1000年に一度
2018年 京都──
御三家が正式に集められる会合。
その多くは、どこかで正室の子が生まれたときや、重要人物が死亡したときだが、稀に呪術総監部から新しく通達がきたときも集められることがある。
今回の会合は
「美夜、皆さんに説明を」
「…はい」
親族に促され席を立ち、全員の前に立つ。わたしは一礼してから口を開いた
「──皆様ご存知の通り、呪霊による日本国内での怪死者・行方不明者は年平均10000人を超えます。
その中には呪物の呪力に惹かれ、呪霊が引き寄せられているケースも少なくありません。
我々が手を焼いている特級呪物…『両面宿儺の指』もその1つです。
そんな折に現れたのが、現在高校1年生の虎杖悠仁」
手元の資料に目をやりながら、喋っている自分でも長いと思うほどの前置きを並べていく
「虎杖は『宿儺の指』を取り込んだにも関わらず、死ぬどころか受肉体として自我を保つことができている」
この言葉で、周囲が少しざわついた。驚くのも分かる、わたしも最初に聞いたときは耳を疑った
「1000年に一度の逸材です、総監部は
要するに…執行猶予が与えられました。……五条悟の提案はこうです」
”どうせ殺すなら、『宿儺の指』を全て取り込ませてから殺せばいい”───
「ただし……虎杖が『指』を取り込む段階で自我を喪失し、両面宿儺が暴走するようなことになれば、速やかに処分すること」
わたしは資料から目を離し、また一礼した
「総監部からの通達は以上です」
「なかなか冴えた演説やったやんか」
会合が終わり、中庭で休んでいると後ろから声を掛けられた。振り向くと、よく見慣れた金髪が風に靡いている
「直哉…
冴えたも何も、ほぼ資料のまま読んだだけだからね?」
「美夜ちゃんは資料の内容を補足して喋ってくれるから分かりやすいっちゅー話や」
「それはどうも」
彼…直哉は、周りから禪院家の次期当主と言われている男であり、わたしの恋人でもある
「明日には東京に戻ってまうんやっけ」
「そうだね…悟さんから、また1〜2年を見てあげてほしいって頼まれたから」
「……他ん男のこと見たりしたら許さへんからな」
わたしの肩口に、弱々しく頭を押しつけてくる
「今更、よそ見する気なんてないよ」
そう言って、直哉の頭を軽く撫でた
「ていう話を、ついこの間したばっかだったのになぁ〜」
任務終わり、晴れた空の下で呪霊が消え逝くのを横目に、わたしは虎杖くんのことを考えた。
結局、1回も会うことがないまま彼は呆気なく死んでしまった
「ん?」
ズボンのポケットに入れていたスマホの着信音が鳴って、慌ててスマホを取り出した
「珍しい、悟さんから……もしもし?」
悟さんから虎杖くんが生き返ったことを告げられるまで、あと3秒───
そろそろ本編の話入ると思われます
自分が書きたいので……