嫉妬大罪は処す
息を殺し
素早く近づき
首を切り裂く
このとき相手が下を向いているなら頸椎の隙間を狙う
これができると脳につながる神経に致命的な損傷を与えるができ、行動不可もしくは即死する
どうしても狙えない場合、ネズミ相手なら素手での頸椎破壊が可能
ただしナイフでの一撃よりも時間がかかるため注意が必要
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結局、肉を売ることは無くすべて食べ尽くしてしまった
内臓は生のまま売りに行ったため一人分で4万程度になった
ついでにあのネズミが見つけてた義体パーツも売ってみたが1000程度
簡単に作れる機械よりも作るのが少し面倒なナマモノのほうが高いらしい
今回はネズミどもが遠くから睨みつけてくるだけだった
前回ので懲りたらしい
襲ってきたら今回は身一つ完品で売ろうと思ってたのに...
まあ面倒が少ないのはいいことだ
今は獲物を待っているところ
曲がり道や隠れ場所の多い細道だ
ここがしばらくの狩場になるだろう
ネズミでも群れは狙わない
義体換装者は安いし食べれない
まともな武器を持ってるやつはフィクサー
笑顔の仮面をつけてるやつが一番手を出しちゃいけない
狙いは孤立しているネズミ...
一般人はあまり狙いたくはない
普通に暮らしている人を食べるのに抵抗があるのはそうだが、それよりも就職先や関係のある組織から目をつけられるか可能性がある
その点ネズミは目をつけられるほど上に気にされてるわけでは無い
一番いい
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何か声が聞こえる
「はぁっ...はぁっ...何が『都市伝説』だ!あんなの『都市疾病』だろ!」
「クソっ...ヴァテル先輩...7級フィクサー祝いに、飯奢ってくれるって言ってたじゃないですか...!」
依頼に失敗したフィクサー...発言からして7級か
切られたと思われる右肩の傷は深く骨が見えている
武器はブロードソードのようなシンプルな剣に見えるが、刃が短い
右手で持ったままのようだが、おそらく振ることはできないだろう
狙ってた獲物では無いが...手負いを見逃すほど余裕もない
物陰から素早く飛び出し
首にナイフを振る――
「...!ネズミィっ!」
振りかぶったナイフは無理やり振るわれた剣に弾かれ宙を舞う
左手を使って右腕ごと剣を振ってきやがった!
だがそれはあまりにも無茶だ
「ぐっ...あぁぁあ!」
ブチブチと音を立てて右腕がより沈む
赤黒い血が溢れ、白い骨がより姿を現す
痛みからか膝をつく
隙あり
顎付近に跳び膝蹴りを叩き込み
そのまま飛び越え背中側に移動
首の後ろに膝立ちした足を滑り込ませ
顔面を使える力全てで下に押し込む
「...!」
背中に爪を立てられているが気にする必要ない
先に殺せばいい
ポキンッ
嫌なほど軽い音が出た
フィクサーの左腕がだらりと力を失う
「ふう...。」
思わず息が漏れる
首を折るのにありったけの力を使ったからか疲労が押し寄せてくる
背中から痛み以外の、一種の執念のような物を感じる
それがとても、後味が悪く、不快だ
...早く撤収しよう
血抜きは家でやる
長い時間外に居るのはリスクが高い
武器ももらっていこう
7級フィクサーの物だ、拾ったナイフなんかとは比べものにならないだろう
当然ですが7級フィクサーくんが万全だったら余裕で負けます