カグラバチの妖刀がワートリの黒トリガーだったら   作:匿名希望

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刳雲とは別世界線です。


『酌揺』
黒トリガー『酌揺』


近界民(ネイバー)による第二次大規模侵攻が開始された。

大量の(ゲート)発生が確認されトリオン兵の群れが三門市の市街地へ雪崩れ込もうとしていた。

 

「迂闊に動けば新型の餌食だ!交戦中の部隊は戦力の維持を最優先しろ!」

 

新型トリオン兵【ラービット】の出現によりボーダーの部隊は合流を余儀なくされていた。

 

「では……南と南西には……」

 

「朝霞を向かわせた。よろしいな?」

 

「……致し方ありません………」

 

できることならこうならずに済んでほしかったものの背に腹はかえられない

根付メディア対策室長の表情はそう物語っていた。

 

──基地南部

 

「朝霞、現着しました。」

 

(トラップ)と防衛部隊により撃破されたトリオン兵の残骸が散らばる旧市街地にて、霞模様型の鍔が付いたブレードを手にした人物が口を開いた。

 

『南西から南部方面は任せる!警戒区域から出ようとするトリオン兵を全て撃破しろ!』

 

「───合点承知!」

 

忍田本部長の指示に青年は抜刀と共に眉間に皺を寄せ応えた───

 

      酌揺(くめゆり)」  「(ゆう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボーダーの隊員達がラービットへの対処に追われている隙に警戒区域外を目指していたトリオン兵の群れ。その先頭が突如として爆ぜた。

群れの後方、其処にはトリオン兵の急所である(モノアイ)ごと斬り伏せられた痕の残るバムスターの大口から2本のバンダーの首を生やした異形のトリオン兵が鎌首をもたげていた。

 

侵攻の足を止めたトリオン兵達にその双頭は交互にトリオンの砲撃を放ちそれらを白磁の残骸へ変えてゆく。するとその中から一体のラービットが這い出る。ラービットは双頭のトリオン兵を障害と判断し飛び掛かろうとする寸前耳のレーダーが新手の存在を感知し真上へと跳ねる。だが一瞬の遅れから片足を切断されひび割れたコンクリートの地面へと倒れ込んだ。

 

ラービットの片足を切断したその(ブレード)は一部の装甲が砕けたモールモッドの胴体後部から幾本もの脚部が繋ぎ合わさり長大なサソリの尾の様に生えていた。その尾を鞭のようにしならせ振り抜いたのだ。残った片足と両腕で起き上がろうとするラービットは後方から突如として走ってきた装甲が一部剥がれたもの、脚が不揃いなもの、(モノアイ)が貫かれた様に砕けているもの────本来なら既に機能が停止するような損傷を受けているモールモッド達が突き出した刃の波に飲み込まれた────。

 

(ブラック)トリガー『酌揺(くめゆり)

その効果。周囲のトリオン製の物体を自在に操る。

撃破されたトリオン兵の残骸を組み上げ操りまたトリオン兵を撃破していく運用は防衛任務の際に最も力を発揮するとされながらもメディアや市民への心象等を考慮し夜間の防衛任務にて小規模、限定的に運用されその他の時間は防衛任務で撃破、回収されたトリオン兵を用いて仮想空間内での練度向上に当てられてきた。

操られたモールモッド達により腹部と口内へ幾本もの(ブレード)を突き立てられたラービットが幽鬼のように起き上がりその肩の上に一人の隊員が飛び乗る。

 

「長い準備運動(アップ)だった……」

 

ボーダー本部 S級隊員 「朝霞(あさか) 湯士(とうじ)

 




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