23区で狩り暮らし   作:星を見るパイ

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とりあえず2話目


1-2 焼きネズミ

ガサガサ...

 

カンッ

 

ベチャッ

 

 

 

ゴミ箱をひっくり返し、何かもわからん金属片や溶けかけている肉塊が地面に落ちる音が響く

 

「義体パーツ...今日はあたりだ...!」

 

どうやらお目当てのものが拾えたらしい

茶色の安っぽい金属でできた腕のような何かだ

指パーツや上腕であろうところがほぼ無いが多分腕だ

 

「あとは画材...なにかあの方々にお気に召すような物を...三度目は、無い...」

 

男の顔が青ざめ、焦るようにゴミ漁りを再開した

周りはもう見えていない

 

「ヒュッ...!」

 

男の左首筋にナイフを突き立てた

乾いた息と粘度の高い血が溢れる

 

「ひゃ...ひゃへて(やめて)...ひゃふ(たす)、ゴボッ」

 

声帯が切れたのか歯抜けた声を出していたが、肺に血が入ったらしい

横倒しにして血を抜かないと...値が下がる

 

「ーーーーー!」

 

激痛からか、激しくのたうちまわっている

その場で暴れてくれるのは楽かもしれない

その分早く血が抜けるだろうし

 

しばらくして動かなくなった

まだ血は出てるから頭を下にして吊り下げておく

頭落としたほうが効率良さそう

 

 

 

ーーーーー

 

 

人を自らの手で殺したことはある

数えてたら狂いそうだから数は覚えていない

だが...死体にナイフを入れ、バラバラにしていくのはまた違う嫌悪感が湧いてくる

 

刃を入れても溢れない血

抵抗無く切れる肉

ズレることがない骨の関節

今死体をいたぶってることを自覚させられて...

 

涎が出てくる(吐き気がする)

 

固唾を呑むってのはこういうことなのだろう

ああそうだとも

決して...決して食べ物を見たときの気持ちではないはずだ

 

お腹が減った

まだ焼いてないから食べちゃだめだ

 

...違う

これは全部売りに行くんだ

吐きかけたのになんで食べようと思ったんだ

でも...筋肉の買い取り価格激安だったな

腹を満たしたいなら...

量が欲しいなら...

 

しょうがない...よね

 

 

ーーーーー

 

 

家に持ち帰り、切り取った左腕をまな板の上に置く

皮を剥がし、手首、前腕、上腕に切り分ける

上腕のみ残し、残りは両足や右腕とともに冷凍しておく

 

...ここまで来ると、ただの骨付き肉だな

 

上腕をフライパンに...入らないな

ネズミだし強化施術もしてないなら手で折れると思うけど...

 

ボキンッ

 

うん、問題なく折れた

じゃあ二つずつ焼いていって...

 

完成だ

 

調味料も何もないただ焼いただけの肉

それでも焼けた肉の匂いというものは良い

...人肉の匂いが良いって嫌だな

 

そんなことより腹が減った

早速食べるとしよう

 

...うん

固くてパサパサしててなんか色んな変な味がする

食えなくはない

 

そうこう言ってるうちに食べ切った

腹が減ってる時は食えればなんでもいいもんだ

 

...腹が満たされたあと、人を食べて嗚咽の一つもしなかった自分が少し嫌いになった




じゃけん倫理観壊していきましょうねぇ
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