ヒカマーズバトルロワイヤル続編   作:開發 雅人

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第41章: 翼持つ脅威

首輪を付けられた参加者達と乱入者達が、それぞれの思惑を胸に蠢く昼のヒカ島。雨の予感を感じさせる大気に、突如スピーカーからの声が響く。

「ハハハ!残り17人……と言いたい所だが、またしてもヒカ島への侵入者を確認した。だがお前ら、肝に銘じておけ。たとえこの島で何が起ころうが、お前らの運命は変わらない。最後の一人になるまで殺し合え!それが、国にとって不要な人間の定めだ」

生き残ったヒカマー達が耳を傾ける中、冷酷な声は続ける。

「そして、プログラムの開始時点からその傾向はあったのだが、お前らは他人と組んで行動する奴が多すぎる。これはチーム戦ではなく最後の一人になるまでの戦いだ。みんなで手を繋いで勝利なんて幻想は捨てろ……と言ってもお前らは聞かないだろうから、特別なイベントを用意した」

巨大な影。光の壁で囲まれた安全地帯の上空に、飛行物体が現れる。それは、全長数百メートルはあろうかという大きな装甲飛行船だった。

「今から、大量の殺人ドローンをこの島に投下する。数時間経っても死人が出なかった場合、ドローンは目についた人間を片っ端から射殺する。嫌なら馴れ合ったりせず、ちゃんと隣の奴とも殺し合え、ゴミ共!」

それを聞き、島中のヒカマー達に衝撃が走る。

「ええーっ、勘弁してよ!」応接_maniaは叫ぶ。

「仲間を殺さないと殺人機械をけしかけるだと……卑怯すぎる!」ヒロヒト_maniaは絶句。

「嘘だろ嘘だろ!?ドローンには毒すら効かないじゃないか!」嘆くナミアリ。

「機械なら躊躇無く破壊できるけど、数で攻められたら……」ナムジュンツーボイの顔には不安。

 

「ドローンをハッキングできるならなんとかなる……かも?」廃墟で運営へのハッキングを続けるAIproは無理に笑って見せる。

「もしハッキングが不可能だったとしたら!? 音を立てなければなんとかなる……って問題じゃねーなこれ!」激エロ門田ヒロミbotは頭を抱える。

「なぁ、マニマニア、なんかいい案無いのか?」えぐまには仲間に縋る。

「ド、ドローンだろうが撃ち落としてやるよ!俺は仲間を絶対裏切らねぇ!」ポジティブであろうとするマニマニア。

「海に叩き落されたときはなんとかなったけどこれは流石に……」ヒカマニーズの目は宙を泳ぐ。

 

「ワーッ、ヘッヘッヘッヘ!? 味方を殺せと!?」ジャングルで葉の上に溜まった雨水を集めていたエッチキンは驚く。

「殺人ドローンとか洒落にならナイ!」ジャングルで狩った小動物を車に運んでいた郎サックマニアは焦燥の色を浮かべる。

 

「ふざけんなよ!仲間を殺すなんてできねぇよ!」仲間と共に廃墟を彷徨うcenaキンは怒りを示す。

「もしきらっちさんが死んだらどうしよう……」女ヒカマーのるぽめだはロープを握りしめる。

「きらっちは上手くやってると信じるしかない。でもドローンの大群なんてどうすればいいんだよ……? 味方と争うなんて嫌だし……し、死にたくもねーよ……」流石のあおまにも弱腰。

 

「仲間を殺さないと射殺だと? そんな脅しは通用しない……。こんな所で……こんな所で死ぬわけには行かねぇんだ!」じゅぴコミックはクルトガシャーペンを持つ手に力を込める。

「こ、こういう時こそ慎重になるべきだ。まず食糧や水を集めて……廃墟で頑丈なドアがある強固な建物を探して……」だいはつ_maniaは合理的に振る舞おうと努める。

 

「なぁ、ぎめい。まさかとは思うがお前、さっきの放送聞いて俺を殺そうとか思ってないよな?」磯野の目に疑念の光。

「そ、そんなこと思ってないよ!」

「ならいい」必死に否定するぎめいを見て、磯野は再び歩き出す。

 

ジャングルを独り歩むマニアスプレッダーは無言。その表情には、恐怖も不安も伺えない。

 

「ハァ…………不運って言葉の本当の意味を、今初めて知った気がする……」仲間と片腕を失った女ヒカマーのねずまには、ジャングルの木にもたれ掛かって絶望を実感した。

 

それぞれ別行動する110弱とヒカキンはニヤニヤと笑うのみ。運営側と繋がっている彼らは、自身がドローンに撃たれないと確信しているのだ。

 

それから数分後。

ジャングルの中の小屋で、ぎめいと磯野が話し合っていた。

「あのヘリはここからそう遠く離れてない所に物資コンテナを落としていったんだ!俺はここを見張っておくからお前が物資を取ってきてくれ」

磯野は、数十秒前に上空を通りかかった物資投下ヘリについて話す。彼は素早く木に登り、ヘリの動きを見ていたのだ。

「え……僕が行かなきゃいけないの? 外はドローンがうようよしてるかもしれないし……」

「今更恐れることなんてないだろう。単なる役割分担だぞ。しかも、俺達には力が必要だ。あの110弱とかいう奴に勝って、あいつの秘密を暴くためには強力な武器を得なければならない」

「……わかったよ」

ぎめいは小屋を出て、磯野が指し示した方向へ木々の間を歩んでいく。しばらくすると、赤い煙を拭き上げるコンテナの前に辿り着いた。

「やった!無事に着いた。この中にどんなものが……」

ぎめいが蓋を開けると、出てきたのはレーションと水、包帯とDP28だった。

「やった! 食糧に機関銃まで……」

しかし、喜ぶぎめいは気づいていなかった。近くの木の陰に、第三者が潜んでいることを。そして、その者が放った何かを、自身が既に吸い込んでしまっていることを。

 

物資を抱え、ぎめいは磯野の元へ戻る。

「水と食糧に……銃!? よくやったぞ、ぎめい!」

「ありがとう。俺は」

突如、ぎめいは激しく咳き込み始める。

「おい、どうした!?しっかりしろ!!」

「わからない……ゲホッ、さっきから喉がゲホゲホッ、痛いと思」

ぎめいは一層激しく咳をすると、喉から血を吐いた。

「死ぬなぎめい!これを飲め!」

磯野が水を飲ませるも効果はなく、ぎめいの顔色は段々と蒼白となっていく。

為す術のない磯野に看取られながら、ぎめいは呼吸困難で絶命した。

「嘘……だろ」

「ハハハハ! 早速一人死亡確認。ドローン一斉攻撃までのタイムリミットは延長してやるよ、ゴミ共!」

スピーカーのアナウンスが、磯野を嘲笑うように響いた。

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