早朝、廃屋がまばらに並ぶ草原を疾走する設xキン名言botチーム。島の各地に設置されたモニターに表示された全体地図を逐次確認しながら、新たな安全地帯を目指す。「とりあえず卵様神社って所に立て籠もろう。神様を祀る場所だからある程度の広さはあるだろうし、堅牢だと思うから……」ハイテク狙撃銃とテーブルフォークを背負って走る応接_maniaが提案した。「確かにそれはいい考えですね。かつて人が住んでたはずの場所だから食糧もあるでしょうし」とフランス。「不安になったら卵様に祈りを捧げればいいしな!」学生キンは雰囲気を和ませるために冗談を言う。しばらくすると、廃村の中心部、古ぼけてはいるが大きい神社に辿り着いた。YouTubeの再生ボタンめいた意匠がある巨大な鳥居と、眼鏡をかけた人の生首を左右対称に加工したような神像が特徴的だ。参道を通り、拝殿の中に入ると、5人は座り込み、疲れを払うように息を吐いた。「一応、卵様に対しては礼儀正しく振る舞っておこう。バチが当たったらいけないし」ナミアリは毒針が畳に刺さらないように、カバーをつけて上着のポケットに収納した。「そうだね。参拝もしておこう」応接_maniaは手水舎に行って手を清め、拝殿の前に戻って正しい作法で卵様に祈りを捧げた。「まぁ、神様が実在するかなんて、正直言って正確にはわからないけどね。とりあえず食糧を探してくる」設xキン名言botは本殿へ歩いて行った。倉庫を漁り、食糧となるものを発見するが、「ゲッ、シュールストレミングかよ……」見つかったのは、臭すぎることで有名な保存食と、いくつかのアケビ、乾燥した大納言小豆であった。彼が残った四人の元へ戻ったその時!「そこにいるのはわかっているぞ!!」神社の外から響く声!5人が外を見ると、鳥居の下に二人の人影!「誰か居るんだろぉ!?この神社に!」酔っ払いめいた雰囲気を漂わせる男がStG44を構える。そう、StG44である!「え、あの銃って……!」設xキン名言botが青ざめる。「この銃は画鋲アイスキンって奴から奪ってやったのさ!片足無くして這いずり回ってやがったから殺してやった!」StG44を構えた男、マスカッキーが残酷な笑みを浮かべながら言う。「あまり敵を挑発するなよ?怒って捨て身の行動されたら溜まったもんじゃねぇ」マスカッキーの隣、キノコめいた帽子を被ったカスペリートがたしなめる。「うるせえ!俺は俺のやりたいようにやるんだよ!」そう叫ぶといきなり空き瓶破片爆弾を投擲!「隠れろ!!」学生キンが拝殿の扉を超高速で閉め、5人は奥にある箱の後ろに退避!時限信管により、破片爆弾は地面に落ちる前に爆発!拝殿の屋根と賽銭箱に無数の穴が空き、扉も半壊!「やばい……!反撃しないと!」応接_maniaは狙撃銃を持って裏口から退出、拝殿の屋根に登り始める。「これで終わりじゃねーぞー!!」マスカッキーはStG44を乱射。銃弾は拝殿内部にも到達し、畳が蜂の巣めいて穴だらけとなる!「この木箱の遮蔽じゃ長くは保たない!どうすればいいの!?」ナミアリの顔に焦りが生じる。応接_maniaを除いて、彼らは誰一人として飛び道具を持っていないのだ。「ハハハハ!弱い奴らめ!そこで役立たずの神に祈りでも捧げてグワーッ!?」マスカッキーの耳を銃弾が掠める!応接_maniaの狙撃だ!二人は急いで手水舎の後ろに隠れた。「バカ!相手も飛び道具を持ってる想定をすべきだろうが!まず遮蔽物に隠れるのは戦闘の基本だぞ!」カスペリートの叱責に対し、マスカッキーは聞く耳を持たない。「黙れ!」マスカッキーは手水舎から半身を出して射撃!屋根の上にいた応接_maniaの頭を銃弾が掠めるが、屋根の反対側に隠れて射線を切る。「クソッ!見えなくなりやがった!」マスカッキーは屋根ごと撃ち抜こうとして気づく。弾切れである。予備弾倉すらない。「アホ!ちゃんと狙って撃たずに弾を無駄使いするからだ!」「じゃあお前の毒ガス寄越せ!」マスカッキーはカスペリートの腰に下がったスプレー缶を奪おうと汚い手を伸ばす。「なんでだよ!それをやったら俺は丸腰じゃねえか!しかもこの距離じゃスプレーなんて届くわけ……」「いいから寄越せ!」「駄目だ!」遮蔽物の裏で子供めいた争いを始めるマスカッキー!「いい加減にしろよ……偉いのは……俺の方だ!!」頭に血が上った彼は、手水舎に置かれていた金属製の柄杓を取り、カスペリートの頭を思い切り殴りつけた!「グワーッ!!てめっ、」「オラーッ!」「グワーッ!」「オラーッ!」「アバーッ!!」図体だけは大きいマスカッキーの殴打は、カスペリートの防弾繊維キノコ帽の上からでも頭蓋骨を砕く威力。カスペリートはおびただしい量の血を流して事切れた。「勝つのは俺だ!!」マスカッキーは手水舎から一瞬身を乗り出すと、金属製柄杓を投擲!「グハッ!」応接_maniaの頭にクリーンヒット!その隙に拝殿へインターラプト!「ハハハ!出てきな!弱腰ども!」4人は木箱の裏から出ると、それぞれの武器を構える!「お前……応接_maniaに何をしたんだ!?」ナミアリが睨みつける。「あの狙撃野郎のことか?今頃気絶してんじゃねーか!?」笑いながら毒ガススプレー缶を構えるマスカッキー。「待って!それを噴射したら、貴方も死にますよ!?」「は?」フランスの忠告に、マスカッキーは首を傾げる。「缶に書かれてる文言からして、中身はVXガスでしょう? サリンやVXなどのコリンエステラーゼ阻害剤は皮膚からも吸収される。防護服もガスマスクも着けていないのにそれを噴射したら貴方自身も毒に侵される」しかし、化学的知識がなく、頭の出来も良くないマスカッキーには通じない。「うるせぇ!息止めて、後で体洗えばいいだろうが!? 派手にタヒね!」マスカッキーはVXスプレーを噴射!!「逃げろ!!」4人は踵を返して逃走しようとするが、遅い。琥珀色の毒霧に包まれ、瞳孔が収縮して視界が暗転、全身の筋肉が麻痺して転倒、吐き気と痙攣に襲われる。「ゲフッ、ガハッ! 助け……苦し…………」「ハハハハ!ざまあみろ!」呼吸困難で苦しむ4人を見て高笑いするマスカッキー。しかし、彼は自分の手にもVXの液滴が付着したことに気づかない。「よし、このまま毒の力で俺はこの戦いを制覇……ん!?」拝殿から出たマスカッキーは止まらない鼻水と涎、吐き気と息苦しさを覚える。「やべ、早く体洗って……カモワッ、カップコッ! コケケ…モエオオオォォォォ〜〜!!」たまらず参道に嘔吐するマスカッキー。手水舎に近づこうとするが、筋肉の麻痺で倒れ伏す。もう手遅れだ。数秒後、気絶から回復した応接_maniaは、辺りが静まり返り、マスカッキーが参道に倒れていることに気づく。急いで拝殿の中に入ると、そこには力なく倒れ伏す仲間たち!「みんな、何が起き……ゲホッ、ガパッ!」残留したVXをもろに吸い込み、倒れる応接_mania。(僕がみんなを守れなかったせいで……こんな……神様、卵様……お願いします……みんなを……助けて)呼吸困難によって遠のく意識の中、応接_maniaは自責の念に囚われた。視界は徐々に闇に閉ざされていき、彼は死を覚悟する。しかし!「……KIN TV……ERYDAY……IKAKIN TV EVERYDAY……」(え……?)応接_maniaは立ち上がった。体に毒の影響は無く、足元を見ると草原。目の前に見えるのは台湾の台南二寮觀日亭から見える日の出めいた幻想的光景。(まさか……ここが天国!?)輝く朝日よりもなお神々しく煌めくものが、空から接近してくるのを確認した。「……KAKIN TV EVERYDAY! HIKAKIN TV EVERYDAY!!」そう、それは間違いなく、彼が敬意を払い、祈りを捧げ、仲間の死に際して助けを求めた存在。(卵様……本当に卵様なのですね……!?)卵様は応接_maniaの目の前まで降下し、空中に留まった。彼はいきなり土下座した。(お願いします!僕の仲間を、あの4人を救って下さい! 僕に居場所をくれた大切な仲間なんです! 僕はどうなってもいいから、あの人達を助けて……!)左右対称の卵様の表情は、ピクリとも動かないように見える。しかし彼には、卵様が一瞬ウィンクをしたように感じられた。
爆光。
応接_maniaは拝殿の畳の上で目を覚ます。慌てて周囲を確認すると、眠たそうに起き上がる設xキン名言botたち。「あれ? 俺達、助かったのか……?」学生キンは周囲を見回す。VXが残留している様子はなく、拝殿の外にはマスカッキーの死体が見える。「体に異常がない。毒が消えたのかな?」ナミアリは筋肉に麻痺がないか確かめるように手を動かす。「体調が悪い人はいる?」設xキン名言botの問いに、是と答える者は居ない。「マスカッキーもカスペリートも死んでます!」外に出たフランスが報告する。応接_maniaは喜びの笑みを浮かべた。「卵様が……卵様が僕達を助けてくれたんだ!」「卵様が? そんな都合のいいことが起こるか?」と学生キン。「神が実在するかどうかは置いておいて、あのVXが粗悪品だった可能性が高いよね……」と設xキン名言bot。「本当に卵様を見たんだよ!僕が願ったらみんなを助けてくれたんだ!全員で感謝の祈りを捧げておこう!」応接_maniaの発言を4人は半信半疑で聞く。「まぁ、仲間の言うことなら、信じるしかないよね。卵様が実在してもおかしくないんだし」とナミアリ。「どの道助かった理由は不明なんだし、ここは応接_maniaさんの意見を信じましょうよ」とフランス。「なら、今から祈りでも捧げようぜ。 卵様が助けたってのが本当なら、真摯に祈ってれば何らかのメリットがあるかも知れないしな」学生キンがそう言うと、5人は改めて手水舎で手を清め、正しい作法で祈りを捧げた。各々が望むのは、勝利か、この絶望の島からの脱出か、はたまた自分達を殺し合いの運命へと陥れた政府への復讐か。それは、今の段階でははっきりしないであろう。
◆
ヒカ島の端にある崖。110弱は気絶から覚めた。腐敗し始めた迷シーン図鑑の死体が上に覆いかぶさっている。それを退けると彼は自身の首輪に装着された小さなボタンを押す。他の参加者の首輪には無いボタンだ。「おい、監視システムはしっかりしているのか? 俺はちょっとしたピンチになったぞ」「ザザザ……ザザー…すみません。衛星の電波受信に一時的なザザザー……具合が発生しておりまして。現在復旧完ザザッ…ました」「ちゃんと俺が生き残れるように計らえよ? 俺が他の参加者に攻撃されたらそいつの首輪を即座に爆破しろ」「もちろんです。ザザ……素破 牛碩さん。ザザザザ……の息子を死なせたら私も粛清どころではありませんからね」
110弱は通話を終了し、マチェットとM1911を拾う。だが、M1911は既に弾切れであった。「とりあえず戻るとするか。あの利用されていることにすら気づかないバカ共の元に」そう言って歩き出す110弱は、人工衛星のカメラでも見えないほど深い草むらに隠れた者に気づかなかった。「聞いちゃった……!」ボイスジャマーで自らの立てる音を消し、静寂の中に潜む者の名は、激エロ門田ヒロミ名言bot。この戦いの核心に迫る秘密を知った彼の運命や如何に!?