莉波「時空間に対して一定の歪みの痕跡があります」
星南「先日の怪人のものとは別物かしら?」
莉波「それはなんともいえません」
星南「この天川には侵入してくる敵性の怪人や魔物を感知する結界を幾重にも張り巡らされている。しかし、あの怪人はそれに引っかからなかった。」
莉波「結界の監視をくぐり抜ける新型の怪人ですかね」
星南「場合によっては結界の性質を変えないといけないかも。」
莉波「全部を変える必要があると思うと、ぞっとしますね」
星南「あの転移術があの怪人だけの固有能力であることを祈るわ」
星南、線路のレールに耳をつけるウメを見る。星南「ウメ、そろそろ顔をあげてちょうだい」
ウメ「はい!トロッコじゃなくて電車だったんで大丈夫だと思います!」
ウメ、顔を上げて埃をパンパンと払う。
星南「顔を吹いてあげるわ」
星南、高そうなハンカチを取り出す。
ウメ「(焦る)あ、大丈夫です!自分のタオル使うので・・・・・・」
莉波「会長。一つ申し上げたいことが」
星南「何?莉波」
莉波「電車のことですが。先日の「誘拐事件」があってから動いてないです。駅は工事中です」
星南「(!!)そうだったわね。忘れていたわ。ウメ、どういう音だった?」
ウメ、タオルで顔を拭きつつ答える。
ウメ「普通の電車よりも少し軽い気がしました。向こうの方から車輪の付いたものが響いてきます」
星南「向こうは、天川トンネル」
星南、線路の奥の方を見る。そこにはトンネルがあり、奥は闇に溶けている。
○天川駅・封鎖中 夕
作業服・ヘルメット姿のことね
戦闘後でボコボコになった駅構内を眺める。
ことね「ひょぇええ・・・・・・やっぱすげぇな会長は。」
作業長「おーい初星の魔女っ子ちゃん!こっちだぞ!」
ことね「はぁーい!」
若手作業員「あれが、魔法少女。あんなにちっこい子が役に立つんすか?」
作業員A「俺も映像でしか見たことがないからな・・・・・・。魔法ってのが実在するのか?」
ことね「(ふぅん。天川の人でも魔法をみたことないヤツいるんだ)」
ことね、足下の資材につまずく。
ことね「おっと」
作業員長「お嬢ちゃん、ぼやっとしてんな。
足下気をつけなよ」
ことね「はぁい・・・・・・。
(ちぇっ、いきなりミソがついちまったぜ)」
作業員長「じゃあ、とりあえず今目の前に転がっている電車を動かしてもらおうか」
ことね「おー、でかいっすね~」
作業員長「・・・・・・できるかい?」
ことね「まぁ、ちょっと手間ですけど。
作業員長「おお!それはよかった!」
ことね「・・・・・・一応、聞いとくんですけど、報酬のほうは弾んでくれるんですよね?」
作業員長「ああ。それは依頼書に書いてあるとおりだが、問題でも?」
ことね「いえ、学校で依頼を受けるのは初めてなんで、聞いておきたかったんです。」
作業員たちが集まってくる。
作業員A「大丈夫か?」
作業員B「ホントにできんのか?」
ことね「(野次馬が集まってきたな。
こ、こんなんで狼狽えるアタシじゃないが)
・・・・・・じゃ、ちゃっちゃとはじめちゃいますね~」
ことね、変身アイテムの装飾杖を取り出す。
ことね「変ッ身!」
ことね、作業員服からフリルのついたスカートと大きなリボンが背中についているドレスを身に纏う。さいごに頭に柑橘類系の白い花のアクセサリーついたヘッドバンドをつけて変身ポーズをきめる
ことね「魔法少女コトネ!ここに参上!」
作業員A「おおっ姿が変わった」
若手作業員「マジで魔法ってあるんだ」
ことね「きゃぴ☆(決まった・・・・・・)」
作業員長「・・・・・・もういいかい?
時間が無いんだ」
ことね「あっはい。
(もうすこしひたらせてくれよ)
え~っと、そうっすね。
浮遊、平行移動、あと塵よけ。
念のため動かしたときになんか事故を起こさないために防護結界も張っとこっかな」
作業員長「何、ブツブツ言ってんだ?」
ことね「おまじないですかね。」
作業員長「おまじない?」
ことね「魔法使い何でね。こういうの大事なんです。アタシはあまり唱えるタイプじゃないですが。・・・・・・いつも通りに役に立て、
つよつよ~アームズ!」
ことね、杖を何度か振って巨人の見えない腕を作り出す。
腕は転がる電車の底部に差し込まれ、ズズズと少し引きずったあとに持ち上げていく。
作業員たち「おおおおおお!持ち上がった!」
若手「すげぇ!!」
ことね「(はずい)これ、どこに持って行けば良いっすか?」
作業員長「あ、ああ。ダンプがあるからそこに」
ことね「うっす~」
ことね、電車をもちあげながら歩いて行く。
○天川駅外・ロータリー・夜
ことね、魔女服姿で箒を持って歩いている。
ことね「ふぃ~疲れた!思ったより魔法の調子がいいな。やっぱり本場は違うのかな?」
??「お疲れ、ことね!」
ことね「ん?この声は」
星南「ここで会うなんて、奇遇ね!」
ことね「げっ、会長!どうしてここに?」
星南「ああ、ちょっとした調査に行ってたのよ。あなたこそ、入学早々バイトとは感心じゃない。それも割と大変な類いのヤツ」
ことね「ああ、まぁ結構報酬がよかったんで。受けました。」
星南「流石ね。ミスもほとんど見なかったわ。」
ことね「み、見てたんですか?」
星南「私はあなたが来てから24時間、ずっと見ているわ!」
ことね「こわっ!マジですか!?」
星南「冗談よ!」
ことね「よかったぁ」
星南「正確には寝ている時間以外ね」
ことね「よくなかったぁ・・・・・・」
星南「でもことね。ああいう、「強い」魔法ばかり使っちゃダメよ?」
ことね「うう、調子が良かったんで・・・・・・」
星南「天川は、魔法少女にとって暮らしやすくつくっているけれど、知らないうちに負担がかかってしまうわ。」
ことね「はぁい・・・・・・。」
星南「それから、夜に一人でいるのも危険よ。先日の入学試験みたいな事が起きたらイヤでしょう?」
ことね「ああ。被害者の首席生みたいな。入学式の演説のあと見てないっすね。」
星南「先日退院して、明日来るそうよ。」
ことね「へぇぇ。怪人に襲われたにしては結構早いんすね?」
星南「(ちょっと暗い顔)まぁ、そうね・・・・・・。」
ことね「?」
× ×
入学式の舞台袖。演説のあと。咲季、ウメに抱きかかえられながらその場に崩れ落ちている。
ウメ「うわーん、お姉ちゃん死なないで~」
咲季「灰になったわ・・・・・・真っ白な灰にね」
学P「無茶しますね」
星南「本当に・・・・・・」
× ×
星南「こほん。物騒なんだから気をつけなきゃダメよことね!」
ことね「ええ~?ま、まぁ心配してくれるのはありがたいんですが・・・・・・。アタシ以外にも夜に出歩いている生徒はいますよ?」
星南「ことねは特に危険よ!」
ことね「ええ・・・・・・。どうして?」
星南「ことねは将来有望だから悪い怪人に狙われるかもしれないわ!」
ことね「か、過保護の親みたいなことを言い出したぁ」
星南「だから私のリムジンに乗っていきましょ!いいわね!」
星南、指ぱっちんをするとリムジンが走ってくる。
ことね「リムジン!?」
星南「さぁ乗って、ことね!私の自宅に泊まるのよ!」
ことね「ええ・・・・・・!?でも明日は学校が」
星南「門があるから遅刻の心配は無用よ!」
ことね「門?」
星南「私たちの家には学校に直通の転移門があるのよ」
ことね「所有者特権」
星南「そう。だからこれを使えば天川の好きなところに行ける」
ことね「いいなぁ。便利そう」
星南「でも!ことねの部屋に入る権限はこれにはないの!だから、ことねを我が家に入れる必要があるのよ・・・・・・。」
ことね「ひぇ」
星南「さぁ、私に、夜のあなたを教えてちょうだい?ことね・・・・・・」
星南、ことねの手を取ろうとする
ことね「う、う、恐ろしいのはどっちなんですか~~~!!」
ことね、ぴゅーと走って行ってしまう。
星南「ああことね!そっちは寮の方角よ!
それは、問題ないわね。
やれやれ、また失敗・・・・・・か」
星南、ためいきをつく。
ことねが天川の夜空を箒で飛んでいるのが見える。
彼女以外にも初星の生徒と思わしき魔法使い達が箒や車などで悠々と空を飛んでいた。
天川の街では珍しくもない光景。
(月曜日)入学式からおよそ1週間後
○天川新聞 見出し記事
「天川駅、未だ復旧せず 危険生物の可能性否定しきれず」
不満の声を上げる天川の住人の写真
リットン調査団みたいな構図で撮影されている星南たち
○決闘届
場所 初星学園 中広場
花海咲季 月村手毬
審判 藤田ことね
勝利条件 場外KO、降参
魔法少女変身 無し
報酬 中度の命令権 一度のみ
許可印 初星学園長 十王邦夫
○初星学園 中広場
中広場にある舞台上に対照的な色を持つ二人の魔法少女が向かい合っている。
その境目には審判役の藤田ことね
ひゅ~と乾いた風がふき、コロコロと枯れ草玉が転がる。
身体を隠すほどの大きさの隠しを羽織らせている盾を身につけている咲季。
ネイビーブルーのローブととんがり帽子を身につけた古典的な魔法使いみたいな格好をした手毬。目の前には魔本を浮かばせている。
咲季「(不敵に)ふふっ」
手毬「(眉をひそめて)ふんっ」
魔法科や普通科の生徒や研究所のスタッフが
野次馬に来ている。
ことね「えっと~。本日はお日柄も良く」
咲季「(上を見る)・・・曇ってるけど」
手毬「どこに目ぇつけてんの?」
清夏「(むかっ)・・・・・・こんな微妙な天気にやる馬鹿共にお付き合いいただきありがとうございますぅ!」
咲季「魔法少女に天気は関係ないわ!」
手毬「敵は倒す。それだけ」
清夏「あっそ。二人とも準備は良いか?」
咲季「いつでもいいわ」
手毬「ええ。」
舞台下の清夏が声をかける
清夏「こういうときって、何か前口上述べたほうがいいんじゃないの?ここであったが百年目みたいな?」
ことね「そう?二人とも何か言うことは?」
咲季「ないわ」
手毬「そういうのいいから」
ことね「だってよ」
清夏「ふぅん。リーリヤはどう思う?」
リーリヤ、びっくりして顔を上げる。
リーリヤ「えっ!?早く始めた方が良いんじゃないかな・・・・・・」
ことね「じゃ、いざ尋常に~。」
咲季と手毬の目つきが鋭くなる。
清夏「はじめっ!」
手毬「同じ女の子でも遠慮しないよ!
ふきとべ、サンダービーム!」
手毬の手から、圧縮した指向性の電撃が飛んでくる。
咲季、冷静に隠しを剥ぎ取る盾を前に向ける。盾には幾何学的な模様が刻まれている。
咲季「歪め!ヴォイドシールド!」
手毬「んな!?」
咲季、盾から歪みを作り出される。手毬の雷の魔術が飲み込んでいく。
清夏「お~なにあれ?」
咲季「あんたに、私の攻撃は通じない!」
手毬「な、なら、これはどう!」
舞台がびかびかと光り輝く。
ことね「ひええええ」
ことね、舞台上を逃げ回る。
清夏「血の気の多い二人だね~リーリヤ」
リーリヤ「う、うん。でもまさかこの二人が戦うことになるなんて」ほわほわほわ~。
清夏「おっ回想?いいね~」
× ×
朝のHR。
教壇には担任と、花海咲季が立っている。
担任「では改めて、君、自己紹介を頼む。君だけ出来ていないからな」
咲季「花海咲季よ!本年度の首席生よ!よろしくね!」
担任「各々の紹介は各自でやってくれ、お前の席はあそこだ」
咲季「はい」
生徒A「噂の負け犬の首席生だ」
咲季「(ぴくっ)だれ!?今の発言、聞き捨てならないわ!出てきなさい!」
担任「おいおい、仲良くしてくれないか?」
手毬「事実じゃない?」
生徒達が一斉に手毬の方に顔を向ける。
手毬「怪人に負けた首席生さん」
ことね「(まじかよ)」
清夏「(ヤッバ)」
咲季「ふぅん。良い度胸ね。あんた、名前は?」
手毬「月村手毬。「前年度」最強の魔法少女よ」
咲季「ふぅん。中等部上がりか。
アタシ、売られた喧嘩は買うタイプなの。ぶっ飛ばす前に遺言を聞いてあげるわ」
リーリヤ「(ひえ~)」
手毬「そうね。入学早々、私たちの代に泥を塗られてムカついたから、あなたのことを負け犬って呼んだの」
ことね「思ったより真面目な意見だ!?」
咲季「あーなるほど。そういうわけね。まぁ、いきなり怪人にやられて、色んな人に迷惑をかけたのは申し訳ないと思うわ。でもあれは」
手毬「怪人との戦いに、「でも」とか「なに」とか、存在しないよ。
あるのは生きるか死ぬか。
生き残ったあなたは幸運だっただけ」
咲季「・・・・・・」
清夏「(まぁ、正論ではあるけど)」
リーリヤ「(ことばがつよすぎる)」
咲季「そうね、返す言葉もないわ」
手毬「分かってるなら良いよ。次は足をひっぱらないでね」
咲季「・・・・・・」
清夏「(うわあ)」
手毬「(フン)
もし足を引っ張ったら、殺すから。」
担任「もういいか?HRを続けるぞ」
咲季「・・・・・・」
手毬、決めセリフを言えてとてもうれしくなって、調子に乗る。
手毬「ああ、あと少なくとも私たちの前で首席生だなんて、二度と名乗らないでね?あんたは敗北者で劣等生で」
ことね「ヒートアップしたぁ!?」
リーリヤ「流石に言い過ぎじゃ」
咲季「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」
手毬「・・・・・・赤ツンツン!!」
清夏「ぶっ」
咲季「むきーっ!!どうして一度負けたくらいでそこまで言われなきゃいけないのよーーーーーーッッッ!あと赤ツンツンじゃないわよーーーッッッ!!」
手毬「事実じゃない?」
咲季「いったわねぇぇぇえええ!
杖を抜きなさい!宣言通り、ぶっとばしてあげるわ!」
手毬「そっちこそ、
その吠え面、泣きっツラに変えてあげるよ!」
咲季と手毬、おのおの杖を取り出し向け合う。周囲がどよめき引いていく。その間にことねと清夏とリーリヤが割って入る。
ことね「まてまてまてまて!!」
清夏「さすがにここで戦いはまずいって!」
リーリヤ「おちついてぇ!」
担任「おまえらいい加減にしろーーーっ!」
× ×
リーリヤ「魔法少女って、みんなああいう感じなのかな」
清夏「普通の人よりは血の気はあるかもね」
リーリヤ「でも二人ともすぐに杖を下ろして今日決闘する約束交わしてたよね」
清夏「二人なりの処世術なのかもね
しらんけど」
リーリヤ「あ、アンガーマネジメント」
手毬「うあああああああ!!」
手毬、本の角を向けながら振り下ろして咲季の盾を破壊する。
咲季「ああっ!私の盾が!産まれて初めて夜なべして作ったのに、
なんてことするのよ!」
手毬「ふん、そんなこざかしい道具を使うから悪いんだよ!戦士ならcombat!」
咲季「あらそう!でもアタシもホントは徒手空拳の方が強いの!間合いに入ってきたこと、後悔しなさーい!」
○同 空き教室
星南「外が騒がしいわね」
莉波「誰か決闘してるみたいですね」
星南「ああ、この季節恒例の。懐かしいわね」
莉波「あはは・・・・・・。
(恒例行事になるなんてなぁ)」
学園長「ふぉふぉふぉ。
血の気の多い子達じゃの。
修繕費用はおって連絡かの。」
星南「(咳払いをする)こ、こほん。
ところで、あさり先生、学Pさんの姿が見えないみたいだけど」
あさり「彼は天川駅のほうで調査することがあるということで、席を外しています。」
莉波「そうなんですか?」
星南「まぁ、彼ならサボタージュの口実とするのは考えられないでしょう。
・・・では、始めてしまいましょうか。
入学式前に起きた花海ウメさんの消失事件。
本事件を現時点でもって終息とすべきかどうかについて」
× ×
咲季「ていやー!」
咲季、手毬の腕を徑して、本を弾き飛ばす。
手毬「なっ!魔法少女のくせに素手で戦うなんて!」
清夏「いや、1分前の自分のセリフ」
咲季「これで終わりよ!おらおらおら!!」
咲季、肉体増強のオーラを纏いながら手毬に百烈拳を見舞う。手毬、バリアーを張って耐える。
手毬「防御が・・・・・・!」
咲季「引きこもってるばかりじゃあ勝てないわよー!」
手毬「ぐ、ぐううう」
清夏「勝負ありかな?」
リーリヤ「まだだよ、清夏ちゃん」
清夏「マ?」
手毬「(バリア魔法の防御が壊される瞬間、相手にはほんの僅かに隙が産まれる、そこで一撃を叩き込めば!)」
手毬のバリアにヒビが入る。
咲季「(にやり)これで終わりよ!」
咲季、オーラ集中した拳を振り上げる。
手毬「いまだ!サンダー・・・・・・」
咲季「ドゥンドゥン!わたしの盾!」
一同「!?!?」
吹っ飛ばされた盾が独りでに動き出し、手毬の後頭部に向かって回転しながら飛んでいく。
手毬「う、うしろから!?」
(ドッピガン)
手毬、襲いかかってくる盾に防御を集中させで咄嗟に防ぐ。盾の魔法は四散する。
咲季、跳躍する。
咲季「隙アリ!」
手毬「いたい!」
咲季、手毬を蹴り飛ばして場外に弾き飛ばす。
手毬「ううう・・・・・・」
『・・・・・・』
一同、静まりかえる。
ことね「・・・・・・(びっくり)」
リーリヤ「あ、あの藤田さん?」
ことね「え!あ、こ、この勝負、花海咲季の勝利~!」
咲季「ふぅ!対戦ありがとうございました!」
手毬「ま、負けた・・・・・・この私が」
生徒たち「ざわざわざわ」
「あの中等部のトップが負けるなんて」
「これが首席生・・・・・・」
「い、意外とたいした事無いんだね」
リーリヤ「すごい戦いだったね」
清夏「そうだね。後ろからの奇襲は予想外だったな」
咲季、盾を拾い上げつつ
咲季「其処のあなた、藤田ことねっていったっけ?」
ことね「ことねでいいよ。」
咲季「じゃあことね。たしか事前にデュエルに勝ったときの報酬あったわよね。なんだったかしら」
ことね「あ~。たしか、デュエルに勝ったとき、学校から退学するとかなんとか」
咲季「今なら妨害なしでそれを命令できるのよね?」
ことね「そうだな。軽度とはいえ、煮るなり焼くなり何でも出来るはずだよ。」
手毬「ううっ。か、勝手にすれば・・・・・・!」
手毬、縮こまる。
咲季、手毬の身体を舐めるように見る。
咲季「・・・・・・いい出汁は出そうね」
手毬「ぴぃっ!?」
リーリヤ「花海さん、よくないよ、そういうの」
清夏「流石にやり過ぎじゃないかな~?」
咲季「でも、あれだけ好き放題言われたし」
咲季、視線を覚えて観戦席を見る。
美鈴と目が合う。
美鈴「・・・・・・」ごごごごごご
咲季、冷や汗をかき、視線をそらす。
咲季「まぁ、鬱憤も晴らしたし、目的はクリアしたからいいか。」
清夏「目的?」
咲季「第一は雪辱して実力を示したい的な。どう思う?藤田ことねさん」
ことね「ことねでいいよ。まぁ、実力は問題ないんじゃねーの?
そもそも首席だし。そんなとこで許してやってくんない?花海さん?」
咲季「咲季でいいわ」
ことね「じゃ、咲季」
清夏「わたしは清夏って呼んで~。よろしく咲季っち~」
咲季「そ、そっちはちょっと馴れ馴れしいわね、いいわ。問題ないことがわかったし。さてと、月村さん?」
手毬「ううう。た、退学でもなんでもさせればいいじゃない」
咲季「ふむ。それもいいけど、たしか命令は後日できるのよね」
ことね「効力は落ちるけど、できるよ」
咲季「じゃあ今は保留にするわ。人手がほしい時が来るだろうし」
手毬「な、なにをさせるつもり?」
咲季「そうね。リベンジ、かしら」