文書種別:日本国警察東京管区 捜査一課 記録文書
状態:2種機密(簡閲には警察署長の承認が必要)
文書番号:■■■■■■
作成日:2066年2月19日
担当者:神崎誠二(記録責任者 警部補)
件名:蛇骨組構成員変死事件(暫定名称)
〈事件の概要〉
本事件は2月18日20時ごろ発生した。暴力団「蛇骨組」の事務所とされる家屋で複数の発砲音が確認され、20時3分に付近の住民が警察に通報した。20時15分ごろ警察が現地に到着。20時21分、機動隊による事務所突入を実施、これにより室内に複数体の遺体を発見したものである。
遺体は正確な人数が分からないほど激しく損傷されていた(4人である可能性が高い)。また犯人は、事件発覚から20分程度で犯行・遺体の損壊・逃走を成功させたこととなる。警察や地元住民の目も考慮すれば犯行可能時間は一層短い。これは非常に不可解であり、犯人の行動についての仮説すら未だに立てられていない。
先月末より頻発している、反社会勢力を標的とした連続殺人事件(いわゆる「キラー事件」)との関連性も疑われる。
〈検死〉
概要で述べた通り、被害者の遺体は激しく損壊し、詳細な調査は現在進行中である。よってここでは現時点で身元の特定が完了している1名についてのみ詳しく記し、他3名については軽く述べることとする。
藤堂勝也(43) 男性。蛇骨組首領。
遺体状態:胸部から背部にかけて直径約10㎝の穴が貫通。レーザーメスによる傷口に似ているが、規模は桁違いである。右腕が肘より切断。
推定死因:何らかの凶器によって胴体を貫かれたことによる急性ショック死。
推定死亡時刻:18日20時ごろ
他の遺体について
藤堂の他に推定3名分の遺体が発見されている。いずれも表皮の大部分が喪失し、内蔵流出、四肢分裂、頭部欠損といった状態である。現場より回収した数百の肉片も含めてDNA鑑定中であるが、鑑定終了まで数週間は要すると思われる。
〈遺留品等〉
金属部品の残骸や破片が多数発見されており、被害者たちが犯人に反撃した際に使用し、犯人に破壊されたものと思われる。正確な調査はまだだが、AK-47自動小銃と特徴の一致する残骸があり、違法ルートで入手したものとみられる。
事件現場は蛇骨組事務所であり、金庫内に数千万円の現金と銀行口座情報の記されたカード類が保管されていた。しかしながらそれらの盗難は確認されておらず、犯人の目的が強盗ではないらしいということが示唆される。
〈目撃者等〉
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(請求し公開された文書では、この項目は黒塗りにされていた。何かしら都合の悪い情報が書かれていたのだろうか。)
〈その他〉
本事件は異常性が極めて高く、また捜査の都合を鑑み、一般に詳細を公表すべきではないと判断する。また、情報漏洩防止の観点からも慎重な判断が必要になる。よってこれを第二級警察指定事案(2種機密)に分類すること、管轄外の警察を含めた対外へは詳細を公表しないことを強く推奨するものである。
以上
続く
次回から通常の物語形式に戻ります。