All you need Is Money!!   作:誰かのヒーロー。

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元々は5分間のゲームですが、このSSにおいてはそれは無いものとして扱います。ちょっとGTAっぽくなった世界観だと思ってください。




JH編
All you need yes all you need just Money!!


 

『安全、安心、極天シティ

 極天ハ、高額納税者ヲ応援シテイマス』

 

 

「…?」

 

シロコは戸惑った。

目が覚めると全てが見覚えのない世界にいた。知らない街並み、うろつく小型の機械、壁に突っ込み炎上している黄色いバス。

 

「ここは、何処…?

私はアビドスにいたはず…」

 

呆然としていると、頭にパトランプを乗せた子供のような機械が話しかけてきた。

 

「ナニカ、オ困リ事デスカ?」

「ん、えっと…

ここは何処?私、気付いたらここにいて…」

「ココハ、《極天シティ》デス。皆サマニ安全、安心ニ過ゴシテ頂クタメニ、ワレワレ極天グループガ管理シテイル街デス」

「極天シティ?聞いたことない…。

極天グループっていうのは?」

「極天ハ、最先端ノ研究ト技術ヲモッテ、皆様ヲ賢ク幸福ナ生活ヘト導クコトヲ理念トスル、世界ヲ股ニカケテ活躍スル企業(カンパニー)グループデス。物流、経済、ネットワークニ至ルマデ、世界ヲ支エ、発展サセテイキマス」

「…」

 

ディスプレイに笑顔を浮かべ、優しい口調で説明される。

 

(色んな事業の展開…何だか、カイザーコーポレーションみたい)

 

思い出したのは、いい記憶のない相手だった。カイザーコーポレーション───かつてアビドス廃校対策委員会としてアビドスを守るために、そして先生の生徒としてキヴォトスを守るために、仲間と共に戦った相手だ。

 

(同じ…とは言わなくとも、何だか嫌な感じがする。…何となく、だけど)

 

説明を聞いただけで実際に見聞きした訳では無い。なのにこんなに身構えてしまうのは、それ程の経験をしてしまったからだろうか。

 

「…色々教えてくれてありがとう。

自分でも見て回りたいんだけど、いい場所はある?」

「デシタラ、極天公園ハイカガデショウ。市民ノ皆サンノ憩イノ場デスノデ、コノ街ノコトヲ知ルナラ

 

 

ドドドドドドッ!!!

 

 

「!!?」

 

機械が、銃弾の雨に晒された。直ぐに耐えきれなくなり、跡形もなく吹き飛んでしまう。銃声のした方を向くと、十数人の不良生徒たちが騒いでいた。

 

「よっしゃー!一番乗りもらったぜー!」

「あっテメー!そこのゴクテン君はアタシがとるはずだったろーが!」

「スマンスマン、私の分やるから許してよ」

「お前らうるせーぞ!次はそこのATMだ!さっさとぶっ壊せ!」

 

やいのやいのと騒いでいるうちに、リーダーらしき1人がシロコに気づいた。

 

「お?なんだお前、ソロか?」

「ソロ…?あなたたち、一体何をしてるの?」

「何って《強奪》に決まってんだろ?やることなんてそれしかねえだろ!」

「《強奪》…?」

「お前、初心者か?《強奪》も知らねえなんて…

いいカモじゃねえか!おいお前ら!」

「どーしました?」

「そこに居るのは《強奪》も知らねえ初心者だ!

極天って街のルールを、ソイツの体に叩き込んでやりな!」

 

号令と共に、幾つもの銃口がシロコに向いた。

 

「…!」

 

咄嗟に物陰にかくれ、射線を切る。息付く間もなく、銃弾の雨がシロコに襲いかかった。

 

「やっちまえ、野郎どもー!」

「ヒャッハー、私がもらうぜー!」

「お前、さっきアタシの分とったじゃねーか!次はアタシの番だ!」

 

 * * *

 

少し経って──といっても数十秒だが──シロコは逃走を続けていた。

あれくらいの不良生徒なら、シロコの実力なら大したこと無いだろう。ただ、それは1対1や、精々1対5くらいの話。十数人を同時に相手取るのは、さすがに多勢に無勢が過ぎる。

 

「待てっ!クソ、すばしっこい奴だな!」

「とっととくたばれよ!」

「時間かけさせんじゃねー!」

 

「くっ…!!!」

 

こちらからも出来るだけ撃ち返しているが、こうも手数が多くてはあまりチャンスがない。しかも、チャンスがあったとしても一人ではあまり効果的な攻撃ができない。

とはいえ、このまま逃げ続けても埒が明かない。覚悟を決めて攻勢に出るかと考えた、その時。

 

 

「なんやー、ジブンら一体何しよん?」

 

 

飄々とした、よく通る声が戦場に響いた。声のした方、すぐ近くの歩道橋の上を見ると、黄色い髪の少女が欄干に肘をついて戦場を見下ろしていた。

 

「あ?なんだよお前」

「質問しとるんはこっちやで?大人数で1人に対して何しとんねん?」

「ハッ!そこの初心者に、この極天のルールを教えてやってんだよ!」

「初心者?ルール?」

「そこの奴は《強奪》も知らねえんだ!オレ達に《強奪》されたって文句ねえだろ!」

「あーなるほどなー、初心者狩りか。…ジブンら、なっとらんなぁ。」

「なんだと?」

「よう分かったわ。そんなら…よっと!」

 

黄色い髪の少女は、戦場のど真ん中に飛び降りた。黄色のショートジャケットが風にたなびく。その中に着るクロックトップと青色のショートパンツは、彼女の引き締まったボディラインを際立たせていた。

 

「寄ってたかって袋叩きなんて、見過ごしたら気分悪いわ。

ウチはコッチの味方させてもらうで!」

 

そう言って、彼女はシロコの方に歩いてきた。

 

「そういう訳や、勝手に言ってもたけど大丈夫?」

「…あなたは、何者?」

「自己紹介がまだやったな!ウチはエレクトラ!《Junker's High(ジャンカーズ ハイ)》のリーダーやっとるんや!ジブンは?」

「…シロコ。アビドス対策委員会2年生、砂狼シロコ」

「対策委員会?なんや大仰な名前やなあ。どんなところなん?」

「それは…」

「おい!勝手に話をすすめるんじゃねえ!」

 

不良生徒達からヤジが飛ぶ。どうやら乱入された挙句に待たされてイラついているようだ。

 

「どうするんすか、リーダー?」

「構うかよ!1人が2人に増えた程度で何が出来るってんだ!まとめてやっちまえ!」

「了解!」

 

リーダーから指示が飛ぶと、またしても銃口が一気にこちらを向く。

 

「お、敵さんかかってくるみたいや!シロコ、いける?」

「作戦とか無いけど…」

「ウチが前に出るから、シロコがアイツらにぶちかましてや。ほんで数が減ってきたら、シロコも突っ込む。それでええやろ?」

「ん、分かった」

「よっしゃ、ほな行くで!」

 

「始めよう」

「みーんなビリビリさせたるわ!」

 

 * * *

 

隠れていた遮蔽物から、エレクトラが飛び出す。これが開戦の合図だった。

 

「出てきたぞ!」

「乱入ヤローだ!撃て撃て!」

 

銃口が一気にエレクトラの方を向き、銃弾の雨が襲いかかる。しかし、

 

「あっはは、なんやなんや!全然当たらんでー!」

 

エレクトラは軽い身のこなしで避けきり、凄まじい速度で不良生徒達に接近する。

 

「なんだコイツ、速ぇ!?」

「あ、当たんねえ!こんなに撃ってんのに!」

 

そしてエレクトラは腰に付けていた二丁拳銃を取り出し、そのまま射撃───不良生徒の1人を一気に倒してしまった。

 

「こんなもんかいな。ほらほら、もっと頑張ってみいや!鬼さんこっちやでー!」

 

エレクトラはそう言って、ケラケラ笑いながら天に向かって銃弾を撃った。

 

「コイツ、ふざけやがって!」

「アタシらナメてんじゃねーぞ!」

 

激昂した不良生徒達の注意は一気にエレクトラに向いた。

 

(今!)

 

注意が外れた隙に、別方向から一気に接近する。と同時にグレネードを投擲───更に射撃。グレネードとまとめて、一気に不良生徒達を制圧する。

 

「ふぎゃあ!」

「こ、コイツ、いつの間に!」

 

エレクトラに向いていた注意が、今度はシロコに。だが、

 

「ウチも忘れたらアカンで!」

 

その一瞬で、エレクトラはスライディングで更に接近し、内部へ切り込んだ。そして、

 

「踊ってやー!」

 

その勢いのまま、ブレイクダンスのように体が回る。同時に周囲に乱射。一気に5,6人を倒してしまった。

 

「ま、マジかよコイツら!」

「やべえ、逃げ 「逃がさない」 うぎゃあ!?」

 

エレクトラの攻撃を不良生徒達も、シロコの銃弾に沈んだ。

 

「あ、ああ…」

 

残ったのは、リーダー格の不良生徒1人のみ。

 

「さーて、これで残るはアンタだけになった訳やけど…」

「ひ、ヒィィィ!」

 

恐怖からか逃げ出すリーダー格。

 

「逃がさへんで!」

 

これまでの動きよりさらに速い、瞬間的な動きでエレクトラが追いつき、膝蹴りをかました。

 

「ぎゃあ!」

 

たまらず転倒。しかも電撃が放たれていたのか、体が痺れている。

 

「シロコ、コイツどーする?ウチはシロコに任せんで」

「ん」

 

シロコはリーダー格に近づく。そして、

 

「ま、待って。許して…」

 

痺れながらも許しを乞うリーダー格の脳天に一発。リーダー格は、気絶した。

 

 * * *

 

一段落した後、お互いに改めて自己紹介やら情報交換やらをした。のだが、

 

「キヴォトス?アビドス?知らんなあ。ジブン、嘘ついとるんとちゃうんか?」

「ついてない…。そっちこそ、《ギャング》とか、《強奪》とか…本当のこと?」

「ホントやって!」

 

出てくる情報はお互いにとって信じ難いものばかり。シロコからすれば、《ギャング》なんて言葉は縁遠いものだ。

 

「しっかし、聞けば聞くほど面白そうやな!確かにシロコのアタマの上、なんか浮いとるわ。そのヘイローってのがみんなあって、体が頑丈なんやな。せやから、みんな銃を持っててもおかしくないって訳や」

「そっちこそ。極天が悪徳企業…なのは何となく思ってたけど。でも、それに対抗するギャングとか。極天のお金の《強奪》とか。少し信じられない」

「せやろなー。ま、その辺はしっかり説明したるわ!準備ええか?」

「ん、大丈夫」

 

未知なる世界に、シロコは少しわくわくしていた。

 





エレクトラ
CV:戸松 遥
アーティスト:MAN WITH A MISSION
テーマソング:All You Need
楽曲コード:739-6478-6

電光石火のナニワガール
自己中なトラブルメーカー!
ジャンク屋【Junker’s High】のリーダー。 関西弁が特徴でお金が大好きな、ジャンク屋の窓口担当。 仲間であるディーゼルを頼りにしており、アンチをかわいがっている。 本能のままに行動するため、周囲を振り回すこともしばしば。 豪快で気前がよく、手に入れたお金はすぐに使ってしまうため常に金欠。

攻撃射程:25m
攻撃タイプ:リロードタイプ

ギャングスキル:スパイシーBB
電気を帯びて前方にスライディング
時間経過か、攻撃範囲内にギャングが入ると広範囲範囲に乱射攻撃を行います

ギャングアクション:スパイシーBite
電撃を帯びたダッシュ攻撃
ヒットした対象は転倒するため追撃も容易です

アビリティ:金銭感覚
極天(ドル)を拾うと僅かな時間、移動速度が上昇します
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