最推し幻想体はT-01-75笑う死体の山田くんです かわいい
1-1 良心の味
お腹すいた
お腹がへった
何か食べ物を...
ああ、目の前に
...
生まれて初めて満腹になった
だから戻すのは勿体無いし、それは許されない
「ウッ...ヴッ...」
口の中に酸味と鉄錆のような味が広がる
そして言葉では言い表せないような全身を襲う不快感も
口を手で押さえ、それら全てを、吐き出すことなく飲み込む
食べきれなかったお肉は冷凍する
食べられない内臓は売りにでも行こう
今は3時、後少しで「夜」の時間だ
少し休んでから出よう
ーーーーー
「おはよう...。」
返事はない
耳に入る静寂が、目に入る生乾きの血痕が、口に残る後味が...
「ヴッ...」
気持ち悪い
吐いちゃダメ
無駄にしちゃダメ
それは絶対に許されない事
考えちゃダメだ...考えるな...
...売りに行こう
ーーーーー
「胃小腸大腸肺肝臓脳が2つずつ、眼球が2セット...全部処理が荒くて冷凍品か、こりゃあんま値はつけれんな。」
「...いくら?」
「ざっと5万
5万...二人分と考えると信じられないほど安い
それでもある程度食いつなぐことができる金額だ
「それでいい。」
「あいよ。持ってけ。」
紙束を受け取り、店から出る
...ねずみ三人に囲まれた
「今換金してきたんだよな?大人しく金置いていけば命だけは見逃してやる。」
一人はナイフ、一人はバット、一人は廃品が詰まったバッグを持っている
バッグのやつははおそらく投げ物を入れているのだろう
対してこちらの武器は赤錆のついたナイフ一本
「...」
「おい!なんとか言ったらどうだ!」
交渉する気は無い
せっかくの命綱を手放すわけないだろう
「邪魔するな。」
スライディングのような体勢でナイフ持ちに接近し、足を引っ掛けて転倒させる
「うぉお!?」
「ッチ!抵抗する、な!」
上を見るともう一人がバットを振り上げ、今にも振り下ろそうとしている
それを地面を転がって避け、振り下ろされたバットはナイフ持ちの足をひしゃげさせる
「があああ!馬鹿野郎どこ殴ってやがる!」
「お前がコケたからだろうが!」
騒いでる間にナイフでバット持ちの左脛を力任せで斬りつける
骨はともかく、腱すら断ち切れないか
「痛てえぇ!足がぁ!」
「何やってんのよあんたら!」
そこそこの勢いで空き缶が投げつけられる
距離もあるし速度も特別早くない
余裕を持って避けれる
残してても大した脅威にはならないな
複雑な道の方に行けば撒けるはず
さっさと帰るとしよう
ーーーーー
あれから20日近く経った
5万あった金は500を割り、あと数日で尽きる
それでもフィクサーになる気にはなれなかった
慢心かもしれないが、9級フィクサーになれるだけの実力はあると思ってる
それでもならないのは単純に他人に近寄るのが嫌だからだ
本心で何考えてるかわからない野郎とチームメイトだなんて、いつ背中を刺されてもおかしなことじゃない
それこそネズミの方が感情を包み隠さず出してくるだけマシ
9割が殺意と悪意と保身だけど...人の事は言えない
これから狩りを始める
生きるための食べ物を集める狩りだ
体調は悪く無い
ナイフもできるだけ綺麗なのを拾った
あとは心構え
生きる為ならなんでもするという心構え
「生きてやる。このクソみたいな裏路地で。
...他人を蹴落とし、踏み躙り、貪り尽くしてでも。」
その場のノリで書き上げたモノなので超不定期です
感想、評価等もらえるとめっちゃ嬉しいのでお願いします